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目ざめよ! 1980
目80 11/22 16–19ページ

患者の願いが尊重された場合

ここに掲げるのは重態に陥った人に関する経験です。「目ざめよ!」誌が特定の治療方法や病院を支持している記事ではありません。

父は卒中で倒れ,その際,幾つもの合併症を起こしました。血液の凝固を防ぐ薬のために内出血を起こしていたようです。ヘマトクリット値は17に落ち(40が正常),危険な状態になりました。パームスプリングス市の,かかりつけの医師は輸血をすることを望みました。私の家族は,聖書的な理由から,それに代わる治療を望みました。

ロサンゼルス地区に住むハーク・ハッチンズ博士のところへ電話が掛けられました。ハッチンズ博士は,他の医療関係者たちと一緒に,鉄分,数種のビタミンおよび他の成分を使用する増血方法を開発した人物です。しかし,パームスプリングスの医師たちはその方法をよく知らず,何らかの危険が伴うと感じ,それを使うことをちゅうちょしていました。

その時点で,弟はニューヨークにいる私に電話をくれ,「お母さんはお父さんをヨルバリンダにある別の病院へ移すため救急車を呼んだ。お父さんは危篤状態だ」と言いました。

その日の午後,つまり今年の1月6日,日曜日に,私は妻と共にカリフォルニア行きの飛行機に乗りました。

解けぬなぞ

翌朝,私たちは自動車でヨルバリンダのエスペランザ・インターコミュニティ病院へ行きました。検査を繰り返しても,父の内出血がどこで起きているのか分からないため,医師たちには困惑の色が見られました。多量の血液がどこかへ行ってしまったのです。

12月31日にパームスプリングスの病院に入院した時の検査では,父のヘマトクリット値は40で正常でした。ですから,抗凝固薬のヘパリンが投与されてから二,三日で,父の血液の半分は循環系統からもれたか,何らかの方法で破壊されたのです。数人の医師は,これほど多くの血が失われ,しかもそれがどこへ行ってしまったのか分からないというケースは初めてだと語りました。

血液がどこへ行ったかは結局解からずじまいでしたが,私たちにとって,それは重要なことではありませんでした。肝心なのは,父の出血が止まったこと,そして父の容態が目ざましく良くなったことでした。

効果のある増血方法

エスペランザ病院に移ってから四日して,父の血液の酸素運搬能は25%も増えました。父は増血の特別な方法に良い反応を示しました。私はその方法についてできるだけ学ぶためにハッチンズ博士をつかまえて質問してみました。

ハッチンズ博士は74歳になる白髪の人物で,外科医として35年の経験を持ち,エホバの証人でもあります。ハッチンズ博士は父の容態が良くなったことに少しも驚いていない様子で,次のように語りました。「この治療をすれば,こうした結果になることはほぼ予想していました。すでに300人余りの患者をこの方法で治療して成功しましたが,その中には,ヘマトクリット値がお父さんよりも低い人が大勢いましたよ。しかも,思わしくない反応の起きた例はまだ一度もありません」。

私は,ハッチンズ博士がパームスプリングスの看護婦に電話で教えた増血方法の写しを持っていました。「なぜ医師たちはこの方法に難色を示すことがあるのですか」。私はその点を知りたいと思いました。

ハッチンズ博士はこう答えました。「どの医師もそうだというわけではありません。アメリカ各地の,エホバの証人の患者をかかえた医師たちから電話で問い合わせを受けました。この治療方法を知って喜んでいる医師も何人かいます。例えば,最近,カリフォルニア州のサンバーナディーノ市の一医師から電話がありました。その医師はこの治療方法をさっそく行ない,翌週,再び電話をくれて,経過は良好だと言っていました」。

「しかし,すべての医師がそうだとは限りませんね。父の治療にあたった医師たちは,その療法を採用することを恐れていました」と,私は言いました。

ハッチンズ博士はそれを認めてこう言葉を続けます。「ええ,そのことは承知しています。訓練を受けた専門家というのは他の分野でも同じでしょうが,医師たちも,自分が知っていて,その分野で一般に認められている方法や手順を使いたがるもので,それは無理もないことです。血液が失われている場合,医師たちは輸血するように教えられています。別の増血方法に対する研究は,あまり行なわれてきませんでした」。

