神のお名前に関する宣言
1 世界の各地におけるどんな行事にさいして,神のお名前に関する宣言が提出されましたか。だれによって提出されましたか。
1971年8月7日日本の東京における「神のお名前」地域大会に集まった,神を恐れるわたしたち男女は,聖書に基づき,あらゆる人種,皮膚の色,国籍,言語の人々に対して次の宣言をするよう奮起させられます。
2 そのお名前を持っておられるかたはなんの到来を実現させうるかたですか。そのお名前はだれにとって重要ですか。なぜですか。
2 神のお名前は,愛と幸福,そして神のお名前に対する敬虔な恐れをいだいてともに住む,完全な人間によってほどよく満たされた,全地に及ぶ平和な楽園によって飾られた新しい義の秩序の到来を可能にし,必然にし,実現させうる唯一のかたの固有の名前です。その名前に関する知識は全人類にとって最も重要な事柄です。信仰と確信をいだいてそのお名前を呼び求めることにより,人類は永遠の絶滅から救われ,約束された新しい秩序においてその神から注がれる尽きることのない祝福を享受します。
3 (イ)良い心を持った非常に大ぜいの人々はどんな正しい願いをいだいていますか。(ロ)それらの人々は自分たちを宗教的に支配した者たちによってどのように裏切られてきましたか。
3 今日,良い心を持った非常に多くの人々が,その神のお名前はなにか,またそのお名前の属するかたを知り,そのかたと和合した関係にはいり,その結果,正しい理解をもってそのかたを崇拝し,その愛ある恵みにあずかりたいとの誠実な願いをいだいています。そうした正しい心の願いを持つ人々は,自分たちの宗教指導者たちから裏切られてきました。それら宗教指導者は彼らを抑圧し,霊的な暗黒の中に閉じ込め,神のお名前を彼らから隠して,そのお名前に宿る救いの力を知らせないようにしてきました。キリスト教世界として知られている宗教圏の僧職指導者は,その神のお名前を明らかにする,霊感を受けた神聖な本を所有しています。その本は,人間の不完全さや誤り,さらに死のもろもろの働きといった人を隷従させる支配から全人類を救出する神の目的とそのお名前との切り離すことのできない関係を示しています。
4 そうした怠慢の結果はどこにはっきり現われているといえますか。神のお名前に対するどんな方針は教会員にも異教徒にも益をもたらしませんでしたか。
4 僧職指導者たちのそうしたゆゆしい怠慢の結果は,今日のキリスト教世界のみじめな宗教事情にはっきり現われており,その内部ではキリスト教を奉ずると自称する幾百もの宗派が,宗派上の多様性を維持しながら,なおかつ宗教上の一致を見いだそうとむなしい努力を払っています。自称クリスチャンは神のお名前を無視し,格下げし,非人格的な単なる称号によって置きかえられるかのごとくにみなし,取るに足らぬものとして扱ってきましたが,こうしたことはキリスト教世界の教会員になんら益をもたらさず,また,その聖なる神のお名前をいわゆる「異教」諸国民の間でも高めるものとはなりませんでした。これはだれも否定できない事実です。
5 教会の僧職者には何を侮辱した罪がありますか。どんな救助のわざは大いに邪魔され,妨害されてきましたか。
5 キリスト教世界の僧職者は,神のお名前を公然と侮辱してきました。彼らがそうしているゆえに,混乱や騒乱また不法の満ちた世界の悲惨な進路から人々を救助するわざはゆゆしいほどに,邪魔され,妨害されてきたのです。
6 (イ)1914年以来のあらゆる証拠からすれば,考え深い人々は諸国民に関してどんな結論に達していますか。(ロ)諸国民は救いのために何を呼び求めようとはしませんか。諸国民がそれに信頼しない理由を述べなさい。
6 世界をゆるがした年である1914年以来,その増大してきたすべての証拠を前にして,考え深い人々は,諸国民すべてが自滅に至る道を進んでおり,それは全人類の絶滅を必至にするとの結論に達しています。苦悩と困惑の中にありながら,諸国民は自分勝手なわざのもたらす悲惨な結末からの救いを求めて神のお名前を呼ぼうとはしません。神のみ子イエス・キリストの追随者をもって自任する国民でさえ,そうしてはいないのです。キリスト教世界の僧職者は,神のお名前を敬い,命と救いの唯一の源を明示するものとしてそのお名前に信頼するための理にかなった根拠をなんら諸国民に与えませんでした。すべて唯一の愛ある創造者の地的な子どもたちである人間で構成される一つの大きな人類家族としてのあらゆる民族に,命と幸福と繁栄と平和を差別なく付与する,運用可能な一つの政府をもたらして全地を治めさせるかたのこの慈悲深い目的について,諸国民は僧職者によって無知の状態に放置されてきました。その結果はどうでしたか。
