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  • 弟子を作る際,その心を動かしなさい
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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1970
塔70 7/15 435–440ページ

弟子を作る際,その心を動かしなさい

「心からあふれることを,口が語るものである」― マタイ 12:34,新。

1 クリスチャンの任務には何が含まれていますか。その任務を果たすため,何に触れねばなりませんか。

ククリスチャンの任務は教義を教えるだけではなく,愛・認識・謙そん・信仰など,事実ガラテヤ書 5章22,23節に述べられている,神の霊の実のすべてを十分に教えなければなりません。クリスチャンの仕事は,他の人が『彼らの以前の生き方に基づき,人を欺く欲望にしたがって腐敗している古い人格を脱ぎすて,彼らの心に働く力によって新たにされ,真の義と忠節にそいつつ,神の御心にしたがって造られた新しい人格を着ける』ように助けることです。(エペソ 4:20-24,新)これを達成するには,頭にはいる知識以上のものが必要です。研究生の心に触れ,義の道を歩むよう研究生に動機を与えねばなりません。

2 実際のところ,心はどんなものであると言えますか。心を調べるのはなぜ必要ですか。

2 実際のところ心はいろいろなものの貯蔵所と言えます。人は心の貯蔵所に良いものも悪いものも入れることができます。神のみことば聖書を研究している間,人はエホバの尽きることのない貯蔵所から品物を出して,自分の貯蔵所に入れていることになります。それは良い品物です。『神は良いかた』だからです。(マルコ 10:18)ほかの場合,たとえば,テレビ・映画・演劇・新聞・雑誌その他を介して,この世の犯罪や腐敗を目にするときの心は,悪い考えや思いをやすやすと取り入れているのです。そうではないと反対されるかたがあるかもしれませんが,聖書は次のように注意を促しています。「人の道はおのれの目に正しとみゆ されどエホバは人の心をはかりたまふ」。(箴言 21:2)わたしたちが心の貯蔵所に何をたくわえたかを見るためわたしたちの心を調べる際,エホバが欺かれることはありません。そこには何がたくわえられていますか。

3 (イ)イエス・キリストは心についてどんなことを明らかにされましたか。(ロ)どのようにすれば,よこしまな心を正せますか。

3 イエス・キリストは,心が多くのよこしまな事柄をたくわえうることを明らかにされました。律法学者やパリサイ人たちが無益な崇拝者で,自分たちの伝統のゆえにむなしい崇拝を行なっていることを暴露したあと,イエスは次のたとえを語られました。聖書はこう述べています。「かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『ききて悟れ。口に入るものは人を汚さず,されど口より出づるものは,これ人を汚すなり』ここに弟子たち御許に来りていふ『御言をききてパリサイ人のつまづきたるを知り給ふか』答へて言ひ給ふ『わが天の父の植え給はぬものは,みな抜かれん。彼らを捨ておけ,盲人を手引する盲人なり,盲人もし盲人を手引せば,二人とも穴に落ちん』ペテロ答へて言ふ『そのたとへを我らに解き給へ』イエス言い給ふ『なんぢらも今なほ悟なきか。すべて口に入るものは腹にゆき,遂にかはやに棄てらるる事を悟らぬか。されど口より出づるものは心より出づ,これ人を汚すものなり。それ心より悪しき念いづ,即ち殺人・姦淫・淫行・ぬすみ・偽証・そしり,これらは人を汚すものなり,されど洗はぬ手にて食する事は人を汚さず』」。(マタイ 15:9-20)心の中にあるよこしまなものを除いてからにしてしまう唯一の方法は,神のみことばの力を心に直接及ぼさせ,そのよこしまで無価値なものを,神の霊の実で置き替えることです。神の霊の実はとこしえの命に至るまで人をささえる力があります。

思いは心に通ずる道

4 心に通ずる一つの経路をあげなさい。それについて使徒パウロはなんと述べていますか。

4 心をクリスチャンの特質に触れさせて,心を正すにはどうすればよいでしょうか。「心より悪しき念いづ」と語ったイエスは,思いは心に直接通ずる経路であり,口は心の「代弁者」であることを示されたのです。結論が下されるところはこの思いです。さらに,悪は実行に移される前に,思いの中ではぐくまれ,そして計画されるのです。ゆえに,心を清め,そして改め,かつ保護するためには,それ以前に判断を下す力,つまりその人の思いに触れねばなりません。次の使徒のことばは,そうした考えを述べたものではありませんか。「この事物の体制にそって形造られるのをやめなさい。むしろ,神の善良で,好ましく,かつ完全な御心をわきまえ知るため,心を作り変えて,自分を新たにしなさい」。(ロマ 12:2,新)思いは,神の霊感を受けた考えを取り入れることによって力を与えられねばならないのです。

