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  • ポーランドの見事な海岸砂丘
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目ざめよ! 2004
目04 3/22 16–19ページ

ポーランドの見事な海岸砂丘

ポーランドの「目ざめよ!」執筆員

ポーランドの田園風景画には大抵,よく潤った緑豊かな農園や野原や森林が描かれています。とはいえ,ポーランドには見事な景色がほかにもあるのをご存じでしたか。それは,大気圏外からも見える,なだらかな起伏のある白い砂丘です。バルト海に沿って18㌔続く砂漠のようなこの場所は,スウォビンスキ国立公園の人気スポットとなっています。

公式の解説によると,ここでは「海や湖,川,砂丘,森林,泥炭地,草地が互いに隣接して,モザイクのように変化に富んだ環境を作り出して」おり,「砂丘が湖や森林と混在している場所はここをおいて他にない」とのことです。確かに,白い砂丘または白い丘とも呼ばれる移動する砂丘と浅い湖との組み合わせが見られるのは,ヨーロッパでもこの公園だけです。

ここでは,白や黄色の砂でできた大きな丘が連なって,ヨーロッパ最大の砂丘地帯を形成しています。面積は約500ヘクタールですが,植物が生えていないために一定していません。スウォビンスキ国立公園の公式シンボルマークは黄色い砂丘と青い海の上を舞う白いカモメで,ここの風景にぴったりです。

この公園でよく見かけるわりに人目を引かないのは,いわゆる灰色の砂丘です。灰色の砂丘は白い砂丘よりも古く,草木が生い茂っています。その草木のおかげで表土ができるだけでなく,砂が安定します。根によってしっかりと固定され,また雨風にじかにさらされることがなくなるからです。ある灰色の砂丘は公園でいちばん高い砂丘として際立っており,チョウピノ砂丘と呼ばれ,高さが約55㍍あります。

ここを訪れる人は,砂丘 ― 特に一面に広がる移動する白い砂丘 ― を見ると,「この砂は一体どこから来たのだろう。バルト海沿岸のこの比較的狭い地域にこれほど大量の砂が堆積したのはなぜだろう」と考えます。それはもっともな疑問です。

砂丘の誕生

研究者たちも,そのような疑問に明確に答えることはできません。しかし証拠の示すところによれば,人間が関与していたようです。科学者たちは公園内のさまざまな土壌層(化石土壌と呼ばれる)に保存されている花粉を調べて,この結論を導き出しました。いま砂丘に覆われている地域はかつては豊かな森林で,主にカシの木が生い茂っていたことが明らかになったのです。では,何が原因で景観が一変したのでしょうか。

紀元前の時代に,沿岸地帯の広大な森林が,その地域に住む部族の起こした大火災で焼失したと考えられています。「かつて森林によって安定していた砂が移動するようになった」と,「スウォビンスキ国立公園」(英語)という本は述べています。しかし,花粉の記録によれば森林は再生し,最初はブナの林に,のちに松林になりました。

ところが中世になって,砂丘が何らかの理由で眠りから覚め,再び動き始めました。16世紀には,ウェバという古い町にまで迫ってきたので,住民は危険地帯から離れた所に別の町を建設しました。しかし,それは事態を悪化させたにすぎませんでした。前述の本は,「町と港の建設のために大量の木が伐採されたが,その結果を気にかける者は一人もいなかったようだ」と述べています。伐採によって,「かつてないほどの規模で砂丘が移動し始めた」のです。砂は1年に3㍍から10㍍という速さで移動しながら,村や畑,草地,それに森林地域も呑み込んでいきました。

砂はどこから来たのか

景観のこうした局地的な変化に人間が関与したのは事実かもしれませんが,人間が砂を運び入れたわけではありません。では,砂はどこから来たのでしょうか。今も運び込まれているのでしょうか。こうした疑問が解ければ,公園の未来を予想できるかもしれません。

一部の砂は内陸の堆積物が川によって海まで運ばれたものかもしれない,と研究者たちは考えています。また,海岸線そのものが砂を作り出したのかもしれません。海岸では,波が崖の表面を絶え間なく削っています。海食と呼ばれる作用です。例えばバルト海沿岸のある場所では,波が45度の角度で岸に押し寄せ,崖の表面を少しずつ削り,砂を運び去っています。その結果,海底に砂が堆積します。

詳しい仕組みはまだ解明されていませんが,海底に堆積した砂の一部は海流と波の共同作用によって国立公園のすぐ沖合まで運ばれ,海岸線に沿って大きな砂州が形成されます。その後,波と沿岸流によって砂は徐々に浜辺に移動し,そこで陽光と風にさらされて乾燥し,内陸に吹き飛ばされます。そしてそこに,砂の畝が平行して幾つも形成されます。畝は砂が畝から畝へ吹き飛ばされるにつれてどんどん大きくなり,やがて白い砂丘が形成されます。

