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  • 第3部 ― 第一次世界大戦 ― それは人間最後の時代への序曲だったか

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  • 第3部 ― 第一次世界大戦 ― それは人間最後の時代への序曲だったか
  • 目ざめよ! 1984
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目ざめよ! 1984
目84 1/8 12–15ページ

第3部 ― 第一次世界大戦 ― それは人間最後の時代への序曲だったか

前号の第2部では,この戦争がどのように世界戦争にエスカレートしたかを説明しました。長期にわたる消耗戦の末,連合軍は同盟国を力づくで降服させました。その後,新たな平和の時代の夜明けが訪れたでしょうか

「午前11時ごろのことだった。それより少し早かったか遅かったか定かではないが,それはどうでもいいことだ。射撃がやんだ。そのためにすべてのものが,地球さえも地軸の上で止まってしまったかに思えた。何と悲しい,死のような沈黙であろう! 気の狂いそうな沈黙だ。それは正常なこととは思えなかった。沈黙は戦争の騒音より不快であった」。第一次世界大戦の退役軍人であるダニエル・モルガンはそのように回想しています。

1918年11月11日,ヨーロッパ全土にわたり,強力な戦争の車はきしみながら停止しました。しかし,多くの兵士にとって,新たに見いだされた平和もあまり喜ばしいものではありませんでした。死と,手足を切断された体と,かみ殺した泣き声の恐ろしい幻影にさいなまれなくなるまでには長い年月がかかりました。

しかし,ロンドンやパリのような場所では時計が11時を告げるや,どっとお祭り騒ぎが始まりました。見知らぬ人々が抱き合い,街路では男女が組んでダンスが始まりました。多年にわたる欠乏と苦難は,平和を祝う病的興奮状態のうちに消え去るかに見えました。

敗北を喫したドイツ人でさえ歓びのいわれを見いだしました。皇帝が退位したのです。彼らは,『戦争に憂き身をやつす指導者からついに解放される』と考えました。しかし,敗北の実がいかに苦いものとなるかということを考えていた人はほとんどいませんでした。

戦争の余波

戦争がもたらした変化は広範にわたりました。ドイツは海外の植民地のみならず,ヨーロッパ内の領土の一部をさえ奪われてしまいました。ドイツ皇帝は亡命し,かつては不規則に広がっていた巨大な国,オーストリア-ハンガリーは分断されました。ドイツのハプスブルク家は存在しなくなり,ドイツの連合国であったオスマン帝国(トルコ)は無力となりました。ロシアでは革命が生じて,ソビエト社会主義共和国連邦が誕生し,世界はやがてこの勢力を無視し得なくなります。

殺された900万人の兵士と,死亡した1,200万人以上の一般市民の白い十字架の墓標の列が延々と続き,美しい景色を損ないました。そして,戦争による破壊がまだ十分でないかのように,死の災厄 ― スペイン風邪 ― が間もなくヨーロッパ全土を襲い,幾百万も多い犠牲者を出しました。

聖書研究者たちは,戦争の後に「死の災厄」が続くという啓示の預言に目を見張りました。(啓示 6:4,8)しかし他の人々は,それよりもむしろ戦争のない世界の見込みに驚嘆しました。それでも,「近代ヨーロッパの政治史と文明史」と題する本は,休戦についてこう述べています。「正式の平和が訪れたが,それは千年期を招来するには至らなかった……20世紀の最初の20年間を振り返ってみる時,世界大戦 ― 先行する事情,戦争の過程,その直接の結果など ― は歴史的な一時代の終わりと,別の一時代の始まりを画したと我々は考える。それは,政治的にも経済的にも知的にも以前とは異なったヨーロッパ,異なった世界を招来した」。

しかし,その「異なった世界」とはどのようなものだったのでしょうか。

平和への試み

1918年1月8日,戦争の終わる数か月前,米国のウィルソン大統領は世界平和のための幾つかの提案を略述した有名な「十四カ条」を発表しました。ウィルソンは帝国主義の時代を終わらせることと,すべての国々の独立と不可侵性が国際連盟により保証されることを望みました。ウィルソンの書き記したものは,1919年1月18日に招集されたベルサイユ平和会議の隅石となりました。しかし,戦勝国の側には,和平に関して独自の考えが幾つかありました。

それらの国は,ドイツにできるだけ重い罰を課すことを熱望し,そのために征服者たちは,ばく大な額の賠償金の支払いと厳しい制限をドイツに課しました。それは,ドイツの影響力を世界の舞台からこれを限りに消し去ろうとする試みでしたが,成功しませんでした。ドイツ国民はこれらの和平の条件に憤り,これらの要求に関してヨーロッパの息の根を止めさせる機会をねらっていました。

