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神の王国は支配している!
国 20章 209–219ページ

20章

救援の奉仕

この章で考えること

災害時にクリスチャン愛を行動で表わす

1,2. (イ)ユダヤのクリスチャンはどんな苦難を経験しましたか。(ロ)ユダヤのクリスチャンにどのように愛が示されましたか。

西暦46年ごろのことです。ユダヤは飢きんに見舞われています。穀物が乏しくなって価格が高騰したため,そこに住むユダヤ人のクリスチャンたちは食料を買うことができません。空腹感が満たされず,このままだと飢え死にしかねません。しかし,間もなくエホバのみ手の保護を実感することになります。キリストの弟子たちがこれまで経験したことのない仕方で守られるのです。何が起きるのでしょうか。

2 エルサレムとユダヤにいるユダヤ人のクリスチャンが苦しんでいるのを知って,シリアのアンティオキアに住むユダヤ人や異邦人のクリスチャンは仲間のために基金を集めます。そして,自分たちの中から,責任を担える兄弟としてバルナバとサウロを選び,エルサレムの会衆の長老たちに救援基金を届けます。(使徒 11:27-30; 12:25を読む。)困窮するユダヤの兄弟たちは,アンティオキアの兄弟たちの愛に感激したことでしょう。

3. (イ)現代の神の民は,アンティオキアの初期クリスチャンの手本にどのように倣っていますか。例を挙げてください。(「現代における最初の大規模な救援」という囲みを参照。)(ロ)この章ではどんなことを考えますか。

3 西暦1世紀のこの出来事は,クリスチャンが世界の別の地域に住むクリスチャンの救援のために,必要なものを送った最初の記録です。現代のわたしたちはこのアンティオキアの兄弟たちに倣います。別の地域の仲間が災害や試練で苦しんでいることが分かると,助けようとします。a そうした救援活動は他の奉仕の務めとどのように関係しているでしょうか。救援の奉仕について,3つの点を考えましょう。救援活動を奉仕とみなせるのはなぜですか。救援活動にはどんな目的がありますか。救援の奉仕からどんな益を得られますか。

救援活動が「神聖な奉仕」であるのはなぜか

4. パウロはコリントの人たちに,クリスチャンの奉仕についてどんなことを説明しましたか。

4 パウロはコリント人への第二の手紙で,クリスチャンの奉仕には2つの面があることを説明しています。パウロの手紙は油そそがれたクリスチャンに宛てられたものですが,今日,その言葉はキリストの「ほかの羊」にも当てはまります。(ヨハ 10:16)奉仕の1つの面は「和解の奉仕の務め」,つまり宣べ伝えて教える活動です。(コリ二 5:18-20。テモ一 2:3-6)もう1つの面は「聖なる者たちへの奉仕」,つまり仲間の信者のために行なう救援の奉仕です。(コリ二 8:4)「和解の奉仕の務め」と「聖なる者たちへの奉仕」という表現のどちらにも,ギリシャ語ディアコニアの変化形が用いられており,「奉仕の務め」あるいは「奉仕」と訳されています。この点が注目に値するのはなぜでしょうか。

5. パウロが救援活動を奉仕と呼んだことが注目に値するのはなぜですか。

5 どちらの活動についても同じギリシャ語を用いることにより,パウロは救援活動を,クリスチャン会衆で行なわれる他の奉仕と同列のものとして扱いました。以前にこう述べています。「奉仕の務めはさまざまでも,主は同じです。働きはさまざまでも……同一の霊が行なう……のです」。(コリ一 12:4-6,11)パウロは,会衆でのさまざまな奉仕を「神聖な奉仕」と結びつけています。b(ロマ 12:1,6-8)それゆえ,「聖なる者たちに奉仕するため」に自分の時間を用いるのが適切だと考えたのです。―ロマ 15:25,26。

6. (イ)パウロの説明によると,救援活動が崇拝の一部と言えるのはなぜですか。(ロ)今日,救援活動は世界中でどのように行なわれていますか。(「災害が発生したら」という囲みを参照。)