5 (イ)思いに通ずるおもな経路はなんですか。(ロ)心を良いものであふれるばかりに満たすのはなぜ賢明ですか。

5 思いに通ずるおもな経路となるのは感覚です。わたしたちが見,聞き,触れ,味わいそしてかぐものはすべて思いに影響を及ぼします。これから,神のみことば聖書の研究を通して見,かつそのみことばが討議される集会に出席して,神のことばを聞かねばならないことがわかります。そうすればするほど,また,得た知識に基づいて行動すればするほど,わたしたちにもたらされる益はいやまさります。神のみことばから学んだ事柄を実行するならば,わたしたちの感覚はすべて用いられるのです。心は触れられ,口は応じます。「心からあふれることを,口が語るもの」だからです。(マタイ 12:34,口語)霊感の下にしるされた聖書のことばにあふれるほど満たされた心が語り,かつ善を行なうように動かされるのです。人はその心の奥から,強固な忠誠心・神聖な原則への献身・義に対する愛・喜び・愛・平和・寛容・親切・善良・信仰・柔和そして自制を得るのです。キリストのうちに見られる特質を備えた弟子を育てたいなら,心はそうした事柄に集中しなければなりません。―ピリピ 4:6-9。

心は模範によって動かされる

6 心に通ずる他の経路について述べなさい。それについてパウロはなんと語っていますか。

6 しかし,他の人の心のうちに何かを築くには,まず自分自身のうちにそれが築かれていなければなりません。まことの教え手であったキリスト・イエスは,わたしたちが従うべき完全な模範を残されました。(ペテロ前 2:21,23)クリスチャンの特質をその心に植えようとわたしたちが努力している相手の人が,それとまったく同じ特質をわたしたち自身のうちに見いだすべきであるのは当然です。使徒パウロはテトスに次のように教えました。「若き人にも同じく,謹慎を勧め,なんぢ自らすべての事につきて善き業の模範を示せ」。(テトス 2:6,7)思いに対し良い模範ほど強い影響力を持つものはほかにないと言えます。しかし,見習う価値のある模範を,わたしたちは示すべきです。パウロははばからずこう述べました。「なんぢら我に学びしところ,受けしところ,聞きしところ,見し所を皆おこなへ,さらば平和の神,なんぢらとともに在さん」。(ピリピ 4:9)また,コリントの人々にこうも語りました。「我がキリストにならふ者なるごとく,なんぢら我にならふ者となれ」。(コリント前 11:1)他の人の心に触れ,それに影響を与えたいと願うなら,わたしたちの模範が価値あるものでなければなりません。わたしたちの模範はそうであると言えますか。

7 模範が力強く心に作用するのはなぜですか。

7 心が動かされるためには,わたしたちが教えることと行なうこととの間に一致が見られねばなりません。パウロは次のように書いています。「何ゆえ人を教へて己を教へぬか,ぬすむなかれと宣べて自らぬすむか,姦淫するなかれと言ひて姦淫するか,偶像を悪みて宮の物を奪ふか」。(ロマ 2:21-24)この論議をさらに進めて,次のようには言えないでしょうか。『定期的に聖書を研究すべきです』と言うあなた自身は,聖書を定期的に研究しますか。『物質主義に陥ってはいけません』と言うあなた自身が,あり余るほどの物質に囲まれて,物質社会のぜいたくに浴しながら安楽な生活をしますか。ここで学ぶべき教訓は,教えること,行なうこと,そして観察されることの間に一致が見られるべきであるという点です。模範が示されねばなりません。そうされるなら,心は触れられ,必要とする敬虔な特質を備えることになります。

