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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1955
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聖書はあなたの導きですか?

聖書の原則は今日行うことができず,それにこの20世紀には役立たないものであると,一般に考えられています。正直,正義,節義についての聖書の教えは,およそこの世の人の考えとは縁遠いものになつています。全くのところ,宗教指導者でも聖書の原則は今日用いることができないと,考えています。ひとりの牧師は,極端にもこう言いました。山上の垂訓を説教する者たちは,『それを実行する積りはない。もし実行するなら,即座に精神病院へ入れられるであろう。』a

今日では,聖書の高い原則よりも,啓発された利己主義の方が尊ばれています。一般には,こんな風に考えられています。実業家なら,少々の悪いことは具合良く旨く行くものである。弁護士なら,ある程度の不正直はきわめて良いことである。節義を守るのも,要するに金の儲かるあいだだけ価値のあるものだというのです。平和,一致,正しい道徳,そして真実のクリスチャン愛という聖書の原則に従う世界は,今日の習慣とは雪と炭ほどに違うものです。まつたくのところ,そのことを認めるのは到底出来ないほどです!

しかし,聖書の原則を棄てるのは実用的なことでしょうか? 物質主義の見方は,聖書の見方よりも良いものですか? この時代に起きた二つの世界大戦は,実際的なものですか? 政治の腐敗,増加する離婚,犯罪,麻薬耽溺は実用的ですか? これらの事は,むしろエレミヤの言葉を裏づけるものではありませんか?『人は自らその歩履を定むること能わざるなり。』― エレミヤ 10:23。

多種多様の本が書かれて出版されており,道徳や,倫理や,人生案内について意見が述べられています。そのような本を読むのに,おそらく幾百万の時間がかかつたことでしよう。『多く書をつくれば果てしなし。多く学べば体疲る。』(伝道之書 12:12)これらの本は,道徳や倫理の問題を解決しましたか? 解決するどころか,問題はますます悪化しています。自己中心の人は,神の言葉は実用的でないと言いますが,その偽りの言い分は,今日聖書の原則が立派に行われている証拠の前に,ひとたまりもなくくづれて行きます。聖書の原則は行えないと言う人自身,まだ試したことのない人です。もし,聖書の原則は『幻想』だと言うなら,その人々には黙示がありません。『黙示なければ,民は亡びる。律法を守るものは幸いなり。』― シンゲン 29:18,欽定訳。

聖書の原則は,多くの国にある法律の基礎になつています。聖書の原則は,毎日の話の中で言われ,ほとんど常識の大元になつています。たいていの人は,聖書の原則を認めると言います。多分あなたもその一人でしよう。しかし,不幸なことに,今日の世界はその聖書の原則に従つて生活していません。アメリカの宗教団体で第3番目に大きい南部バプテスト派の大会で,次のように言明されました。公衆および個人の道徳標準の低下は,公衆一般の人が『正直,節義,そして誠実のごとき徳を,公衆や個人や,一般の生活で見失い』ながら,考えたり行つたりすることに原因を発するというのです。

時代がかくも悪くなつているために,キリスト教の狭い原則は今日最大の価値を持つものであると言うと,あなたは多分こう尋ねるかもしれません『何ですつて! 聖書の原則が今日行えるのですか? 本当ですか? 私と附き合つている人々が聖書の原則を行つていなくても,私は聖書の原則を行わねばなりませんか?』 そうです。その通りです。理智を持つ賢明な人は,そのことを良く知るべきです。それで,次の記事で,その真実さを調べてみましよう。

[脚注]

a ニューヨーク市全人類ユニテリアン教会ロン・レイ・コール牧師の1952年6月29日の言葉。6月30日のニューヨーク・タイムズ紙より引用

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