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目ざめよ! 1982
目82 9/8 22–24ページ

ゴールドラッシュ ― 1980年代版

オーストラリアの「目ざめよ!」通信員

貧富を問わず,多くのオーストラリア人の間に黄金<ゴールド>熱が広まっています。最初のゴールドラッシュが見られたのは100年ほど昔のことです。今日また,金を探す人々は,電子センサーを装備し,金を掘り当てようと土をかき回しています。そしてある程度成功を収めています。

ウエスタン・オーストラリア州では,二人の原住民の山師が1分間に600㌦相当の金を見付けていたということです。別の青年は,金属探知器という武器を駆使して,270㌘ある約6,000㌦(約138万円)相当の天然の金塊を見付けました。また別の人は,285㌘ほどの重量の金塊二つを掘り出しています。オーストラリア南東部では,優れた感度を持つ金属探知器を用いて,一組の夫婦が27.2㌔もある“珍品”とも言える金塊を探り当て,それには100万㌦(約2億3,000万円)の“正札”が付いています。それは地表からわずか15㌢の場所に埋もれていました。

しかし,荷物をまとめて金鉱地へと向かう前に,正体のはっきりしないその目標物についてもう少し知りたいと思われることでしょう。金とは一体どんなもので,どこで発見されるのですか。金に似た黄鉄鉱,黄銅鉱のたぐいについてはどうですか。そして金はあなたにどんな益をもたらしますか。あるいはどんな影響を及ぼしますか。

黄金のきらめき

過去の歴史を明らかにしようと試みた研究者たちは,過去の支配者たちが残した黄金の遺産を目にして畏怖の念に打たれました。1873年,古代ギリシャの都市トロイを探し求めていたハインリッヒ・シュリーマンは8,700点の黄金製の物品を発掘しましたが,その中には1万6,000個の金で作られた王冠が含まれていました。少年王ツタンカーメンの墓が3,000年以上たってから開けられた時,考古学者たちは,黄金の座,黄金の神殿,黄金のマスク,金むくの柩などから成る黄金の世界を見いだしました。

最近では,米国のフロリダの沿岸に沈んでいたスペインのガリオン船から,幾百万㌦もの値打ちのあるダブロン金貨が引き上げられました。バーミューダー沖の水中の墓からは,七つのエメラルドをちりばめた黄金製の十字架が一つ出てきました。1万8,000㌦(約414万円)から5万㌦(約1,150万円)もの価値がある十字架です。

このような様々な発見は,金に備わっている非常に際立った特質の一つ,つまり光沢の永続性を強調します。スペインのダブロン金貨は幾百年という長きにわたって水中に没していたにもかかわらず,造られた当時と同じほど新しく見えました。

金は極めて重く,その原子構造も密です。また可鍛性もあります。光を透き通すほどに薄く,伝えられるところによると1㍉の1万分の1ほどの薄さにまで伸ばして金ぱくにすることができます。また線状に引き延ばすこともできます。わずか1オンス(31.103㌘)の金から,長さ60㌔を優に超える細い針金を作ることができます。

色といい光沢といい金塊に間違いないと思われたものを掘り出したところ,残念ながら黄鉄鉱だったという経験をした熱心な山師は少なくありません。黄鉄鉱は外見こそこの貴金属に類似していますが,その主成分はイオウです。白い陶磁器タイルの裏をその金属の塊でこすってみるだけで,簡単なテストができます。黄鉄鉱の場合には緑色がかった黒い線ができますが,黄金色の線が出れば,それは純粋の金のきらめきということになります。

金を求めて

今あなたの足下に金があると言っても間違いではないでしょう。それは,世界中のどんな土壌や岩石の中にも存在しており,どこの海水にも含まれているのです。ところがごく微量であるため,それを抽出することには,その金の価値をはるかに上まわる費用がかかります。南アフリカにある現代の金鉱においてさえ,わずか1オンスの金を産出するために,5㌧もの鉱石を処理しなければなりません。

1850年代の10年間,オーストラリアは世界の金の50%を産出していました。しかしそれはつかの間の栄光の時代であり,今では南アフリカが金の産出国の首位を占めており,その後にはソ連,カナダ,アメリカが続いています。とはいえ,これらの事業の多くは厳密な意味での“金鉱”ではありません。むしろ,亜鉛,銅などの鉱物の採掘の副産物として金が回収されているのです。

現代では,営利目的の企業が金の探索を行なう場合,地質学者や化学者の専門知識を駆使し,注意深く計画された巧みな方法が採用されます。地表の近くであろうと,地中深くであろうと ― 南アフリカのある鉱山は地中へ5㌔掘り進んでいる ― 金の所在地がはっきりすると三つの基本的な作業が行なわれます。まず第一に,鉱石が普通の方法で採掘されます。次に,化学的過程と機械的過程の一方あるいは双方を用いて,金を分離します。それから金を精練,つまり純化し,延べ棒の形に鋳造します。―1978年8月22日号の「目ざめよ!」誌をご覧ください。

