イエスの生涯と宣教
生まれる前から尊ばれた
み使いガブリエルは,マリアという若い女の人に,将来永遠の王となる男の子を産むでしょうと告げたところです。しかしマリアは,『どうしてそのようなことがあるのでしょうか。わたしは男と関係を持ったことがありませんのに』と尋ねます。
ガブリエルは,『神の聖霊があなたに臨むのです。それでその男の子は神の子と呼ばれます』と説明します。そしてマリアを援助するために,続けて言います。『あなたの老齢の親族エリサベツは,子供を産めないと人々から言われていましたが,妊娠して今や六月目になります』。マリアはガブリエルの言葉を信じ,『あなたの言われたとおりのことが私の身に起きますように』と言います。
ガブリエルが去るとマリアはすぐに支度をして,ユダの山岳地方で夫のゼカリヤと一緒に暮らしているエリサベツを訪問するために出かけます。マリアが住むナザレからは,恐らく三日か四日かかる長い旅です。
ゼカリヤの家にたどり着くと,マリアは家に入ってあいさつをします。そのあいさつを聞くとエリサベツは聖霊に満たされ,マリアにこう言います。『女のうちであなたは祝福された者,あなたから生まれる子供も祝福された者です。わたしの主の母に来ていただくとは,本当にすばらしい特権です! ご覧なさい,わたしがあなたのあいさつを聞いたとたんに,わたしの胎内の子は喜びのあまり躍り上がりました』。
マリアは喜びにあふれて,『今から後すべての人がわたしを幸いな者と呼ぶでしょう。神がわたしに大いなる事柄をしてくださったからです』と言います。マリアはエリサベツのもとに三月ほどとどまります。エリサベツの妊娠の後期に当たるその期間,マリアは大きな助けになるに違いありません。どちらも神のおかげで子を宿した,この二人の忠実な女性が,人生のその祝福された時期に一緒にいられるのは本当にすばらしいことです!
イエスは生まれる前でさえ尊ばれていたということにあなたは気づかれましたか。エリサベツはイエスを「わたしの主」と呼びました。そしてエリサベツの胎内の子は,マリアが初めて姿を現わしたとき喜びのあまり躍り上がりました。ところが一方,マリアとマリアのこれから生まれてくる子供を不敬に扱った人々がいました。そのことは後ほど取り上げます。しかし,次の号では,エリサベツの子供のヨハネについてもう少し学ぶことにしましょう。ルカ 1:26-56。
◆ どうして妊娠するのかをマリアが理解できるよう,ガブリエルは何と言いましたか。
◆ イエスは生まれる前からどのように尊ばれましたか。
◆ マリアはエリサベツのところにどれほどの期間滞在しましたか。その期間マリアがエリサベツのところに滞在するのはなぜふさわしいことでしたか。