「しかし,医師であれば大抵,この療法に用いられる物質のいずれについてもよく知っていると思うのですが」と,私は言いました。

「その通りです。しかし,私たちは主成分であるインフェロンを今までのところ一般に勧められてはいない方法で与えているのです。血を増やすインフェロン(鉄分の含まれているデキストラン)は,必ずと言ってよいほど,静脈注射ではなくて筋肉注射で与えられます。しかし,出血多量の患者には静脈注射ですぐに血を増やしてやらなければなりません。そして,すでに申し上げた通り,鉄分を血管に直接注入しても悪い反応は一度も起きていません」。

それは啓発的な説明だったので,ニューヨークへ帰ったらインフェロンについてもっと調べようという気になりました。医学文献を調べると,なるほど,インフェロンの使用に当たっては注意深くあるようにとの但し書きがありました。実際,ある医師は,インフェロンを静脈から与えられて死亡した患者がいると語っていました。そして,「そのような既成の考えに反することを行なうのに何の抵抗も感じない医師はまずいない」と言いました。

私は,自分が調べたこれらのことについての意見を聞くためにハッチンズ博士に電話を入れました。「インフェロンの使用に対して警告がなされていることは知っています。しかし,インフェロンを普通の食塩水で50倍に薄め,それを他の成分と一緒に点滴で患者の静脈の中へ入れていくので,これまで一つの問題も起きていません。こちらでは,今この方法は普通の治療法となっています」という答えが返ってきました。

ハッチンズ博士は,「非常に急を要する場合,これ以外にどんな増血方法があるでしょうか」と問いかけ,「輸血を除いて,ほかの方法を知りません」と自ら答えました。

ところが今日,血を取り入れることを禁ずる神の律法を尊重する人々が幾百万人もいます。(創世 9:3-5。レビ 17:14)それは,『血を避けるように』という,霊感による命令を堅く守るクリスチャンたちです。(使徒 15:20,28,29)それらのクリスチャンたちは,急を要する場合,危険を冒すことにはなっても,私の父の場合に効果のあった増血方法を受けるほかないと感じるかもしれません。もっとも,医師がそのことを快く承諾してくれるならばの話ですが。

各地から患者が来ている理由

驚いたことに,エスペランザ病院の患者のほぼ半数がエホバの証人でした。私の家族の場合と同様,その人たちも,この病院では輸血なしで治療を受けたいという患者の願いが尊重されることを知って,米国各地から来ていました。その治療に関する詳しい話は大抵劇的なものです。

23歳のラスティ・ロスは,コロラド州サリダからリア・ジェット機で運ばれました。この青年には出血性の潰瘍がありました。コロラド州の医師たちは,必要に応じて輸血することができなければ手術を行ないかねると考えていました。オレンジ郡空港に待機していた救急車がラスティをエスペランザ病院に運び込み,空港に着いてからものの1時間もしないうちに,医師たちは手術に取りかかりました。ラスティは出血多量で死にかけ,ヘモグロビン値は4(15ぐらいが正常)に下がりました。しかし,ラスティは危険を脱して急速に回復し,私たち夫婦が父に付き添って病院にいた時に退院しました。

アリゾナ州フェニックスから来た47歳の主婦ドロシー・ウェイナーの場合も同様でした。ドロシーは大腸潰瘍のために最寄りの病院に入院しました。ヘモグロビン値が下がって危険な状態になったため,医師たちは輸血なしで手術することを恐れました。飛行機でカリフォルニアに運ばれる時には,ドロシーのヘモグロビン値は4ぐらいになっていました。それが,手術のあと3に下がりました。血液がそのように少なくなって命を取り留める人はめったにいませんが,ドロシーは危機を脱しました。わたしたちがまだ病院にいた1月17日に,ドロシーはすっかり回復して退院しました。

