ヨナはニネベで伝道した
◆ 聖書の記録によれば,紀元前9世紀,ヘブル人の預言者ヨナは何百キロも旅をして,古代アッシリアの首都ニネベの住民に伝道しました。彼の伝道の結果,「ニネベの人々は神を信じ」,「王(でさえ)荒布をまと(った)。……神は彼らのなすところ,その悪い道を離れたのを見られ,彼らの上に下そうと言われた災を思いかえして,これをおやめになった」。―ヨナ 3:1-10,口語。
しかし,ヨナがその古代ニネベの町を訪れたことを証しているのは,聖書だけではありません。大英百科辞典,1946年版,第16巻461ページはこう述べています。「アッシリア帝国の古代の首都は,チグリス河の右岸の岸辺,現代のモスル市に向かい合った場所にあった。それは二つの大きな丘からなっており,一つはクユンジクで,もう一つは,今日,その上に預言者ヨナの墓(ネビ ユヌス)があるとされているものである」。「ネビ ユヌス」の名称は,「預言者ヨナの墓」という意味です。
国際地理協会発行の「古代の日常生活」と題する本,および,ジェームズ・ケルソー著の「考古学と旧約聖書時代の人々」と題する本には,その丘と,その一方の側に建てられている回教寺院の写真が載っています。昔からこの地域の人々が,ニネベの初期の住民を滅びから免れさせたその人に対して,誉れある記憶を保ってきた事実に注目するのは興味深いことです。