神のことばは生きている
世の終わりは近付いていますか
イエスが亡くなられる少し前,4人の使徒たちがイエスにこう尋ねました。『われらに告げ給へ,これらの事は何時あるか,又汝の来り給ふと世の終わりとには,何の兆あるか』。(マタイ 24:3,文語)その時以来クリスチャンはこの問題に関心を抱いてきました。言うまでもなく,『世の終わり』という表現は,地球の終わりを意味するのではありません。聖書の幾つかの現代語訳が示す通り,それは「事物の体制の終結」を指しています。
使徒たちの求めに応じて,イエスは一つのしるしをお与えになりました。イエスは単一の出来事,例えば戦争だけをその「しるし」として挙げたのではありません。多くの異なった出来事や状況について話されました。それら予告された事柄はすべて,聖書筆者たちが,「終わりの日」と呼んだ期間に起こることになっていました。(テモテ第二 3:1。ペテロ第二 3:3,4)イエスが予告された事柄を調べる際に,それが,今生きている人々の生涯中に成就してきたことに注目してください。
『国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がる』― マタイ 24:7。
1914年から1918年にかけて行なわれた第一次世界大戦は,1914年以前の2,400年間に起きた大きな戦争すべてを合わせたよりもはるかに規模の大きな戦争でした。しかし,その戦争が終わってわずか21年後に第二次世界大戦が始まりました。しかもその戦争による被害は第一次世界大戦の4倍にも上りました。第二次世界大戦が1945年に終わって以来,世界中で起きた他のおよそ150の戦争で,2,500万を上回る人が殺されました。
「そこからここへと食糧不足……がある」― マタイ 24:7。
第一次世界大戦に続いて,史上最悪の飢きんが起きました。しかし,食糧不足は第二次世界大戦後にもっとひどくなりました。当時世界の4分の1が飢えに苦しんでいました。今でも,年間約5,000万もの人が餓死しています。食糧が十分にある土地においてさえ,貧しいために食物を買えない人が大勢います。
『そこからここへと疫病が起こる』― ルカ 21:11。
第一次世界大戦が終わるとすぐ,スペイン風邪のために,伝染病による死亡者数としては人類史上最大の数の死者が出ました。約2,100万もの人が死亡したのです。しかも,疫病と病気は引き続き猛威を振るっており,毎年心臓疾患やガンで大勢の人が亡くなっています。性病は急速に広まっており,他の恐ろしい病気が国から国へ次々と発生しています。
「そこからここへと……地震がある」― マタイ 24:7。
1914年から現在までに大きな地震がひんぱんに起きており,同様の期間内にこれほど多くの大地震が起きたことは,有史以来初めてのことです。西暦856年から1914年までの1,000年余りの間に大きな地震は24回しか起きておらず,それによる死者は197万3,000人ほどでした。ところが,1915年から1978年の63年間に,43の大地震により,合計およそ160万人が死亡しました。
「不法が増す」― マタイ 24:12。
不法や犯罪が増加しているという報告は世界中から寄せられています。殺人,強姦,強盗による襲撃などの暴力犯罪は,今や手の施しようがなくなっています。
『人々は恐れから気を失う』― ルカ 21:26。
今日の人間生活に見られる感情のうち一番顕著なものは恐れであると言えるでしょう。最初の原子爆弾がさく裂してからほどなくして,原子科学者ハロルド・C・ユーリーは,「我々は食べるにも恐れ,眠るにも恐れ,恐れのうちに生活し,恐れのうちに死ぬであろう」と語りました。人々は,犯罪,汚染,病気,インフレその他,安全および命そのものを脅かす多くの事柄を恐れています。
このしるしの特徴となる事柄はほかにも多くありますが,ここに挙げた出来事だけでも,わたしたちが「終わりの日」として聖書中に予告されていた時代に確かに住んでいることは証明されるはずです。これは,間もなく神がこの邪悪な事物の体制に終わりをもたらされることを意味します。しかし,神に仕える人々は生き残って,清められた地上での生活を楽しむのです。