6 パウロはコリントの人たちに,救援活動がエホバへの崇拝と奉仕の一部と言える理由についても説明しました。次のように論じています。クリスチャンが救援を行なうのは,「キリストに関する良いたよりに柔順」であるからです。(コリ二 9:13)つまり,キリストの教えを実践したいという願いから,仲間の信者を助けます。また,兄弟たちへの親切な行ないは,「より豊かに注がれた神の過分のご親切」の表われにほかなりません。(コリ二 9:14。ペテ一 4:10)それで,「ものみの塔」1976年3月1日号は,救援活動など困窮している兄弟たちへの奉仕について,こう述べています。「わたしたちは,エホバ神とそのみ子イエス・キリストが,この種の奉仕を重視しておられることを決して疑うべきではありません」。救援活動は,価値ある神聖な奉仕の一つなのです。 ― ロマ 12:1,7。コリ二 8:7。ヘブ 13:16。

救援活動の明確な目的

7,8. 救援活動の第一の目的は何ですか。説明してください。

7 救援の奉仕にはどんな目的があるのでしょうか。パウロはコリント人への第二の手紙の中で,その点を論じています。(コリント第二 9:11-15を読む。)この聖句の中でパウロは,「公的な奉仕の務め」つまり救援活動によって達成される3つのおもな目的について述べています。1つずつ見てみましょう。

8 第一に,救援活動はエホバに栄光をもたらします。上で読んだ5つの節の中で,パウロはエホバ神に何度も注意を向けています。「神への感謝の表現」や「神に対する数々の感謝の表現」について述べています。(11,12節)また,クリスチャンが救援活動によってどのように「神の栄光をたたえ」,「より豊かに注がれた神の過分のご親切」を賛美できるかにも言及しています。(13,14節)そして,「神に感謝がささげられますように」と述べて,救援の奉仕に関する考察を結んでいます。―15節。ペテ一 4:11。

9. 救援活動によって,どのように人々の考え方が変わることがありますか。例を挙げてください。

9 パウロと同じように,今日の神の僕たちも,救援活動をエホバに栄光をもたらして神の教えを飾る機会とみなします。(コリ一 10:31。テト 2:10)エホバやエホバの証人のことを良く思っていなかった人たちが,救援活動を見て考え方を変えることがよくあります。一人の女性は,家の戸口に「エホバの証人お断わり」と表示していました。ある時,住んでいた地域がハリケーンの被害を受け,女性は通りの向かいの家を救援奉仕者たちが修理しているのを目にしました。それから数日,仲良く働く奉仕者たちの様子を見て,どういう人たちなのか気になり,確かめに行きました。エホバの証人であることが分かると,感心して,「あなたたちのことをすっかり誤解していたわ」と言いました。その後,戸口の表示は外されました。

10,11. (イ)救援活動によって第二の目的が達成されていることは,どんな例から分かりますか。(ロ)救援奉仕者たちに役立つどんな資料がありますか。(「救援奉仕者に役立つ新たな資料」という囲みを参照。)

10 第二に,仲間の「乏しいところを満ちあふれるほどに補う」ことができます。(コリ二 9:12前半)わたしたちは兄弟姉妹たちの必要としている物を速やかに提供し,その苦しみを和らげたいと思います。なぜなら,クリスチャン会衆は「一つの体」であり,「一つの肢体が苦しめば,ほかのすべての肢体が共に苦し」むからです。(コリ一 12:20,26)それで,兄弟愛と同情心のゆえに,大勢の兄弟姉妹が予定をすぐに調整し,必要な道具を用意し,救援のために被災地に向かいます。(ヤコ 2:15,16)2011年に日本が津波の被害を受けた際,米国支部は米国の地区建設委員会に手紙を送り,日本での王国会館の再建を手伝える,「資格のある兄弟たち数人」を募りました。どんな反応があったでしょうか。数週間で600人近くもの人が自費で日本に行くことを申し出ました。「この反応には驚かされました」と米国支部は述べています。日本のある兄弟が海外からの救援奉仕者に,どうして来てくれたのかを尋ねると,このような答えが返ってきました。「日本の兄弟たちは“わたしたちの体”の一部です。兄弟たちの痛みや苦しみを自分たちのことのように感じています」。自己犠牲の愛ゆえに,救援奉仕者たちは,仲間を助けるために命を危険にさらすことさえあります。c ―ヨハ一 3:16。

