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  • 目ざめよ! 1992
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目ざめよ! 1992
目92 6/8 5–8ページ

かけ事の苦い代償

ボビーはロンドン北部の路上に駐車された車の中で死んでいました。23歳の若さで自殺したのです。

しばらくの間街角で寝起きしていた老人が,福祉施設に現われました。4日間何も食べず,心臓病の処方薬も飲んでいなかったため,非常に衰弱していました。

5人の子供の父親であるエミリオは悲嘆に暮れていました。妻と子供たちから見放されて,今ではもう口もきいてもらえません。

自殺,浮浪者,拒絶された父親。互いに関連がなさそうなこの三つの悲劇は今日の社会ではそう珍しくありません。しかし,それぞれに共通する要素がありました。それはかけ事中毒です。

かけ事に病みつきになっている人の多くは自分が問題を抱えていることをなかなか認めようとせず,たいてい家族の者は世間体を考えてそのことを隠します。しかし,世界中の幾百万という家庭はこの破壊的な中毒のために苦悩と失望に毎日直面しています。

病みつきの人がどれくらいいるかは分かっていません。米国の場合は控えめに見て,1,000万人と考えられています。かけ事のできる国の数が増すにつれ,その数は恐ろしいほど多くなり,いたる所で急増しています。賭博癖は「最も速く増える中毒」と言われてきました。

新しい中毒者の多くは,最初は“運だめし”のつもりで何気なくかけ事に手を出しました。それがきっかけとなり,かけ事中毒という悪夢の中に押し流されてしまったのです。

かけ事が手に負えなくなるとき

何気なく始めたかけ事が病みつきになってしまうのはなぜでしょうか。原因は様々ですが,かけ事をする人は何かのことで,かけ事なしでは生きてゆけないと考えるところにまで達するのです。(7ページの囲み記事をご覧ください。)自分の生活の中に欠けていた刺激をかけ事に見いだす人もいます。ある人はこう説明しています。「勝つか負けるかは,あまり大切なことではないんです。お金をかけるとき,特に自分が周りの人より多くかけるときは,自分が世界で一番偉い人物になったような気になります。みんなが私に敬意を示します。とても興奮します」。

寂しさや憂うつを紛らすためにかけ事に手を出す人々もいます。エスターは4児の母です。夫は軍人で,家を留守にすることが多かったため,エスターは寂しくなり,ゲームセンターのスロットマシンで遊ぶようになりました。しばらくすると,毎日数時間遊ぶようになりました。買い物のためのお金はすぐになくなり,問題のほうは増えてゆきました。浪費したお金については夫に隠そうとし,一方では1日200㌦(約2万6,000円)もかかる中毒症のため,血眼になって銀行や他の人々からお金を借りようとしました。

一度大金を当てたことが引き金となってかけ事に取り付かれた人もいます。賭博癖に関する権威者,ロバート・カスターは,「一般に,かけ事を始めたばかりの時に勝ち,その後ずっと勝ち続ける人たちは病みつきになってしまう」と説明しています。そうなると,勝ち続けたいという欲求は抑えきれないほどになります。

迷信が仕掛ける巧妙なわな

かけ事をする人の多くは論理よりも勘に左右されます。かけ事に関心のある人でも理性だけに従う人であれば,確率を計算するだけで思いとどまるはずです。一例として,米国では落雷で死ぬ確率はおよそ170万人に一人です。州が発売する宝くじに当たる確率はどんなに高く見積もってもその半分です。

自分は落雷に遭うと考えている人がいるでしょうか。そう考えるのは矯正不能な悲観主義者だけです。ところが,宝くじを買う人はほとんど例外なく,自分の券の番号が当選番号になることを夢見ています。宝くじが当選する見込みは落雷に打たれる見込みより魅力的であるとはいえ,多くの人が絶望に近い事柄に希望を抱いている理由は迷信にあります。自分の好きな“幸運の数字”を選ぶと,確率が低くても当たるかもしれないと思うのです。―8ページの囲み記事をご覧ください。

