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  • こん虫 ― 敵か,味方か
  • 目ざめよ! 1984
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目ざめよ! 1984
目84 9/22 25–27ページ

こん虫 ― 敵か,味方か

ペルーの「目ざめよ!」通信員

聴衆は,会場が熱帯の蒸し暑さでむんむんしているのも忘れて,講演者に注意を集中していました。すると突然,青と緑の玉虫色をした大きな羽根を持つ侵入者が窓から入って来たのです! この土地の生き物に慣れていない一人の北米の婦人は驚きました。その侵入者がこちらへ向かって来るではありませんか!

婦人はまず自分のノートを投げつけました。それでも相手はひるまずに向かって来るので,夫に助けを求めました。その侵入者が大きくても無害なバッタと分かって,一件落着しました。

読者だったら,その時どうしたでしょうか。こん虫というと大騒ぎする人がいるのは確かです。しかし,そのような反応もやむを得ないものなのでしょうか。別の言い方をすれば,こん虫は敵でしょうか,それとも味方でしょうか。『こん虫は全く迷惑だ! かんだり,刺したり,ピクニックを台無しにしたりする。こん虫をだれが必要とするだろうか』と言う人もいることでしょう。

しかし,これら小さな生き物はここ地上の生態系の中で重要な役割を果たしているのです。こん虫の世界をもっとよく知れば,恐らく大勢の人がこん虫を怖がらなくなるでしょう。

地上で最も種類が多い

現在までに種や属などを決められ記載されたこん虫類は100万種近くに上ります。これは他の全動物種数の合計を上回る数です。したがって,こん虫の名前を毎日100ずつ覚えていくとすると,すでに知られている種類の名前すべてを覚えるには27年余りもかかることになります! しかし,そのほかに,種や属などの決まっていないこん虫が幾百万種もいるという情報があります。

厳密に言えば,はっている小動物はどれもこん虫であるとは限りません。こん虫はどのように見分けられるでしょうか。それはとても簡単です。こん虫の体は三つの部分(頭部,胸部,腹部)に分かれています。こん虫には一対の触角があります。それから脚を数えてみてください。6本あれば,こん虫です。脚が6本より多くても少なくても,こん虫ではありません。例えば,歩脚が4対あるクモは,厳密にはこん虫ではなく,クモ形類という綱に属しています。

複雑に関係し合っているこの地上の生物にとって,こん虫はどのように役立っているでしょうか。ハチやチョウなどのこん虫が植物の受粉に一役買っていることはすでに知られているところです。ではアリはどうでしょうか。このちっぽけなこん虫は,わずか4,000平方㍍当たりで年間何トンもの土を移動させており,土をほぐして土中の通気をよくしているのです! ゴキブリと甲虫の類は腐敗しかけた物を食べ,その排せつ物は土の養分となります。イナゴ・コオロギ・シロアリ・アリ・大形の甲虫などのように,人間の食用に供されているこん虫も少なくありません。人間は,ハチミツ・蜜ろう・絹・セラック・染料・薬物をこん虫から得ています。

奇妙に聞こえるかもしれませんが,こん虫は人間の楽しみにも一役買っています。コオロギの鳴き声や,暑い夏の昼下がりにせっせと働くミツバチのぶんぶんいう音を聞いたり,ホタルの夜のダンスを見たりした経験を読者も恐らくお持ちのことでしょう。アマゾンの密林地帯では,子供たちが大形の甲虫を糸に結わえて遊ぶ様子を観察できます。

ひどい害をもたらすこん虫や病気を媒介するこん虫がいることは確かですが,実際にはこん虫のほとんどは人間の敵ではありません。むしろ,雑草を除いたり,魚・鳥・爬虫類・哺乳類・他のこん虫の食物になっています。では幾つかのこん虫をさらに詳しく調べてみましょう。

軍隊アリ

攻撃的なアリの,どんな抵抗も許さない行軍の様子を観察したことがあるでしょうか。幾万匹もの軍隊アリ,すなわちサスライアリの行軍は,こん虫の世界で最も恐ろしい光景の一つとされています。その戦闘縦隊の行く手にあるものはすべて圧倒されてしまいます。つながれている馬や嗜眠状態にあるニシキヘビが数時間で骨だけになってしまうこともあるのです! ほかの種類のアリと違い,この熱帯の軍隊アリは巣を作らず,時には幅約15㍍の群れとなって,ほとんど絶え間なく行軍,つまり前進しています。

大きな頭と大鎌のような恐ろしいあごを持つ兵隊アリから成る偵察部隊は先に進み,化学物質で道ににおいを付けます。主力部隊のアリたちはにおいをたどって進みます。日中だけ移動し,日に200㍍余りを進むこの遠征は,食物をがつがつと血眼になって漁りながら2週間ばかり続きます。特にそれは一緒に連れている幼虫にえさをやるためです。それから行進はやみ,女王が10万個から30万個の卵を産みます。二十日ばかりたってその卵がおなかをすかせた幼虫になると,再び移動が始まります。しかも,考えてみてください,兵隊アリと働きアリのこの恐ろしい軍隊は,どう猛なその活動をすべて全く盲目の状態で行なっているのです!

