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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1958
塔58 7/1 253–259ページ

神の群れを牧する

1 使徒ペテロは,会衆内の監督たちにどんな教訓を与えていますか。

使徒ペテロは教えました,『そこで,あなたがたのうちの長老たちに勧める。……あなたがたにゆだねられている神の羊の群れを牧しなさい。しいられてするのではなく,神に従つて自ら進んでなし,恥ずべき利得のためではなく,本心から,それをしなさい。また,ゆだねられた者たちの上に権力をふるうことをしないで,むしろ,群れの模範となるべきである。そうすれば,大牧者が現れる時には,しぼむことのない栄光の冠を受けるであろう。』(ペテロ前 5:1-4)この言葉を心に深く刻みつけなさい。それを自分のものにするまで何回も読み返しなさい。神の制度の羊飼は一人残らず,使徒のこのすすめに従わなければなりません。従わない者は資格を失うばかりか否とされるでしよう。

2 羊は誰のものですか。説明しなさい。

2 献身した兄弟たちは神の群れ,神の遺産であつて,神の群れを委ねられた羊飼には極めて大きな責任が課せられています。神の小羊すなわち,神の独り子の尊い血で贖われたこの羊たちは,ヱホバの買い取られたもの,ヱホバの所有に属する宝です。羊は従属の羊飼のものではなく,大いなる羊飼によつて彼らの保護に委ねられたものであるゆえに,ヱホバに仕える如く,羊を世話しなければなりません。どの群れの上にであれ,およそ羊飼(すなわち監督)として任命された者は,ヱホバ神とキリスト・イエスに対する重い責任をよく知らねばなりません。ヱホバが御自身の羊を養い,導き,保護を与え,常に忍耐を示して,彼らを扱われた仕方を心に留めなさい。また主イエスが父の羊を牧して,その一つをも失わず,常に神を恐れつつ,しかも愛をもつて,愛のゆえに奉仕されたことを忘れてはなりません。

3 羊飼は神の羊をどのように扱わねばなりませんか。

3 従属の羊飼も大牧者が羊を牧されたと同じ仕方で羊を扱わねばなりません。すなわち羊を導いて牧場に連れてゆくことが必要です。そこで羊は霊的に養われ強くなつて,時がたつうちにはもつと弱い人々を助けるようになるでしよう。毎週の会衆の集会や大会に出席するように励まし,更に家から家に,また再訪問に行つて効果的な聖書の話を使うように援助することも必要です。彼らを新世社会の神権的な取り極めの中に留まらせねばなりません。愛と深い思いやりとをもつて親切に扱いなさい。羊はすぐにおびえて逃げるからです。また,やさしくしなさい。手荒くすると羊は傷つきます。羊は攻撃されても,他の動物のように身を守る手だてがありません。ただ逃げ去つて,時にはもつと大きな危険に陥ります。

4 羊飼はどのように任命されますか。彼らはなぜヱホバを恐れて生活しなければなりませんか。

4 羊飼は神が会衆に与えられた賜物,神の賜物です。使徒パウロは書きしるしました,『そして彼は,ある人を使徒とし,……ある人を牧者……としてお立てになつた。』(エペソ 4:11,新世)また,このような羊飼に対してこう語りました,『どうか,あなた方自身に気をつけ,またすべての群れに気をくばつていただきたい。聖霊は,神が御自身の(御子の)血であがないとられた神の会衆を牧させるために,あなた方をその群の監督に任命したのである。』(使行 20:28,新世)さて,羊の中にあつて羊飼であるなら,次の事を自問して下さい。委ねられている群れに気を配つていますか,聖霊によつて羊飼に任命されたゆえにあなたはその任命をおろそかにしてはなりません。霊に対して罪を犯してはならないのです。イエスは言われました,『御霊を瀆すことは許されじ。……誰にても言をもて聖霊に逆う者は許されじ。』(マタイ 12:31,32)あなたはあえて聖霊に逆らわないでしよう。あなたは責任を問われるからです。ゆえにあなたの務めを正しく果していないならば,恐れを抱くのは当然です。ヱホバ神を恐れて生活しているかどうか,その恐れを抱くあなたは牧するわざの責任を神の前に持つことを痛感しなかつたかどうか,自問してごらんなさい。あなたは本当に神を恐れますか。