金本位制

20世紀の初頭には硬貨を造るための金や銀が不足していました。そのため諸政府は,世界大戦(1914年)の際の必要に迫られ,大規模に紙幣を発行し始めました。やがて金貨は鋳造されなくなり,もっと安い金属でできた硬貨がそれに取って代わりました。今では,数多くの国々でアルミニウム製の硬貨が製造されています。

金が紙幣価値の裏付けの用をなさなくなったので,一国の富の他の分野,例えば石油や不動産などがその代わりをするようになりました。国際貿易が盛んになりましたが,国ごとに貨幣価値が異なるため,公平な為替相場を定めることが困難になりました。そのため1944年に国際通貨基金(IMF)が国々の間の安定した為替相場を確立し,それを維持するために設立されました。100以上の国々がそれに加盟し,自国の通貨が“金に匹敵する”米ドルへと換算されることに同意しました。米ドルを所持する外国人は,その米ドルを35㌦に付き純正の金1トロイオンスと兌換できました。

ところが,やがて米国は,金による支払い能力を超えて外国に対する支払い義務を負うようになり,1971年には,そうした海外の買い手に金を支払うことは行なわれなくなりました。米国の通貨が金本位制を離脱した時,金の価格は驚くほど急騰しました。1934年から1971年までは1オンス35㌦でしたが,1980年の初めには,それが1オンスに付き875㌦に跳ね上がりました。しかし今日では1オンス当たり400㌦を上下しています。

金だけが役立つとき

金全体の約6割は,銀行や政府当局が保管しているものと推測されています。残りは非常に積極的に用いられています。この貴金属の合金は宝石の台に使われ,驚くほど美しくあしらわれます。金は良質の陶磁器の中に混ぜられることがあり,一方金ぱくは,会社の窓のサインや,本の表紙の文字などを目立たせるために用いられています。

金製の装身具を詳しく調べてみると,その中に3ないし4個の小さな刻印があることに気付くでしょう。これらの刻印の一部は商標や取扱い者の印ですが,純度検証刻印もあります。それは,銅や銀などの主要金属に関連した,純金の含有量を示すものです。金の純度はカラットで測定されます。24カラットの純金は,軟らか過ぎるためこうした装飾品に用いられることはまれにしかありません。より一般的な純度検証刻印は22であり,その中には重量の割合で金が22,主要金属が2,含まれています。

宇宙飛行士がロケットで月へ向かった時,太陽からの高熱や放射線に対処することが必要でした。金は太陽光線の98%までを反射できるため,宇宙船の重要な部分には金の膜が施されました。同様に,宇宙遊泳の際には,ヘルメットのバイザーや重要な“救命索”に,薄い金の膜が付けられました。近代的なジェット機にも,重要な部品や人々を熱にさらされないよう守るため金の膜で覆われた部分があります。

金は電気の良導体であるため,小型電子回路,コンピューター,水中通信システムなどにおいて使用頻度が高まってきています。

金は無菌で安定しているので,歯科医学の分野で,歯の補修や義歯に用いられています。歯に金をつめてもらったなら,笑った時の歯のすき間を埋めるために毎年用いられている推定75㌧に上る金の一部を使ったことになります。医学の分野では,放射線療法に際して体の重要器官を守るために,金が経口剤として与えられることがあります。まだ未発達の段階ですが,関節炎やガンの治療,外科的な治療にも用いられています。

最近オーストラリアの様々な州で金が発見されたことは,黄金熱が広まる大きな要因となりました。ビクトリア州だけでも,採掘者としての権利を保持する人々は1年で3,500人から2万5,000人に増加しました。あなたは,1980年代のゴールドラッシュに参加するおつもりですか。

もしそうであるなら,用心が必要です。“熱”という言葉が金探しに用いられていることにはそれなりの理由があるのです。金と聞くだけで用心する気持ちを捨て去り,自分の人生の肝要な部分を成してきた様々な基準を犠牲にし,自分の資力以上のお金を費やし,愚かなほどにそのために時間をつぎ込み,経済・感情・家庭の面でも完全な身の破滅を招くことがままあるからです。

2年前に,金を探す一人の女性とその若い息子がオーストラリアの奥地に車で入り込みました。約6か月後,ようやくその車と二人の死体が捜索隊によって発見されました。ラジエーターにはまだ水があり食糧も沢山残っていました。しかも二人は井戸から1㌔も離れていない所で死亡したのです。

したがって,1980年代のゴールドラッシュに心を奪われているのなら,探し出したいと思っている金のことだけでなく費用のことも必ず考慮に入れるようにしてください。思ったよりも高くつくかもしれません。テモテ第一 6章9,10節の中にはこう記されています。「しかし,富もうと思い定めている人たちは,誘惑とわな,また多くの無分別で害になる欲望に陥り,それは人を滅びと破滅に投げ込みます。金銭に対する愛はあらゆる有害な事がらの根であるからです。ある人たちはこの愛を追い求めて信仰から迷い出,多くの苦痛で自分の全身を刺したのです」。

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