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  • UFO ― 神からの使者ですか
  • 目ざめよ! 1996
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目ざめよ! 1996
目96 7/8 26–27ページ

聖書の見方

UFO ― 神からの使者ですか

この20世紀が終局に近づき,地上の状態が着実に堕落の一途をたどるにつれ,未確認飛行物体(UFO)とその乗員の地球外生物を信じる人々が増え続けています。UFOは,だまされやすい一般の人々を相手に面白がっている人たちの単なる作り話やごまかし,悪ふざけなのでしょうか。

UFOやそれに乗っている地球外生物を目撃したと主張する人々の中には,正常で,信頼に値すると思われる人々も含まれています。事実,他の惑星からの訪問者を信じる人々には,十分な教育を受けた教授や科学者たちも含まれているのです。これらの人たちは,地球外生物は人間を観察しており,時に人間と交信すると信じています。いわゆる地球外生物支援グループは,宇宙からの訪問者と接触したと言う人たちを援助する態勢を整えています。a

異星人による生き残り計画

自分は人間の肉体を着けた宇宙からの訪問者だと固く信じる人々の数は増大しており,ルース・モンゴメリーは,「我々の間の異星人」という本の中で,それらの人々にインタビューしています。自分は人間化した地球外生物だと主張する人々の中には,2000年に,「み使いの大群と支配者たちとが用意を整えてきた宇宙的大事件」が起きると予告する人もいます。地球外生物がUFOを使って植物や動物の標本を採集し保護している,あるいは,何百万もの人々を荒廃の迫る地球から移送するための救難船としてUFOが用いられる,と信じている人もいます。その大破壊後,人間が戻って,霊的認識の「新時代,また新秩序」をスタートさせることになっています。「異星人青年団」という団体のメンバーである米国コロラド州のある若い男性は真剣な態度で,「目ざめよ!」誌に,「友人と私は,我々の異星人の先祖が私たちを転送してくれる時を待っているのです」と語りました。

自分は地球外生物だと主張する人々の中には,神によって導かれていると主張する人も幾らかおり,人類を助けるためのアドバイスを求めて神と自由に話をすると言う人もいます。神は,近づく世界的大災害から人間を救うために他の惑星からの訪問者を用いておられるのでしょうか。

人間との神の交信

人類史の初期のころ,神は人間と交信されました。聖書の記録は,神がアダムとエバや,ノア,アブラハム,そのほかの人々と会話を交わされたことを示しています。b (創世記 3:8-10; 6:13; 15:1)神のご意志を伝達し,聖書を作成するのに,夢,お告げ,幻などが用いられました。しかし,聖書が完成した後は,天から直接人間に交信する必要があったでしょうか。いいえ,ありませんでした。聖書は,聖なる書物によって「神の人が十分な能力を備え,あらゆる良い業に対して全く整えられた者」となると述べているからです。(テモテ第二 3:17)聖書によれば,この問題の多い時代に対する導きは,記された神の言葉から得られるのです。それでもなお,地球外生物の代弁者を通して,神から直接,意思伝達や特別な指示を受けることを信じる理由が何かあるでしょうか。いいえ,なぜなら使徒パウロは,「たとえわたしたちや天からのみ使いであろうと,わたしたちが良いたよりとして宣明した以上のことを良いたよりとしてあなた方に宣明するとすれば,その者はのろわれるべきです」と述べているからです。―ガラテア 1:8。

地球外生物とおぼしき者たちの主張が,地球は間もなく大変動を経験するという聖書の預言に同意しているように見えても,彼らの差し伸べる救出方法は,被造物を当てにしたものです。聖書は,想像上の安全を求めて異星人の宇宙船やほかの場所に逃れることを人々に勧めてはいません。聖書はむしろ,神に献身した者として得ている神との関係に保護を求めるよう勧めており,その献身を象徴するのは水のバプテスマです。(ペテロ第一 3:21。詩編 91:7; マタイ 28:19,20; ヨハネ 17:3と比較してください。)またイエスは,「終わりまで耐え忍んだ人が救われる者で(ある)」と言われました。―マタイ 24:13。

これらの聖句は,生き残るために物理的な場所に避難することより,神との霊的な関係を強調しているのではないでしょうか。ですから,“人類以外の生物”についての話は,生き残るよう人間を助けるどころか,人間の永遠の福祉のために神が実際に要求しておられる事柄から人々の注意をそらすものなのです。

生き残るための神の方法から人々をそらそうとし,なお神を代表していると主張する者とはだれでしょうか。エド・コンロイはその著書「交信に関する調査報告」の中で,「心理学および社会科学の教育を受けた真剣な未確認飛行物体研究家[UFOを研究する人]たちは,“夢枕に立つ者”や幽霊,妖精,幻影,宗教的な幻,悪霊とみなされるもの」の比較研究も行なっている,と述べています。自分たちは人間の姿をした地球外生物であると主張するUFO研究家の多くは,移動するのに宇宙船を使う必要はまずないと言います。そして,それらの生物は目に見えない様で移動でき,宇宙船で現われなくても,地球のどこででも化身できると言います。

聖書は,サタンと悪霊たちが人間を惑わそうと必死になっていることを警告しています。彼らは,人間の絶望感や失望感につけ込んで,人々に魅力的ではあっても偽りの解決策を指し示しています。(コリント第二 11:14)それで聖書は,「後の時代にある人たちが信仰から離れ去り,人を惑わす霊感のことばや悪霊の教えに注意を寄せるようになる」と警告しています。―テモテ第一 4:1。

今日でも同じように,どんな形態のものであれ,そうした生物の訪問とされるものや,それらからの一見有益に思える導きは退けなければなりません。神の言葉よりも“地球外生物”の助言に従う人は,きっと惑わされるでしょう。それは,この危機的な時代において恐ろしい間違いです。

[脚注]

a UFOや地球外生物については,「目ざめよ!」誌,1990年4月8日号および1990年11月8日号をご覧ください。

b 聖書筆者のエゼキエルが目撃したものはUFOなのではないか,とある人たちは考えます。(エゼキエル 1章)しかし,これはエゼキエルやほかの預言者たちが述べた多くの象徴的な幻の一つにすぎず,現代主張されているような実際に目に見える光景ではありません。

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