5 牧羊は骨の折れる仕事ですか。ヤコブの経験から何が分りますか。

5 羊飼の仕事はたいそう骨の折れるものでした。それは弱い人のする仕事ではなかつたのです。ライオン,熊,狼の襲撃,正体を見破られそうになると殺人もする強盗,あらゆる天候にさらされ,羊が群れの中から出ないように,また迷つた羊を探し求め,常に危険を警戒することなど,羊飼の仕事には艱難がつきまといました。むかし,ヤコブのした経験はこの事をよく示すもので,羊飼の仕事がどんなものであつたかを知る手掛りとなります。ヤコブは義父ラバンにこう語りました,『汝の牝羊と牝山羊その子を生みそこねしことなし又汝の群の牡羊は我食らわざりき。又かみ裂かれたるものは我これを汝のもとに持ちきたらずして自ら之を補えり。また昼盗まるるも夜盗まるるも汝わが手より之を求めたり。我はかくありつ昼は暑さに夜は寒さにおかされて目も眠るのいとまなく。』(創世 31:38-40)今日でも同じく羊の世話は容易な仕事ではありません。

6,7 羊飼は何をしますか。詩篇 23篇に示されているように,羊はどんな世話を受けますか。

6 羊飼が牧するわざにどれだけの時間を捧げねばならないかを,羊は知りません。忠実な監督は親が子に対するように羊を見守り,たえず羊の世話に心を砕いていますが,羊はそのことを知らないのです。いつくしみ深い親は,家,食物,衣服を備えるためにどれほど激しく働いても,そのことを子供の心に何時も印象づけようとはしません。そして,ある程度の責任感を子供に持たせながらも,子供が何のわずらいもなく幸福であるようにと望んでいます。愛のゆえに親は何時間も家族のために働き,決して報酬を求めません。忠実な羊飼とその羊についても同じことが言えます。愛するゆえに奉仕しなさい。

7 委ねられた羊の一つをも失うことをあなたは望みません。羊の安全は群の中に留まることにあり,また羊を見守る真の正しい羊飼に依存しています。詩篇 23篇が保証しているように,『ヱホバはわが牧者なり,われ乏しきことあらじ…たといわれ死のかげの谷をあゆむとも災をおそれじ,なんぢ我とともにいませばなり。』従つて,羊が群から迷い出ないように見守らねばなりません。あなたの仕事は略奪者を近づけないようにすることです。羊に気を配りなさい。羊のよそおいをしてくる狼に注意しなさい。今日,大群衆が新世社会に群がり来つつあり,あらゆる種類の人が集まつて来ます。私たちの望みは,人が自らを清くしてヱホバ神に生命を献身するようにすべての種類の人を助けることです。そうしない人々,そうするまいと決心している人々がいるなら,羊の保護のため,その人々から眼を離してはなりません。羊飼たち,あなた方の中にある神の群れを守りなさい。

8 羊飼は羊に荷を負わせることをどのように避けるべきですか。

8 牧場へと群れを導き出さねばなりません。そうしなければ羊は弱つて死ぬでしよう。何処に行けばヱホバの御言葉に養われるかを羊に示しなさい。研究の仕方を教え,幼いものには食物を砕いて与え,理解できるように必要な説明を加えなさい。そうすれば後から自分でかみこなすでしよう。神の言葉の貴重な真理を示し,ヱホバの御目的を彼らの心に理解させなさい。食べるにつれて彼らは好んで牧場を動き回るでしよう。更に「他の羊」が良い食物を食べて強くなるように彼らも援助できることを示しなさい。何時も伝道するように訓練を与え,その歩むべき道に彼らを導きなさい。あなたの問題を持ち出して彼らをわずらわすことをせず,他の羊飼とそれを話し合いなさい。それでも援助が得られないならば,その問題を持つて良い羊飼,大いなる羊飼であるヱホバ神のもとに行きなさい。『神はあなたがたをかえりみていて下さるのであるから,自分の思いわずらいを,いつさい神にゆだねるがよい。身を慎み,目をさましていなさい。』(ペテロ前 5:7,8)神はあなたの荷を負い,祈りに答えて下さるでしよう。しかし,自分の荷は自分でたしかに担つて,羊にそれを負わせてはなりません。あなたは荷を担つて羊を幸福にし,よい霊的な健康を保たせなさい。

