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目ざめよ! 1986
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精神病のなぞを解く

イレーヌの回想は続きます。「精神病のことを考えると身のすくむ思いがしました。“精神分裂病”とか“うつ病”とかいう語は私とは全く無関係な言葉でした。精神病になるというのは汚名を着せられることです。それは“気違いになること”,あるいは精神病院に“送り込まれる”ことを意味しました。私のことを悪魔につかれてしまった,と考えた友人もいたくらいです」。

狂気,精神異常,脳病。これらの言葉を聞いただけでも恐ろしくなり,壁に柔らかい詰め物をした精神病患者の部屋や,拘束服のイメージが思い浮かぶものです。しかし,精神障害を抱えた人のすべてが精神の錯乱した狂人なのではありません。奇妙な性格の人や風変わりな人がすべて精神病なのでもありません。

それぞれの精神障害には一群の独特の兆候が伴います。例えば,躁うつ病は,陽気な高揚した気分から惨めな沈んだ気分まで,感情が激しく揺れ動く病気です。しかし重症うつ病aの患者は幾度も「深刻で身のすくむような,情け容赦ない悲しみ」を味わいます。種々の恐怖症のような不安神経症にかかった人は,いわれのない恐れのために文字通り体がすくんでしまうことがあります。

しかし,この記事と続く記事の中では,精神病の本質が具体化したと言える病気に焦点を当てることにしましょう。その病気とは,これです。

精神分裂病 ― 精神病の暗黒部分

入院中のイレーヌは,人間違いをすることが多くなりました。長いこと会わなかった親族だと思って医師や看護婦を抱き締めたり,他の人には感じ取れないのに,いろいろな匂いがするように思えたりしました。さらには,病院の職員が自分を殺しにくると思い込みました。「ベッドに縛りつけられなければならなかったことが一度ありました」と,イレーヌは述べています。

この病気のカルテ。精神分裂病は結局100人のうち少なくとも一人がかかる病気です。米国だけでも,新たに精神分裂病と診断される人々は一年で10万人を超えます。b

精神分裂病患者は二つあるいは複合的な人格という意味での二重人格(これは分裂病とは異なる,めったにない症状)を持っているのではなく,人格に損傷があるのです。例えば,医師から精神分裂病の『典型的な症例』と評されたジェリーという名の若い男性のことを考えてください。この人の目は,ある瞬間には虚ろだったかと思うと,次の瞬間には射るような敵意に満ちあふれます。この人の話はと言えば,恐れ(「自分を感電死させるために人々が私をここに呼んだ」)と妄想(「あの絵は頭痛がしている」)の混じり合った支離滅裂なものです。どこからか聞こえてくる声におびえています。この青年の頭の中は錯乱しています。

精神分裂病には,幻覚,どこからか聞こえてくる声,思考の混乱,いわれのない恐怖心,現実から逸脱しているかに思える感情など,広範にわたる奇妙な兆候が見られます。何が原因でそうなるのでしょうか。わずか10年前のことですが,子供を気違いにさせているのは親だとして,医師たちは親を非難しました。今では,その逆ではないかと考える人もいます。子供が精神分裂病になって極度のストレスと緊張にさらされるのは親のほうです。

ですから,今日の医師たちの大半は,親を非難するのは当たっていなかったと言います。もちろん,聖書は親たちに,子供をいらいらさせないようにと勧めています。(コロサイ 3:21)しかし,たとえいらいらさせたとしても,それだけで子供が精神分裂病になるとは言えないようです。親の力の全く及ばない種々の要素が関係しているのです。

遺伝的な要素

ニックとヘルベルト(いずれも仮名)は一卵性双生児でした。誕生後に二人は別れ,ニックは優しい養父母に,ヘルベルトは冷たい祖母に育てられました。どちらの場合も,宿されていた狂気の種が早くも幼年時代に芽を出すようになりました。ニックは放火や盗みをし,ヘルベルトのほうも火に対する,また犬をさいなむことに対する偏愛がありました。やがて二人は完全な精神分裂病になり,精神病院に入ることになりました。