訓戒は心を正す

8 (イ)心を正しくするのに,訓戒はどんな役割を果たしますか。(ロ)どうすれば心を正すことができますか。

8 心に通じ,かつそれを動かすことに関連して,もう一つ別の面があります。心を造られたエホバはこう言われました。「心は万物よりも偽る者にしてはなはだ悪し たれかこれを知るをえんや われエホバは心腹を察り腎腸を試みおのおのにその途に順ひその行為の実によりて報ゆべし」。(エレミヤ 17:9,10)心はそのように動くものですから,教える人は,研究生の弱点やクリスチャンにふさわしくない傾向に警戒し,それらを巧みに研究生に気づかせ,訓戒を通してそれらが正されるようにしなければなりません。聖書を研究している人は高慢で誇り高ぶっていますか。過度に批判的で,感謝の念に欠けていますか。その人の心の実状はどんなぐあいですか。教える人も同様に自分の心を吟味し続け,可能ならば,何か悪いものが根を降ろすのを見やぶるようにします。聖書研究が進むにつれ,そうした弱点に注意し,それを改善しなさい。自分や研究生の持つ弱点に同調してはなりません。それは問題の解決にはならないからです。「みんな不完全ですから,あやまちもしますよ」と言う傾向があります。それは真実ですが,あやまちもそれを直す努力をすれば克服できるのです。わたしたちの問題を克服するには,あるいは他の人の助けを求めることが必要かもしれません。しかし,霊的な弱点は克服できます。さもなくば,ご自分の御子イエス・キリストの像にそって人格を作り直すようにと神はわたしたちに要求されなかったはずです。人を欺く心にだまされて,きょうせいは必要でないとか,改善の余地はないなどと考えてはなりません。聖書研究生の心を正すには,その人の心に義を伝え,かつ心が正しいことによって動かされるよう絶えず努力します。

9 他の人の弱点について助言をするのがふさわしいことを示すどんな例がありますか。そうした助言はどんな結果をもたらしましたか。

9 ですから,研究生の信仰に見られる弱点に気をつけなさい。神はカインに警告を与え,どうすべきか戒めを与えられました。「汝もし善を行はばあぐることをえざらんや もし善を行はずば罪門戸にふす 彼は汝を慕ひ汝は彼を治めん」。(創世 4:7)イエス・キリストは裕福な若い支配者の弱点を見抜き,『その所有物を売って,貧しい人々に施すなら,宝を天にたくわえることになるだろう』と告げられました。(マタイ 19:21)しかし,カインもこの裕福な若者も良い助言に聞き従いませんでした。一方,健全な助言に聞き従い,神のしもべになった人も,大ぜいいます。

どのようにして心を守るか

10,11 (イ)心を守るにはどうしますか。(ロ)心を守るにあたって,わたしたちの態度はどんな役割を果たしますか。

10 神のみことばと一致して誤りを正すため,断固として計画的に努力するなら,心を変えることができますし,同様にして心を守ることもできます。それには神のみことばを定期的に研究しなければなりません。そうすれば,真理を思いと心に引き続き取り入れることができます。それから,神に近づくよう祈ることも必要です。そうすれば,神はわたしたちに近づいてくださいます。そのうえ,神のみことば聖書の内容と約束を黙想することも学ばねばなりません。そうすることによって,わたしたちの思いには正しい考えが保たれるのです。また活発に宣教を行ないましょう。それはわたしたちの感情,わたしたちの喜びの発露となります。クリスチャンの原則を実践することによって,霊の実を育て上げるよう真剣に努力してください。

11 他の人,場所そして物事に対する,わたしたち自身の態度にも気をつけたいものです。他の人がいるときには,徳を高めることにつとめ,積極的な見方を持ってください。そうすれば,兄弟たちの弱点ばかりを捜すのではなく,良い点を見いだすことができるでしょう。こうしてわたしたちは,徳を高める愛,すなわち神のみことば・その組織・兄弟たちを常にたたえる愛を言い表わすことになります。宣教,神の民の集会,そしてこの「終わりの日」に神のしもべであることの喜びを人々にすすめていることになります。

忍耐の模範

12 聖書および歴史の記録は,クリスチャンの苦難と忍耐についてなんと述べていますか。耐え忍ぶ者をどんな人と呼べますか。

12 歴史の記録を見ると,クリスチャンたちが土ろうに押し込められたり,火刑に処されたり,子どもの面前で打ち首にあったり,絶壁から突き落とされたり,家々や村々が焼かれたり,女子は裸にされ残虐な暴行を加えられたり,無邪気な子どもたちが虐殺されたりしたことがわかります。使徒パウロは次のように述べています。「すべての事において神の役者のごとく己をあらはす,即ちなやみにも,窮乏にも,苦難にも,打たるるにも,獄に入るにも,さわぎにも,労働にも,眠らぬにも,断食にも,大なる忍耐を用(ふ)」。(コリント後 6:4,5)同じ手紙の中で,パウロは自分の経験した苦難について語り,いかなる場合でも神の霊が対処しえないものはないと述べています。(コリント後 11:23-28)信じられないと言うかたがあるかもしれませんが,同じような試みや試練を耐え忍んでいる人がこの20世紀にもいるのです。そして,神の霊は依然として,いかなる試みにも対処しうるのです。ゆえに,「視よ,我らは忍ぶ者を幸福なりと思ふ」と言うことができます。なぜなら,その人々にとって,とこしえの命に関する神の約束は確かなものにされるからです。―ヤコブ 5:11。黙示 2:10。

