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目ざめよ! 1987
目87 10/22 24–27ページ

米国憲法とエホバの証人

1987年は米国憲法が制定されて200年目に当たります。この200周年に人々の注意が注がれている中で,米国および世界中のエホバの証人が思い起こすのは,自分たちの宗教的見解を広める権利を擁護し,かつ法的に確立するために同国で繰り広げられた闘争です。

憲法はあなたにとってどんな意味がありますか。例えば,あなたの住む地域社会で,人々と重大な関係があると思える印刷された情報を,街路で,あるいは家から家を回って知らせたいと考えたとしましょう。しかし,そのようなものを配布するのは公共の安寧秩序を意図した法律に違反することが分かったならどうですか。また,それをするには許可が必要で,しかも役所が許可を出そうとしなかったならどうですか。あるいは,許可証のようなものを購入しなければならず,それがあなたにとって経済的な負担になるとしたらどうですか。

1930年代および40年代当時,エホバの証人はそのような状況に面していました。彼らは宗教的な見解を掲載した印刷物を配布したいと考えましたが,多くの地域社会では,その活動を妨害するために地方の法律や条例が用いられました。そのためエホバの証人は憲法に基づいて上訴しました。米国憲法は言論の自由と出版の自由を保障しています。しかし,それら憲法上の権利を確保するにはそれらの問題を法廷に持ち出さなければなりませんでした。では,憲法がどのように個人の諸権利を保障しているかを調べてみましょう。

個人の諸権利を保障する

すべての青写真と同じように,憲法は一つの目的を達成するための一つの意図を明らかにするものです。この場合の目的とは,人民の政府です。米国の独立宣言に明言されているとおり,人々の間に政府が設けられるのは,被治者に一定の“譲るべからざる権利”を保障するためです。

米国憲法の前文はこの主題を取り上げ,同憲法は人民のための「自由の祝福」を保障する目的で制定かつ確立されたと述べています。同憲法の最終草案が完成を見たのは,1787年9月17日,ペンシルバニア州フィラデルフィアのインディペンデンス・ホールでのことでした。この憲法は,世界最古の成文憲法でありながら今なお有効である点で特異なものです。

米国憲法で際立っているのは,過度に圧制的な政府に対する不信と,個人の自由を政府の干渉の及ばないものとして高めていることです。その憲法の中で最もよく知られている特色は,信教の自由,言論の自由,出版の自由が保障されていることです。それらの自由は,同憲法が起草され批准された段階では明言されていませんでしたが,1791年に,一般に権利章典として知られる十の修正条項の第一条として加えられました。

権利章典の中に明言された幾つかの自由は,各個人に属するものであって,政府の許可を要するものでも,政府によって削減されるものでもありません。では,人々が自分たちの権利のため,法廷で闘うべきなのはなぜですか。なぜなら,時に種々の立法機関は,大多数の利益になると自分たちがみなす事柄のために行動し,それらの権利を制限するさまざまな法律を通過させてきたからです。

米国の一連邦裁判所が述べているとおり,「多数者による,個人や無力な少数者の諸権利に対する圧政は,人民の政府の抱える最大の危険の一つであることが常に認められた」のです。エホバの証人が1930年代と40年代に米国で直面していたのは,まさにそのような圧政でした。

伝道者か行商人か

第二次世界大戦が近づいていたころ,エホバの証人による公の伝道活動に対して猛烈な反対が集中しました。勧誘員や行商人は認可を受けるべきであるとする市条例が,不当にもエホバの証人の伝道活動に適用されました。エホバの証人はそのような法律の適用が憲法上の権利を蹂躙するものであると理解し,最初に認可を得ることなく伝道活動を行ない,そうすることによってその条例に挑戦しました。(マルコ 13:10。使徒 4:19,20)その結果,大勢の証人たちが逮捕されました。

下級裁判所がエホバの証人に対して有罪判決を下した場合,証人たちは罰金を払う代わりに投獄に甘んじました。そして自分たちの業を妨げる,憲法違反のこの干渉をとどめる好意的な判決という防波堤を築き上げるために,可能な限り上級の裁判機構に上訴し続けました。時がたち,米国の最高裁判所が,そうした条例自体も,その条例の適用の仕方も憲法違反であるとしてそれらの条例を幾度も退けたため,エホバの証人の有罪判決は破棄されました。

認可条例に加えて,エホバの証人の伝道活動を制限するために用いられたもう一つの策略は,免許税に関する法律でした。エホバの証人はそのような税を,神から与えられた任務としての伝道活動に対する一時的な制限とみなし,支払いを拒みました。この場合にも大勢のエホバの証人が逮捕され,またもや最高裁判所は言論と崇拝の自由を支持する判決を下しました。