9 ペテロは彼の羊飼の心づかいと祈りによつてどのように救われたかを述べなさい。

9 イエスから次のように言われた使徒ペテロの経験を憶えて下さい,『シモン,シモン,見よ,サタンはあなたがたを麦のようにふるいにかけることを願つて許された。しかし,わたしはあなたの信仰がなくならないように,あなたのために祈つた。それで,あなたが立ち直つたときには,兄弟たちを力づけてやりなさい。』(ルカ 22:31,32,新口)ペテロは彼の羊飼の祈りによつて救われたのです。御自身の試練と死に面していたイエスはペテロを助けることができなかつたので,大いなる羊飼ヱホバに祈りました。ヱホバはペテロを立返らせてこの祈りに答えられ,ペテロは兄弟たちが頼みとするよりどころになりました。主イエスがペテロに示されたこの思いやりはあなたを本当に喜ばせるはずです。『イエス・キリストは,きのうも,きようも,いつまでも変ることがない』(ヘブル 13:8,新口)からです。イエスは私たちのためにとりなしをして下さる方です。危険が近づくのを見るとき,羊のためにヱホバに祈りなさい。羊は失われないでしよう。大きな試練に耐えている羊がいるなら,事態を悪化させることをせず,神のよい言葉の約束を思い起させ,快活にして事態をやわらげるように努めなさい。サタンの手にかかつて麦のようにふるわれないため,兄弟たちのために祈りなさい。まつたく,私たちは自分自身のことを心にかけるべきですが,霊的な助けをも与えねばなりません。それはあなたの務めです。そうでないなら,あなたが羊飼である理由は少しもないことになります。

10 羊飼はどのように「物を費し,また身をも費」さねばなりませんか。

10 羊飼として私たちの奉仕は惜しみなく与えるものであるべきです。忠実な羊飼,使徒パウロは自分の個人的な楽しみを考えませんでした。コリント後書 11章21-33節にある彼の経験を読んでごらんなさい。鞭うたれ,石で打たれ,同族の難,諸国民の難,海上の難,市中の難に遭い,眠らない夜を過した……のはなぜでしたか。それはヱホバ神に対して良い申し開きができるためでした。ヱホバ神はキリストを通して彼にこう命ぜられていたのです,『わたしは……あなたを彼らにつかわすが,それは,彼らの目を開き,彼らをやみから光へ,悪魔の支配から神のみもとへと帰らせ……るためである。』(使行 26:17,18)彼は述べました,『わたしは,あなたがたの魂のためには,大いに喜んで費用を使い,また,わたし自身も使いはたそう。』(コリント後 12:15)あなたはしりごみして,羊のために力と時間を捧げることを惜しみ,苦労すること,自分の慰安を捨てることをいといますか。神の群れのために,あなたは費用を使い,また,自身を使いはたしていますか。すべての使徒は物を費やし,身をも費やしました。

11,12 羊はどのように失われますか。羊飼はどのようにこれを防ぐことができますか。

11 主イエス・キリストはすべての人のために手本を残されました。イエスの記録は完全です。忠実な羊飼としてイエスは一つの羊をも失いませんでした。あなたの記録を調べてごらんなさい。神の羊の一つでも失つた責任がありますか。心がヱホバに向けられていないために離れ去る者もあり,悪を口にしながら去る者もあるでしよう。しかし,他のすべてのものはどうですか。怠慢や不注意のため,あるいは気持を害したり,ヱホバとキリストの宣教また,その道に導かなかつたために羊を失いましたか。再訪問をしなかつたり,聖書研究を司会しなかつたり,集会で援助しなかつたなど,彼らを養うことに手落ちはありませんでしたか。彼らが弱くなつたとき,直ぐに援助の手をさしのべましたか。それとも無関心でしたか。霊的な病気にかかつたときには,世話をしましたか。一人一人が自分を吟味して,この牧羊のわざをもつと深く,十分に考慮して下さい。これは人のことではなく,自分自身のことです。

