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  • 万引き ― 軽い罪,それとも重大な犯罪?
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目ざめよ! 1981
目81 7/22 21–23ページ

万引き ― 軽い罪,それとも重大な犯罪?

アメリカ南東部のある大きな百貨店の文房具売り場で,腰の曲がった白髪の老人が,包装されたペンと鉛筆のセットを神経質にいじっています。年老いたその男の人は通路のあちこちに目を配り,見るからにひ弱な体をゆっくりとよじって,後ろをうかがいます。その右手は体のわきに垂れています。指が素早く,しかも確実に動き,幅の狭い小さな箱は老人のコートのそでの中に消えます。老人はゆっくり立ち去りながら手を何気なくコートのポケットに入れます。ペンと鉛筆のセットはそのポケットの中に移りました。しかし,老人が出口まで行かないうちに,1本の手が老人をぐいとつかみました。老人はそのままドアの向こうに消えます。

それから23分後のこと,十代初めの少女二人が“バック・ツー・スクール・ウエア”という大きなサインボードの下に陳列されているセーターを時間をかけて見ています。明らかに二人は1枚のセーターが気に入っています。二人は代わる代わるそれを小さな体に当てて大きさを見ます。セーターをなでて,その柔らかな感触を味わいます。値札を見ると,決して安くありません。二人は何事か話し合っていましたが,そのうち忍び笑いをしたり大きな声で笑ったりして,あることを決めました。店員がいないことを確かめてから,一人が素早くスカートをまくり上げ,セーターを腰の回りに無造作に縛り付けて再びスカートを下ろします。二人が入口に着かないうちに,警報が鳴りました。事前に打ち合わせがなされていたかのように警備員が飛び出して来て,興奮し,まごついている少女たちを捕らえ,その3人もドアの向こうに消えます。

それとほぼ同じころに,包みを持った二十代初めの女性が電気時計付きのラジオをじろじろながめています。彼女は,ぴかぴかにみがかれたケースをなで回します。ご婦人方の寝室にはぴったりの品物です。その女性は時計を手に持って,1㍍ほど何気なく歩いて行きました。彼女がもどって来た時にはその時計付きラジオは影も形もありません。それは女性が持っていた包みの上げ底に隠されたのです。正面の入口でつかみ合いが始まります。女性は待っている車の方に突進します。二人の警備員が女性と運転手を取り押さえ,4人はドアの向こうに消えます。

れっきとした犯罪

これまでの話は本当にあったことです。どれも万引きの例です。アメリカでは,破産する小規模店舗の3件に1件は,万引きが直接の原因とみられています。同国において,万引きは,金銭のからんだ犯罪の中では最大のものです。

1978年,銀行強盗が銀行の出納窓口や金庫室から奪った金額は,現金と流通証券を合わせて2,500万㌦(約60億円)に上りました。一方,1977年の万引きによる損害は,約80億㌦(約1兆9,200億円)と推定されています。これは1日に2,000万㌦(約48億円)に上ります。専門家によれば,1979年には被害額が激増して100億㌦(約2兆4,000億円)に達したといいます。

アメリカの大半の州では,逮捕される万引きの3分の2が21歳未満の若者で占められています。しかし,万引きを働くのは若者だけではありません。この記事の冒頭に挙げた老人は90歳でした。一方,二人の少女は10歳と11歳でした。事実,小学校5年から万引きをする子供が現われると一部の専門家は語っています。

前述の少女たちの場合がそうでしたが,二人の人間が関係していると,いちかばちかやってみようという気持ちになって万引きをすることが少なくありません。また,会に入る資格を得るために,あるいは仲間から圧力をかけられたために,さらには注意を引きたいために万引きの行なわれることがあります。品物がどうしても必要だが,お金がないので万引きをするというケースはほとんどないということです。

これは素人の万引きについての話です。素人の万引きはあらゆる年齢のあらゆる階層の人々から成っており,盗む理由も一様ではありません。素人の万引きは,専門的な万引きに比べて数が多く,ねらわれやすい商店は大きな損害を受けます。

専門の万引きというのはそれを職業としている者たちのことです。専門の万引きは盗んだ品物を換金して生活費を“かせいで”います。ですから,専門の万引きは素人の万引きよりも高価な品物を盗みます。注文に応じて盗む万引きも少なくありません。例えば,テレビ,ラジオ,紳士服,くつなど何でも盗みます。すべては試着室の壁のみが知るところです。

店の警備員にとって,専門の万引きを捕らえるのはおまけがあたったようなものです。しかし,警備員が注意を要するのはこの専門の万引きです。武器を持っていて,苦しまぎれにそれを使うことがよくあるからです。専門の万引きを捕まえたときは注意しなければなりません。