1人のエホバの証人が仲間のクリスチャンのための救援物資をまとめている,スイス,1946年

スイス,1946年

現代における最初の大規模な救援

1945年9月,ヨーロッパで第二次世界大戦が終わって数か月後のこと,ノア兄弟は「ヨーロッパ中部の困窮している兄弟たちに援助物資」を送る大規模なキャンペーンについて発表しました。

その発表から数週間のうちに,カナダや米国や他の国々のエホバの証人が食料を集め始め,衣類の仕分けや荷造りを始めました。そして1946年1月以降,各地の仲間のクリスチャンに物資を送るようになります。イタリア,英国,オーストリア,オランダ,ギリシャ,チェコスロバキア,中国,デンマーク,ドイツ,ノルウェー,ハンガリー,フィリピン,フィンランド,フランス,ブルガリア,ベルギー,ポーランド,ルーマニアなどに送られました。

この救援は一度限りで終わったわけではありません。物資の供給が2年半にわたって続けられました。その間に,8万5,000人の兄弟姉妹が戦災国の兄弟姉妹に約300㌧の食料,約450㌧の衣類,12万4,000足以上の靴を送りました。この大々的な救援は1948年8月に終了しました。1949年の「ものみの塔」誌はこう述べています。「これはまさに互いに対する愛の表明であった。わたしたちが知るとおり,兄弟たちすべては主の誉れのためにこれを行なった。この物質的支援が仲間にとって真の崇拝をささげる助けになる,ということを思いに留めてそうした。それゆえ,このような方法で兄弟たちに奉仕できることを極めて大きな特権と考えた」。この救援により,エホバに賛美がもたらされ,仲間のクリスチャンに助けが差し伸べられ,世界的な兄弟関係の一致が強まりました。

11 エホバの証人ではない人たちも,わたしたちの救援活動を評価しています。例えば,2013年に米国アーカンソー州で災害が生じた時,ある新聞はエホバの証人の迅速な対応についてこう報じました。「エホバの証人が災害時に行なう組織的な奉仕活動は,実に見事だ」。使徒パウロが述べたとおり,兄弟たちの必要としている物が「満ちあふれるほどに」提供されています。

12-14. (イ)救援活動の第三の目的が重要なのはなぜですか。(ロ)霊的な活動を続けることの大切さが分かるどんなコメントがありますか。

12 第三に,霊的な習慣に戻れるよう兄弟たちを助けることができます。これが重要なのはなぜでしょうか。パウロは,救援を受ける人たちは「神に対する数々の感謝の表現」をするようになる,と述べています。(コリ二 9:12後半)エホバに感謝を表わすには,できるだけ早く霊的な習慣に戻ることが何よりも大切です。(フィリ 1:10)1945年の「ものみの塔」誌はこう述べています。「パウロは寄付を集めることを承認し……た。そうすることにより,困窮するクリスチャンの兄弟たちは物質面での救援を幾らか受け,その結果,エホバについての証しの業にいっそう自由かつ活発に携われるようになるからである」。今日のわたしたちも同じ目的で救援を行ないます。兄弟たちは伝道活動に戻ることにより,失意している一般の人たちだけでなく自らをも強めることができるのです。―コリント第二 1:3,4を読む。

13 必要としていた救援物資を受け取って宣教を再開した兄弟姉妹は,そうすることで強められています。「わたしたち家族にとって,野外奉仕に参加することは祝福となりました」と,ある兄弟は言います。「他の人を慰めようとしている時は,自分たちの問題について心配せずに済みました」。ある姉妹はこう言っています。「霊的な活動に集中すると,周囲の惨状を忘れることができ,安心感に包まれました」。別の姉妹はこう言います。「自分たちではどうにもならない事が多いですが,わたしたち家族は宣教のおかげで前向きでいられます。新しい世の希望について人々に語ると,将来すべてのものが新しくされるという確信が強まります」。

14 苦難にある兄弟姉妹は,集会の出席もできるだけ早く再開する必要があります。清子という姉妹は50代の時に津波に遭い,着ていた服と履いていたサンダル以外のすべてを失いました。どうやって生きてゆけばよいか途方に暮れていると,一人の長老が車の中で一緒に集会を行ないましょうと言ってくれました。「長老ご夫婦ともう一人の姉妹とわたしの4人が車に集まりました。集会は簡単なものでしたが,不思議なことに,津波の恐怖が体からすうっと抜けてゆきました。思いの平安を感じました。クリスチャンの交わりがいかに保護となるかが分かりました」。別の姉妹は災害に遭った後,集会について,「それはわたしにとってライフラインでした」と言っています。―ロマ 1:11,12; 12:12。