スペインの数学者クラウディオ・アルシナの意見では,カジノと宝くじが運任せのゲームで数字の代わりにアルファベットを使ったとすれば,勝率は全く変わらないにもかかわらず,不思議な魅力は ― そして恐らく相当の額の収益金も ― なくなってしまうだろうということです。特定の数字が発揮する魅力には驚くべきものがあります。9,7,6,0などの数字を好む人もいれば,誕生日やホロスコープの解釈から割り出した自分の“幸運の数字”を選ぶ人もいます。また,何かの奇妙な現象を導きにする人もいます。

ある日,一人の男性はモンテカルロのカジノに近づいたとき,不快な出来事に遭いました。頭上を飛んでいたはとが彼の帽子に糞を落として行ったのです。その日この男性は1万5,000㌦を手に入れました。はとの糞は幸運の前兆だと信じたこの男性はそれ以後,“天からのしるし”をまた受けたくて,必ず外を歩き回ってからカジノに入るようになりました。このように,かけ事をする人の多くは迷信によって惑わされ,自分のつきはなくならないと考えるようになります。しかし,その考えにはたいてい無情な妄想が伴い,その妄想に支配され,しまいには取りつかれてしまうかもしれません。

お金に対する愛が原因

人はお金を得るため,それもできれば大金を得るためにかけ事をします。しかし病みつきになっている人の場合,得たお金は特殊な魔力を帯びます。ロバート・カスターが説明しているとおり,彼らの目には,「金は重要なもの。……金は友情。……金は薬」と映るのです。では,病みつきの人にとってお金がそれほど大きな意味を持つのはなぜでしょうか。

かけ事をする人の間では,大金を当てる人や大金を使う人がもてはやされます。彼らはそのような人と一緒にいるのを好みます。そのため,もうけたお金は彼らに向かって,おまえは一角の人物だ,頭が切れる,などと語りかけます。また,お金があると,本人は問題を忘れ,リラックスし,気分が高揚します。研究者ジェイ・リビングストンの言葉を借りれば,病みつきになっている人は,「感情的な必要をすべて一回のかけで満たそうとする」のです。これは悲劇的な誤りです。

泡がはじけるように幻想が崩壊して負けが込んでくると,お金はさらに重要になります。今度は必死になって失った分を取り戻そうとします。どうすれば貸し主に返済し,つきを取り戻すのに十分なお金をかき集めることができるでしょうか。その人の生活は遠からず,ひたすら現金を探し求める生活へと退廃してゆきます。

これが,かけ事をする幾千万もの人々の生活の悲惨な実態なのです。かけ事をする人には男性も女性もおり,あらゆる年齢層また階層の人がいます。最近では十代の若者や主婦の間でかけ事中毒が急激に増えていますが,このことから,だれでもかけ事の影響を受けることが分かります。

十代の若者と主婦が病みつきになる

若者たちはお金がすぐに手に入るスロットマシンや運任せのゲームのとりこになりやすいものです。英国のある都市で行なわれた調査では,14歳の若者5人につき4人は常習的にスロットマシンで遊んでおり,その大半が9歳の時には始めていたことが分かりました。かけ事をするために授業をさぼっていた者もいました。米国の高校生を対象にしたある調査では,6%が「病的なかけ事に至りそうな徴候を示した」ことが明らかになりました。

スペインのマドリードにある元ギャンブラーから成る自助グループの会長,マヌエル・メルガレホが「目ざめよ!」誌に語ったところによると,感じやすい若者はスロットマシンで一度大金を当てただけで病みつきになることがよくあるということです。かけ事は一夜にして気晴らしに変わり,それに熱中するようになります。やがて年若い中毒者は,お金欲しさに先祖伝来の家財を売るとか,家族の者からお金を盗む,さらにはこそ泥をはたらく,売春に走る,といったことさえするようになるかもしれません。

専門家たちはかけ事に病みつきになっている主婦の数が著しく増加していることにも注目しています。例えば,現在米国では病みつきの人の全体の約30%は女性ですが,西暦2000年までには,50%にまで上昇すると予想されています。