中立のゆえにもたらされる迫害

13 (イ)神のしもべたちは中立のゆえになぜ苦難に会ってきましたか。(ロ)その結果,どうなりましたか。

13 クリスチャンは,この世の政治問題に関し,いずれかの側を支持するというようなことはしません。クリスチャンはこの世の一部ではないからです。(ヨハネ 17:16。ヤコブ 1:27; 4:4)神の御国を伝道する宣教の任務は神から来たものであるゆえ,下級のこの世の権威が要求したからといって,神に仕えることをやめるわけにはいきません。(コリント後 3:5。使行 4:18-20; 5:27-29)イエス・キリスト自身地上におられたとき,政治上の職務につくことを拒みました。その足跡に従った追随者も,政治に関与することはすべて避けました。「文明への道,世界史」と題する本はこう述べています。「クリスチャンはローマ市民に課せられた義務のあるものを拒んだ。……彼らは政治上の職務につこうとしなかった」。また,「世界史 ― 人間の偉業の物語」という本にはこう書かれています。「熱心なクリスチャンは軍隊に仕えず,政治上の職務を引き受けなかった」。このように中立の立場を取ったため,彼らはしばしばローマ帝国の怒りを買いました。しかし,彼らのキリスト教の機構上の特質は,ふりかかるどんな激怒にも対処しうるものだったのです。そして,耐え忍んできた人々を,わたしたちは今日幸福な人々と考えます。

14 現代に至って,だれが中立のゆえに苦難に会ってきましたか。彼らはどんな経験をしましたか。

14 現代に注意を向けてみましょう。「成人学生」と題する雑誌は『初期教会』という記事の中で次のように述べています。「エホバの証人は,より一般的な宗派の教会に属する会員よりも,初期クリスチャンにさらに似ている」。エホバの証人もその中立のゆえにきびしい苦難にあいました。人間の意志をくだく名人とみなされたナチスは,エホバの証人にクリスチャンの中立の立場を破らせようと必死に努力しましたが,むざんな失敗を喫しました。ベストセラーとなった「地獄の理論と実践」と題する本にはこう書かれています。「戦争がぼっ発したとき,ザクセンハウゼンの強制収容所にいたエホバの証人は,軍役を志願するよう勧誘された。ひとりが拒否すると,その仲間の中の10人が銃殺された。40人の犠牲者が殺されたあと,親衛隊は思いとどまった。……心理学的にいって,エホバの証人の挑戦に親衛隊が対処し得ないという印象はぬぐうべくもなかった」。エホバが証のためにそうした事態を許されるなら,全体主義者はエホバの民を逮捕し,苦しめることができるでしょう。しかし,エホバの霊を閉じ込めることはできません。その霊はエホバの民を勝利者とならせるのです。エホバの証人は,試みに耐え,救いに至らせるクリスチャンの特質を心にいだいていることを実証しました。

15 エホバのクリスチャン証人は,マラウィでなぜ野蛮な仕打ちを受けましたか。彼らはどんな信仰の質を表わしましたか。

15 つい最近,すなわち1967年10月,ある政党に加わることを拒絶し,その党の一員であることを証明する党員カードを携帯しなかったため,中央アフリカのマラウィにいるエホバの証人は一連の迫害を受け,野蛮な拷問に苦しめられました。その数ははっきりしていませんが,相当数の婦人のエホバの証人はごうかんされました。その中の40人は妊娠していましたが,受けた乱暴のため,すべての婦人が流産しました。党員カードを買うことを拒否したために,証人たちはむざんにも殴打され,婦女子は犯され,資産も破壊されました。しかし,マラウィのバンダ大統領は,それら証人の忠誠を破らせ証人たちの神エホバを捨てさせることはできなかったのです。彼らは心を動かされて真の証人になった人々だったのです。彼らのうちにはクリスチャンの真実の特質が築かれていました。

