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  • メップス ― 行なえることと行なえないこと
  • 目ざめよ! 1986
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目ざめよ! 1986
目86 3/8 24–27ページ

メップス ― 行なえることと行なえないこと

「メップスを使っておられるとはすばらしいですね。執筆の仕事もずいぶん楽になったでしょう」。ブルックリン本部の一執筆者は別の出版部員からこのように語りかけられました。

ここで語りかけた出版部員は,英語の名称の頭文字を取ってメップス(MEPS)と呼ばれる「多言語電算写植システム」(Multilanguage Electronic Phototypesetting System)によって執筆の仕事が幾らかは楽になるものと本気で信じ込んでいたのです。執筆者は幾分楽しげに,しかしとても驚いた様子で,執筆の仕事をするのは機械ではなく,人であることを納得がいくようその人に説明しました。

では,メップスには何ができるのでしょうか。メップスは執筆の仕事に本当に役立ちますか。役立つとするなら,どのような面においてでしょうか。ある言語で書かれた記事をメップスで別の言語に翻訳することができますか。

執筆の仕事に用いられるメップス

メップスは,印刷機,特にオフセット印刷機で印刷を行なう資料の準備に使用されるコンピューター・システムです。このシステムの心臓部を成しているのはメップス・コンピューターで,大体一辺が90㌢の立方体の容器に納められています。執筆原稿を紙面に組む仕事は,メップス・グラフィック端末と呼ばれる装置を用いて電子的に行なわれます。次いで,メップス写植機により,印刷機用の版の製作に用いる紙面が作られます。メップス・コンピューター,グラフィック端末,写植機の設計・製作は,米国ニューヨーク州北部のものみの塔農場にある施設において,エホバの証人自身の手でなされました。

しかし,IBMのパーソナル・コンピューターの端末もメップス・コンピューターに接続されています。そして,ニューヨーク市ブルックリンにあるものみの塔協会の執筆事務所で執筆者たちが原稿の最初の入力に用いているのはこれらIBM機の端末です。(入力されたどんな資料もメップス・コンピューターに送られます。)この装置を用いることによって執筆の仕事は本当に楽になるのでしょうか。

いいえ,楽にはなりません。執筆の仕事は,機械ではなく,人が行なわなければならない創作活動だからです。そして機械 ― この場合はIBM機の端末 ― は,基本的にはタイプライターと同じ機能を果たします。事実,キーボードはタイプライターのものと本質的に同じです。主な違いは,入力した文が紙にではなく,画面に示される点にあります。もっとも,印字された文書が必要な時には,近くの高速プリンターを操作して,入力されたすべての情報を通常の用紙に印刷できます。

ですから,印刷する語句を直接考え出すという点に関しては,メップスは執筆者にそれほど大きな益をもたらしません。しかし,コンピューターの端末は幾つかの際立った仕方で執筆者に役立ちます。どのようにでしょうか。まず,コンピューターの端末はタイプライターよりずっと多くの機能を備えています。入力のさいの間違いを素早く,そして簡単に修正できます。キーを数回操作するだけで,語句や文や節を別の場所に移動させることができ,執筆者は自分の思考の結果をすぐに目にできます。

データ・ベースと呼ばれる,ものみの塔協会発行の出版物の大規模なコンピューター・ファイルが将来,メップスで利用できるようになります。これにより執筆者は,聖書,「聖書理解の助け」や他の書籍,さらにまた100年以上にわたり協会が発行してきた雑誌など,さまざまな出版物から,情報を画面に呼び出すことができるようになります。執筆者たちにとって,これも有用な機能となるに違いありません。

ここで,次のような疑問を持つ方もおられるでしょう。すなわち,執筆者にとってメップスが単に精巧なタイプライターにすぎないのなら,このコンピューター・システムの開発になぜこれほど多くの時間と労力と資金を投じてきたのだろうか,という疑問です。

印刷のための紙面の作成

根本的な理由は,産業界全体が活字組み版とそれに伴う活版印刷から写真植字とオフセット印刷に移行していったことにあります。活字組み版では,一般にライノタイプ(日本語の場合,モノタイプ)と呼ばれる機械によって,溶けた鉛から活字が造られます。次いで,文字と写真やさし絵の全体が鉛版の凸面に写され,これが印刷機に取り付けられて,印刷が行なわれます。オフセット印刷では,各ページの文や写真,さし絵がフィルムに再生され,写真技術を用いてそれをオフセット印刷機用の版の表面に転写します。

メップスは,活字組み版と活版印刷が廃れるに伴って時代遅れとなった,印刷前の種々の工程に代わるものとして特に開発されました。印刷業界で用いられている既製の写植装置では,多くの言語で出版活動を行なうわたしたちの必要を満たすのにきわめて不十分であったことが,メップスの開発が必要とされた主な理由でした。そして,メップスは実に優れた効率のよいシステムであることが実証されつつあります。例として,「目ざめよ!」誌の記事が執筆・編集され,承認を得て,印刷をしてもよいということになった後,何がなされるかを考えてみてください。

すでに説明したように,IBMのパーソナル・コンピューターで入力した印刷可能な記事はメップス・コンピューターに蓄えられています。そこで,この記事をメップス・グラフィック端末に呼び出し,端末の画面上でそのままページに組むことができます。原稿中のどの箇所であっても,望む大きさのどのような書体<フォント>の文字をも指定できます。そして,準備が整うと,矩形のテキスト・ボックス,つまりさし絵の周りに文章が入るようにデザインされた図形に原稿が「流し込まれ」ます。

