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目ざめよ! 1997
目97 10/8 4–7ページ

心配事のないパラダイスを求めて

「私たちは,安全で,古風とも言える,人々が互いを気遣い合う生活様式を作り出したいだけなんです」と,英国のある夫婦は説明しました。二人は熱帯の島にパラダイスを求め,そこに皆で平和に暮らせるような生活共同体を作ることにしました。あなたもその気持ちは恐らく理解できることでしょう。心配事のないパラダイスに住むチャンスを与えられたなら,それに飛びつかない人などいるでしょうか。

世間からの隔絶は答えになるか

パラダイスを求める人の中には島で暮らすという考えに魅力を感じる人が少なくありません。世間から隔絶していれば,ある程度の安全が得られるからです。パナマの太平洋岸の島々や,ベリーズ沿岸の島などのカリブ海の島々を選ぶ人もいれば,セーシェル諸島など,インド洋の素朴で美しい場所に目を向ける人もいます。

世間から隔絶した共同体作りを支援するのは,想像も及ばないほどたいへんな仕事です。資金が十分あっても,政府の現行法による規制で土地をすぐに購入できないかもしれません。しかし,理想的な熱帯の島が手に入ったとしても,そこで幸せに暮らせるでしょうか。そこは心配事のないパラダイスでしょうか。

英国沿岸の離島では現在,住む人の数が増加しています。それらの島に新たに住みついたのはおもに,孤独と平和を求める人々です。スコットランド西岸のエオルサ島という100㌶ほどの島にたった独りで暮らしている男性は,100匹の羊の群れの世話に手がかかるので,寂しく感じることなど全くないと言います。しかし,島での隠遁生活を求めたにもかかわらず,すぐに寂しくなる人もいます。自殺を図り,救助を必要とした人もいたということです。

素朴で美しい熱帯の島ならパラダイスになるだろうと考える人は少なくありません。極端な天候などめったにない,穏やかな気候の下での生活が魅力的に思えるのです。しかし,地球が温暖化し,その結果として海水面が上昇するかもしれないという懸念から,島に住む人たちの多くは不安を感じています。太平洋西部のトケラウ諸島を構成する低い環礁の住民も,インド洋上に点在する,満潮時には海面から2㍍ほどの高さしかなくなるモルジブ諸島の住民も,同じように脅威を感じています。

ほぼ40の様々な政府が,「小島発展途上国家連合」に参加し,自国の窮状に対する支援を得るために陳情運動を行なってきました。小さな島々の住民は,一般に平均余命が長く,幼児の死亡率も低いのですが,絶えず深刻な環境問題に直面しています。海面の油膜や汚れた海のために経済的な打撃を受けている島もありますし,自国よりも大きな国々が処分したいと思っている有毒廃棄物を捨てる場所になっている島もあります。

島々がパラダイスを求める人々の安息の地にうってつけであるということさえ,脅威となっています。どのようにしてでしょうか。島の陽光あふれる浜辺に旅行者が群がるために,混雑は深刻を極め,乏しい資源が枯渇しているのです。それらの旅行者たちは汚染問題をも悪化させます。例えばカリブ海では,年間2,000万人の観光客から出る汚水のうち,何らかの処理が施されているのはその10分の1にすぎません。

他の魅惑的な場所においても,同じようなことが起きています。インドの西岸にあるゴアの場合を考えてください。「大量の観光客が『パラダイスを汚染』」と,ロンドンのインディペンデント・オン・サンデー紙は述べました。当局の推計によると,1972年には年間1万人だった観光客が,1990年代初頭には100万人を超えるまでに増加しました。ある団体は,ゴアの壊れやすい生態系と独特の文化が脅威にさらされていると警告しています。それはホテル経営者たちが貪欲になり,押し寄せる旅行者で儲けようと躍起になっているためであるということです。インド政府のある報告は,浜辺に立っているホテルの中に違法建造物もあることを裏付けています。砂は掘り出され,樹木は切り倒され,砂丘は平らに地ならしされてきました。下水は浜辺に流されたり,近くの水田に漏れたりして,汚染を広げています。

犯罪とは無縁か

極めて平和な地域でさえ犯罪が徐々に増えて,その地域の評判が損なわれています。カリブ海のバーブーダという小島からは,「パラダイスでの虐殺」という見出しの報告がなされています。この報告は,同島の沖合いに停泊中の豪華なヨットに乗っていた4人の人が惨殺されたことを詳しく伝えています。こうした事件から,その地域一帯における犯罪の蔓延に対する懸念が高まっています。

「麻薬が引き金,“パラダイス”でのギャング抗争」という見出しで,中米のある国に関する記事がロンドンのサンデー・タイムズ紙に載りました。現地の編集者は平和がなくなったことを嘆き,「朝,目を覚ますと,路上の血の海に16歳の若者が倒れているといったことは,今では日常茶飯事だ」と述べました。

共同体のパラダイスで暮らすことを目指している人は,平和に生活することに同意してくれる人々を募りたいと思っています。しかし,現実はどうでしょうか。冒頭で紹介した英国の夫婦の場合,意見の相違がすぐに表面化しました。二人の事業に参加することを申し出た人々の中には,明らかにその計画で一儲けしようと思っていた人がいたのです。発起人はこう宣言しました。「私たちに指導者はいりません。資金を出し合って,万事がうまく運ぶようにするのがねらいなのです。私はこれをユートピア的共同体と呼びます」。こうした計画は決して目新しいものではありません。―「実験的パラダイス共同体」という囲み記事をご覧ください。