裁判所は,印刷物によって宗教的な教えを自由に広める特権は「州の権限を離れて存在し,それは連邦憲法により国民に保障されている」と述べました。簡単に言えば,憲法によってすでに与えられているものを州が奪うことはできないのです。

国旗敬礼

エホバの証人は法律を遵守する市民であり,どこの国のものであれ,国旗敬礼を拒むことによって不敬を示すつもりはありません。証人たちは,自分たちにとって最重要な責務と忠誠は,自分たちの神であり造り主であるエホバに対するものであると考えています。(ルカ 4:8)地上のいずれかの権威に全面的な忠誠を誓うのは,霊的な関心事よりもこの世的な関心事を優先させることになります。(使徒 5:29)この誠実な動機にもかかわらず,証人たちが国旗敬礼を拒むことはしばしば誤解され,迫害の理由にされてきました。

第二次世界大戦が近づいていたころ,米国の地方の教育委員会と州議会は,国家の一致の安全を促進するため,国旗敬礼を義務づける命令を発表しました。国旗敬礼を求めるそうした命令を支持する意見が大勢を占めていたにもかかわらず,エホバの証人は聖書に基づく原則を曲げることを断固として拒みました。

米国の最高裁判所はこの事態について考え,教育委員会には大幅に任意な行動を取ることのできる重要な機能があることは確かだが,その機能は憲法の範囲内で果たされるべきであることを認めました。教育委員会には,個人に保障されている憲法上の基本的な諸権利を侵害する自由はありませんでした。このように最高裁判所は,国旗と国家の伝統に対する感謝を教え込む方法に関する教育委員会の見解も,宗教の問題にかかわる良心の自由という,生徒の憲法上の権利を無効にするものではないと考えました。

当時は戦争への努力が国を挙げて行なわれていましたから,最高裁判所はその決定の重みに気づかなかったわけではありません。しかし同裁判所は自らの責務を回避することなく,米国憲法のもとでは「他と異なっていてよい自由はさほど重要でない問題に限られているのではない。もしそうであるとすれば,それは単なる自由の影にすぎないものになる。その本質の試金石となるのは,現存する秩序の核心をなす事柄に関しても異なっていてよい権利なのである」と,説明しました。

最高裁判所は次のような声明をもって国旗敬礼に関する見解を締めくくっています。「わが国の憲法という星座に何らかの恒星があるとしたら,それは,身分の高い低いを問わず,官吏が政治,国家主義,宗教,あるいは他の見解の問題において何が正統的かを定めたり,市民に対して彼らの信仰を言動によって告白させることを強要したりすることはできないということである」。

証人たちが貢献したこと

エホバの証人が米国の最高裁判所に上訴した問題のうち,勝訴の例は全部で23に上ります。多くの法律学者が言及しているとおり,エホバの証人は憲法法学に大いに貢献してきました。もし,恥辱を被り,殴打され,投獄されてもなおエホバに従順であろうとする気持ちがエホバの証人になかったとすれば,そのような貢献はできなかったでしょう。

信教の自由,言論の自由,出版の自由などの憲法上の諸権利がエホバの証人の忍耐によって促進され,より明確に定義されるようになってきたことは,実際には神の聖なるみ言葉に調和してエホバに仕え続けるという,エホバの証人が目指す一層高度な目的の副産物にすぎません。

エホバの証人は宇宙の主権者であられるエホバ神に仕える特権を感謝しており,その目的達成のために,200年の歴史を持つ米国憲法によって備えられた種々の保護を含む数多くの手段を用いてきました。

[27ページの囲み記事]

憲法は再びエホバの証人を擁護する

1987年6月10日,裁判所は憲法に基づき,再びエホバの証人の信教の自由を支持する判決を下しました。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると,第9巡回裁判区の控訴裁判所は,自らの宗教的信念に調和して行動する自由を,「社会は『あらゆる市民が享受できる,宗教を異にする権利の保護のために支払うに十分値する犠牲として』,憲法に従って認めるべきである」という裁定を下しました。この裁判は,「キリストの教えにとどまらない者」を「決して家に迎え入れてはなりませんし,あいさつのことばをかけてもなりません」という聖書の命令に従うエホバの証人の権利に関係したものでした。―ヨハネ第二 9-11。

[25ページの図版]

憲法が起草された,フィラデルフィアのインディペンデンス・ホール

[クレジット]

Philadelphia Convention and Visitors Bureau

[26ページの図版]

憲法の草案は,米国立公文書館に保存されている

[クレジット]

U.S. National Archives

[24ページの図版のクレジット]

Architect of the Capitol, Washington, D.C.

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