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  • 北極圏での生活 ― その楽しみ
  • 目ざめよ! 1981
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目ざめよ! 1981
目81 3/8 24–26ページ

北極圏での生活 ― その楽しみ

「すぐ帰って来てください!」

これは,一昨年の11月20日にノルウェーの日刊紙フィンマルケンの第一面に載った,太陽に対する呼び掛けの言葉です。

その理由ですか。

11月後半のその日,その新聞が発行されているバドセーの南側の地平線に太陽が沈んで,この北部ノルウェーの町ではこれから2か月間太陽を見ることはなくなりました。そして,バルデー,バーツフィヨルド,ベルレボーグ,ハンマーフェスト(世界最北端の町)など,さらに北方にある町や村では,バドセーよりも長い冬の夜が続きます。

長い間姿を見せなかった太陽がこれらの場所に帰って来ると,人々はそれを歓呼の声をもって迎えます。ソ連との国境に近い炭鉱の町キルケネスでは,学童たちが太陽をながめに山へ向かって行進して行きます。バドセーでは,太陽が二つの山の狭間に5分程輝くと,学校の子供たちには休みが与えられ,町はこぞってお祝いをします。もっと北のバルデーになると,14世紀のバルデーフスという要塞の大砲が,祝砲を撃ち鳴らして喜びを増し加えます。

1月ともなると,「着実に夏に向かっています」という声が聞かれます。

太陽が沈まない時

しかしこれにはさらに明るい面が伴っています。暗い冬期の1月に太陽をちらっと見た後にバドセーが喜びにあふれるのは,このあと3月の終わりから9月の半ばにかけて非常に日が長くなることを知っているからです。そうです,5月半ばから7月の終わりまでの,太陽が一度も沈まない期間が訪れることを知っているのです。

地球の極地以外の地域に住む人の大半には,日の出や日没の一定のリズムによって支配される生活のペースや型があります。しかし北極圏では,地球の裏側の南極大陸と同じように,このリズムは一年中安定することがありません。

地球の自転軸が傾いているため,北極点は6か月間太陽に照らされて昼間が続き,その間南極点では半年間に及ぶ夜が続きます。ですから一年中北極点上に住むとすれば,3月21日から9月23日までの半年間は昼間であり,残念なことに,その後の6か月間は,恐ろしいブリザードの吹き荒れる,凍てつくように冷たい夜が続くのです。居住地が北極点から南下すればする程,真夜中に太陽の輝く時間は短くなります。北極点から約2,600㌔の所にある北極圏限界線上では,太陽の一晩中沈まない日が年に一日,同様に太陽の全く昇らない日が冬に一日あります。

夜を耐えやすいものにしているのは何か

北極やその近くで,ノルウェーのように多くの人が住んでいる場所は世界中どこにもありません。北極圏限界線はノルウェーを二分しており,そのため国土の3分の1は北極圏にあります。実際,この3分の1の部分は,グリーンランドやカナダやアラスカやシベリアの,氷に閉ざされた非常に近寄り難い区域を含む緯度の範囲に属しているのです。

ところが,ノルウェーの西海岸に沿ってずっと北上している暖かいメキシコ湾流のおかげで,ノルウェーの気候は世界の他の北方の土地では見られない,温暖なものになっています。海岸地方の冬は暖かで夏は涼しく,どの港も冬期に氷結することはありません。陸地は無数の入江やフィヨルドで削り取られており,沿岸には1万9,200㌔の長さにわたって大小様々な島が散在しています。

ノルウェーの人口400万のうち,大まかに言って1割程が北極圏のノールラン,トロムス,フィンマルクの北部3県に住んでいます。これらの地域は長い間人々に愛されてきたように思えます。人間の活動の跡をたどってみると,ノルウェー南部の海岸に人々が住みついたと同じ程早い時期に,勇敢な漁夫や猟師たちがこの地域に入っていることが分かるからです。今日でも北極圏では,農夫,鉱夫,造船業者,船乗りそして非常に多くの工場労働者に加えて,たくましい漁夫や猟師たちを見かけます。

生来の楽天家?