12 時に羊はみじめな状態に落ち込むため,緊急な援助が必要になります。群れにとつて忠実な,本当の羊飼であることを証明しなさい。彼らの問題を理解し,その真の窮境を知ろうと努めましたか。彼らの教育,家庭の環境,家庭内の反対を考慮しようと努めましたか。彼らはひとりで取り残されていますか。あなたにできるならば,個人的な援助を与え,また他の人を通して援助しなさい。彼らをたずねることができないときには,祈ることができることを忘れないで下さい。ペテロを自ら助けることができなかつたとき,私たちの主イエスはペテロのために祈りました。祈りの力を軽視してはなりません。聖書はこう述べています,『信仰の祈りは病める者をいやし,ヱホバはその人を立ち上らせて下さる。また,罪を犯したならば,その罪は許されるであろう。ゆえに互に罪を公けに言い表わし,互のために祈りなさい。それはあなた方がいやされるためである。』(ヤコブ 5:15,16,新世)大いなる羊飼ヱホバと正しい羊飼イエスがあなたに対して実にやさしく,また憐れみ深かつたことを何時も心に留めておきなさい。

『終りの時』のあいだに集める

13 大いなる羊飼はどのように御自身の羊を残らず集められますか。

13 『終りの時』に御自身のすべての羊を集めると,大いなる羊飼は約束されました。世界のあらゆる場所から彼らは集められるでしよう。(エゼキエル 34:11-16)これらの失われた羊を見出すのは,ヱホバの従属の羊飼です。羊は羊飼の声を知つています。それであなたは羊を呼びつづけなければなりません。どの声でもよいというのではありません。羊は知らない人の声には答えないからです。イエスは言われました,『羊はその声を知つているので,彼について行くのである。ほかの人には,ついて行かないで逃げ去る。その人の声を知らないからである。……わたしはよい羊飼であつて,わたしの羊を知り,わたしの羊はまた,わたしを知つている。それはちようど,父がわたしを知つておられ,わたしが父を知つているのと同じである。』また『他の羊』についてイエスはこう言われました,『わたしは彼らをも導かねばならない。彼らも,わたしの声に聞き従うであろう。そして,ついに一つの群れ,ひとりの羊飼となるであろう。』― ヨハネ 10:4-16,新口。

14,15 正しい羊飼の声とは何ですか。その声はどのように拡大されつつありますか。

14 今日160以上の国々の至るところで,正しい羊飼の声が拡大されています。その声は何ですか。それはヱホバとキリスト・イエスのよき御言葉ですが,聖書そのものを出版するに留まらず,神の民の間に見られる状態,世界の有様は聖書の預言の成就であることを説明して聖書に語らせることなのです。神の言葉が如何に成就しているかを初めて理解したときのことを思い起してごらんなさい。あなたの心は喜びませんでしたか。あなたは天に神のいますことを知りました。神は確かに存在しているのです。たぶん,疑いがあつたかも知れません。しかし,いまでは神のいますことを知つています。何と大きな喜びと幸福でしよう! 御言葉はあなたに話しかけました。それは生きており,生命のある言葉であつて,あなたを考えさせ,行動させたのです。

15 今日ヱホバの証者の許には大群衆が集まつています。集まつてくるこれら善意者の数は急速に増加しているため,全部の人を世話するのは難しいほどです。その人々はなぜ来るのですか。なぜなら正しい羊飼の『声』を聞いたからです。また,神が真の羊飼の制度と共にいますことも聞きました。従つて,是非ともこの声が聞えるようにすることこそ,忠実な羊飼である私たちのつとめです。そうするために,できる処ならどこにでもその声を伝えなければなりません。迷つている羊を探し求め,正しい羊飼が近くにいることを知らせるために呼びつづけなければなりません。羊は羊飼を探しながら道に迷つてしまつたのです。

16 1匹の『迷つた羊』のたとえから私たちが今日学ぶことを述べなさい。

16 迷つた羊が何処にいるかを知つているなら,ことは比較的に容易でしよう。しかし,迷つた羊を探し求めて,家から家に,通りから通り,村から村,町から町に行かなければならないのです。そして探し出したときには,本当に大きな喜びがあります。イエスのたとえ話にある如く,100匹の羊を持つ羊飼が1匹を見失つたとき,彼は99匹を残しておき,失われた1匹を探しに行きました。『そして見つけたら,喜んでそれを自分の肩に乗せ,家に帰つてきて友人や隣り人を呼び集め,「わたしと一緒に喜んでください。いなくなつた羊を見つけましたから」と言うであろう。』(ルカ 15:4-7,新口)失われた羊を探しつづけるには,多くの場合,力と時間そして金銭も必要です。しかし,見出したときの喜びは何と大きいのでしよう! ヱホバの真理の音信を高らかに宜べつづけ,ヱホバを讃美する声を高く上げなさい。彼の声を聞いて,あなたはいま幸福です。それゆえに他の失われた羊を探しつづけなさい。実を結ぶ羊飼となつて是認を受けなさい。