救援の奉仕は長期的な益をもたらす

15,16. (イ)コリントや他の場所のクリスチャンは,救援に貢献することによってどんな益を得ることになりますか。(ロ)今日のわたしたちも,救援活動からどんな益を得ていますか。

15 パウロは,救援の奉仕に関する考察の中で,クリスチャンがこの活動に参加することの益についても説明しています。コリントの人たちにこう述べています。「あなた方に対してより豊かに注がれた神の過分のご親切のゆえに,彼ら[援助を受けたエルサレムのユダヤ人のクリスチャン]はあなた方のための祈願をささげつつあなた方を慕うのです」。(コリ二 9:14)つまり,ユダヤ人のクリスチャンはコリントの人たちの寛大さに触れて,異邦人も含むコリントの兄弟たちのために祈るようになり,愛着を深めるのです。

16 「ものみの塔」(英語)1945年12月1日号は,救援活動の益に関するパウロの言葉を現代に当てはめ,こう述べています。「神の聖別された民の一部が民の別の部分の必要を顧みるために寄付をする時,それにどんな一致の効果があるか考えてみてほしい」。今日,救援奉仕者たちはまさにそのことを実感しています。洪水後の救援に参加したある長老はこう言っています。「救援活動を行なって,これまでにないほど兄弟たちを身近に感じました」。救援物資を受け取った姉妹は感謝にあふれてこう言いました。「わたしたちの兄弟関係は素晴らしいです。もう楽園にいるみたいです」。―箴言 17:17を読む。

17. (イ)イザヤ 41章13節の言葉は救援活動にどのように当てはまりますか。(ロ)救援活動がどのようにエホバに誉れをもたらし,一致を強めているか,例を挙げてください。(「世界各地で救援に駆けつける自発奉仕者」という囲みを参照。)

17 救援奉仕者が被災地に到着すると,苦難にある兄弟たちは,神の次の約束が本当にそのとおりであると感じます。「わたし,あなたの神エホバは,あなたの右手をつかんでいる。あなたに,『恐れてはならない。わたし自らあなたを助ける』と言うその方が」。(イザ 41:13)災害に遭った姉妹はこう言っています。「被害の状況を見て絶望しましたが,エホバがみ手を伸ばしてくださいました。兄弟たちから受けた助けは,言葉では言い表わせません」。災害で壊滅的な被害を受けた地域の長老二人は,会衆を代表してこう書いています。「地震によって大きな心痛を味わいましたが,兄弟たちを通してエホバの助けを経験できました。救援活動について読んではいましたが,まさにその様子を目の当たりにしました」。

神権的な建設プロジェクトで働いているピーター・ジョンソン

人生が変わりました

若い人たちは救援活動に参加すると,どんな影響を受けるでしょうか。ピーター・ジョンソンという兄弟は,18歳の時に初めて救援活動に参加しました。当時を振り返り,こう語ります。「あの感動は忘れられません。兄弟たちがとても感謝している様子を目にして,与える喜びを味わいました。エホバに精一杯お仕えする生き方がしたい,という気持ちが強まりました」。その後,ピーターは開拓奉仕を始めました。ベテルでも働き,後に地区建設委員会で奉仕するようになります。「1974年に初めて参加した救援の奉仕で,人生が変わりました」。若い皆さん,あなたもピーターのような生き方がしたいですか。救援活動に参加すると,エホバにお仕えするあなたの人生も変わるかもしれません。

あなたも参加できますか

18. 救援活動に参加したい場合,どうすればよいですか。(「人生が変わりました」という囲みを参照。)

18 あなたも救援活動の喜びを味わいたいと思われますか。救援奉仕者は大抵,王国会館建設プロジェクトで働く人たちの中から選ばれます。それで,会衆の長老に話して申込書に記入してください。救援活動の経験が豊かなある長老は注意点として,「必ず,災害救援委員会から正式な招待を受けてから,被災地に向かってください」と述べています。そのようにすれば,救援活動は秩序立ったものになるでしょう。