これは偶然の一致でしょうか。それとも遺伝子が精神分裂病を伝えるのでしょうか。別個に育てられた双子で,一方が精神分裂病になったケースは,知られているもので14あり,そのもう一方もこの疾患にかかった例は九つあります。精神分裂病の場合にはどうやら遺伝子が何らかの役割を担っているようですが,不思議なことに,二人の精神分裂病患者が結婚しても,その子供たちが同じ病気にかかる見込みはわずか46%にすぎません。「精神分裂病が実際に優性的な遺伝子によって生じるとすれば,子供たちの75%が精神分裂病にかかるはずである」と,「精神分裂病:後成のなぞ」と題する本は述べています。

ですから,遺伝子以上のものが関係しているに違いありません。「思い・気分・薬」という書物の著者たちは,このように推測しています。「戦争に関係したストレスのような心理的な経験が,身体の化学的・生理学的な機能やホルモンの働きに多大の影響を与えることは十分に知られている。精神的な病気の場合,心理的な経験が,傷つきやすい人の病気を高進させる要素と判断されることも珍しくない」。では,遺伝子はどのように関係してくるのでしょうか。ベンダーとクライン両博士は言葉を続け,「遺伝子的な要素は,人を,特定の心理的な経験によって傷つきやすくさせるのかもしれない,というのが我々の全般的な見解である」と述べています。したがって,精神分裂病自体は遺伝するものではないにしても,その素因が遺伝することは十分に考えられます。

脳の異常

「精神分裂病会報」は,また別のなぞを提出しています。「提出された証拠は,精神分裂病患者の脳に異常がある場合の多いことを示唆している」のです。

アーノルド・シャイベル博士の意見によれば,正常な患者の場合,脳の一部である海馬と呼ばれる領域には神経細胞が「あたかも小さな兵士のように」一直線に並んでいます。ところが,ある精神分裂病患者の脳を見ると,「神経細胞とその並び方がひどくゆがんで」います。これが精神分裂病患者の幻覚と妄想の原因ではないか,と同博士は考えているのです。脳の空洞の広がっているのが発見された精神分裂病患者もいます。とりわけ興味をそそられるのは,精神的な病気を抱えている人の脳には生化学的な欠陥のある場合があるという発見でした。(次の記事をご覧ください。)

しかし,これまで,脳の中の一つの異常や生化学的な欠陥が一様にどの精神分裂病患者からも発見されたというわけではありません。そのために医師たちは,精神分裂病とは「数々の異なった原因によって引き起こされた,多くの障害」のことであろう,と考えています。(「精神分裂病:解決策はあるか」)潜伏期の長い病気のウイルス,ビタミンの不足,新陳代謝の障害,食物アレルギー ― これらはみな精神分裂病に関連があるとされている要因のほんの数例にすぎません。

しかし,この病気の真の原因と仕組みが医学の手に負えないものではあっても,E・フラ・トリ博士は,「精神分裂病は脳の疾患であり,現在ではそのようなものとして明確に認められている。糖尿病,多発性硬化症,ガンなどが疑問の余地なく本質的に科学的かつ生物学的なものであるのと同じく,精神分裂病もまさしく本質的に科学的かつ生物学的なものである」と述べています。うつ病も同じように生物学と関連しているということを示す証拠もあります。

このように,精神病のなぞめいた雰囲気と汚名は過去のものとなりました。この病気はまぎれもなく現実に治療できるようになりました。

[脚注]

a 「うつ病と闘うことは可能です!」という主題の「目ざめよ!」誌1981年12月8日号をご覧ください。

b スウェーデン,ノルウェー,アイルランド西部,ユーゴスラビア北部,発展途上国の大部分では精神分裂病の罹病率が高くなっています。

[5ページの図版]

精神病に冒されることには,幾つかの要素が関係しているかもしれない

遺伝子?

環境?

脳の異常?

化学的な欠陥?

食事?

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