医療

患者たちは優れた医療を受けているように思えました。この病院で一緒に働いている医師の一人にロン・ラピン医師がいます。ラピン医師は髪の毛の黒い,スポーツマン・タイプの,38歳になるイスラエル人です。エホバの証人ではありませんが,血に対してエホバの証人の抱く,聖書に基づく見方と同じ見解を取っています。

ラピン氏はこう語っています。「私はどんな患者にも決して輸血を受けさせないつもりです。ここ5年来輸血を用いたことがありません。しかし,その間に手術を受けた2,000人を超える患者を調べたところ,それらの患者が命を取り留めて回復した率は,輸血を受けた患者よりも良いか,さもなくばそれに匹敵するほど良いと思います」。a

エホバの証人の立場を認め,輸血なしで治療する医師は他の土地にも大勢います。全米各地の都市でもそのような医療施設が増えています。例えば,現在ニューヨーク市では,様々な専門分野でエホバの証人の治療に応じる医師を見いだせます。

また,わたしは,カール・L・ネルソン博士を主任とする外科グループがアーカンソー大学医学センター(州都リトル・ロックにある)において輸血なしで大腿骨骨頂人工関節手術を行なった記事を興味深く読みました。その記事にはこう書かれていました。「ネルソン博士によれば,そのグループは合衆国のほとんどすべての州から来た100人近いエホバの証人に手術を施した。『正直に言って,エホバの証人を治療した結果,すべての人に益が及んだと言えるだろう』と同博士は語った」。―アメリカ医師会ジャーナル,1978年1月16日号。

同様に,(北カロライナ州グリーンビル,東カロライナ大学の)外科医長であるウォールター・J・ポリーズ教授はある手紙の中でこう書いています。「私共は多くのエホバの証人を治療しました……そして,皆さんの教会員の誠実さと協力に皆感銘を受けております。率直に言って,大抵の場合,手術で他の患者よりも良い結果を得ています。皆さんが手術を受けないですめばそれに越したことはありませんが,もし手術を受けなければならなくなれば,皆さんの信仰の教えに従って手術を行なうことにやぶさかではありません」。

親切な看護

父の治療に当たったインド人の心臓病専門医ビィノド・マルホトラは興味深い考え方を持っています。「医者は患者の僕であるべきであり,自分の見解を患者に押し付けるべきではありません」とマルホトラ医師は言いました。その親切で温厚な物腰は患者の看護に対する態度にも見られます。例えば,マルホトラ医師はわたしの幼いおいたちがその祖父を見舞ったり,家族の中の大人の成員が病院の中で父につきっきりで看護をしたりするのを許してくれました。同医師によれば,「重態の患者は,愛する人々を一番必要としています。家族は患者にさわったり,体を支えてあげたりすることができなければなりません。ガラスの窓越しに病人と対面するといったことは必要ないのです」。

1月24日,父はようやくパームスプリングスの家へ帰ることができました。わたしは飛行機でニューヨークへ帰りましたが,妻は父の看護と,麻痺した右半身のリハビリテーションをさらに手伝うために数週とどまりました。

私たち家族は,あのような緊急な時に患者の願いを正しく尊重し親切に治療してくれる病院を見いだせてほんとうによかったと思っています。

[脚注]

a アメリカ医師会ジャーナルの1980年2月22/29日号はこう述べています。「ラピン氏は5年前,子宮外妊娠破裂の患者の手術を行なうよう仲間から依頼されて以来エホバの証人の頼みの綱ともなった人物である。その患者はほかのどの病院でも手術を断わられていた。ラピン氏は患者の信仰について何も知らないまま,手術を引き受けた。患者が輸血を受け入れないと分かった時,ラピン氏は今さら断わるわけにはいかないと思った。彼は,『5時間にわたる手術をやっとの思いで行なった』と語っている。その患者は元気になった。現在,ラピン氏は,『ヘモグロビン値の正常な人をどう処置したらよいか分からなくなってしまったくらいだ』と言っている」。

[18ページの図版]

私の父と,父の治療に当たった,ビノド・マルホトラ医師,ロン・ラピン医師,およびハーク・ハッチンズ医師

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