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目ざめよ! 1989
目89 5/22 15–18ページ

華やかな空のショー

上演回数は毎日800万回

子供たちの凧揚げには何の不安もありません。ベンジャミン・フランクリンは,凧を揚げて死ぬかもしれませんでした。子供たちにとっては楽しみですが,フランクリンは危ない橋を渡っていました。1752年,フランクリンは絹の凧を雷雨の中へ飛ばして,凧に付けた鍵から電気火花を生じさせました。その無害な電気火花が致命的な雷になる可能性もありましたが,フランクリンの凧揚げはハッピーエンドに終わりました。避雷針が発明されたのです。しかし稲妻自体は,その後も長い間,謎に包まれたままでした。

その理解への歩みは今から1世紀前に始まりましたが,今でも完全には理解されていません。稲妻は,雲の中で,雲から雲に向かって,あるいは地面から雲に向かって生じるのかもしれません。しかし,どのように正電荷と負電荷が発生して放電が始まるのでしょうか。理論上は,高さ数キロのところにあるあの壮観な積乱雲の内部で,つまり上昇気流と下降気流が入り乱れる中を,巨大なカリフラワーの頭のような形をして逆巻きながら上方に向かう雲の内部で,雨滴と雹が,小さな水滴と氷晶から成る霧に衝突する時に生じると考えられています。

「雷雨の帯電」に関するサイエンティフィック・アメリカン誌(英文)の一記事は,これらの荒々しい活動について次のように述べています。「その背後にある基礎的な微小体物理学は,今日も相変わらず無視されているか,未解決の問題である。微小体物理学が静電気の帯電について説明していないことが,雷雲の電気を理解する上で最大の障壁になっている」。しかしこの記事は非常に興味深い類推を示しています。「その基礎となる物理機構は,じゅうたんの上を歩くと靴が帯電し,羊毛とこすり合わせるとガラス棒が帯電するといった現象と関連していると考えてよいだろう」。

積乱雲の中で生じる稲妻の原因に関する議論が続いている間も,稲妻は頻繁に生じています。リーダーズ ダイジェスト誌は,その記事の中で次のように説明しています。「あなたがこの記事を読んでいる今も,世界じゅうでは約1,800か所の地域が雷雨に見舞われているのだ。それらの地域では,毎秒約600回も稲妻が発生し,そのうち100回は地表に落雷している。24時間にすると,およそ850万回も落雷するわけだ」。サイエンティフィック・アメリカン誌の数字もそれとほぼ同じ800万回という数字を挙げています。

実際の稲妻の閃光は,以下に述べる事柄の最高潮として生じます。まず雷雲の底部に負電荷が発生し,その結果,雷雲の下の地面に正電荷が生じます。この正電荷はその雲の下をついて行き,樹木,丘,高い建物,人間をさえ駆けのぼり,負電荷を持った雲の下部に到達します。その雲の中に1億ボルトの電位 ― 3億ボルトになることもある ― があると,そのエネルギーがステップト・リーダーと呼ばれるものに放出されます。稲妻の進路は不規則で,下降する時に多くの枝に分かれます。

ショーが始まる

そのリーダーは,とてもかすかで人間の目には見えない細いリボンから成る格子状の放電路で数百アンペアの電流を運びながら,地表から90㍍ないしそれ以下のところまで近づきます。そこで地上の正電荷がやっとその間をジャンプできるようになり,ステップト・リーダーと出合い,すさまじい光の炸裂と共に,リーダーが残した道を瞬時に上ってゆき,雲に達します。正電荷が進む時,外側にあちこち寄り道をした結果として形作られるのが,わたしたちに馴染みの深い樹状の燃えるような輝き,つまり稲妻の電光です。雲から地上に向かうように見えますが,実際には地上から雲へ向かって進んでいます。しかしこの最初の閃光の直後に,稲妻とリーダーは雲と地面の間を繰り返し往復します。典型的な稲妻の閃光には,そのような動きが三,四回ありますが,サイエンティフィック・アメリカン誌は,それが26回にも及んだ閃光について伝えています。

稲妻は,雷鳴という,自然界でも屈指の大音響を生じさせます。しかし稲妻の1回の電光では,基本的に瞬間的な1回の雷鳴が生じ,その後の数秒間,バリバリという耳をつんざくような音とゴロゴロというこもった音の長い連続音が生じるのはどうしてでしょうか。稲妻が雷の轟きを生じさせるのは不可解なことではありません。空気は電気抵抗がありますから,ちょうど針金と同じように,電流が通過する時に温められます。稲妻が周囲の空気を摂氏3万度にまで熱する結果,空気は10気圧ないし100気圧の巨大な衝撃波として急速に膨脹し,すぐに衝撃波音,つまり雷鳴になります。音速は光速よりずっと遅いので,稲妻を見てから数秒後に雷の音を聞くことが多いのも不思議ではありません。

“小さな雷”が大きな雷となる

しかし,雷の音に非常にさまざまな種類があるのはなぜでしょうか。稲妻はジグザグのコースを進みますが,その各部の多くは,長さの差こそあれ,比較的まっすぐです。これらの部分はそれぞれ異なった方向に向かい,長さも異なるので,独自の音を作りだして,その音波を各方位にほぼ平行に送りだします。それで音量も方向も異なる個々の“小さな雷”がたくさん合成されて,長く轟く一つの大きな雷の中で聞こえる,バリバリという音やゴロゴロという音,そして反響音の全体を作りだしているのです。小さな雷はどれもほとんど同時に鳴りますが,聞き手に一番近いものが最初に聞こえ,最も大きな音で鳴り響きます。しかし,雷の上方からのものは後で加わります。どのくらい後になるかは,離れている距離によります。それで,「雷」と題する,サイエンティフィック・アメリカン誌の記事の説明によれば,「雷の1回の轟きで聞こえるものは,それを作りだした特定の稲妻の閃光に伴う特徴に大いに依存している」のです。

稲妻の閃光には多くの種類があり,それぞれ異なった雷鳴を作りだしていますが,人に聞こえるものも,聞こえないものもあります。例えば,稲妻には,線電光,リボン電光,フォーク状電光,熱の電光,幕電光,雲内電光,青天の霹靂,超電光と呼ばれるものがあります。標準的な稲妻の電光は約10億ワットを放電しますが,最近発見された珍しい稲妻の閃光である超電光は1,000億ワットから,恐らく10兆ワットまで放電します。

稲妻は害をもたらします。「米国だけでも,稲妻により,毎年約150人が死亡し,2,000万㌦(約26億円)相当の資産が損害を受け,商品価値にして3,000万㌦(約39億円)の木材が損害を被るような山火事が1万か所で発生している」と,サイエンティフィック・アメリカン誌は述べています。

優れた肥料,地球の電池

しかし,稲妻は益も与えます。世界中で,毎日800万の稲妻の電光が大気を切り裂き,空気を電離して窒素酸化物を作りだし,それが雨に溶け,希硝酸となって地面に運ばれます。そこで希硝酸は,植物に必要なミネラルを溶かし込み,植物が窒素を取り入れられるようにします。農家の人たちは毎年何千万トンもの窒素肥料を与えますが,その量が多いため地中の生物を死なせ,流出したものは,動物や,湖,小川,川などにすむ魚を殺します。しかし,稲妻による穏やかな“雷雨の水”は,適量の固定窒素を供給するので,比較実験の結果では,市販の化学肥料を用いるよりも,50%多くの作物を収穫できました。ニュー・サイエンティスト誌は,「二人のアメリカ人化学者によれば,世界中の固定窒素供給の半分は稲妻によっているかもしれない。以前考えられていた量の5倍近い数字である」と述べています。

また雷雨は,地球的な回路を維持するための“電池”を形作っています。この点に関し,サイエンティフィック・アメリカン誌はこう述べています。「負に帯電した地表と正に帯電した大気との間には,約30万ボルトの電位差が定常的に存在する。……現在のところ,30万ボルトの“電離層の電位”は,雷雨によって充電された結果生じたものであり,これが,地球的な回路の“電池”を形作ると一般に信じられている。一つのあらしにつき約1アンペアの電流が雷雲上部の正電荷領域から上向きに流れ,地上の大気の晴天域に戻ってくる。……[それから]1アンペアの電流が,地表から雲の底部に向かって流れなければならない。雨の落下,コロナ放電,稲妻などのすべてが,この電荷の移動に関係している」。

雷雨の壮大さの究極的な源となっているのは何でしょうか。畏怖の念を起こさせるような閃光がきらめき,雷鳴の轟く華やかな空のショーの製作者はエホバ神です。聖書は,人類を扱われる際の神の行動に伴うものとして,神の天の王座の装飾として,また近づきつつある神の裁きの前兆として,それらに言及しています。「その稲妻は地の果てにまで及ぶ。その後で声が鳴りとどろく。神はその優勢な声で雷鳴をとどろかせ(る)」。―ヨブ 37:3,4,11-13; 40:9。出エジプト記 19:16; 20:18。詩編 18:13,14; 29:3-9。啓示 11:19。

[16,17ページの図版]

米国アリゾナ州の“モンスーン”期の稲妻

[16,17ページの図版]

下: 2本のユッカが稲妻に照らしだされる

右ページ: 稲妻による火事

[クレジット]

John Kamenchuk

[15ページの図版のクレジット]

Tucson, Arizona; photo by Manley Studios

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