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目ざめよ! 1996
目96 1/22 6–10ページ

驚異的な宇宙

限りない謎を秘め,限りなく美しい

毎年この時期になると,夜空にちりばめられた星のきらめきがわたしたちの目を奪います。はるか頭上にまたがって立っているのは勇者オリオンで,1月の夜には,アラスカのアンカレジから南アフリカのケープタウンに至るまで,よく見えます。あなたは最近,オリオン座のように有名な星座の,天空の宝石をじっくりご覧になりましたか。それほど前のことではありませんが,天文学者たちは,修理が済んだばかりのハッブル宇宙望遠鏡を使って,その様子をかいま見ました。

オリオンのベルトを成す三つ星からは,剣がぶら下がっています。剣の真ん中に見える淡い星は,実は星ではなく,有名なオリオン大星雲です。小型の望遠鏡で見ても息をのむように美しい天体です。しかし,プロの天文学者がオリオン大星雲に魅せられている理由は,この星雲の不思議な輝きにあるのではありません。

「天文学者たちがオリオン大星雲と,そこに群がる多くの若い星々を調べているのは,それがわたしたちの銀河系の中で最大規模の,最も活動的な,星の誕生現場だからである」。ジャン・ピエール・カヨーは「天文学」誌(英文)で,そのように伝えています。この大星雲は,どうやら宇宙の産科病棟らしいのです。ハッブル宇宙望遠鏡でオリオン大星雲の撮影が行なわれ,それまで知られていなかった詳細が記録された時,天文学者たちは,星や輝くガスだけでなく,カヨーの言う「淡い小さな楕円。オレンジ色の光のしみ。写真にたまたま落としてしまった食べ物のくずのようなもの」をも目にしました。しかし科学者たちは,それら淡い楕円の模様は現像の失敗ではなく,「形成途上の惑星系の原形である原始惑星系の円盤を1,500光年のかなたからとらえたもの」であると見ています。オリオン大星雲では,この瞬間に星々,それも惑星系全体が誕生しているのでしょうか。多くの天文学者はそう考えています。

産科病棟から星の墓場まで

弓を手にして前に踏み出すオリオンは,おうし座と対決しているかのようです。小型の望遠鏡で,おうしの南側の角の先端近くを見ると,淡い光の点が見えます。その部分は,かに星雲と呼ばれています。かに星雲は大型の望遠鏡で見ると,9ページに示されているように,爆発の最中であるかのように見えます。オリオン大星雲が星の新生児室であるとすれば,隣のかに星雲は,想像を超える凄惨な死に方をした星の墓場と言えるかもしれません。

中国の天文学者たちが記録に残しているのは,天空のこの大激変のことかもしれません。彼らは1054年7月4日におうし座に突如現われた“客星”について伝えています。その星はとても明るく輝いたので,23日にわたって昼間でも見ることができたほどです。「その星は太陽4億個ほどの明るさで何週間も輝いた」と,天文学者のロバート・バーナムは述べています。天文学者は,そうした星の壮絶な自殺を超新星と呼んでいます。観測されてから1,000年近くたっている今でさえ,その爆発による破片は推定で1日に8,000万㌔の速さで宇宙を突き進んでいます。

この分野でもハッブル宇宙望遠鏡は活躍しています。かに星雲の奥深い部分を観測し,「天文学」誌によれば,「天文学者たちが全く予想しなかった,かに星雲の詳細」を発見しているということです。天文学者のポール・スコウェンは,こうした発見のため,「理論天文学者たちは当面のあいだ頭をひねることになるだろう」と述べています。

ハーバード大学のロバート・カルシュナーといった天文学者たちは,かに星雲のような超新星残骸について理解することは重要であると考えています。それらの残骸は,他の銀河までの距離を測るのに用いることができるからです。現在,この分野に関する集中的な研究が行なわれています。すでに見てきたとおり,他の銀河までの距離について見解の相違があったため,最近,ビッグバンという宇宙創造のモデルを巡る活発な議論に火がつけられました。

おうし座の向こうにありながら,北半球では1月の西の空に見えるのが,アンドロメダ座の淡い輝きです。そこに輝いて見えるのは,肉眼で見える最も遠い天体,アンドロメダ銀河です。オリオン座とおうし座の驚異は,わたしたちから見て宇宙の裏庭,つまり地球から数千光年の範囲内にあります。ところが,今わたしたちが眺めているのは,推定200万光年ほど先の,巨大な渦を巻いた星々です。それは,わたしたちの銀河である銀河系によく似ていますが,大きさは銀河系をしのぎ,端から端までおよそ18万光年の長さがあります。アンドロメダの柔らかい光を見ているとき,あなたの目には,200万年以上昔のものとも言われる光が注がれているのです。

近年,マーガレット・ゲラーや他の人たちは,わたしたちの周りのすべての銀河の位置を三次元地図で示そうという,大胆な計画に着手しました。その成果は,ビッグバン理論を巡る重大な疑問を引き起こしています。宇宙の地図製作者たちは,銀河がすべての方向に滑らかに分布する様子を見る代わりに,何億光年にもわたって連なる構造の「銀河のタペストリー」を発見したのです。「誕生したばかりの宇宙でほぼ均一に散らばっていた物質から,どのようにこのタペストリーが織り成されたのか,この点は宇宙論にとって最も緊急な問題である」。定評のあるサイエンス誌(英文)に掲載された最近の記事は,そう述べました。