19. わたしたちがキリストの真の弟子であることは,救援奉仕によってどのように明らかになりますか。

19 救援活動は確かに,「互いに愛し合う」ようにというキリストの命令に従う際立った方法です。わたしたちはそのような愛により,キリストの真の弟子であることを示せます。(ヨハ 13:34,35)今日,神の王国を忠節に支持する人たちを救援して,エホバに栄光をもたらす献身的な奉仕者が大勢いることは,何と大きな祝福なのでしょう。

a この章では,仲間の信者のための救援活動を取り上げますが,わたしたちの救援活動は多くの場合,エホバの証人ではない人たちの助けにもなっています。―ガラ 6:10。

b パウロは「奉仕の僕たち」という表現に,ディアコノス(奉仕者)の複数形を用いています。―テモ一 3:12。

c 「ものみの塔」1994年11月1日号23-27ページの「ボスニアの仲間の信者を助ける」という記事を参照。

あなたにとって王国はどれほど現実的ですか

  • 救援活動がエホバへの神聖な奉仕の一部である,となぜ言えますか。

  • エホバの証人の救援活動の3つのおもな目的は何ですか。

  • 救援活動はどんな長期的な益をもたらしますか。

  • 救援活動は,ヨハネ 13章34節のイエスの命令とどのように関係していますか。

世界各地で救援に駆けつける自発奉仕者

アフリカ中部と西部

1994年,ルワンダで部族間の集団虐殺が起き,80万人以上の人が命を落としました。その結果,アフリカ中部の他の国々にも不穏な情勢が広がり,難民キャンプは人であふれ返りました。苦難にある仲間のクリスチャンを助けるため,スイス,フランス,ベルギーのエホバの証人は衣類,医薬品,テント,食料など,約300㌧の救援物資を空輸しました。数週間以内に,それらの物資は困窮している兄弟たちのもとに届きました。

またアフリカでは,内戦や飢きんや病気で苦しむ兄弟たちを助けるため,フランスから来た救援チームが働いています。チームは,医師や看護師など10人のエホバの証人で成っており,過去2年間に1万件以上の診察を行ないました。その活動はエホバと組織に誉れをもたらしています。看護師の姉妹はこう述べています。「わたしたちが救援のために現地に到着すると,人々は敬意をこめて,『この方たちはエホバの証人です。仲間の兄弟たちを助けるために来られました』と言います」。あるエホバの証人は手当てをしてくれた姉妹に,感激してこう言いました。「ありがとうございます,姉妹。ありがとうございます,エホバ!」

重大な事故が発生して救援が必要になる場合もあります。2012年にナイジェリアで自動車事故が起き,13人のエホバの証人が亡くなりました。全員が同じ小さな会衆に交わっており,ほかにも54人が重傷を負いました。救援委員会は,24時間体制での看護を組織しました。同じ病院に入院していたある女性は,負傷した兄弟姉妹が献身的な援助を受けているのを目にして,自分の教会の牧師に電話をかけ,こう言いました。「うちの教会の人はだれも来てくれないんですね。病院に来て,エホバの証人の愛がどんなものか見てください」。

この小さな会衆は事故によって深い悲しみを味わいましたが,仲間のクリスチャンからたくさんの愛を受け,大いに慰められました。また会衆の幾人かの人たちは,救援奉仕者が優しい気遣いを惜しみなく示すのを見て,宣教にいっそう力を入れるようになりました。事故が起きる前,35人だった会衆の伝道者は,1年もしないうちに,60人に増加しました。

オーストラリア

2013年,クイーンズランド州沿岸部が洪水に見舞われ,70人のエホバの証人が家を失いました。マークと妻のロンダは娘を連れて,浸水した自宅を後にしました。ようやく避難所に到着しましたが,そこは人でいっぱいでした。「腰を下ろせるスペースもありませんでした」とロンダは言います。避難所は緊張した雰囲気で,離着陸するヘリコプターの轟音がさらに不安をあおっていました。ロンダは心配になり,「わたしたち,これからどうしたらいいのかしら」とマークに言いました。マークはエホバに熱烈に祈り,助けを求めました。ロンダはこう語ります。「それから約30分後,避難所に1台の車が来て,3人の兄弟たちが降りてきました。兄弟たちはわたしたちに,『どうぞ一緒にいらしてください。宿舎を提供してくださる兄弟がいます』と言いました。……エホバの組織の優しい気遣いを感じました。その時の気持ちは,言葉では表わせません」。

