読者からの質問
● 「『大いなるバビロンは倒れた』,神の御国は支配す」(英文)という本に述べられていることから考えると,マタイ伝 24章21,22節の「大きな患難」は,ハルマゲドンで生ずる事だけを指していると解釈すべきですか。
「『大いなるバビロンは倒れた』,神の御国は支配す」の629,30頁には次のように述べられています。「七つの頭と十本の角を持つ獣,および偽預言者は象徴であるゆえに,『地の王たちとその軍勢』とは別に扱われています。これらの象徴的なものが焼きつくされるとき,政治組織における世界的一致,および政治的提携は,白馬にまたがる勝利者の前に崩壊します。他の預言が予告しているように,そこには甚しい混乱と無秩序があるでしょう。イエス・キリストは地上におられたとき次のように言われました。『その時には,世の初めから現在に至るまで,かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。もしその期間が縮められないなら,救われる者はひとりもいないであろう。しかし選民〔14万4000人のうちのまだ地上に残っている者〕のためには,その期間が縮められるであろう』」。
この本は,それらの節で,「大きな患難」の最後の部分だけを取り上げているのであって,「大きな患難」はハルマゲドンの時にのみ起こるということを示唆する意図を含んでいません。その証拠に,630頁の次の節はこのようになっています。「『大きな患難』が頂点に達するハルマゲドンにおいて,王たちとその軍勢,および『獣』の刻印を受けている者たちはみな,勝利者である諸王の王の口から出る『長いつるぎ』に似た,死刑の執行によって『殺されて』しまいます」。
ハルマゲドンにかんして,「大きな患難」の頂点,という言葉が使われていることに注目して下さい。したがってこれらの節は,「大きな患難」の最後の部分について述べているとはいうものの,ハルマゲドンのくるまえに他の部分もあったという事実を否定するものではありません。
ゆえにこれは,その適用をハルマゲドンのみに限定するマタイ伝 24章21,22節についての新しい考えではありません。この聖句は二重に適用されます。まず,エホバが,サンタとその組織の上にもたらされた患難に適用します。それはエホバの御子キリスト・イエスが,天で,サタンとサタンに属する悪霊どもに対し戦いをいどまれた時でした。その戦いは1914年に始まりました。サタンとその組織にもたらされた患難は,1918年に中止されました。それはエホバの油そそがれた者の残れる者を集めるためでした。2番目は,この本が取りあげているもので,ハルマゲドンの時サタンとその組織に対して「大きな患難」が再びのぞむときに適用されます。