町のくらづかさ
◆ 使徒パウロは,ギリシャのコリントの町から手紙を書きましたが,その中で(ロマ書 16章23節),共に働いていた人たちからのあいさつを送っています。たとえば次の言葉があります。「町の庫司エラストなんぢらに安否を問ふ」。これから判断してエラストは明らかに町の財政をあずかる者でした。1299年にコリントの発掘調査をしたT・L・シア教授は,「エラストプロ: イーダイル: エス: ピー: ストラビト」(「収税官にして,造営司なるエラスト,自費をもってこの道路を敷く」)と刻んだ道路舗装用石材を見つけました。この刻文にあるエラストとパウロが言うエラストとが同一人物かどうかは不明ですが,その石材は第1世紀のものと推定されています。―G・アーネスト・ライト著「聖書の考古学」,262頁。