被災地には,250人以上の自発奉仕者が救援に駆けつけました。ある年配の兄弟はこう言います。「兄弟姉妹があっという間にやって来て,アリのように一生懸命働き,我が家をすっかりきれいにしてくださいました。わたしも妻も,兄弟たちが助けに来てくださったことを決して忘れません」。

ブラジル

2008年,サンタ・カタリナ州で地滑りと洪水が起き,およそ8万人が避難を余儀なくされました。「土と泥と木の津波」のようだった,とある住人は述べています。兄弟たちの中には大会ホールに避難した人たちもいます。大会ホールの管理人のマルシュはこう言います。「兄弟たちは着の身着のままで逃げて来ました。みんな泥まみれでした」。ある姉妹はこう言っています。「家が流されてしまいました。あっという間になくなってしまって,ショックでした。でも,兄弟姉妹たちが慰めてくださったことは忘れません。本当にたくさんの愛を示してくださいました。霊的なことを大切にするのがいかに賢明か,よく分かりました」。

エホバの証人が災害救援の物資を集めて配っている,ブラジル

ブラジルのサンタ・カタリナ州にある大会ホールが救援センターとなり,寄付された物資が集められた。2009年

地滑りにより,リオデジャネイロ近郊の山間部の集落が幾つも壊滅しました。こうした災害の再発に首尾よく対応するため,兄弟たちは災害救援委員会を常設しました。地滑り発生のおそれがあると,その地域に住む連絡役の兄弟が委員会に知らせます。すると奉仕者たちが,「エホバの証人 ― 人道支援」という表示のあるトラックですぐに現場に到着します。装備の整った救援チームのメンバーには,それぞれ仕事があらかじめ割り当てられています。着ているベストで,エホバの証人であることが分かります。医療機関連絡委員会の兄弟たちと協力して,けがをした兄弟姉妹の手当てをします。食料や水,医薬品や衣類や清掃用具も提供します。家から泥を除去するのはたいへんな仕事です。最近起きた地滑りの時には,1軒の家で60人の奉仕者が作業に当たり,除去した泥はトラック4台分にもなりました。

災害に備える

統治体からの指示に基づき,世界の各支部は会衆の長老たちと旅行する監督たちに,災害に備えて対処するための指針を与えています。例えば長老たちは,災害が起きる前に,会衆の各成員の連絡先情報を最新のものにしておく必要があります。

災害が発生したら

  1. 長老が奉仕者の家族の様子を確認している

    地元の長老たちは,伝道者全員と連絡を取る

  2. 長老たちは,長老団の調整者に報告する

  3. 会衆の調整者,旅行する監督,責任ある兄弟たち,支部事務所の間で連絡を取る

    調整者は,旅行する監督や他の責任ある兄弟たちに報告し,それらの兄弟たちは支部事務所に連絡する

  4. 食料や水

    できるだけ早く,食料や水,住まい,医療を手配し,感情面や霊的な面で援助する

  5. 災害救援の必要に関する報告を検討する

    支部事務所は,被災地の状況や必要な支援に関する報告を統治体の調整者委員会に送る

  6. 救援物資を配る

    災害救援委員会は救援活動を組織し,兄弟姉妹が回復できるよう長期的な必要を顧みる

  7. 飛んでいる飛行機

    調整者委員会は必要な支援を判断し,場合によっては,他の国々からの奉仕者の派遣を承認する

救援奉仕者に役立つ新たな資料

「エホバの証人と災害救援」というパンフレットの表紙

2013年6月,「エホバの証人と災害救援」(英語)というパンフレットが用意されました。緊急事態の管理に当たる米国の政府職員を対象にした資料です。このパンフレットは,エホバの証人が1940年代半ば以降行なってきた救援活動のうち,幾つかの例を紹介しています。また,それが世界各地で行なわれていることを示す地図も載せています。救援の組織に携わっている長老は,こう説明します。「災害救援委員会の兄弟たちはこのパンフレットを活用することにより,災害危険地域の主要な当局者たちとの連絡態勢を前もって確立しておくことができます」。さらにこう述べています。「エホバの証人の救援活動について事前によく知ってもらうなら,災害発生時に被災地に入る許可を得やすくなります」。

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