時を刻む“世の終わりの時計”
1947年のこと,核戦争を懸念する原子力科学者たちは,自分たちの抱いている恐れを劇的に表現するために“世の終わりの時計”なるものを考案しました。以来その時計は,「原子力科学者ブリテン」と題する出版物の象徴として大変よく知られるようになりました。その時計の針が午前0時を指す時には核戦争が始まっているということになります。
最近その針が進められ,それまで0時7分前を指していたのが,0時までわずか4分を残すのみとなりました。一挙にずいぶん進められたものです。過去33年間に時計の針が進められたのは10回だけです。
世界に核戦争が起ころうとしていると科学者たちが考えるのはどうしてでしょうか。それは,第二次戦略兵器制限条約(SALT II)がうまくゆかず,米ソ両国が“限定”核戦争を行なう用意のあることを明らかにしたからです。