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目ざめよ! 1992
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ラン この華麗なる花

「腹が立ったら竹を描け。うれしい時は蘭を描け」。この中国のことわざは,ランを不滅の花とした東洋の芸術家や園芸家とランとの間にみられる2,000年越しの愛をよく言い表わしています。

確かにランは情熱をかきたてる花です。しかし,人をとりこにするランの魅力が西洋で認められるようになったのはごく最近のことです。実際,その栽培はふとしたことから始まりました。

1800年代の初めごろ,熱帯植物の輸入業者ウィリアム・カトリーは,荷造りに使われていたある球根の茎に目を留めます。カトリーは好奇心からそれを温室で育ててみました。その年の終わりに,彼の好奇心は目もあやな薄紫の花によって報われます。ヨーロッパの植物栽培業者たちはすぐに,その人目を引く花で商売できると見てとりました。

やがて,この熱帯の宝探しが本格的に始まります。採集家たちは珍種のランを求めてジャングル中を探し回りましたが,見つかったランの多くはヨーロッパへの長い航海を乗りきることができませんでした。港に無事到着したものには高い値段が付けられました。1906年にロンドンで行なわれた競売では,わずか一株のランが1,150ギニー(現在の価値にして10万㌦[約1,250万円])で競り落とされました。品種改良されるようになってから価格はぐっと下がりましたが,今でも収集家なら改良種に2万5,000㌦(約312万5,000円)を差し出すでしょう。

ランのどこに引き付けられるのでしょう。形や色が限りなく変化に富んでいることが挙げられます。あるいはその神秘的な美しさや,えも言われぬエキゾチックな魅力でしょうか。いずれにせよ,ランは国境を越えて盛んに取り引きされるようになりました。

園芸家たちは熱帯産の派手なランを栽培したがるものですが,ほとんどのランはうっかり見過ごしてしまいそうな慎ましい花です。あるものなど花の差し渡しがわずか2㍉ほどしかありません。

野生のランは,砂漠や湿原,山頂などをはじめ,湿度の高い熱帯の森林から北極圏の荒れ地に至るまで,様々な場所に生育しています。樹上で育つものも多く,サボテンやマングローブの根を宿主として好む種もあります。しかしランは寄生植物ではありません。ただ,その気根と呼ばれる根が大気中の水分を吸収できるよう,木に支えてもらう必要があるのです。

その多様性もさることながら,ランの繁殖の仕方も独特です。驚くなかれ,たった一粒のランの種子カプセルの中に,200万もの小さな種子が詰まっていることがあるのです。それらの種子は風に乗って遠く広く運ばれてゆきます。他の多くの種子と異なり,ランの種子には食料が内蔵されていないので,うまく芽を出せるかどうかは必要な栄養を供給してくれる菌が見つかるかどうかにかかっています。

種子を作るにはまず受粉しなければなりませんが,普通それは昆虫の役目です。昆虫はこの花のどこに引かれるのでしょうか。ランには訪問者にごちそうするような花粉はありませんし,すべての種類のランに蜜があるわけでもないのです。ランが好んで用いるのは,その美しさと香り,そして変装です。

美しさに引かれる

過去1世紀以上にわたって,園芸家は自生している魅力的な種の品種改良に腐心してきました。その種類は現在登録されているだけで75,000以上にもなります。

野生ランにとって,その美貌は実益も兼ねています。魅力的な花は受粉を行なう昆虫を誘うのに役立つのです。中央の大きな花弁つまり唇弁は,大抵最もカラフルで,羽のあるゲストは,ついついそこに止まりたくなります。

鮮やかな花は,ミツバチ,スズメバチ,チョウ,ハチドリなどを引きつけますし,多くのランの花弁にみられる平行線は,種類によってはごちそうである蜜のありかを訪問者に示す道路標識になります。しかし昆虫は,その美しさだけに誘われるわけではありません。

思わず引き付けられる香り

視力がそれほどよくない昆虫は,ランの美しさに気がつかないかもしれません。しかしその魅惑的な香りには引き付けられずにいられないでしょう。雌の昆虫に似た香りを発する種類もあります。本物のスズメバチの雌よりも本物らしい匂いがすると言われるランもあるのです。

香りはデリケートなものばかりではありません。腐った匂いがするランもあります。しかしそれにも効き目があります。その強烈さたるや,ハエの名誉にかけても止まらずにはいられないはずです。香りをもってしても不十分なら,嗅覚だましの効果を高める変装の出番となります。

物まね上手

オンシジウム属のランが風でほのかに揺れると,まるで昆虫の天敵のように見えるので,怒ったハチはランを襲撃して“敵”を追い払おうとします。そうこうしているうち,ハチは知らず知らずにそのランから花粉をたくさん集めています。

一方オフリス属のランは,ハチにとっては敵というよりは友人のようです。見た目も匂いもハチそっくりなのです。雄のハチは雌と勘違いしてその花を訪れます。一杯食わされたことに気づくころ,この哀れな求婚者の体にも花粉の塊が付いています。雄のハチは次のランにもだまされて(ハチは2回もだまされてしまう)しっかり受粉がなされます。

創造者を賛美するもの

ランの驚くほどの多様性と凝った仕組みは,創造者の知恵の生きた証拠となっています。確かにそのすばらしい造りは,まぐれ当たりとか必要に迫られたからなどとはとても説明できません。

イエス・キリストはこのような花の美しさから学べる別の教訓についてこのように言われました。「野に育つ花のことを考えてみなさい。……わたしは断言しておきますが,王の長服で正装したソロモンでさえ,その花の一つほどにも装ってはいなかったのです。神が野生の花をそのように装わせておられるのなら……なおのことあなた方を世話してくださらないでしょうか」― マタイ 6:28-30,新エルサレム聖書。

わたしたちは,今度は人間が地球上にある貴重なランを世話するようになる時を待ち望むことができます。何千という熱帯種がわたしたちの発見を待ち受けており,その神秘と驚異はわたしたちの想像をはるかに超えることでしょう。どのような色や形であったとしても,それらは創造の美しさや多様性に対するわたしたちの感謝の念を一層深めるものとなるに違いありません。―イザヤ 35:1,2と比較してください。

[16-18ページの図版]

1. カトレア(改良種)

2. カトレア(改良種)

3. バンダ(改良種)

4. コチョウラン(改良種)

5. カトレア(改良種)

6. コチョウラン(改良種)

7. バンダ(改良種)

8. コチョウラン

9. コチョウラン(改良種)

10. カトレア オウランティアカ

[クレジット]

写真 1, 2, 4-6, 8-10: スペイン,マドリードのJardineria Juan Bourguignon の厚意により掲載

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