真の羊の特色

17 真の羊の第一の責任は何ですか。

17 今度は羊そのものを考慮しましよう。この記事を読むとき,次のように自問して下さい。私は主の『他の羊』の一人,また神の群れのものであろうか。その答が肯定のものであるなら,あなたはすばらしい相続に属する者であつて大きな特権に恵まれています。神の羊の一人として,あなたはどんな人の所有にも属することなく,ヱホバ神とヱホバ神の愛される御子のものだからです。それゆえにヱホバ神と御子の『声』に聞き従うことは第一の責任であり,ヱホバ神と御子から権威を受けていない者が語つても,あなたは決してその声に聞かないでしよう。知らない人の『声』に従つてはなりません。正しい羊飼はあなたをいこいの水ぎわに導いて,あなたの魂に生気を与え,頭には油を注ぎ,安全なみどりの野にふさせて下さるでしよう。そして何一つ乏しいものはありません。―詩篇 23篇。

18,19 正しい羊飼は群れを牧するどんな御準備を設けられていますか。羊はどのように『真の羊飼』を見分けることができますか。

18 正しい真の羊飼,主イエス・キリストは眼に見ることができなくても,あなたはイエスの羊飼たちを見ることができます。群れを牧するために,イエスはこれらの羊飼たちを与えられました。忠実な羊飼たちに従いなさい。あなたは決して迷うことなく,害を受けないでしよう。しかし,真の羊飼たちはどうして見分けられますか。最も大切なことを挙げれば,ヱホバ神とキリスト・イエスによつてその地位に任命され,また是認を受けた者でなければなりません。それは神の霊を持つことを意味します。その人々の信仰,行い,わざを見るとき,このことは分ります。口先で羊飼であると言う者が必ずしも羊飼ではありません。主なる神の羊飼は,特別な服や仰々しい肩書,高等教育の学位で見分けられません。彼らは『神に教えられる』ことが必要です。忠実な,真の羊飼には信頼することができても,口先だけの者に信頼はできません。生命を危険にするゆえに,注意が肝要です。あなたの益ではなく,自分の利益を求める偽りの羊飼は,あなたを間違つた道に迷わせます。危険が近づくとき,『雇人』の羊飼は逃げ去りますが,真の羊飼はふみ留まり,あなたが安心を得,生きてヱホバ神に奉仕するように援助しようと心を砕くでしよう。ですから,知らない人の『声』に決して従つてはなりません。

19 真の羊飼は主イエス・キリストの忠実な僕であり,真理の伝道者,神の聖なる言葉を誠実また熱心に学ぶ者です。最高至上の神とキリスト・イエスに彼らが奉仕するのは,奉仕から何かを得ようとしているためではありません。ヱホバの為されたことを感謝して,できるものをヱホバに捧げようとしているのです。彼らの語ることはすべて義と平和また清さに傾いています。これらの羊飼は羊のために喜んで苦しみを受け,迫害に耐え,死ぬことさえ覚悟しています。ヱホバ神から任命された真の羊飼たちは,ヱホバ神の是認を受ける者であり,その献身の生活はこれを表わすものです。この人々こそ,あなたを『緑の野』に導き,あなたはその助けによつて永遠の創造主と御子,神の小羊を知る正確で真の知識を得るでしよう。また,ヱホバの御名をほめたたえ,王の王,主の主である御子の名をあがめるように,あなたを助けます。清い心と愛をもつて奉仕するこのような羊飼にこそ,信頼を置くことができるのです。

