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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1982
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低下する一方の道徳

性の不道徳とその堕落の行為は低下の一途をたどっているようです。今や一部の“性科学者”は,幼い子供にも性関係を持つことを許すべきであり,その相手は大人であってもよい,と語っています。こうした見解を助長するある学者は次のように語っています。「[幼い子供たち]には自己を性的に表現する権利がある。それは,年上の者たちと関係を持っても,持たなくても構わないということである」。別の人は次のように語っています。「子供は誕生の時から性の営みを始めるべきである,と我々は考える。近親相姦を行なわないと,多くの問題が生じる」。

これに答えて,コラムニストのナンシー・ウォーカーはこう述べています。これらの“性科学者”は「少なくとも,真の問題が何かを告げる[べきである]。つまり,彼らは子供たちと[性関係]を持ちたいのである」。「こうした見解は,子供にいたずらをする者たちの解放運動宣言の一歩手前である」とタイム誌は評しました。

ほとんどどの文明社会にも子供と性的な関係を結ぶことを禁ずる法律が定められている一つの理由は,それが子供に身体的精神的害を及ぼしかねないからです。児童精神学者レオン・アイゼンベルクは次のように語っています。「この社会の子供たちの間で行なわれている未熟な性的行為は,ほとんどいつの場合にも心理的問題を引き起こす。認識の面でも感情の面でも用意のできていない行為を子供に演じさせることになるからである」。人生の早い時期に誘惑されて性体験を持った人々は「何事もなく生活しているように見えても,害を被っている。私は毎年,そうした人々の治療にあたっている」と,精神療法医サム・ジェイナスは語っています。精神科医のエドワード・リトボは,「子供が性行為にふけるのは弾を込めた銃をもてあそぶようなものだ」と結論しています。

人間の創造者は,結婚関係外の性関係すべてをご自分の律法を破る行為とみなしておられます。創造者のみ言葉ははっきりこう告げています。「惑わされてはなりません。淫行の者……姦淫をする者,不自然な目的のために囲われた男,男どうしで寝る者……はいずれも神の王国を受け継がないのです」。(コリント第一 6:9,10)聖書は,道徳的に堕落した者たちに言及し,「こうした事をならわしにする者は死に価する」と述べています。―ローマ 1:32。

被害者に対する賠償

幾つかの国では,犯罪者を収監するのではなく,被害者に対する償いをさせるという考えが支持を得つつあります。例えば,カナダのオンタリオ州では,各地のセンターで「被害者 ― 犯罪者調停計画」が実施され,法廷命令による他の補償をも含めて,5,000人の犯罪者が合計400万㌦(約8億8,000万円)を被害者に支払いました。時には,被害者と犯罪者の間で,被害額を埋め合わせる仕事をする賠償契約の結ばれたこともあります。

幾千年も昔の古代イスラエル国家において,神の律法は刑務所を設けるよう定めてはいませんでした。犯罪者は被害者に償いをするよう求められており,その賠償額は失われた資産の種類に応じて被害額の四,五倍にもなりました。(出エジプト記 22:1-15)殺人のような重罪には死の処罰が科されました。(出エジプト記 21:12-17)神から与えられたこうした律法に従っている間,その国民は繁栄しました。しかし,それを捨て去った時,犯罪や暴力がはびこり,国民全体が苦しみました。

禁令もなんのその

アフリカの幾つかの国では呪術医の働きが法律で禁じられているにもかかわらず,大勢の患者が現代医学で治療にあたる医師のもとではなく,それらの呪術医のもとを訪ねています。呪術医の働きが禁じられているアフリカのある国では,呪術医が多忙を極め,呪術医が相手チームにのろいをかけるまでサッカー選手が試合に出ようとしないことさえあると言われています。ドイツの二人の医師が最近この国を訪れ,呪術医による麻酔を使わない脳の手術をフィルムに収めました。

ある少年が頭を強打されて激しい頭痛を訴えていました。脳が圧迫されていたのです。5人の男が少年を押さえ付け,呪術医が5時間かけて鋭利な器具で頭に穴を開けました。その後傷口に油が注ぎ込まれ,頭に包帯が巻かれました。驚いたことに,少年は立ち上がり,歩いて家に帰って行ったのです。

では,呪術医や霊媒はどんな源からその力を得るのでしょうか。聖書はそれが悪霊,すなわち邪悪な霊からであることをはっきり示しており,それゆえに,そうした者たちに,「相談する者」は神から「忌むべきもの」とみなされます。―申命記 18:9-12,新。

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