価値ある励ましの言葉
宗教や聖書については,ちがつた見方が多くございます。正しいことをして,他人を害さず,良い人間でありさえすれば,それは人間にとつて必要なことのすべてであると多くの人は考えています。しかし,宗教についての真の導きである聖書は,その見方と同意しません。ホセア書 4章6節の聖書の言葉に注意してごらんなさい。『わが民は知識なきによりて亡ぼさる。なんじ知識を棄つるによりて,我もまた汝を棄てん。』
このように,良い人間以上のものが必要です。神に棄てられるのを欲しないならば,人は知識を持たねばなりません。神の御言葉や,また,神の目的と,神の人間に求められる事と,神が人間のためにつくられた御準備について知らねばなりません。それで,イエスは,次のように言われたのです。それは,ヨハネ伝 17章3節(新世)に記録されています。『唯一つで真の神であるあなたと,あなたが遣した者,すなわちイエス・キリストを知ること,これこそ永遠の生命を意味する。』それで,神の祝福をいただこうと願う者には,良い人間以上のものが必要であると分ります。それは,ヱホバ神とキリスト・イエスについて正しい知識を持つことです。しかし,今日ではその知識を持つている人は殆どいません。
聖書はあらゆる本の中で最も広く発行されているものです。ある国では,殆どどの家庭にも聖書の1冊はあります。多分あなたの家庭にも聖書1冊はあるでしよう。実際のところ,数冊位の聖書はあることでしよう。しかし聖書はひろく読まれていません。多くの場合に,それは,聖書が大変むずかしく,分りにくいためだからです。人々は,福音宣教者ピリポの会つた人のようです。その人は,馬車に乗つていて,イザヤ書を読んでいました。このことにつき聖書の使徒行伝 8章30,31節(新世)で,どのように述べられているかに注意しなさい。『ピリポはそばに走り寄り,その人が予言者イザヤの書を大声で読むのを聞いて,「お読みになつていることが本当に分りますか?」と尋ねた。その人は「誰かが導いてくれなければ,どうして分りましよう」と言つた。』
多くの人は,この人のように聖書を読もうとする時に「ああ,誰かが援助して,ここのところを分るようにしてくれたならばなあ!」と考えます。そうです,それこそ『ものみの塔』協会の活動の目的であつて,それは,あなたを励まして聖書の研究をすすめ,あなたを援助して,この最も驚くべき導きの中に何が書かれているかを学ぶようにし,そしてあなたを援助して,分らないところを理解するようにいたします。神の御言葉が言われているように,あなたにはその知識が必要です。
聖書の頁を開けてみると,聖書からいろいろのことが学べて,全くびつくりもします。多くの人は,現在の世界の状態について,戦争の恐れについて,また子供たちが残されて,原子力の脅威が存在するこの世界の混乱を取扱うのではないかと心配して,ひどく興奮しております。しかし,いまここで述べたような状態は,ずつと昔しに,聖書の中で予言されていたということを御存知でしたか? マタイ伝 24章3節(新世)で,弟子たちは,イエスにこう尋ねました。『お話してください。これらのことは何時起るのですか? あなたの臨在とこの世の組織制度の全き終りの兆は,どんなものですか?』イエスは,このことについては多くの偽りの知らせがあるから,欺かれないようにと話されました。それから,6節でこう言われました『戦争と戦争の知らせを聞くであろう。恐れあわててはいけない。これらのことは起らねばならないが全き終りはまだである。』しかし,その次の2節は,従来のものとはなにか違つたものが起る時の来ることを示しています。『国民は国民に反対して起ち上り,国は国に反対して起ち上るであろう。次から次にと,いたるところで食糧不足や地震があるであろう。これらのものは,みな災難のくるしみの初めである。』
過去の戦争とは違うもので,『国民は国民に反対し,国は国に反対して起ち上る』全体的な戦争は,最初何時起りましたか? 世界が,全体的な戦争を行つた最初の時は,聖書予言の中で特別に指示されている1914年でした。このマタイ伝 24章の次のいろいろな節は,1914年以来私たちの目撃している状態をさらに説明しています。
地上の現在の苦難を聖書が予言していたという事実は,私たちにとつてどんな意味を持つものですか? それについてのよろこびのこととは,聖書の予言したものは,ただこれらの状態だけではなく,またその結果が何であるかが示されていることです! イエスはここで,私たちが見ることのできる状態を述べられましたが,その状態によつて,非常に変化した状態が近づいているということが分るのです。
全地いたるところにある現在の悪は,神の業ではなく,それは悪魔サタンの煽動によるものです。黙示録 12章12節(新世)は,サタンの悪の支配がいまや終ろうとする時を予言し,その時について予言的にこう言いました『地と海とは災いである。なぜならば,悪魔は自分の時が短いのを知つて大きな怒りをもつてあなた方のところに来たからである。』地上にある現在の悪い状態のその残つている『時は短い』と知つて,私たちは本当に幸いに感ずべきではないでしようか? 私たちはそのことにまつたく,確信を持つことができます! マタイ伝 24章に戻つてみますと,イエスはそこで,このサタンの支配する古い組織制度の終りの兆を示しましたが,その34節(新世)で次のように言われました。『まことに私はあなた方に言う。これらの事のすべてが起らない中は,この時代は決して過ぎ去らないであろう。』それは,なんという慰めの事実でしよう! これらのことは,みな一時代のうちに起るのです! 40年昔しに始まつた第一次世界戦争以来に,世界の状態が突然に悪化したことは,一時代のうちに終ると予言されていて,いま少くとも40才の人々の生涯のうちに終るのです。
これらの予言を確かに信頼することができます。これらの予言は,失敗し続ける政治の予言よりも,はるかに確かなものです。その予言は,地上の現在の状態を予言して真であるとすでに証明しております。1900年も昔しに,聖書の背後にある霊感が地上にいま見られるそれらの状態を予言する力を有していたならば,もう幾十年先について述べ,その結果を予言する力もあるものです。これらの事実は,不思議に見えるかもしれませんが,しかし真です! あなたは,正しい種類の知識を得ることにより,それらを学ぶことができます。あなたの聖書は,生命に導く知識の倉です。聖書の中に,サタンはなぜそんなにも悪い影響をこの地に行使するのを許されたのか,神はどのようにそれを終らせる目的を持たれているのか,またそれはあなたとあなたの生命に何を意味するのかが示されています。
ヱホバの証者があなたのお宅におたづねするわけは,あなたを援助して,聖書からこの死活に関する大切な知らせを学んでいただき,そして神の祝福をうけるためには,人の是非持たねばならないと神の示される正しい知識を持つていただくためです。そのような正確な知識や,また神の御言葉が今日のために述べられている確かな希望についてのより一層の知らせは,『ものみの塔』協会の非商業公共奉仕として配布されるこの出版物,および他の文書の中に記されています。私たちが生活しているこの時の重大性や,この地に正義の状態をもたらす神の目的について示す,これら尚一層の証拠は,あなたにとつて大きな励ましのものであり,また価値あるものでありましよう。