今夜はまず1月の夜空を見て,息をのむような美しさだけでなく,宇宙のまさに本質や起源にかかわる疑問や謎があることも,短時間で分かりました。宇宙はどのようにして始まったのでしょうか。今のように複雑な構造がどのように出来上がったのでしょうか。わたしたちを取り巻く驚異的な天空は,これからどうなるのでしょうか。はっきりとしたことを言える人がいますか。調べてみましょう。

[8ページの囲み記事]

どうして距離が分かるのですか

アンドロメダ銀河は200万光年離れていると言う天文学者たちは,実際には経験に基づく推測を行なっているのです。そのような気の遠くなるような距離を直接測る方法を考え出した人はいません。およそ200光年までの,極めて近い星との距離は,恒星視差を用いて直接測ることができます。これは,簡単な三角法を応用したものです。しかし,この方法が使えるのは,星が地球のとても近くにあって,地球が太陽の周りを回る際,星が見かけの上でわずかに動く場合に限られます。ほとんどの星,それにすべての銀河は,もっと遠くにあります。ここで推測が始まります。オリオン座の有名な赤色超巨星ベテルギウスのような,地球の裏庭と言える近い場所にある星でさえ,距離は推測するしかありません。その推定距離は300光年とも1,000光年余りとも言われています。したがって,天文学者の間で,他の銀河との距離をめぐって意見の違いがあるとしても,驚くには当たりません。銀河の距離の開きは,意見の開きの100万倍も大きいのです。

[8ページの囲み記事]

超新星,パルサー,ブラックホール

かに星雲の中心には,既知の宇宙における並外れて奇妙な天体があります。科学者たちによれば,超高密度に圧縮された,死んだ星の小さな残骸が,墓の中で毎秒30回転して,電波のビームを出しているのです。その種の電波が地球上で初めて探知されたのは1968年のことです。この天体はパルサーと呼ばれ,回転する超新星残骸であるとされています。あまりに圧縮されているため,元々の星の原子において,電子と陽子が締めつけられて一緒になり,中性子が出来上がります。科学者たちは,パルサーがかつて,オリオン座のベテルギウスやリゲルのような超巨星の大きな中心核だったと言います。星が爆発して外層が宇宙空間に吹き飛ばされると,縮んだ中心核だけが残ります。それは核反応がずっと前に止まった,白熱した輝く燃え殻です。

太陽二つ分ほどの質量の星を直径15ないし20㌔のボールに圧縮するとしましょう。地球を直径120㍍まで圧縮するとしましょう。そのような物質は,1立方㌢あたり10億㌧を超える重さになるでしょう。

物質を圧縮したらどうなるかという説明は,これでもまだ不十分に思えます。地球をどんどん縮めてビー玉ぐらいの大きさにすると,最終的に地球の重力場は非常に強くなり,光さえも抜け出せなくなります。この段階で,ちっぽけな地球はブラックホールと呼ばれるものの中に消えてしまうことになるようです。ほとんどの天文学者は,ブラックホールはあると思っていますが,その存在はまだ証明されてはいません。また,数年前に考えられていたほど,ありふれたものではないようです。

[10ページの囲み記事]

本当にそんな色なのですか

小型の望遠鏡で空を見つめる人は,有名な銀河や星雲を初めて見つけたとき,たいていがっかりします。写真で見た美しい色はどこへ行ってしまったのでしょうか。「銀河の色は,今あるどんな大型望遠鏡を使っても,人間の目で直接見ることはできない。銀河の光はあまりに淡いため,網膜に色の感覚を生じさせることができないからである」。天文学者でサイエンスライターのティモシー・フェリスは,そのように言います。そのため,天文写真の美しい色は偽物で,現像するときにどうにか細工して付け足したのだろう,と思い込んでいる人たちもいます。しかし,それは事実ではありません。「色は確かに本物で,写真は天文学者が色を正確に出そうと手を尽くした成果である」と,フェリスは書いています。

フェリスはその著書「銀河」の中で次のように説明しています。銀河や,ほとんどの星雲のような遠くの淡い天体の写真は,「シャッターを開いたままにして撮られる。望遠鏡を銀河に向けて,数時間ほど乾板を露出させると,写真乳剤は星明かりを吸収する。その間に,駆動装置は地球の自転による動きを補正して,望遠鏡の焦点が銀河からずれないようにする。同時に,天文学者は微調整を施すが,自動追尾装置がそれを肩代わりしてくれることもある」。

[7ページの図/図版]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

1 オリオン座。世界中の1月の空の見慣れた光景

2 オリオン大星雲。淡い“星”の美しいクローズアップ写真

3 オリオン大星雲の奥深く ― 宇宙の産科病棟?

[クレジット]

#2: Astro Photo - Oakview, CA

#3: C. R. O'Dell/Rice University/NASA photo

[9ページの図版]

アンドロメダ銀河。肉眼で見える最も遠い天体。その回転速度はニュートンの万有引力の法則に反しているように思え,望遠鏡では見えない暗黒物質(ダークマター)の問題を提起している

[クレジット]

Astro Photo - Oakview, CA

[9ページの図版]

おうし座の,かに星雲 ― 星の墓場?

[クレジット]

Bill and Sally Fletcher

[10ページの図版]

上: 車輪銀河。一回り小さい銀河がこの銀河に衝突して,その間を通り抜け,青いリングを後に残した。このリングは,車輪銀河を取り巻く,新たに形成された幾十億もの星から成る

[クレジット]

Kirk Borne (ST Scl), and NASA

[10ページの図版]

下: キャッツアイ星雲。この入り組んだ構造は,二つの星が互いの周りを回っている影響によるものというのが,一番分かりやすい説明である

[クレジット]

J. P. Harrington and K. J. Borkowski (University of Maryland), and NASA

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