ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目92 1/22 18–20ページ
  • 家庭が貧しい場合はどうだろう

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 家庭が貧しい場合はどうだろう
  • 目ざめよ! 1992
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 逃避というわな
  • 怒りといら立ち
  • 無力感と絶望感
  • 自尊心を強くする
  • 貧困から抜け出せない人々
    目ざめよ! 1998
  • 貧困をなくそうとする努力
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 2011
  • 増大する貧困 ― あらゆる人に対する脅威
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1975
  • 間もなく,貧困はなくなる!
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1995
もっと見る
目ざめよ! 1992
目92 1/22 18–20ページ

若い人は尋ねる…

家庭が貧しい場合はどうだろう

ジョージにとって,自分が育った南アフリカのスラム街に楽しい思い出などありません。「私たちが暮らしていたのは典型的なムクク住居,つまりブリキでできた二部屋の小さなバラックにすぎませんでした」とジョージは言っています。そのうちの一部屋を8人の兄弟と一緒に使いました。冬の間は冷たい風を切って,その地域全体に一つしかない水道まで水を汲みに出かけたものです。「でも,貧しい家庭で育って一番嫌だったのは,父が身を粉にして働いても家族が生きてゆくのがやっとなのを見ることでした。どうすることもできないように思えて,腹が立ちました」とジョージは言います。

発展途上国では生活苦は日常的な状態です。豊かな欧米の国々にさえ,貧しい人々は驚くほど大勢います。もしかすると,あなたもそうかもしれません。あなたもジョージと同じように,貧しさに閉じ込められているように感じることさえあるかもしれません。そのように感じるのは無理もないことですが,人はそうした気持ちを抱くと,貧困という問題を軽くするより,悪化させるような反応を示すことがあります。

逃避というわな

アルコールや麻薬で感覚を鈍らせて貧困の苦しみから逃避しようとする貧しい若者は驚くほどの数に達しています。ジル・スウォートという研究者によると,南部アフリカのある都市にいる家のない子供たちは,「ただ“スリルを求めて”シンナーを吸うのではなく,寒さ,寂しさ,飢えから逃れる……ためにそれを使う」のです。

しかし,こうした若者たちは幻覚状態から覚めて正気に返ると,どのように感じるでしょうか。ジル・スウォートは,「極度の憂うつ感」,「攻撃的になること」,「急激な気分の変化」,「視覚障害」などの症状や,貧困からの正常な“逃避”とはとうてい呼べないような体の変調を他にも数多く挙げています。

知恵のあるソロモン王は,「酔いどれ……は貧困に陥り,眠気はただのぼろ切れを人にまとわせる」と言いました。(箴言 23:21)アルコールやシンナーや麻薬で自分の思考の状態を変えることによって貧困という現実から逃げようとしても,問題はなくなりません。(箴言 31:7と比較してください。)片親しかいない貧しい家庭で育った南アフリカの16歳の少女マリアが述べたとおり,「現実から逃避しようとしても,問題は減るどころか増えてしまいます」。そのうえ,そのような害になる習慣を続けるにはたいへんお金がかかり,ますます貧困に追いやられます。貧しい若者は自分の置かれている状況に正々堂々と立ち向かわなければ,それに対処できるようになるという期待は持てません。

怒りといら立ち

多くの若者は貧しい環境に閉じ込められていることに怒りを覚え,暴力,破壊,盗みなどの少年犯罪行為によって憤りを表現します。ワールドブック百科事典の述べるところによると,そのような若者たちはこれを「退屈,貧困などの問題からの唯一の逃げ道」とみなしています。先ほど述べたジョージは,自分と同年代の仲間たちの中に,怒りといら立ちを抱いて,近所の人たちを震え上がらせていた不良グループに入った人がいたと言い,続けて,「そういう人たちはしょっちゅうけんかをし,盗みをしながら生きていました」と述べています。また,ヤクの売人になる,つまり麻薬の密売を行なうなど,お金のもうかる違法行為にかかわることによって貧しさを乗り切ろうとする若者たちもいます。

しかし,非行に走っても,貧困を軽くするどころか問題を悪化させるだけです。役に立つ技術や職を身につけることなど,生産的な活動に使うことができたはずの活力が浪費されてしまいます。わがままな若者は事態を改善することなく,もっと深い身体的また感情的傷を負うだけです。しまいには刑務所に入ったり,もしかすると暴力行為のために命を失ったりする若者もいるかもしれません。ソロモン王が警告したとおり,「懲らしめをおろそかにする者は貧しさと不名誉に陥る」のです。―箴言 13:18。

無力感と絶望感

貧困が若者に及ぼす最も破壊的な影響は,自分には価値がないとか,自分は劣っているなどという気持ちがなかなか消えないことかもしれません。極度の貧しさが生活のあらゆる面にのしかかってくるため,生活水準がいつかは改善されるという希望を完全に失ってしまった若者は少なくありません。若い人々は,「親が抱いたと同様の無力感と絶望感を持つようになる」ことが多い,とワールドブック百科事典は述べています。結果的に,一種の“貧困の文化”が始まり,その犠牲者たちは仕方なく一生惨めに暮らします。

