エイズと有名人
新聞の死亡記事を読む人々はたいてい,エイズで死亡する有名人の数が多いことに驚きます。ニューズウィーク誌の1993年1月21日号は,「ダンス,演劇,文学,美術,音楽,デザイン,ファッション,テレビ,映画。あらゆる分野でエイズの悲劇は続いている」と述べて,多くの有名人が死んでいることを認めています。
ニューズウィーク誌(英文)はまた,「パリはむしろニューヨークやロサンゼルスに似ている。ある調査によると,パリの住人で,ジャーナリズム,美術,演芸などを職業としていた,25歳から44歳までの男性の死因の6割はエイズである」とも伝えています。
ピープル誌の1993年1月23日号に掲載された「氷上の恐怖」という記事は,プロのアイス・スケーティングの世界がエイズで壊滅状態にあることを述べています。それによると,「同スポーツ界は,40人以上の選手の死によって大きな痛手を受け,北米のトップ・フィギュア・スケーターたちは,友人が亡くなってゆくことや,エイズがもたらす被害の大きさに苦悶して」います。
オリンピックで金メダルを獲得した英国のジョン・カリーは,ピープル誌の中で,「エイズにかかっている最も有名なスケート選手」とされています。ピープル誌は彼の言葉として,「私の仲間はみなエイズで死んだ」と述べています。なぜそんなに多くのスケート選手がエイズに感染したのでしょうか。
原因は彼らの生き方にあります。ピープル誌はこの点を示してこう述べています。「スケート選手,コーチ,それに他の関係者たちは,友人の死を個人的には悼みながらも当惑し,スケート界におけるエイズや同性愛の問題をおおっぴらに扱うことを恐れている」。
同性愛であれ異性愛であれ,相手かまわぬ性交渉こそエイズのおもな原因です。1991年12月,カナダに住む二人の医師は,エイズで死亡したある女性が,彼女と性交渉のあったナショナル・ホッケー・リーグの選手の名前を70名まで挙げたことを明らかにしました。「この話は,NHLの幾つかのチームに大きな不安を与えた」と,1991年12月5日付のニューヨーク・タイムズ紙は伝えました。「この不安は,いま習慣的に行なわれている事柄について話し合うために集まった選手やコーチたちの陰うつな表情に表われていた」。
どんな手を打つべきでしょうか。「我々が選手たちに送るべきメッセージは,セーフ・セックスではなく,セーブ・セックスだ」と,モントリオール・カナディアンズのある選手は言いました。「結婚するまで性行為をするな」というわけです。これは何も新しい忠告ではありません。聖書は,「淫行から逃げ去りなさい」と勧めているからです。―コリント第一 6:18。
[31ページの図版のクレジット]
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