労働者階級に属するマリアは二人の娘を持つ母親ですが,かけ事に病みつきになった多くの主婦の典型と言えます。マリアは過去7年間に,ビンゴとスロットマシンに3万5,000㌦(約455万円)― その大部分は家計費 ― を費やしました。「お金は二度と戻ってきません」とマリアはため息をつきます。「50㌦(約6,500円)入った財布を持ってカフェに入っても,そのお金を[スロットマシンに入れるのではなく]子供たちのために使うだけの精神力を持てる日が来ることをただただ願っています」。

夢が悪夢に変わる

かけ事ははかない夢の上に築かれています。ある人々にとって富を得る夢は一過性のものですが,病みつきになっている人の場合,その夢は妄想となって,その妄想を執ように追いかけて破産や投獄の憂き目に遭い,死ぬことさえあります。

かけ事を行なえば,面白い気晴らし,多少の刺激,いくらかの臨時収入,日ごろの心配からの逃避など,もっともな欲求が満たされそうですが,途方もない代償が隠れていることがあるのです。かけ事に病みつきになっている人たちはそれに気づいて,悲しんでいます。そのような欲求はほかで満たすことができないのでしょうか。

[7ページの囲み記事]

かけ事に病みつきになっている人の人物像

かけ事をする人は負ける額に関係なくかけ続けます。勝てば勝ったでまたそのお金を使ってかけ続けます。その気になればいつでもやめられると言うかもしれませんが,ポケットにお金があると,数日たりとも何かにお金をかけずにはいられません。かけ事に対して病的な衝動を感じるのです。

絶えず借金を背負い込みます。貸し主に返せない時には血眼になってさらにお金を借ります。返済期限の最も迫った借金を支払い,そしてかけ続けるためです。遅かれ早かれ不正を働くようになります。会社のお金をかけ事で失うことさえあるかもしれません。たいていの場合,最後には解雇されます。

かけ事以外のものはすべて,妻や子供たちでさえも,二の次になります。病みつきになると必然的に夫婦の間に不和が生じ,ついには別居や離婚にいたることもあります。

激しい罪悪感のため,当人はますます内向的になり,他の人と話をすることに困難を覚えます。そしてついには重いうつ病になり,自殺を図ることさえあるかもしれません。それ以外に窮地から逃れる方法が見いだせないからです。

[8ページの囲み記事/図版]

モンテカルロで胴元の金を全部巻き上げた男

チャールズ・ウェルズという英国人は,1891年の7月にモンテカルロのカジノを訪れました。そして数日のうちに1万フランを100万フランに変え,驚いたことに,4か月後に再びその妙技をやってのけたのです。他の多くのギャンブラーは彼の“手”を知ろうとしましたが,無駄でした。ウェルズは,そういう手など本当に持ち合わせてはいないと常々言っていました。実際,次の年には金をすべて失い,一文なしで死にました。皮肉なことに,このエピソードは当のカジノにとっては非常に好都合な宣伝になりました。このカジノは国際的に有名になり,その後その評判を一度も失ったことがありません。

モンテカルロ錯誤

多くの人は,スロットマシンやルーレット盤に記憶力があると思い込んでいます。そのためルーレットの場合,それまでに出た数字に規則性があれば,恐らくその後もその規則に従って数が出るだろうと考える人がいます。同様に,スロットマシンの場合も,ある機械にしばらく大当たりが出ていないなら,間もなく出るはずだと考える人々がいます。そのような誤った仮想はモンテカルロ錯誤と呼ばれます。

ルーレット盤も,スロットマシンの当たりが決まる仕組みも,その働きは全くの偶然によります。ですから,すでに出た結果とは無関係なのです。新ブリタニカ百科事典が指摘しているように,これら運任せのゲームでは,「特定の結果を生み出す確率はどの回の場合も毎回同じ」なのです。それで,当たる確率は毎回全く同じです。しかし,モンテカルロ錯誤は多くのギャンブラーたちを破産させ,カジノの金庫を潤してきました。

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