しかし,無力感や絶望感に浸っていて,自分の置かれた状況が良くなるでしょうか。決して良くなりません。むしろ,そうしていると貧困の悪循環は止まらなくなるだけです。昔の格言にあるとおり,「風を見守っている者は種をまかない。雲を見つめている者は刈り取らない」のです。(伝道の書 11:4)もし農夫が,消極的な可能性 ― まいた種が風に吹き飛ばされてしまうとか,雨で作物がしけってしまうとか ― だけに注意を向けるなら,必要な行動を起こすことはできないでしょう。同じように,消極的な気持ちばかりに注意を向けていると,自分の置かれた状況を改善するための努力はすべて無駄になりかねません。

そのためソロモン王は,さらに次のような助言を与えました。「朝に種をまき,夕方になるまで手を休めるな。あなたは,これがどこで成功するか……知らないからである」。(伝道の書 11:6)失敗を恐れたり,事態を絶望視したりして躊躇するのではなく,行動を起こすのです。消極的な気持ちを少しずつ積極的な気持ちに置き換えてゆくためにできる事柄があります。

自尊心を強くする

11歳のジェームズのことを考えてみましょう。ジェームズは南アフリカのヨハネスブルク近郊の公有地にある仮設住宅に,母親と妹と一緒に住んでいます。持ち物はほとんど何もありません。ジェームズは週末になるといつも,近くのエホバの証人の王国会館の建設を自発的に手伝いに行きます。こうすることによって,時間を持て余さなくてすむだけでなく,達成感を味わうこともできます。ジェームズは満面に笑みを浮かべながら,「会館の建設が1日終わると,心から満足感がわいてくるんです」と言います。この若者は貧しくても,時間と活力という貴重な財産を持っているのです。

さらに,生産的な活動として,家から家の聖書教育活動があります。(マタイ 24:14)多くの年若いエホバの証人はこの活動に定期的に参加します。そのようにすれば,将来より良い生活を送れるという希望を他の人々に伝えることができるだけでなく,自尊心,自信,尊厳を強めることができます。もちろん,これはお金をかせぐための活動ではありません。しかし,イエスが昔のスミルナ会衆のクリスチャンに伝えた音信を思い出してください。彼らは物質的には非常に貧しくても霊性が高かったので,イエスは,「わたしはあなたの患難と貧しさを知っている ― しかしあなたは富んでいるのである」と言うことができました。イエスの流された血に生きた信仰を働かせたので,彼らは最終的に永遠の命という冠を受け,この上なく富んだ者となるのです。―啓示 2:9,10。

貧しい家庭で大人になるのは容易なことではありません。けれども,自分が置かれた状況を恥ずかしく思ったり,無力感や絶望感を抱いたりする理由はどこにもありません。「人が人を支配してこれに害を及ぼした」ので貧困が存在しているのです。(伝道の書 8:9)間もなく人間に代わって神が地上の物事の管理を行ない,貧困と貧困がもたらす破壊的な影響とを取り除いてくださることを証拠は示しています。(詩編 37:9-11)神のみ子キリスト・イエスは,刑柱上で死のうとしていた時に自分に信仰を働かせた哀れな悪行者に約束されたとおり,パラダイスとなった地球に幾十億人もの人々を招き入れられます。(ルカ 23:43)しかしそれまでの間,貧しさに対処するためにあなたにできる実際的な方法はたくさんあります。その点については,将来の号で扱います。

[20ページの囲み記事]

「貧しさに閉じ込められているように感じました」

アフリカ人の若者ジョージは,何が何でも学校をやめずに基礎教育を終えたいと思っていました。そうすれば,給料のよい仕事を見つけて,自分も家族も貧しさから抜け出せると考えました。しかし,物事はそううまくはゆきませんでした。家族が経済的に極度に苦しくなったため,わずか6年でやむなく学校をやめ,働くことになりました。やっと見つけた仕事は瓶詰工場での箱詰め作業で,賃金は週にたったの14ランド(約700円)でした。給料はすべて家族の生活費になりました。

ジョージはこう言います。「貧しさに閉じ込められているように感じましたが,不良グループに入ったり,盗んだもので生活したりしても何にもならないことは分かっていました。今では,私と同じ年ごろでそのようなことをした人の多くは,希望のない落伍者になっているか,酒と麻薬に溺れているか,刑務所に入っているかのいずれかです。中には,自分の生き方がもとで殺された人さえいます」。

その後ジョージはエホバの証人と接するようになりました。ジョージはこう言います。「まず気がついたことは,クリスチャンの集会でだれもが私のところに近づいてきて,敬意をこめて話しかけてくれたことです」。そして続けて,「以前欠けていた自信と自尊心を徐々に持つようになりました」と言います。また,詩編 72編12節と13節などの聖句はジョージにとって大きな慰めになりました。そこにはこう書いてあります。「助けを叫び求める貧しい者……を彼[メシアなる王]が救い出すからです。彼は立場の低い者や貧しい者をふびんに思い,貧しい者たちの魂を救います」。ジョージは聖書の約束のおかげで,新たな興味と希望に満たされて生活するようになりました。

現在のジョージを見ていると,無力感や失望感を積極的な見方に変えるためにたいへんな苦闘をした人であるとは想像もつきません。幸福な結婚生活を送っているジョージは現在,南アフリカのソウェトにある一会衆の主宰監督として奉仕しています。

[19ページの図版]

何か価値あることのために時間や活力を用いるほうが,あきらめて失望感に浸るよりはるかによい

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする