世界展望
科学者たちは『奇跡を信じる』
● 英国の著名な天文学の教授フレッド・ホイル卿は最近,地上で生命が自然に発生することはあり得ない,とニュー・サイエンティスト誌上で述べた。「生命に不可欠な無数の生物高分子物質のたった一つの組み合わせの配列でさえ,この地球上の自然の過程から生じるはずはないということを天文学者一般は一体いつになったら理解するのか,私には分からない」。それとは逆に,生物学者はそうしたことが生じ得るという保証を天文学者に与え,さらに生物学者は同様の保証を“他の人々”から与えられてきたと同教授は指摘している。「“他の人々”とは,非常に公然と数学的奇跡を信ずる人々の集団である。彼らは,通常の物理学の範囲外に,自然の覆いに隠されて,奇跡を行なわせる法則が存在するという信条を唱える。(ただし,その奇跡は生物学を助けるものである。)……生物高分子物質だけではなく,生きた細胞の操作プログラムもこの地球上の有機体の原始スープの中で偶然に得られたとする考えは,明らかに愚の骨頂である」。
“有名に”なる
● リスボンの有力な日刊紙ディアリオ・デ・ノチシアスは最近,ポルトガル人の生活における宗教をテーマにした調査の結果を公表した。その記事には,「エホバの証人: 2番目に有名な宗派」という副題が付けられ,ポルトガル人の圧倒的多数はカトリックを信奉しているが,エホバの証人は,ユダヤ教やプロテスタント全体と比べ,カトリックに次いで大きな信者の集団となっていると指摘されている。
“ディスコ人力車”
● アジア各地で見られる美しい人力車タイプの乗り物が,一般の人々から多くの非難を浴びるようになっている,とマニラのデプスニューズ社は伝えている。このフィリピンの通信社は,「それらの車は大きな騒音を出し,交通を混乱させ,事故を起こし,犯罪の増加の一因となっている」ことに言及している。気持ちをいら立たせるこの騒音は,車に取り付けられた小型のモーターと,その車を,“ディスコ人力車”に仕立てるために携行されているポータブルラジオから出ていると言われる。
「公共心のある隣人たち」
● ものみの塔協会のニューヨーク農場の近くにあるパイン・ブッシュ地区で発行されているシティズン・ヘラルド紙に,「感謝されている仕事」という題で,編集者に寄せられた手紙が掲載された。「レッド・ミル通りに住む者として,またシャワングンクの一町民として,この夏“ものみの塔協会”が道路の改修のために行なわれたすばらしい仕事に心から感謝していることをお伝えしたいと思います」,と協会のこの隣人は書いている。この婦人は手紙の中で,道路の改修のためにどれほど多くの業がなされたかを述べ,こう結論している。
「この活動を行なっていた月々,この仕事に携わっていた若い人々は,これ以上は示せないほどの礼儀正しさと親切を示してくれました。可能な場合に,ものみの塔の車はそばを通る車を優先させていました。滞りは最小限にとどめられました。レッド・ミル通りの改修工事という責任を自発的に引き受けてくださったこのように精力的で公共心のある隣人がおられることに感謝いたします。この道路沿いに,そしてこの町に住むわたしたち全体が,この立派な仕事から益を受けました」。
小さな車
● フランスの運輸省は,フランス国内の路上に,『ボアトゥレッテ』と呼ばれるプラスチック製のミニ自動車が3万台ほど出回っているものと推測している。二人乗りのこの小さな自動車は幅が約1.2㍍,長さが約2.1㍍で,経済性の高いスクーターのエンジンを動力源としており,最高時速はおよそ40㌔である。運転免許証やナンバープレートなしに,また登録料を払わずにこのボアトゥレッテを運転しても違法ではなく,保険料もかなり安い。こうした特色のため,またどんな狭い駐車場にも割り込めるため,この小さな車はパリっ子の間で特に人気がある。しかしフランスの消費者団体の雑誌は,この豆自動車には欠点がないわけではないと述べている。安全性に欠け,馬力が弱く,事故に対する抵抗力がほとんどないので,3,750㌦(約82万5,000円)という価格はあまり買い得ではないと言われている。
司教になるために
● 中国の一新聞によると,新しくカトリックの司教に選ばれた太原<タイユワン>のある中国人は,教会の儀式の中で,政権を取っている党に対する忠誠を誓うよう求められた。この人は聖書の上に手を置き,祭壇の前にひざまずいて,「中国共産党と人民政府の指導に固く付き従い,社会主義の道を歩み,憲法……および政府が布告するあらゆる法律と布告に敬意を払う」ことを誓った,とこの報告は述べている。
『本当のクリスチャン』
● 米国ワシントン州ポート・アンジェレスのデーリー・ニューズ紙のコラムニストであるジャック・キャディは最近自分の担当するコラムに,エホバの証人の訪問を受けた後に客人と交わした会話を書き記した。その時にはエホバの証人たちを招じ入れることができなかったため,このコラムニストは,「私は次善の策を取り,1週間後に会う約束をした」と述べた。エホバの証人がその場を立ち去ってから次のようなことがあった,とキャディは書いている。
「友人はこう尋ねた。『ありとあらゆる宗教を調べつくした君ほどの人が,なぜよりによってこんな人々を擁護するのかね』。『キリストだ,これらの人々は本当の意味で根源的なクリスチャンなのだ』と私は言った。『ほかの人たちは違うのだろうか』。『違う,ほかの人たちの大半は違う』。それから私は,キリストが兵士たちに対し『殺してはならない』と言ったことを友人に指摘した。キリストはただの一般市民にではなく,兵士たちに話していた。証人たちはこのことを真剣に受け止めているが,他の宗教は事実上この点に全く無とんちゃくだ。ほとんどどの宗教も,“必要性”や“聖戦”について語る。
