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ギリシャで埋葬拒否された子ども
● 最近,ギリシャのニケアの産院で生まれた一人の子どもは,出生後間もなく死亡しました。両親がその子を埋葬しようとしたところ,土地の戸籍吏は埋葬許可証を与えようとしませんでした。どうしてでしたか。その子の両親はエホバの証人であり,1954年にエホバの証人として結婚していました。ところが,以前の独裁者パパドプロスの執政中,内務省はギリシャ正教会の支持を得た処置として,エホバの証人によって執り行なわれた結婚式をすべて無効にする法令を出しました。そこで戸籍吏は埋葬許可証を得るには両親はまず死んだ子どもが「私生児」として生まれたことを届け出なければならないと告げました。父親は,自分たちの婚姻は正式に届け出たものであり,出生届けを正式に行なった子どもがほかに2人いますし,家名に汚点を残すようなことは良心的にできないとして,戸籍吏の要求を拒否しました。産院は亡くなった子どもの遺体を4日間冷蔵庫に保管しましたが,その間に埋葬許可を与えなかった処置に対する一般の人々の抗議の声がギリシャ全土で高まりました。
アテネの各新聞の中でト・ビマ紙は,その事態を「およそ卑劣さの点で中世的である」と評しました。アテナイキ紙は,それは「極悪非道な人間でも考えつかないような醜悪な事」であると述べました。また,カテメリニ紙は,「独裁政権が作り出した陰険で非人間的な[法令]は直ちに廃止されねばならず,このような野蛮な行為を二度と許してはならない」と述べました。
結局,4日後になって検察官が埋葬許可証を出すよう命じたので,その子の両親や自由を愛する多数のギリシャ人はほっとしました。
帰巣の謎
● 伝書バトがどのようにして見知らぬ土地の上空を何百㌔も飛んで,正確に目的地に到達するのかは,長い間なぞとされてきました。太陽によって周囲の方角を知るだけでは十分ではありません。まず最初にハトは,自分たちの巣との関係においていったいどんな位置にいるのかを知らねばなりません。
1974年12月号のサイエンティフィク・アメリカン誌は問題がいかに複雑なものであるかを示し,「太陽によって方角を正確に判断できるためには」ハトには何らかの「時間を正確に察知する感覚,つまり体内に組み込まれた時計を,しかも大空に見える太陽の位置と何らかの方法で連係して働くような時計」がなければならないことを指摘しています。それでもなお謎は残ります。空が一面に雲で覆われて太陽が隠れている時でも伝書バトは巣に帰れるからです。そこで科学者は,「ハトは太陽が見える場合にはそれを羅針盤として用いるが,そうでない時には別の源から得る情報を代用し得る」と結論しています。別の源とはいったい何ですか。ある実験は,地球の磁場に対して,また気圧のわずかな変化に対してでさえ鳥が敏感に反応することを示しています。とはいえ,何年間にもわたって行なわれてきた研究からどんな詳しい解答が得られましたか。同誌はこう述べています。「鳥がどのようにして帰巣するのかはいまだに謎のままである」。
しかし,それよりもさらに不思議なのは,そのような驚くべき帰巣能力を人間はどうして進化論的偶然の所産とみなせるのか,ということです。確かにこうした能力は,全知の創造者の存在を証明しています。
求められているのは,親の確固とした態度
● 今日,親の自由放任の態度が広まっていますが,英国のロンドン病院医科大学の教育心理学の上級講師ジョン・コールマン博士の最近の研究は異色の情報を提供しています。11歳から17歳までの若い人たち800人を対象とした実験とインタビューによれば,基本的に言って子どもたちは親の確固とした不動の態度を望んでいることが明らかにされました。証拠の示すところによれば,『表面的には反抗したり,泣いて騒いだり,理屈を並べたりするものの,十代の子どもの大半は,親が屈服したりはしないことをひそかに望んでいる』のです。―ロンドンのデーリー・メール紙。
コールマン博士は,息子や娘が親の意志に反対する場合,確固とした態度を保つことを親に勧めて,こう述べています。『親は賢明な方法を講じてそのような態度を保たねばならない。わたしは鉄のむちを支持しているわけではないが,この子はどうしようもないとあきらめて,したいようにさせておこうと言うようでは,致命的な事態を招くことになる』。
1,900年前,使徒パウロはクリスチャンの親たちに対して確固とした態度を取るとともに愛ある忍耐を行使することを求めた,霊感による助言を与えました。聖書の知識と子どもの将来に対する純粋の関心に基づいてその方式を実行するなら,今日でもやはり最善の結果が得られます。―エフェソス 6:1-4。コロサイ 3:20,21。