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目ざめよ! 1992
目92 1/22 14–17ページ

学習は胎内で始まる

アリストテレスは,生まれたばかりの赤ちゃんの脳は“タブラ・ラサ”,つまり何も書かれていない書き板であると考えていました。それから2,000年以上たっても,多くの人はその程度にしか考えていませんでした。1895年,ペンシルバニア大学医学部の一教授は,「赤ん坊の知能は,誕生時には野菜とたいして変わらない」と書きました。それとは逆に昔からの言い伝えは,赤ちゃんが胎内で学習し,胎外の出来事も感じ取っているとしています。現代科学によると,アリストテレスも前述の教授も間違っていて,正しいのは言い伝えです。

脳は始まりにおいてはささやかなものですが,発育を完了すると,まさに畏怖の念を起こさせるものになります。脳の発育は妊娠第3週の間に,神経板と呼ばれる細胞の薄い層として始まります。神経学者のリチャード・M・レスタクは,妊娠末期の脳の発育状態をこう説明しています。「しかし,不安を抱かせるそのような始まりから,既知の宇宙で最も驚嘆すべき器官が発育することになるのである」。その過程が始まったときに12万5,000個ほどだった細胞は,1分間に25万個の割合で増えてゆきます。レスタクはさらに,「それらの細胞は増殖して,最終的に,脳の全機能の基礎をなす約1,000億のニューロンになる」と述べています。

脳が成長するにつれ,ニューロン同士の接合が形成されます。第8週までには,シナプスと呼ばれるこのような接合がどんどん発達して,すぐに何百万という数に上り,胎児の脳が持つ数々の機能を果たすようになります。さらに,この時期つまり妊娠2か月の終わりには,「完全に成長した人間に備わっているものすべてが……できあがっている」と,広く称賛されている「子供が生まれる」という本は述べています。体の器官すべてが所定の場所にあり,もうそれは胎芽ではありません。成長と細部の完成のための胎児期が始まっているのです。それにもかかわらず中絶権支持者はずうずうしくも,それは生命ではないと言います。

胎動が始まるのは7週半です。13週までには味らいが機能するようになっているので,それ以降は羊水に糖分を加えると,飲み込む頻度が2倍になります。しかし,おいしくないものを加えると,飲み込むことが極端に減り,胎児は顔をしかめて不快さをはっきり示します。15週から16週になると,呼吸,しゃっくり,指しゃぶり,飲み込むこと,あくび,眼球運動 ― 後にはレム睡眠も ― などのすべてが見られます。レスタクは,「限られた範囲でではあるが,胎児も子宮内の世界で聞いたり,見たり,味わったり,においをかいだり,感じたりすることができる」と述べています。それでも中絶権支持者は,胎児はまだ生きた人間にはなっていないと自信を持って言います。

新生児は,胎内で経験した事柄を記憶しています。例えば母親の心臓の鼓動がそうです。赤ちゃんはその音を聞きながら眠ったり,目を覚ましたり,休息をとったりし,そのリズミカルな鼓動に合わせて動いていました。母親の心音はいつも変わらぬ友達で,落ち着きと安心感を与えてくれました。研究者たちはある産科病棟での実験で,母親の心音が持つ鎮静効果を証明しました。録音した人間の心音を聞かせた赤ちゃんは,そうでない赤ちゃんに比べて泣くことが少なく,より良く成長しました。興味深いことに,「子宮内の音や他の音は,子宮内と同じ音量で聞かせた時だけ(ぐずっている赤ちゃんに対する)鎮静効果があった」のです。

胎児の脳は胎内での活動だけでなく,外の世界の出来事にも注意を向け,記憶しています。トーマス・バーニー博士はこう述べています。「ビバルディは,胎児が好きな作曲家の一人である。モーツァルトも同様である。クレメンツ博士の報告によると,この二人の軽やかに舞い上がるような作品のレコードをかけると,いつでも胎児の心拍数は全く安定し,けることも減った。……一方,様々なロックはどれも胎児を非常に動揺させた」。

ノースカロライナ大学の心理学者アンソニー・デカスパ博士は,赤ちゃんのしゃぶる頻度と圧力を監視するためのおしゃぶりを考案しました。赤ちゃんはしゃぶり方を様々に変化させることにより,聞きたい録音された音声 ― 例えば,声や物語 ― を選ぶことを覚えます。生後一,二時間しかたっていない新生児は,胎内にいた時に穏やかな短い言葉をかけてくれた父親の声を聞き分けることができました。赤ちゃんは父親の声を選んで聞いただけでなく,感情面でも反応を示し,安心して泣きやみました。同様に赤ちゃんは,胎内で聞き慣れた母親の声や心音も選んで聞きました。

別の実験では,デカスパは16人の妊婦に「ぼうしの中のねこ」という子供向けのお話を朗読してもらいました。妊婦は妊娠期間の最後の6週間半,毎日2回それを読みました。赤ちゃんが生まれるとすぐにおしゃぶり装置をくわえさせ,「ぼうしの中のねこ」と「王さまとねずみとチーズ」という二つのお話の録音を流しました。どの場合も,赤ちゃんはしゃぶる速さで,胎内で聞いていた「ぼうしの中のねこ」を聞きたい話として選びました。胎内で聞いたことのない「王さまとねずみとチーズ」を聞く代わりに,何度もそうしました。子供たちは年齢にかかわらずそれと同じことをします。いつでも,新しい話よりも自分の好きな話を何度も繰り返し聞きたがるのです。