“砂漠”の湖

とはいえ,スウォビンスキ国立公園は生き物のいない砂漠などとは全く異なります。それどころか,豊富な水に恵まれた,生き物たちの楽園です。実際,砂丘や砂浜は公園面積の約5%を占めるに過ぎず,約55%は川や湖です。

いちばん大きな湖はウェブスコ湖です。面積が71平方㌔あり,水深は最大で約6㍍です。いちばん大きな川であるウェバ川がこの湖に流れ込んでいます。二番目に大きいのはガルドノ湖で,ウパバ川が水を供給しています。どちらの湖も周囲が砂地で安定していないために,湖岸線は絶えず変化しています。

植物と野生動物の楽園

湖や川があるおかげで,公園の三つの主要な生息環境 ― 砂丘,湿原,松林 ― は申し分のないものとなっています。これら対照的な環境で,ランを含め,900種近い維管束植物が生育しています。中でも丈夫で生態系にとって極めて貴重な植物はヨーロッパビーチグラスです。たいていの場合,先駆植物であるビーチグラスが最初に砂丘に群落を作り始めます。うろこのような皮を持つ地下茎は13㍍も伸び広がり,地表にたくさんの新芽を出して茂みを作ります。そのようにしてビーチグラスは次第に砂丘を安定させ,他の植物も根を下ろして成長できるようにします。

鳥の渡りのルート上にあるため,スウォビンスキ国立公園にはたくさんの鳥がいます。ポーランドで見かける鳥の約70%に相当する約260種の鳥がこの公園をすみか,あるいは渡りの中継地としています。水鳥の中には,ユリカモメ,アジサシ,カンムリカイツブリ,マガモ,ハクチョウ,アイサなどがいます。カモの一種であるアイサは,つんつんとがった“ヘアスタイル”ですぐに見分けがつきます。他にも,ワシミミズク,イヌワシ,アシナガワシ,オジロワシ,ワタリガラスなどがいます。観察力の鋭い方は,そっと歩いてゆけば,公園にすんでいるアカシカやノロジカ,イノシシ,ノウサギ,タヌキといった哺乳類も見ることができるでしょう。

ハイキングに絶好の場所

観光客に許可されているのはハイキングだけです。ハイキングのために,この公園には140㌔に及ぶ遊歩道が設けられています。そこを歩くと,様々な生息環境を次々に見て回ることができます。まず針葉樹林,そして灰色の砂丘,草地,湿原,沼地。それから湖に,展望台や監視塔。白い砂丘。水際の砂丘。そして最後に,何キロも続く白い砂浜です。

秋か冬であれば,砂丘の特別なショーを見ることができるかもしれません。強風によって砂丘のてっぺんから砂が舞い上がり,波しぶきのようになります。その様子を,砂丘が煙を吐いていると表現する人もいます。このショーには音の演出もあります。無数の砂粒が激しくこすれ合って,ハミングのような音を出すのです。まるで砂丘が歌っているかのようです。

この公園の変化に富んだ見事な自然に引かれてやって来る人は,年間80万人に上ります。その多くは,都会の喧騒から逃れ,いらだった神経を自然の力でいやしたいと思っているのです。人のいない森の中を歩き,心安らぐ波の音や,寂しげなカモメの声を聞きながら。

[19ページの囲み記事/地図]

スウォビンスキ国立公園

この公園はポーランドの沿岸中部に位置し,ウェバとロビという二つの町に挟まれています。第二次世界大戦の終結直前までこの地域に住んでいたスラブ系の人々,カシューブのスウォビンチ族にちなんで名付けられました。1967年に開園し,1977年に世界生物圏保護区に指定されました。面積は1万8,618ヘクタールで,半分以上が水に覆われています。残りの部分は,森林(25%),砂浜と砂丘(5%),湿地と湿原(8%),草地と牧草地(8%)から成っています。

[地図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

バルト海

ロシア

ポーランド

スウォビンスキ国立公園

ドイツ

チェコ共和国

スロバキア

[16ページの図版]

冬の強風によって砂が舞い上がる様子を,砂丘が煙を吐くと表現する人もいる

[16,17ページの図版]

アジサシ

[クレジット]

Photo by Chukchi Imuruk, National Park Service

[16,17ページの図版]

夏の砂丘

[17ページの図版]

冬の砂丘

[18ページの図版]

ウェブスコ湖

[18ページの図版]

アイサ

[18ページの図版]

ヨーロッパビーチグラス

[18ページの図版]

独特な砂の造形

[18ページの図版]

ノロジカ

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