16 (イ)マラウィのエホバの証人は他のどんな試みを受けましたか。(ロ)わたしたちはどのように自問すべきですか。なぜですか。

16 チィフニヤィア村のひとりのエホバのクリスチャン証人は,党員カードを買うのを拒んだために打たれましたが,その際バンダに組する青年たちがナイフで彼の両腕と両脚に傷の輪をつけ,頭にもたくさんの切傷を与えました。他の証人たちは15センチほどのくぎを足に打ち込まれ,脚部にはスポークを刺し通されたうえ,走るよう命令されました。また燃える棒を腕,脚,頭そして全身にあてられ,拷問を受けた人もいます。それでも,これらの証人は妥協して宗教上の信念を曲げず,そうした野蛮な拷問にもかかわらず,自分たちの神エホバを否定することを拒みました。あなたは同じような試みに立ち向かうだけのクリスチャンの忍耐の特質を身につけておられますか。あなたの信仰を実証する番がいつか来るかもしれません。あなたの信仰はどのように耐えるでしょうか。

家族からの迫害

17 妻や夫はどんな苦難にあっていますか。どんな約束に信頼を置くことができますか。なぜですか。

17 キリストの時代から今日に至るまで,妻はクリスチャンとして信仰のゆえに,不信者の夫から受ける虐待を耐え忍ばねばなりませんでしたし,不信者の妻を持つ夫も同じように忍耐してきました。アメリカでのことですが,ある夫は妻に聖書の研究をやめるように命令し,さもなくば別れることにすると告げました。妻が1年間の辛苦に耐えたところ,夫の心は変わりました。その後まもなく,妻はバプテスマを受けエホバの証人になりました。他方,ワシントン州のブレマートンでは夫が妻にののしられるのを忍耐しました。やがて,妻の心は変わり,今ではふたりともいっしょに聖書を研究しています。ニューヨークに住むある男の人は,アルコール中毒者で,そのうえ,たばこを片時も離せませんでしたが,その悪習をやめました。ところが思いがけないことに,夫の驚くべき変化を見て気持ちを害したその妻は,ひどく憤り,「新興宗教につかれている」と言って夫を非難しました。妻が特に憤ったのは,夫の悪い習慣をやめさせようと,12年間も努力したにもかかわらず失敗したためだったのです。夫がついに神の霊の助けでその悪習を克服したため,気持ちを害された妻は,夫の忠誠心を砕こうとしてあらんかぎりのことを行ない,暴力さえ使いました。そしてある日のこと,妻から最終的な条件が持ち出されました。妻かエホバか,どちらかを選べというものでした。もちろん夫はエホバを選びました。それからというもの,妻は夫のために洗濯はおろか食事を用意することさえ拒みました。それでも夫の忠誠心が破れないのを見て,妻は夫のもとを去って行きました。その人は多くのことを忍耐しました。そして,忍耐した人々は幸福であると,わたしたちは思います。その人は,将来さまざまな問題に直面することを知っています。現在の邪悪な世が存続するあいだ,また,サタンがつながれないかぎり,エホバの証人のだれひとりとして試みを受けないでいられるわけではありません。しかし,問題がどんなものであれ,神の霊がそれに対処しうることを心にとめてください。使徒パウロは次のような保証を与えています。「神は真実なれば,汝らを耐へ忍ぶこと能はぬほどのこころみに遭はせ給はず。汝らがこころみを耐へ忍ぶことを得んために,これとともにのがるべき道を備へ給はん」。(コリント前 10:13)この約束を心にとめ,エホバを信じ,全幅の信頼をエホバに置いてください。―箴言 3:5-7。

18 (イ)忍耐の特質をなぜ心に十分に教え込まねばならないのですか。(ロ)忍耐の特質をつちかうならば,どんな希望をいだくことができますか。

18 忍耐の特質は絶対に必要であり,献身して,バプテスマを受けた,キリストの弟子であるわたしたちが,「大かん難」に生き残るには,この特質を心に十分に教え込まねばなりません。それは現在の,また「大かん難」の際の火のような試みに生き残るためばかりではなく,神の建てられる地上の正義の新秩序に生き長らえるためにも必要です。(マタイ 24:21,22)神の霊の関係する良いことを禁ずる律法はありません。それらのものはいつまでも絶えることがないのです。忍耐の生きた証拠として,わたしたちにセコイアの巨木を設けてくださったエホバは,エホバから知性を備えて創造されたわたしたちも,そのみことば聖書,霊そして組織を通して,わたしたちが救いを得るために必要な忍耐の特質を身につけることができるようにしてくださいました。この特質をわたしたちの心の中につちかい,同時に,わたしたちとともに聖書を研究している人々の中にもその特質をつちかい,それらの人が献身してバプテスマを受けた,キリストの弟子になるのを助けるなら,人が所有しうるもののうちで最もとうといもの,すなわち,限りなく保つ命を授けられるのです。

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