デカスパは,「誕生後の音に対する好みは,出生前に聞いたものに左右されるように思われる」と結論しています。これらの発見を報告したレスタク博士は,「赤ちゃんは胎内で学習し,母親の声だけでなく,その抑揚や読んでいる本をさえ聞き分ける」と述べています。レスタクの結論はこうです。「言い換えると胎児は,実際に必要とするより前,もしくは活用できると思われるより前の胎児期に聴覚による知覚学習の能力を持っているのである」。

赤ちゃんは胎内で多くのことを学んできました。学習する準備も十分にできています。これまでに考慮した事柄すべては,胎内においてさえ脳が驚嘆すべきものであることを示しています。胎内にいる間に,脳にはすべてのニューロンが備わるのです。「誕生時に,新生児の脳には,網目組織を形成するニューロンが生涯のうちで最も多く備わっている」と神経科学者たちは述べています。胎内のこの新たな生命は,その最初の瞬間から8か月間忙しく働き,それら無数のニューロンだけでなくニューロン相互間の無数の接合を造り,その結果動いたり,呼吸をしたり,しゃぶったり,飲み込んだり,味わったり,排尿したり,聞いたり,見たり,学習したり,記憶したりできるようになったのです。理性的な人なら,どうしてこの胎児が命を持たないなどと言えるでしょうか。

多くの科学者や他の大勢の人たちは論理的に,生命は受胎の際に胎内で始まると考えています。レスタク博士は自著「頭脳」の中で,「我々の人生における本当の始まり,そして最も重大な出来事は,明らかに受胎の瞬間である。中国人は受胎の瞬間から年齢を数えることにより,そのことを認めている。新生児は誕生時に1歳とみなされるのである」と述べています。

今日多くの人は,誕生するまでは赤ちゃんを一個の生命や人間とみなすことはできないという考えを好みます。しかし,神の言葉はそう述べてはいません。故意に赤ちゃんを流産させた場合の神の規定は『命には命』でした。そのことは出エジプト記 21章22節と23節でこう強調されています。「人と人とがつかみ合いをして,妊娠している女を傷つけ,その子供が出てしまうが致命的な事故には至らない場合,その者はその女の所有者が負わせるところにしたがって必ず損害の賠償を課せられる。裁く者たちを通してそれを払わねばならない。しかし,もしも致命的な事故に至ったならば,魂には魂[または,「命には命」,ジェームズ王欽定訳](を与えなければならない)」。

赤ちゃんがまだ胎内にいる時でも,エホバはそれを一個の生きた人間とみなされます。胎児が生きた人間であることは,胎内での胎児の活動全体を見れば明らかです。現代の科学によると,2か月目の終わりには胎児の体の各部がすべてそろい,機能していること,また感じ,学習し,記憶していることが分かっています。確かに,新生児の頭はアリストテレスが言ったような『何も書かれていない書き板』ではありませんし,大学教授が述べたように「野菜とたいして変わらない」知能しかないわけでもありません。最初からニューロンがすべてそろっており,今や自分の周囲にある新たな光景や音や感触を何でも記憶する準備ができています。出発準備は整っているのです。でも本当にそうでしょうか。

母親はおなかの中の赤ちゃんの幸福のために多くのことを行なえますが,赤ちゃんに害を与える場合もあります。母親の考える事柄は善かれあしかれ赤ちゃんに影響を与えかねません。胎児が母親と同じことを考えるというわけではありませんが,母親が思い巡らす事柄から様々な感情が生じ,そのような考えから生じた精神状態は,安心感や平静さや穏やかさと不安感や恐れや憤りのいずれであっても,胎児に影響を与えます。もっと悪くすると,胎盤を通して伝染病が母親から胎児にうつることもあります。性行為感染症,またエイズでさえうつる可能性があるのです。妊娠中にたばこやマリファナを吸ったり,アルコール飲料を飲んだり,モルヒネやコカインやヘロインなどの麻薬を使用したりする母親は,麻薬中毒の赤ちゃん,知恵遅れ,脳障害,身体障害の赤ちゃん,発作やけいれんなどの悲惨な結果に至りやすい赤ちゃんを産むかもしれません。

おなかの中の赤ちゃんは,かつて多くの人が考えていたように外の世界から隔絶されているわけではありません。妊娠中に優しい世話を受ける場合もあれば,残酷な扱いの犠牲者になる場合もあります。ひとたび母胎から外に出ると,どんな世話をしてもらえるのでしょうか。赤ちゃんの学習は胎内で始まりましたが,外の世界に出て来てからはどんな学習経験を積むのでしょうか。幸福な結婚生活を送る愛ある両親がそのような学習経験を良質のものにすることを期待したいものです。

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「既知の宇宙で最も驚嘆すべき器官」

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8週,すべての器官が所定の場所にある

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理性的な人なら,どうしてこの胎児が命を持たないなどと言えるだろうか

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多くの科学者は,生命は受胎の際に始まると考えている

[16ページの図版]

8週,身長4㌢,体の器官すべてが所定の場所にある

[クレジット]

写真: Lennart Nilsson for A Child Is Born - 1976 ed./Dell Publishing Co. (2ページも同様)

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