20 本当の羊はどんな性質を持つていませんか。彼らは何をしなければなりませんか。

20 主の羊の一人としてあなたは正しい気質すなわち心の態度を持たねばなりません。天にいます大いなる羊飼と御子に奉仕しているからです。あなたはどんな気質,心の態度を持つていますか。誇つていますか。出しやばりですか。すぐに自慢しますか。何時も誇る人ですか。利己的で他の人を押しのけても前に出ようとしますか。物質主義に傾いていますか。自分のことだけを考えますか。ヱホバのすべての過分の御親切に感謝しない忘恩の者ですか。他の人に対する尊敬に欠けていますか。すぐに批評し,他の人を見くびり,不平を言いながら仕事をしますか。このような性質を少しでも表わして山羊に似た気質,心の態度を持つているなら,変らなければなりません。このような状態にいる間は,幸福を見出さず,主の羊であることに満足と平和を見出すこともないからです。心を入れかえなければなりません。

21 (イ)野の羊,(ロ)『他の羊』について,その性質と二つの保護を述べなさい。

21 野の羊を考えてみましよう。羊は害を与えない動物ではありませんか。羊は多くの場合おろかですが,害をせず,すなおなで少しも悪意がありません。羊は親切に答え応じ,羊飼の声に従順です。羊飼が名前を呼びさえすれば,羊は走り寄つてきます。野のけもの,盗賊など多くの危険がふりかかつても,羊は自分で身を守ることができません。では彼らの身の守りはどこにあるのですか。第一に,群れの他の羊と一緒に集まつていること,第二には群れを常に見守る忠実な羊飼に信頼することにあるのです。このことは主の羊についても現在言えます。この世の人々や組織からの激しい攻撃に対して,自分だけでは身を守る手段のないことをあなたはよく知つています。ではどうして身を守ることができますか。神の群れから離れず,群れの中に留まること,霊的なイスラエルの牧者ヱホバ神と正しい羊飼イエス・キリスト,群の羊飼に任命された忠実な兄弟たちに心から信頼することによつてです。

22 新しい世の社会に属することは何を意味しますか。あなたはどのように保護されますか。

22 ヱホバ神は神権制度を今日持たれており,王なる羊飼である主イエスはこの制度全体の監督です。制度内の監督に任命された人々の責任は,新しい世の社会に属する羊を世話することです。啓発を受けて眼を開き,真理の理解を与えられた人々が知るように,この神権的な群れ,神の民であるヱホバの証者の制度内で交わりを保つため,今日では祝福されたとりきめが設けられています。この制度の法的な統治体「ものみの塔聖書冊子協会」の下に働く忠実な羊飼たちは,この人々を統治しています。この境の中に留まりなさい。ヱホバ神が御自身の民のために設けられた御準備の外に出るなら,保護は全く得られないことを知りなさい。時には悪意を抱く者があなたを欺こうとしても,見張りを怠らない忠実な羊飼はその者を妨ぐでしよう。この世の組織が無理に入り込んで害を与えようとすることがあつても,あなたは『無数の』の御使を用いることのできる天の羊飼に保護されています。ですから,地上の忠実な人々そして主イエス・キリストに率いられている見えない軍勢はあなたを守つているのです。恐れる必要は少しもありません。あなたは神の群れだからです。

忠実な牧者に信頼する

23 (イ)忠実な羊飼たちに信頼できるのはなぜですか。(ロ)羊飼が不忠実になるならあなたを保護するためにどんな処置がとられますか。

23 忠実な兄弟に信頼を置くことができますか。信頼できるという理由はこうです。主の制度の責任を持つ人々は,正しい資格を持たない者を羊飼に任命しません。神の群れの羊飼は正しい標準にかない,その務めを果すに必要な能力を持たねばなりません。第一に神を恐れつつ,群れを牧することが必要です。ヱホバ神とキリスト・イエスを本当に恐れない者は真の羊飼ではなく,従つて神の群れを牧するように任命されないでしよう。時には羊飼に任命された者が群れを牧さないで,群れをしいたげていることがあるかも知れません。もしそうであつて,群れが少しでも害を受けたとすれば,その羊飼は先ず助言を与えられて矯正またはこらしめを受けるでしよう。それでもその羊飼が方法を改めないならば,羊飼として任命された地位から除かれ,別の人が代つて任命されるでしよう。なぜそうしなければなりませんか。あなたは神の群れであり,新世社会の中で神の民と交わるときに少しも害を受けません。忠実な羊飼だけが奉仕しつづけるからです。真理にある兄弟たちはあなたのためを思つて心を砕き,また,あなたが永遠の生命を得ることを願つています。それであなたを追い立てることをせず,また権力をふるうことをしません。あなたは神の相続だからです。誰でもあなたに害を与えるなら,神のものを害していることになり,人間ではなく神の前でその人は申し開きをしなければなりません。