厳しい手段が講じられる

万引きの増加傾向に歯止めをかけるために,アメリカのほとんどの商店は,現在厳しい手段を講じています。何百万㌦も費やして,精巧な電子探知装置が取り付けられました。ペンと鉛筆のセットを万引きして捕まった90歳の老人は,カメラにキャッチされ,交信用無線器で最寄りの警備員に通報されたのです。時計付きラジオを盗んだ女性の場合も同様の方法で逮捕されました。セーターを万引きした二人の少女の場合は,セーターの見えない所に付けてあった非常に小さな電子装置が電子の目を通った時に低く警報を鳴らしたので,捕まりました。その電子装置は,店員が客に品物を手渡す時に取りはずせるようになっています。

万引きの基本的な手口や技術を見逃さないための特別な訓練を従業員に対して実施している商店は少なくありません。人を雇って万引きの役をさせ,これを逮捕する場面を演じて,自分の店では強硬な手段を取っていることを示す店もあります。幾人かいる警備員の中の一人がただの“買い物客”を装い,大抵はワゴンを押しながら,万引きを監視することもあります。

百貨店の警備室に連れて行かれた90歳の老人は,まず武器を携帯していないかどうか検査されました。次いで,老人が持っている幾つかの権利が読み上げられました。もっとも,そうすることは義務付けられているわけではありません。老人の万引きは初犯であることが確認された上,高齢であることも考え合わせて,百貨店側は老人に対し罪を認める文書に署名することを求め,店に二度と来ないように申し渡しました。10歳と11歳の二人の少女には精神的な懲らしめが与えられました。店の中の人々が見ているところで逮捕された上,両親が呼び出されて“保釈金”を請求され,再び逮捕されたらどんなことになるか警告が与えられたからです。この経験から,少女たちは万引きが重大な犯罪であることを学ぶでしょう。

しかし,若い女性の場合,百貨店側は上の2件の場合ほど情け深くありませんでした。自動車を調べたところ,その店からだけでなく市内の他の店から万引きした数百㌦に相当する商品が見付かりました。その女性は“注文”の品物を盗む小人数の万引きグループの一味だったのです。彼女と相棒の運転手は犯罪を3度重ねた者として起訴されることになります。

親にできること

親として子供を気遣っておられる方であれば,万引きが重大な犯罪であることをお子さんに話してあげてください。商店の経営者は,盗まれた品物の値段や犯人の性別,年齢,人種,社会的地位に関係なく,万引きを働いた者に対して強い処置を講じています。万引きをしたかどで有罪となれば,警察の犯罪記録にとどめられ,仕事に就くことも奨学金を得ることも難しくなります。また,お金を借りることさえできなくなるでしょう。また,人の経歴を調べることはごく一般に行なわれていますが,そのたびに不利な立場に立たされます。

万引きしたセーターを家に持ち帰った少女は,親に何と言うつもりだったのでしょうか。友だちと交換したのだと言うつもりだったのでしょうか。何も疑わない親にとって,それは“完全なアリバイ”となることでしょう。お子さんが自分の小遣いでは買えないような品物を持っているのを知ったら,あなたはその見慣れない衣服やアクセサリーをどうして手に入れたのかためらわずに尋ねるでしょうか。お子さんがしょっちゅう“掘り出し物”を見付けて来るなら,事情を調べるでしょうか。値引き商品にしては信じられないような安い品物が家に持ち込まれるなら,どうもおかしいと感じることでしょう。1万円のスカートが1,500円そこそこになっていたなら,インフレの折からそれは変だと思うのではないでしょうか。お気に入りのレインコートや,いやに大きなハンドバッグが“買い物に行く”時だけに使われるようなら,要注意です。それらを持って行く理由を恐れずに尋ねてください。店の警備員が尋ねるより親が尋ねるほうが勝っています。

1年前にアメリカのオレゴン州では,商店が,盗品およびその商品の価格と同額のお金,それに罰金を請求する手紙を万引きをした人々に送ることが法律で認められました。支払いを拒否すれば簡易裁判所で裁判を受けることになります。ほとんどの人は,それを支払います。未成年者が万引きを働いた場合は,親が責任を問われます。中には腹を立てる親がいます。ある親は子供が万引きを働いた商店に次のような手紙を寄せました。「お喜びください,万引きを働いた子供は我が家の地下室でくつわをはめられロープで縛られています。子供に対する監督を完ぺきなものにするにはこれ以外に方法がありませんからね」。しかし,感謝する親もおり,子供に新聞配達をしたり小遣いをためたりして罰金を払わせ,罪を自覚させています。

いわゆる友人の挑戦の言葉や圧力に抵抗するようお子さんを励ましてください。それに負けるなら重大な結果を招くことになります。現在の古い世とその貪欲な精神は足早に過ぎ去ろうとしています。今の世の中ではごくあたりまえのこととなっている,人の物を盗むという行為を決してしないようお子さんを励ましてください。『盗む者は神の王国を受け継がないのです』。(コリント第一 6:10)悪に対する憎しみと良い事柄に対する愛をお子さんに教え込んでください。そうすればお子さんは間近に到来するエホバ神の義の新秩序において想像を超えるほどの所有物を得るでしょう。―箴 8:13。

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