宝くじに当選すれば,パラダイスに住むという目標を達成できると思っている人もいます。しかし,そうした方法で獲得した賞金が幸福をもたらすことはまずありません。サンデー・タイムズ紙が1995年2月に伝えたところによると,英国で宝くじに当選し,過去最高の金額を獲得した人の家族は激しい内輪もめに苦しみました。当選が彼らにもたらしたものは,「憤りと反目と幻滅」にすぎませんでした。こうしたことはその種の状況下では珍しくありません。

人間によるユートピアの探求についての研究の中で,ジャーナリストのバーナード・レビンは「一獲千金の夢」に関して意見を述べ,「非常に多くの夢の場合と同じである。悪夢がすぐそこに待っているのだ。安易に得られた富が災い以外の何ものでもない事柄(自殺を含む)につながったという確かな話はあまりにも多いので,それを単なる偶然として片付けることはできない」と断言しています。

終末論を唱える宗派はどうか

そのほか,邪悪な色彩の濃くなったパラダイス計画もあります。去る1993年,テキサス州ウェーコで政府の捜査官がブランチ・デビディアンの敷地を攻囲した事件を報じたある新聞は,「銃とマインド・コントロールと,終末論を唱える預言者という一触即発の組み合わせ」が惨事につながったことについて論評しました。残念なことに,これは特異な事件ではありません。

インド人の霊的指導者,故バクワン・シュリ・ラジニーシの弟子たちはオレゴンに一つの共同体を設立しましたが,道徳意識の鋭敏な近隣の人々の感情を害しました。指導者が富を蓄え,弟子たちが性的実験を実践したため,“美しいオアシス”を設立したという彼らの主張は説得力に欠けるものとなりました。

パラダイスの希望を持つ人々が率いるカルト教団は多くの場合,信者に奇妙な儀式を行なうことを求めますが,そのために暴力的な衝突が起きることがあります。新聞のコラムニスト,イアン・ブローディーはこう説明しています。「カルト教団は,自分は孤立していると感じている人や実社会の圧力に対処できない人にとっての聖域また組織化された社会となる」。とはいえ,ブローディーの言葉は多くの人がパラダイスでの生活を喜んで受け入れるという事実を証明しています。

心配事のないパラダイス

心配事を挙げると果てしがないように思えます。汚染,犯罪,薬物の乱用,人口過剰,民族紛争,政変,そして言うまでもなく,全人類に共通の心配事である病気と死があります。心配事の全くないパラダイスなど地球上のどこにも存在しないと結論せざるを得ません。バーナード・レビンが認めているとおりです。「人類のスコアシートには黒星が付いており,それは人類の存在とほとんど同時に付いたと思われる。この黒星とは,ほんの一握りの人としか,ごく接近して幸福に暮らすことができないというものだ」。

しかし,本当に心配事のない,全地にわたるパラダイスは実現します。その存続は超人間的な力によって保証されています。実際,現在でさえ500万を上回る人々がその実現に向けて励んでおり,彼らの間にはすでに貴重な一致や比較的心配事の少ない環境が存在しているのです。それらの人々はどこに見いだせますか。彼らと同じ希望を持ち,彼らが現在享受している祝福にあずかるにはどうすればよいのでしょうか。また,来たるべきそのパラダイスはどれほどの期間存続するのでしょうか。

[6ページの囲み記事]

実験的パラダイス共同体

19世紀初頭,フランスの社会主義者エティエンヌ・カベー(1788-1856年)は280人の仲間とともに,自分の理想に基づく生活共同体をイリノイ州ノーヴーに作りました。しかし,8年もたたないうちに内部分裂が生じ,それがあまりにもひどかったため,この共同体はまもなく解散になりました。アイオワとカリフォルニアにあった同じような団体も同じ道をたどりました。

別のフランス人,シャルル・フーリエ(1772-1837年)は,すべての成員が交替で役割を担う農業協同組合の概念を発展させました。各人はグループ全体の成功に基づいて報酬を受けることになっていました。しかし,この構想に基づく共同体は,フランスにおいても米国においても長続きしませんでした。

それと同じころ,ウェールズ人の社会改革者ロバート・オーエン(1771-1858年)は,何百人もの人が共同の炊事場と食堂を使って共同生活をする村落共同体を提案しました。各家族はそれぞれ自分たちの部屋に住み,子供が3歳になるまで世話をし,その後は共同体全体がその子供の世話を行なうことになっていました。しかし,オーエンの実験は失敗し,彼は自分の資産の大半を失いました。

ジョン・ノイズ(1811-1886年)は,新ブリタニカ百科事典が「米国のユートピア的社会主義共同体の中で最も成功した例」と呼んだものを創設しました。その信奉者たちが一夫一婦制を捨て,相互の合意さえあればだれと性関係を持ってもよいとしたので,ノイズは姦淫の容疑で逮捕されました。

そのようなユートピア的共同体を作り出そうとする最近の試みとしては,中央アメリカにおける一種の“資本主義的ユートピア”,レッセフェール市があると,ロンドンのサンデー・タイムズ紙は報じています。このプロジェクトは出資者を募集しました。“21世紀の奇跡の都市”に住めるという見込みをえさにおびき寄せられた,パラダイスを求める人々は,5,000㌦を送金して一種のマルチ商法に参加し,同じ目的を持つ人々を探して,今度はそれらの人に出資させるよう誘われました。「たとえどこかの国が説得に応じて建設用地を提供してくれることになり,そこに小さなホテルが建てられるとしても」,これだけの金額ではこのプロジェクトを視察するための航空券しか買えないと,同紙は伝えています。その地に実際に何らかの“パラダイス”が建てられる可能性はないのです。

[7ページの図版]

パラダイスを求める人の中には島に魅力を感じる人が少なくない。しかし,今日では極めて平和な地域さえ犯罪で損なわれている

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