数年前こちらに移って来たデンマーク人のある婦人は,ノルウェーの北国人は生来の楽天家であると述べています。「雨の降る冷夏には,『まだ快適な秋があるさ』と言います。でもそうならないと,『きっと暖かでいい冬が来るぞ』と言うのです。そして雪にうずもれ,ブリザードが吹き荒れているにもかかわらず,『今年は春が早い』と言ってのけるのです。また春が来ても氷点下の天気が続き,真夏の夜に雪が降ったりすると,『こんなに夏の来るのが遅いということは,きっと暖かでよく晴れるということだ』と片付けられてしまいます」。

楽天家であるかどうかは別にして,ここに住む人々は概して気性が快活です。冗談がすぐに飛び出し,問題が大げさにされることはありません。多くの場合人々は気さくで友好的であり,寛大です。それでバドセーの年配の一市民に,北国で住むことが楽しい理由を尋ねたところ,その人はこう言いました。「人々ですね。そして自然も。海をながめ,川で魚を釣り,険しい山道を登ったり,高原を歩いたりすること,これらすべては,他では味わうことのできない自由を満喫させてくれます」。

フィンマルクの魚工場で働くある若い人は次のように説明しました。「高原の湖で魚を釣るのはとてもたまりませんよ。とても自由で広々としています。周りのたくさんの樹木に圧倒されそうです」。

『光は快きもの』

この地で聖書を勉強する人の心にぴったり来るのは,『それ光は快きものなり 目に日を見るは楽し』という伝道之書 11章7節の言葉です。真夜中の太陽の目くるめくような美しさは,目に楽しいだけではありません。それは健康にも貢献します。

「暗黒の季節が近付くにつれ,人々は睡眠薬を求めるようになります」とバドセーのトレ・アスク博士は私たちに話してくれました。「不眠症に悩む人は少なくありません。就寝の時間を知らせる外部からの自然の信号が体に伝えられないので,人々は自然に疲労感を覚えることがありません。いつも暗く,朝起きるのは,とても大変です。人々には一日中疲労感が付きまといます。そのために多くの人々の神経は緊張します。一方,光の季節は人々を多くの面で築き上げ,冬の暗黒に耐えるように助けてくれます」。

南ノルウェーから来たアスク博士は,この土地とこの光にたちまち魅せられてしまったと語っています。「私は大変太陽に刺激されたので,寝る気持ちには全くなりませんでした。だれでも同じです。この興奮に満ちた夏の幾週かの間,人々は庭で,家で,車やボートを使って精を出すことがたくさんあるので,夜中がかなり過ぎるまで太陽の光の下で活動します」。

より快い光

グレート(デンマーク人),その夫カール・エリック(スウェーデン人),そしてノルウェー人の夫婦アーシルとエイビンドは,寛大で友好的で親切なその土地の人々が,別の種類の光,つまり地上のパラダイスが近付いていることを告げる聖書の快い音信に好意的に応じることに気が付きました。彼らは,エホバの証人の全時間の伝道者として,1975年の1月に,漁業の町バーツフィヨルドにやって来ました。会衆が設立され,わずか5年後に,その会衆は聖書の真理を熱心に伝える25名の成員を抱えるようになりました。

アーシルは次のように述べています。「私たちの区域には,バーツフィヨルドの3,000人の住民に加えて,ここから25,50,70㌔離れた漁村も含まれています。冬期に道路は閉鎖されるので,私たちは海岸線に沿って走る汽船を用いてこれらの村の一つに行きます。日曜の夜にここを離れ,月曜一日を使って村で宣べ伝える業と聖書研究に携わり,それから月曜の晩に汽船で戻ります」。

夏の彼らの活動について,アーシルはこう述べています。「私たちの一つのグループは辺ぴな地域に行き,小さな船を用いて孤立した家々を訪問しました。太陽は輝いており,人々は働いていますから,私たちは夜中の12時半まで人々を訪問し続けました」。

北極圏に住むノルウェーのエホバの証人は,29の会衆を持ち,570名を数える伝道者を抱えています。バーツフィヨルド会衆は,西部フィンマルクのハンマーフェスト会衆に次いで,エホバの証人の会衆としては世界で二番目に北に位置する会衆です。全部を合わせると,ノルウェーには7,000人ほどの伝道者がいます。

デンマーク及びスウェーデンから来たグレートとカール・エリックは,時々この不毛のフィンマルクの山地を離れて,温暖な地方に移ろうと話し合ったことがあります。二人はこう説明しました。「私たちには南へ下る口実がたくさんありますが,自分たちが落ち着くことのできたこの現在の場所について話し始めると,それはやや実行し難くなります。そしてどうしても,最後にはここ北極圏のどこかの場所が候補に上ることになってしまいます。私たちはここでお役に立てると思っています。広い土地がありますし,美しい環境に囲まれて自由と平和を楽しんでいます。そして聖書の真理に関心を持つ親切な人々もたくさんいます。

「それで私たちは,これからも春が早く来ることや,夏が暖かくなることや,冬が短くて過ごしやすいことを期待し続けるのです」。

[24ページの図版]

2か月半の間ずっと,太陽は沈まない

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