若い人々が宗教にひかれるのはなぜか
「全く不思議な現象だ」と多くの人々は語っています。それは最近,宗教に心を向ける若者が世界中で増えている事を言っているのです。西欧においては大勢の若者が,いわゆる“イエス革命”にかかわりを持ち,様々の“精神的指導者”や宗派が,あらゆる階層から帰依者を集めています。東洋においても,日曜日には遊びに出かけるよりも聖書を手に教会へ行く若者の姿を見ることが珍しくありません。香港では単に会員となって聖書を討議し,聖書協会の印刷したパンフレットを手渡すことなどをする若者の小さな集まりが数多く別個に組織されました。
宗教熱のこの高まりをひき起こしたものは何ですか。それは宗教を教える学校ではあり得ません。宗教に関する講義はたいてい退屈で内容の乏しいものだからです。むしろ,それは次のような事実が背景となっているように見えます。つまり世界のどこにおいても若者は,物質主義及び人間の政府や企てが貪欲,利己主義,戦争,悲惨そしてばく然とした空虚感を生み出してきたに過ぎないことを悟っているのです。多くの若者は麻薬,性そしてアルコールを試みましたが,何の解決策も見いだしませんでした。そこで彼らは宗教に期待してそれに心を向けます。しかし多くの場合その宗教は自分の家の宗教ではありません。
宗教へのこの突然の帰依と生活の変化は,親や家族の者にとってしばしば大きな心配の種となっています。これも時にはいわれのない事ではありません。宗教グループの中には,若い帰依者が家族や友人を捨て,すべてのお金をグループにつぎ込み,世間と離れた共同体の中で孤立した生活をさせるものもあるからです。東洋では,親は,もっと高い教育,収入の多い仕事など物質的利益をもたらすものを子供が追い求めることの方を望んでいます。
あなたが若者であれば,自分の宗教的信条のことで家族のだれかに突然,反対される時,どう感じ,また反応すべきですか。宗教の相違あるいは反対がある時,家族の者同士に大きな仲たがいが必ず生ずるということですか。そうではありません。しかしこれらの質問に正しく答えるには,まず自分が正しい宗教を持ち,またその事を事実によって証明できなければなりません。それは正しい宗教つまり聖書の宗教だけが子供たちをいっそう良い子供にし,またどうすれば両親や家族の他の者たちといっそう親密な関係を保てるかを教えているからです。家族の創始者また人類の創造者エホバは,真に一致した幸福な家族になる道を聖書の中でくわしく教えてくださっています。