24 (イ)私たちが『人に奉仕する者』ではなく,しかも人の下で奉仕するのはどうしてですか。(ロ)羊飼に対してはどんな正しい態度をとるべさですか。

24 『私たちは人間に奉仕するのではなく,ヱホバ神とキリストに奉仕する』という言葉を聞いたかも知れません。それでは,人間を無視してもよいという事になりますか。人間の下で奉仕しなくても,神に奉仕できますか。それはできません。イスラエル民族の時代においても,仲立モーセをはじめ,他の忠実な人々の下でイスラエルは奉仕しました。使徒時代に羊は使徒たちの下にあつて奉仕しませんでしたか。『神は会衆の中にそれぞれの人を置かれた。』(コリント前 12:28,新世)使徒パウロは定めました,『兄弟たちよ。わたしたちはお願いする。どうか,あなたがたの間で労し,主にあつてあなたがたを指導し,かつ訓戒している人々を重んじ,彼らの働きを思つて,特に愛し敬いなさい。互に平和に過ごしなさい。』(テサロニケ前 5:12,13,新口)また,『正しく指導している古い者たち,特に語ることと教えのために労している者たちは,二倍の尊敬を受けるにふさわしい者である。』(テモテ前 5:17,新世)これらの聖句からはつきりと分る通り,主の僕を無視するのは悪いことであり,軽くあしらつたり,普通に応待することでさえも正しくありません。僕はヱホバの任命された者だからです。神の群れに奉仕するため選ばれた監督を無視できると考えるならば神に対する不敬となり,間違つた道に導かれます。

25 治める人々に対して羊は服従し従順でなければなりませんが,それはなぜですか。

25 羊飼に対する羊の責任は大きく,これを見過したり,避けることはできません。羊はヱホバ神とキリスト・イエスに従順に従うことが必要ですが,それに留まらず群れを治める者に対しても従順を示さねばなりません。羊のために規則を設ける権威は従属の羊飼のものではなく,彼がしなければならないのは羊に対するヱホバの御心を説明し,適用することです。使徒パウロの良い助言に耳を傾けなさい。『あなたがたの指導者たちの言うことを聞きいれて,従いなさい。彼らは,神に言いひらきをすべき者として,あなたがたのたましいのために,目をさましている。彼らが嘆かないで,喜んでこのことをするようにしなさい。そうでないと,あなたがたの益にならない。』― ヘブル 13:17,新口。

26 『忠実にしてさとい奴隷』の級は誰を恐れつつ治めてきましたか。そしてなぜ?

26 地に関するかぎり,御国の事柄一切は『忠実にしてさとい奴隷』級の管理に委ねられました。このことを理解するのは極めて大切です。(マタイ 24:45-47,新世)この僕はすべての羊をたえ間なく見守らねばなりません。これは実に重い責任です! 何十万という羊の魂が,地上における神の羊飼の級,『忠実にしてさとい奴隷』の世話に委ねられています。牧羊のわざに対して,この級はヱホバ神に言いひらきをしなければなりません。羊飼の級を構成している人々がこの重大な責任を安易に考えているなどと思う羊があつてはなりません。羊の生命に対して彼らに責任を問う方はヱホバ神とキリスト・イエスであつて,彼らはこの事を十分によく知つています。今日あなたは神を恐れる人々の奉仕と世話を受けているのです。天にいます方が彼らの働きを常に見守つていることをその人々は知つています。彼らは『神につかわされた者として,キリストにある』者です。(コリント後 2:17,新口)『忠実にしてさとい奴隷』級の人々はヱホバ神を恐れつつ,羊のために働いており,羊の群れであるあなたを守つています。それで,忠実な兄弟たちから害を受けることは少しもありません。