国際連盟に関するウィルソンの案は結局受け入れられましたが,米国もドイツもその最初の42の成員国の中に含まれていませんでした。国際連盟は,「当初計画されたものとは異なる様相を呈し,互いにこの世界戦争に携わった国家間に克服し難く思えるみぞを残した。そこからは直ちに平和が生じたわけではなく,むしろ戦時の反目を持続させる新たな敵意が生じた」と,歴史家のゲルハルト・シュルツは述べました。

この平和機構の無力さはあまりにも早く証明されました。1935年の10月にイタリアはエチオピアを攻撃し,1936年5月には征服を完了しました。連盟はこの侵略を防ぐことができず,その後に生じたスペインの内乱をもとどめることができませんでした。1939年には第二次世界大戦がぼっ発します。この戦争の灰の中からその「平和」機構は生き返りました。その名は,世界情勢の真実の姿とは似ても似つかないもので,国際連合と言いました。この機構も,情けないほどに無力な機構となりました。

人間が平和を達成できない理由

人間は最初の世界的な戦争から何一つ学び取りませんでした。世界支配をめぐってしのぎをけずる今日の国々も,1914年に世界を戦火に巻き込んだのと同じ強烈な野心を抱いています。今日の指導者も先の時代の指導者と同じく,自国の資財を戦闘用器材につぎ込み,小心翼々と核戦争の戦略をねり,第一撃を加えることの恐ろしい利点について考えることさえしています。1か月にわたる種々の交渉は第一次世界大戦のぼっ発を防ぎ得なかったものの,核戦争に関する極めて重大な決定は,ことによると数分以内に下さなければならないという事実も,彼らを抑制するものとはなっていません。

軍縮を求める声も,核凍結を求める声さえも,これまでのところ実を結んでいません。核時代の後継者には,世界の指導者が突然責任感を持って行動するようになる,という心細い希望しかありません。その希望は,歴史の記録からすればおよそおぼつかないものです。例えば,ゲルハルト・シュルツ教授はこう述べています。「真の平和は,戦争の原因に関する完全な合意の存在することを前提とする。真の平和は,それらの原因が完全に除去されることを必要とする。古い政治機構と経済機構は,戦争の明らかな原因から解き放たれた新しい機構に取って代わられなければならない。ただし,これは,ユートピアの理念を支持するものであることを我々は知っている。というのは,それは一つの真理を表わしているが,その真理は現在のところ現実とはほど遠いからである」。

人間の力によって平和が実現しそうもないことは,ヤコブ 4章1,2節の聖書の言葉の中でもさらに強調されています。「あなた方の間の争いはどこから,また戦いはどこから起こるのですか。それは次のものから起こるのではありませんか。つまり,あなた方の肢体の中で闘う,肉欲の快楽に対するあなた方の渇望からです。あなた方は欲しますが,それでも持っていません。殺人と貪りを続けますが,それでも得ることができません。あなた方は戦いつづけ,争いつづけます」。人間がこのような利己的な渇望によって動かされている限り,平和はいつまでも達成されません。

人間最後の時代?

では人間は,熱核兵器による災厄へと向かっているのでしょうか。夢想的な考えを持つ楽観主義者たちでさえこの問題については思案しています。にもかかわらず,聖書の研究者たちは,人間の最後の時代が来たのではないと確信を持って言うことができます。これらの研究者たちは第一次世界大戦へとエスカレートしたさまざまな出来事にも驚きませんでした。彼らは世界的な戦争の時期を特に予告していた聖書預言を知っていました。―マタイ 24:6-8; 啓示 6:1-4をご覧ください。

さらに彼らは,人間が自らを治めるのは神の意図されたことではないという点をわきまえていました。愛の神であれば,人間の支配がもたらした恐ろしい結末を是認することはできません。預言者エレミヤはこのように断言しました。「エホバよ,地の人の道はその人に属していないことをわたしはよく知っています。自分の歩みを導くことさえ,歩んでいるその人に属しているのではありません」― エレミヤ 10:23。

それでも神は,天的政府の必要性を実証するため,人間に自治の期間をお許しになりました。偏見を捨てて人間の過去の失敗と現在の世界情勢を研究した人々は,神の支配が現在どれほど切実に必要とされているかについて少しの疑問も抱いていません。間もなく神の政府は地上の政府とその支持者たちをすべて「打ち砕いて終わらせ」ます。(ダニエル 2:44)生き残る「大群衆」の人々は,この政府のもと,戦争のないパラダイスの地で生活を楽しみます。(啓示 7:14-17。イザヤ 2:4)エホバの証人は今,この政府のもとで生きるための準備を行なっています。

ではあなたは何を行なわれますか。聖書を学べば,神の約束を一層明確に理解できるようになり,神の支配の側に立つための方法を学べるようになります。あるいは,人間は今のジレンマから逃れる道を何とか探り当てる,と考えたいなら,自分の命と将来を人間の支配にかけ,歴史の教訓を無視することもできます。

[13ページの図版]

国際連盟も国際連合も,戦争と,延々と続く墓標の列が作られるのを未然に防ぐことができなかった

国際連盟

国際連合

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