7 結果として諸国民はそのお名前に関してどのように行動していますか。
7 キリスト教世界に属する国民をも含めて諸国民すべては,神のお名前を知らずに行動しているばかりか,神のお名前を無視した利己的で実現不可能な企てを追求しています。
8 諸国民はなんの終わりに近づいていますか。何が表わされる時が迫っていますか。
8 メソポタミアの地にバベルの塔が建てられて以来約4,200年を経た今日,諸国民すべてに対する神の忍耐と自制は尽きようとしています。ご自分のお名前を無視され,侮られたかたが,そうした侮りの態度を取る諸国民に対してご自分の考えを表わし,名前によってご自分を知らしめる時は近づいています。そのかたはそうする義務をご自分に対して負っておられます。
9 神はご自分の述べたどんな目的にそって行動しなければなりませんでしたか。その目的はどこで,また何回述べられていますか。どんな趣旨で述べられていますか。
9 この点に関して神は,再三再四述べられたご自分の目的にそって行動しなければなりません。それは,神からつかわされた預言者モーセがエジプトの支配者の前に出て,モーセの民を自由にして去らしめるよう要請した時から今日まで実に3,483年の間,記録にとどめられてきた目的です。聖書には,モーセによってしるされた2番目の書から聖書で29番目の書であるヨエルの預言にいたるまで,個人,民族,国民は「わたしがエホバであることを知るであろう」との神の声明が70回以上しるされています。(アメリカ標準訳聖書による)
10 それゆえ,神のお名前はなんですか。神はそのお名前に関して何を,いつ行なわなければなりませんか。どんな結果がもたらされますか。
10 いわゆるキリスト教を奉ずる国民であろうと,いわゆる異教諸国民であろうと,諸国民が好む好まないにかかわらず,エホバとは神のお名前です。エホバはご自分のためにも,また人類の救いのためにも自ら立ち上がって宇宙の歴史に不滅の記録としてとどめられるような仕方でご自分のお名前を知らさなければなりません。神がそうなさるとき,侮べつの態度を諸国民は,ハルマゲドンと呼ばれる世界情勢の段階における迫り来る『全能の神の大いなる日の戦い』で敗北をこうむり,滅ぼされてしまうでしょう。(黙示 16:14,16)全能の不滅の神は,全地と天における正当な主権者として立証されるのです。そのお名前エホバは不朽の栄光をもって飾られます。
11 エホバはどんな警告を与えさせるためにエゼキエルを起こされましたか。エルサレムの攻囲および滅亡にさいして,神のお名前を侮った者たちはどうなりましたか。
11 西暦前7世紀にエホバは,見守る者としてエゼキエルをお立てになりました。それは不正,流血,政治および宗教上の誤りのゆえに神の戦いである「剣」が今にも臨もうとしていることを古代のエルサレムに警告するためでした。神のお名前を侮った幾千人もの民は,西暦前609-607年にわたった,宗教的な首都エルサレムの攻囲およびその滅亡にさいして無惨にも滅びました。
12 今日の事情のもとでは,どういう場合にはエホバはご自分の行動の規範にのっとって行動してはいないといえますか。しかし,エホバは原則にどのように忠実に従って行動してこられましたか。
12 古代のエルサレムの直面した状況よりもさらに重大な事態が,今日のキリスト教世界の諸国民はもとより,キリスト教以外の宗教を奉ずる諸国民に臨んでいます。この類似した,それでいてさらに深刻な事態のもとで,諸国民を待ち受けているもの,すなわち人類史上類例のない規模の神の戦いである「剣」について警告をしないとするなら,エホバは神としてのご自分の行動の規範にのっとって行動してはいないことになります。原則に忠実なエホバは,現代の「見守る者」を起こされました。1919年以来,すなわち第一次世界大戦終了後の翌年から,エホバのこの「見守る者」は時を経るとともに,ますます多くの諸国民に警告を発してきました。