「エホバの証人は,人の命を奪うことを自分たちに求める政府あるいは軍部の何らかの計画に加わるよりも,むしろ幾度も刑務所に送り込まれてきた。そのグループの男たちは,せきたてられるように軍隊に志願した他の大勢の男たちより多くの非難と暴力を身に受けた。……この国の国民が本当のクリスチャンであったなら,軍備競争などはなくなっていたであろう。……私は友人たちにこのような結論を話した。『だから,いわゆるクリスチャンの多くは,二束三文の偽クリスチャンの集まりなのだ』。友人たちはこの意見に同意してくれた。……私はこれらのエホバの証人たちの訪問を楽しみにしている。恐らく何かを学ぶことができるだろう」。
「自由のいしずえ」
● ニュージーランド,ワンガヌイ市のワンガヌイ・クロニクル紙の最近の社説は,エホバの証人が宗教上の理由から輸血を拒むことについて論評して,こう述べた。「せんじ詰めてみれば,どんな宗教団体も望む通りに聖書を解釈して構わないはずだ。それこそ信教の自由の意味するところである。……[エホバの証人たち]は,自分自身や自分の子供たちが手術台の上で死ぬかもしれないという見込みを受け入れる際,他の人ほど苦しまないわけではない。ところが彼らは,理解したところに従い,神のご意志にのっとって生きていることを確かに知っているので,その危険を何とも思わない。そしてそれは,彼らの特権であるだけでなく,民主主義における信教の自由のいしずえである」。
空港の歳入
● 主要な空港では,普通,駐車場に車を置くと料金を取られる。駐車料金から得られる歳入は,空港の収入全体の中でかなりの割合を占めている。例えば,ダラス-フォートワース地域空港の場合,駐車する車から1年間に1,700万㌦近く(約37億4,000万円)の収入があり,同空港の全歳入のほぼ4分の1に相当する。それは,航空会社が着陸料として支払っている1,900万㌦(約41億8,000万円)に近い額である。ロサンゼルス国際空港では,駐車料金が全歳入の18%近くを占めており,シカゴのオーヘア国際空港では約17%を占めている。そしてニューヨークの“3大空港”であるケネディ,ラガーディア,ニューアークの各空港の場合,駐車料金は全歳入の約12%になっている。
カモにご用心
● PCB(ポリ塩化ビフェニール)という化合物の汚染のため,ニューヨーク州のハンターたちは,射止めたカモを多量に食べてはならないと保健省から警告された。動物実験で発ガン性が見られたこの化学汚染物質の濃度は,カモの体内で国が定めた最大許容量を超えていた。保健省は,一月に3度以上カモを食卓に載せないようにと提案した。さらに肉に風味を加えるためこの鳥に詰め物をして焼く場合には,詰めた物は捨てるべきである。それが汚染物質を吸収し,熱を加えてもそれらは破壊されないからである。汚染物質は,産業公害の結果として水系に入り込む。同様の警告はモンタナ州当局から発せられているが,これは,塩化含水炭素の別の汚染物質であるエンドリンに汚染されたカモに関するものである。
発明者の嘆き
● “テレビの父”と呼ばれることもあるロシア生まれの米国人技師ウラジミール・ズウォーリキンは,自分は決してテレビを見ないと述べている。ズウォーリキンは,1923年,34歳の時に,初めてテレビの特許を取った。92歳の誕生日を迎え,この人はテレビという媒体の技術面の進歩についてこのように述べた。「技術はすばらしい。色は私の予想を越えたものである」。では内容はどうだろうか。「私だったら自分の子供がこういうもののそばに寄ることさえ許さないだろう。テレビがやっていることは恐ろしい」とズウォーリキンは語った。
無害と報告されたVDT
● ワードプロセッサとホームコンピューターが普及するにつれ,避けられないのは,こうした装置を用いて長時間働いた場合,オペレーターは,有害な放射線にさらされることはないかという疑問である。最近,カナダ医師会ジャーナル誌は,10年間にわたる研究の結果,テレビ端末器(VDT)から発せられるX線は,テレビに吸収され,放出されないことが判明したという報告をしている。したがって,その報告の主張によると,VDTを用いて仕事をしても,白黒テレビを見る時と同じほど害がなく,オペレーターは有害な放射線を浴びることもない。目と筋肉の緊張に関しこの報告は,「同じ場所にとどまり,目をいつも使っていなければならない」ほかの機械相手の仕事よりもストレスが多いことはないはずだと述べている。
屋内の空気汚染
● ニューヨーク・タイムズ紙によると,米国マサチューセッツ大学で開かれた屋内の空気汚染に関する会議の席で,屋内の空気の最も有害な汚染物質として,「燃焼の結果出る様々なガス,小さな粒子,放射性の気体」そして「たばこの煙」が列挙された。その会議の席で行なわれた報告の一つは,料理にガスを用いる家庭の子供たちは,電気コンロを用いる家庭の子供たちより,「せきやたんがかなりひんぱんに出る」と述べている。そうした家庭の子供の呼吸の能力や肺の健康度が比較的低いという報告もあった。同様に,英国教育協議会は,親がたばこを吸う家庭の子供たちは,気管支炎や他の呼吸器系の病気にかかりやすいと発表している。この問題は,省エネルギーのため家を閉め切ることの多い冬の月々に,重大な問題となる。