私生子
◇ 最近アメリカで行なわれたある裁判によると,ニューヨーク州では,夫が他の男性の精液による妻の人工受精に承諾しても,生まれてくる子供は嫡出子にならない,という裁定が下されました。この判決について,1963年8月13日の「ユナイテッド・ステーツ・ロー・ウイーク」(アメリカ法律週報)は次のように述べています。「母親の夫でない父から生まれた子が嫡出子と見なされないということは,法律中に深く刻み込まれた歴史的概念である。いずれかの法律がこの定説を改めないかぎり,『そのような子供は私生子であるという歴史的概念はいつまでも効力を失わぬであろう』」。キングス郡にあるニューヨーク州上級裁判所は,次のような意見を述べました。「子供が嫡出子かどうかを論争の焦点として争われた裁判の場合,夫以外の第三者の精液供給による人工受精は,夫の承諾のあるなしにかかわらず父親の姦淫であり,この方法で妊娠したなら,婚姻によって生まれた子供ではないゆえに私生子であるとした判例がある」。
聖書的に言えば,人工受精に賛成する女性は事実上姦淫を行なうことになり,夫がそれに賛成するなら,夫も姦淫を認めることになります。人工受精は神のおきてに反する行為です。―マタイ 7:17-20。コリント前 6:9-11。