13 20世紀の歴史はこの「見守る者」の実体がなんであることを明らかにしていますか。この「見守る者」のことばが聞かれてきたことを何が証していますか。
13 20世紀の歴史が明らかにするところによれば,この「見守る者」の実体は特殊な人種または国籍に属する個人ではなく,献身してバプテスマを受け,霊によって生み出されたクリスチャンの一群,すなわちエホバのクリスチャン証人の油そそがれた残れる者です。この「見守る者」に対する国際的な反対や迫害は,その「見守る者」級の発する警告が全地で聞かれていること,また,このクリスチャンの一群の者たちが聖書預言の現代における成就に関して予告されていた役割を演じていることを証しています。
14 その「見守る者」との交わりを栄誉とみなしているのはだれですか。彼らは何を自分たちの本務また責任として認めていますか。なぜですか。
14 その仲間の証人である,エホバの『大いなる群衆』を構成するわたしたちは,この「見守る者」級と交わり,彼らとともに神の戦いの「剣」に関する警告をいよいよ広く発するわざにあずかれることをこの上ない栄誉と考えています。その「剣」は今やあらゆる人種,民族,国民の頭上にあたかも1本の細い糸でつるされたかのようにたれさがっています。エホバの預言的なみことば,聖書の研究を通して,また世界のすう勢から,現在のさし迫った危険な事態を知らされているゆえに,わたしたちは神の命令に従ってこの時宜を得た警告を発すべき本務と責任を自覚しています。
15 どんな見込みにもめげず,わたしたちは支配者としての神に従いますか。何に動かされてこの忠実の道を歩みますか。
15 わたしたちはこのように,自分たちの支配者として人間よりも神に従うことにより,さらに敵意と迫害に会うであろうことをよく知っています。しかし,エホバ神と,わたしたちの主であるみ子イエス・キリストに対する愛,そして仲間の人間に対する愛に動かされて,わたしたちはこの忠実な歩みを続けます。
16 (イ)おびただしい数の人々は心の底でどう感じ,またどんな飢えを感じていますか。(ロ)わたしたちはそれらの人々の必要に答えるどんなものを持っていますか。わたしたちはそのために何をしたいと考えていますか。それはなんのためですか。
16 わたしたち自身かつてそうであったように,義を求めるおびただしい数の人々が,この堕落した無政府主義的な信頼できない世界,とりわけその宗教的な領域で起きている事柄に対して心底からの嫌悪の情をいだいています。それらの人たちは心の中で絶え間ない飢えを感じており,自分たちをほんとうに救出し,祝福しうるかたを知り,そのかたに接したいと願っています。エホバのクリスチャン証人であるわたしたちは,イエス・キリストを通してもたらされたエホバの愛ある親切により,彼らの霊的な必要を満たさせるものを持っています。このことを自認できるのは喜びです。わたしたちは命を救うものとなるエホバからの啓発を自分たちだけにとどめておくようなことはあえてしませんし,そうしたいとは思っていません。したがってわたしたちは,神のお名前エホバと,そのメシヤ・イエスによる約束された神の王国とに関する聖書の光を今後も照らし続けます。わたしたちはこうした愛ある仕方で,真理に飢えている人々すべてが,エホバの「剣」がこの邪悪な体制を打つとき,それを免れるにふさわしい者であることを明らかにするのを助けます。それは,彼らがイエス・キリストの治める神の王国のもとで楽園の地が人間の永遠の住みかとされる,エホバの新しい秩序に生き残るためです。
17 わたしたちはどんな決意を新たにしますか。その決意をいつまで遂行しますか。
17 したがって,わたしたちはこの機会にさいして,「諸国民はわたしがエホバであることを知るであろう」とのご自分の宣言を全能の神が成就される時まで王国のこの良いたよりを宣べ伝えるというわたしたちの決意を新たにするものです。―エゼキエル 39:7,ア標。