しかしここで,どのようにしてこれがメップスの表示画面から転送されて,オフセット印刷機用の版作りに用いられるようになるのだろうか,と考える人もいることでしょう。それを行なうのがメップス写植機です。この機械は,グラフィック端末の画面で組んだ各ページの表示された画像と全く同じものを写真用印画紙に印字します。その印画紙を処理した後,それを写真に撮ってフィルムを作り,さらにそれを使ってオフセット印刷機用の版が作られます。

メップスは翻訳を行なうか

メップスが多言語システムであることをここで思い起こしてください。エホバの証人は150以上の言語で定期的に出版物を発行していますから,こうしたシステムがどうしても必要とされます。メップスはこれらの言語すべてと他の多くの言語を処理する能力を備えている点で,特異なシステムであると言えます。事実,現在の時点で,200近くの言語を扱えるようプログラムされているのです。しかし,それは何を意味していますか。例えば英語からスペイン語に訳された翻訳文をメップスはどのように入手するのでしょうか。

次の点をはっきり理解しておくべきです。メップスは多くの異なった言語を処理することができますが,一つの言語から別の言語への翻訳は行ないません。実際の翻訳は人の手で行なわれます。機械が,真に効果的な翻訳者として,人間に取って代わることはできません。メップス・グラフィック端末は実に様々な言語を表示できるように設計されています。それはどのように行なわれるのでしょうか。キーボード上のキーは再規定できるように作られています。つまり,コンピューターに指示が与えられている,もしくはプログラムされているどの言語をも扱えるよう,キーを電子的に変えることができるようになっているのです。

タイプライターを使っているスペイン語の翻訳者が英語の原稿をスペイン語に翻訳する時どのようになるかを調べて,これを具体的に示すことにしましょう。翻訳者は英文の原稿が記された紙を自分の前に置きます。そして,執筆者が初めに英語で書き表わした考えをスペイン語の読者が理解できるよう,言語に関する自分の知識を活用してその考えを英語から翻訳します。しかし,翻訳者が英語のタイプライターでスペイン語の原稿をタイプすることはできません。スペイン語には英語のタイプライターにはないアクセントの付いた文字があるからです。ですから,スペイン語のタイプライターが必要です。そして,メップス・グラフィック端末にはそれが備わっています。スペイン語のキーボードにするには,それをスペイン語用に変える簡単な指令を与えればよいのです。

しかし,すでに説明したように,メップス・グラフィック端末は,スペイン語と英語だけでなく,実に200近くもの言語を処理できるのです。しかも,お気づきのように,アルメニア語,韓国語,ロシア語,アラビア語など,多くの言語はそれぞれ全く異なったアルファベットもしくは文字を有しています。さらに,中国語や日本語のようにアルファベットを用いない言語もあり,メップスでは現在これらについてもプログラムが作成されつつあります。左から右に読む言語もあれば,右から左に読む言語もあります。これらすべての言語を扱えるようメップスのプログラムを作成するのは小さな仕事ではありませんでした。これからもなすべきことが多くあります。

しかし,次のことを覚えておいてください。メップスはこれらの言語すべてを処理することができますが,それぞれの言語を知っている人間が翻訳の仕事を行なわなければならず,翻訳された文をメップスに入力しなければならないのです。

小さな支部や離れた所にいる翻訳者はメップスの装置を直接必要とはしません。多くの場合,IBMのパーソナル・コンピューターだけが用いられており,このコンピューターは入力された情報を弾力のある薄いディスケットに記憶します。次いで,このディスケットがメップスのある支部に郵送され,そこでディスケットに記憶された資料の組み版と印刷の準備がなされます。

管理目的の用途

メップスの装置は,雑誌や書籍,およびその他の文書の印刷の準備に用いられるだけでなく,多くの支部で管理の仕事にも用いられています。例えば,在庫している文書の正確な数量の記録を保つのにメップスが用いられています。このシステムを用いて,文書を注文してきた会衆に送る送り状が作成され,続いて支部の在庫目録が自動的に調整されて,言語別の各品目の現在の在庫数量が示されます。さらに,幾つかの支部では,「ものみの塔」誌と「目ざめよ!」誌の全予約者の住所の記録と印刷にメップスが用いられています。

世界中で使われているメップス

最初のメップス・コンピューターが完成し,試験的に使用され始めたのは1982年のことでした。1983年2月にはドイツが,米国以外で最初にメップス・コンピューターを受け取った国となりました。ドイツはこの時,グラフィック端末も4台受け取っています。メップス写植機が実際の仕事に初めて使われたのは1983年11月になってのことでした。

現在,ものみの塔協会の25の支部にメップス・コンピューターが1台もしくはそれ以上設置されており,それらの支部には合計150台のグラフィック端末が置かれています。また,24の支部にメップス写植機があります。これらの精巧なメップスの装置はすべて,ニューヨーク州北部のウォールキルの近くにあるエホバの証人の工場施設で働くエホバの証人により製作されました。現在の計画によれば,最終的には世界中の30を超える国々でメップスが使用されることになっています。「ものみの塔」誌は30か国語で,また「目ざめよ!」誌は14か国語で同時出版されていますが,メップスはこれを可能にする上ですでに役立ってきました。

確かに,メップスは多くの様々な言語における出版の仕事を容易にしています。執筆の仕事を楽にしたり,翻訳をしたりすることはないにしても,メップスは,出版の業において胸をときめかせるような躍進をもたらしています。

[24ページの図版]

コンピューターを用いて執筆の仕事を行なう,ものみの塔協会の執筆部員

[26ページの図版]

グラフィック端末で組まれた英語版の本誌の24ページ

[27ページの図版]

グラフィック端末で組まれたヒンディー語版の本誌の24ページ

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