27 霊的な統治体とそれに任命された人々は,どのように羊を保護し,導き,養つてきましたか。

27 「ペンシルバニヤのものみの塔聖書冊子協会」と交わるヱホバの証者の霊的な統治体は,ヱホバを恐れつつその務めを果してきました。この統治体から任命された者たちも,正しい羊飼の手本に従いつつ同じことを為して,神への恐れを持ちながら前進し,そのわざを遂行してきたのです。そして,羊は養われてきませんでしたか。そうです,この年月のあいだ,羊は何時も霊的な食物で養われてきました。彼らが飢えたことは一度もなく,一回でも霊的な食物を欠かしたことはありません。地上の忠実な羊飼の級は,その名誉を得ようとしたり,羊の思いと心を自分たちにひきつけようとせず,何時も天の牧者に羊の心を向けようとしてきました。偽りの教えや誤りから羊は保護され,サタンの悪い企てに対する警告も与えられました。また,不道徳,物質主義,被造物の崇拝,悪い世との交わり,その他数え上げることができないほど多くの危険に陥ることから救われたのです。なぜこの事が行われたのですか。答を言えば,羊であるあなたに仕えるために,これらの兄弟は喜んですべての持ち物を捧げたのです。それは,ヱホバ神の恵みの下,平和のうちにあなたが住むためです。

28,29 なぜ羊はそれほどに祝福されていますか。何が更に大きな増加に導きますか。

28 ヱホバ神とキリスト・イエスに受け入れられる奉仕を捧げること,御国の良いたよりを伝道すること,『彼の救いの良いたより』を宣べ伝えること,神の賛美を歌い,神の栄光の御わざを人の子に語り,平和をつげ,天の父と御子キリスト・イエスのすばらしい御目的を知らせること,これらすべての事をする方法を羊が学んだのは,忠実な羊飼の援助があつたからです。(詩 96:2,新世)これらのことを自分でするように羊は訓練され,更にこのことをするように他の人を訓練することを教えられました。羊は導かれて一つとなり,失われた羊も群れの中に導き入れられてきました。祝福された羊たち! あなたは,神の羊であつて忠実な羊飼の手に委ねられ,信頼できる忠実な羊飼を知るゆえに,本当に恵まれています! あなたは神の群れであつて保護されており,害を受けません。忠実な羊飼はあなたのため,ヱホバ神とキリスト・イエスの前で責任をとらねばならないからです。

29 群れを増加させる時が来ました。すべての羊を集めなければなりません。北から南から,東から西から羊を集めよと,ヱホバ神は御自身の民に命ぜられました。(イザヤ 43:1-7)今日,正しい羊飼の声は160以上の国々に伝えられ,更に多くの人々,迷つた羊にも似た人々に慰めを語り告げています。その人々は大群衆となつて来るでしよう。その人々すべてを集める時はいまです。ヱホバ神とキリスト・イエスの前に大きな責任を持つ羊飼たちがその事実を心にかけるとき,群れは最もよく繁栄します。制度の成員である主の羊は,従順と服従によつてこれらの務めの遂行を容易にします。

30 ひきつづき保護されるために,羊は何をしつづけなければなりませんか。

30 神の群れは一つになり,新しい世の社会から迷い出ません。古い世の組織にはわなと落し穴があり,危険は至るところにあります。人々も組織もあなたの弱さにつけ込もうとしますが,あなたは身の守りを持つていません。神の制度の中に留まりなさい。そのためには神の御心を学ばねばならず,神権的な要求に従順でなければなりません。平和を求め,義に従い,羊飼に任命された人々に導かれ,牧されることが心要です。これらのことをするとき,あなたは正しい道に訓練されて,私たちのすべての賛美にふさわしいヱホバという御名を持ち給う天の全能なる神に賛美を捧げることができます。古い世から新しい世の社会に救い入れられたことを喜び,すべてあなたのためにヱホバが為されたこと,いま為されていること,またハルマゲドンの戦いのあと新しい世が来るときに与えて下さるすばらしい事のゆえに,幸福となりなさい。あなたはこの幸福な群れにいます。それで,霊的イスラエルの大いなる牧者と彼の正しい羊飼に喜び,また次のことを知つて喜びなさい。あなたにはどんな災もふりかかることがなく,大いなる牧者は御名のゆえにあなたを緑の牧場といこいの水ぎわに導かれます。

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