軍隊アリは『きれいに掃除をしてくれる新しいほうき』のようなもので,うじや幼虫その他思いがけなく捕まる生き物など,通り道にあるものをすっかり取り除いてくれます。軍隊アリのいる土地の人の中には,徹底的な大掃除をしてもらえるので,軍隊アリが自分の田舎風の家の中を通ると喜ぶ人もいるほどです!

大きな虫や美しい虫

こん虫は醜いとは限りません。中にはチョウのように大変美しいこん虫もいます。そうではありませんか。色彩豊かで変化に富む熱帯のチョウを見ると全くため息が出ます。中には鳥ほどの大きさのものもあります。そのチョウは大きくて色鮮やかなので何百メートルも離れた所からでも見えます。特に称賛の的になっているのはモルフォチョウです。このチョウの青い玉虫色は人を強く魅了してきたので,このチョウは額の中に収められ,画家の絵筆も及ばない色の背景となります。

読者が住んでおられる土地のゴキブリはどれほどの大きさでしょうか。南米にいるBlaberus giganteusというゴキブリとどのくらい大きさが違うでしょうか。Blaberus giganteusは体長が約5㌢で,世界で最も大形のゴキブリに数えられています。読者が住んでおられる土地のガについてはいかがですか。羽根の幅が30㌢ほどもあるガがそばを飛んで行ったらどんな気がするでしょうか。南米にすむヤガは正にそのように大きなガなのです。ブラジルの密林には,体長が2.5㌢余りもある,世界で一番大きなアリ,Dinoponera giganteaがすんでいます。こんなに大きなアリを見たことがありますか。

スナノミ ― 羽根のない管のようなもの

世界にはおよそ1,400種類のノミがいます。ノミと近づきになっていやな思いをしたことがありますか。ノミにかまれて喜ぶ人はいません。しかし,普通ノミは宿主に住みついているのではなく,ただ宿主からえさを得ているだけですから,ノミがいれば,掃除をもう少していねいにすることやペットの手入れをもっとよく行なわねばならないことにすぐ気づかされます。

ペルーの沿岸および中南米の他の熱帯地方には,ノミ類の中でも最もやっかいなスナノミがいます。ペルーでスナノミはピクエの名で知られています。卵を持っているメスは畜牛やブタなどの家畜,あるいは人間の足にくっつきます。そして,指の間の柔らかい皮膚や,つめの間,あるいは自分が“足掛かり”の得られる他のどんな場所にも食い入ります。

スナノミは腹部の先端だけ外に出して皮膚の中に潜り込みます。ですから呼吸器官と肛門と産卵管は宿主の体から出ているわけです。数日後,メスの腹部は小さな豆粒大に膨らみ,やがて地面へ数千個の卵を産み落とします。そして死ぬ時には,自分が宿主に生じさせた水泡の中に入ったまま死にます。それが炎症を起こすことがあり,放置しておくと破傷風という恐ろしい伝染病にかかったり,もっと悪くすると,足の指を切断しなければならなくなったりします。しかし,ノミのいることはすぐに分かり,大慌ての被害者は,細長い格好のその元凶もろとも水泡を全部丸く切り取るほうが痛くてもましだと考えるので,そのような事態になることは滅多にありません。

属や種などがすでに決定され命名されている100万種近いこん虫をどのくらい知っていますか。知っているこん虫について,その特徴を説明することができるでしょうか。そのような知識を窮めつくすことは,考えただけでも気の遠くなるようなことです。しかし,実に興味のそそられる,やりがいのあることではありませんか!

ですから,今度,石をひっくり返したり土にシャベルを入れたりそよ風の中でハチなどのぶんぶんいう音が聞こえたりしたら,敵ではないかとしりごみするのではなく,味方となり得るものとしてこん虫をもっとよくながめましょう。そうすれば,美や目的そして恐らくは感興をそそるものを,また研究や思索の対象にするに足る知恵をきっと見いだすことでしょう。

[25ページの図版]

軍隊アリの縦列は通り道にあるものを何でも圧倒してしまう

[26ページの図版]

鳥と同じほど大きなチョウもいる

[26ページの図版]

南米のゴキブリ(実物大)

    日本語出版物(1954-2026)
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