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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 2010
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聖書の四福音書を信頼できるのはなぜか

「それは大成功を収めている。莫大な制作費をかけた映画……やベストセラー本……の題材となっている。キリスト教諸派にも受け入れられており,幾つもの教派や陰謀説を生み出している」。―ブラジルのニュース雑誌「スーペル・インテレッサンテ」。

それほどの熱狂を引き起こしているものとは,何でしょうか。その雑誌が取り上げていたのは,20世紀半ばにエジプトのナグハマディその他の場所で発見された,一連の正典外の福音書,書簡,黙示書などをめぐる,近年の世間一般の関心や動向のことです。それらおよび同類の他の文書は,一般にグノーシス文書もしくは外典(アポクリファ)の書と呼ばれてきました。a

陰謀があったのか

グノーシス文書ないし外典の書は,人々が一般に聖書や正統派的信仰に対して懐疑的になっている時代にあって,共感を呼んでいるようです。それらの書は,イエス・キリストの教えやキリスト教そのものに対する多くの人の見方に多大の影響を及ぼしてきました。ある雑誌はこう述べています。「トマス福音書などの外典[の書]は,現代社会にあって増大してゆく階層,すなわち霊的なものを切望しながらも宗教に不信を抱く人々の心をとらえている」。ブラジルだけでも「そうした外典に基づく信条を奉じている宗教グループが,少なくとも30はある」と推定されています。

それらの文書が発見された結果,広まったのが,西暦4世紀にカトリック教会がイエスについての真実を覆い隠すために陰謀を企てた,という説です。外典の書に載せられていたイエスの生涯に関する一部の記述は排除されており,現代の聖書に含まれている四つの福音書は改ざんされたものである,というのです。宗教学の教授イレイン・ペイガルズ女史は,そのことについてこう述べています。「今や,キリスト教と呼ばれているもの ― また,キリスト教的伝統とみなされているもの ― が,実はあまたの情報源から抜き出されたごくわずかな特定情報にしか基づいていない,ということが明らかになってきた」。

ペイガルズのような学者の説によれば,聖書の正典はクリスチャン信仰の基となる唯一のものでなく,ほかに外典の書などの情報源もあることになります。例えば,英国放送協会(BBC)の「聖書のなぞ」と題する番組の一つ,「マリア・マグダレネの真実」の中では,外典の書がマリア・マグダレネを「他の弟子たちの教師また霊的指導者。単なる弟子の一人ではなく,使徒たちへの使徒」としていることが取り上げられました。マリア・マグダレネが果たしたという役割について,フアン・アリアスはブラジルの新聞「オー・エスタド・デ・サンパウロ」の中でこう書いています。「今日,あらゆる証拠から見て,イエスの創始した初期のキリスト教運動は,いたって“女性解放的”だったと考えざるを得ない。なぜなら,当初は女性たちが自分の家を教会として用い,そこで女性たちが司祭や司教の務めを果たしたからである」。

聖書の正典よりも外典に記されている事柄のほうがはるかに価値がある,と思っている人は少なくありません。しかし,そのことを考えると,次のような幾つかの重要な疑問が生じます。そうした外典の書は,クリスチャンの信仰の基とするべき情報源なのでしょうか。それが聖書のはっきりした教えと相いれない場合,どちらを信じるべきでしょうか。聖書ですか,それとも外典の書ですか。また4世紀には,イエスやマリア・マグダレネその他の人物についての重要な情報を排除するため,外典の書を禁じ,四つの福音書を改ざんする,という陰謀が本当にあったのでしょうか。そうした疑問に対する答えを得るために,聖書の四福音書の一つ,ヨハネ福音書について考えてみましょう。

ヨハネ福音書に見る証拠

20世紀の初頭,エジプトで,ヨハネ福音書の貴重な断片が見つかり,現在ライランズ・パピルス 457(P52)として知られています。この断片は,現代の聖書のヨハネ 18章31-33,37,38節に相当する部分を含んでおり,英国マンチェスターのジョン・ライランズ図書館に保管されています。現存するクリスチャン・ギリシャ語聖書の最古の写本断片です。多くの学者はそれを西暦125年ごろに書かれたものと考えています。つまり,ヨハネの死後四半世紀しかたっていないころに書かれた,ということです。驚くべきことに,その断片の内容は,後代の写本の内容とほぼ正確に一致しています。ヨハネ福音書のごく古い時代の写しがそれら断片の発見されたエジプトにすでに流布していたことは,聖書の示すとおり,ヨハネによる良いたよりがまさに西暦1世紀にヨハネ自身によって記された,という結論を裏づけています。ですから,ヨハネの書は,その時代に生きて物事を実際に見聞きした人が書いたものなのです。

一方,ここで述べた外典の書はすべて,そこに記されている出来事があった時から100年以上も後の,2世紀以降のものです。専門家の中には,これら外典の書はそれ以前の書物や伝承に基づいている,と論じようとする人もいますが,そう言える証拠は何もありません。ですから,こう問いかけるのはふさわしいことです。あなたはどちらを信じますか。目撃証人の言葉ですか,それとも出来事の100年後に生きていた人たちの述べることですか。答えは明らかです。b

ライランズ・パピルス 457(P52)は,西暦2世紀の,ヨハネ福音書の断片であり,原文が書かれてからわずか数十年後のもの

では,聖書の四福音書はイエスの生涯に関する幾つかの記述を排除するために改ざんされた,という主張についてはどうでしょう。例えば,ヨハネ福音書が西暦4世紀に改ざんされて事実が歪曲された,ということを示す証拠はあるのでしょうか。その答えを知るために念頭に置く必要があることは,現代の聖書の主要な底本となっているのが,バチカン 1209と呼ばれる4世紀の写本である,ということです。もしわたしたちの持っている聖書に,4世紀になされた修正が含まれているとしたら,そうした修正はその写本にも見られるはずです。幸いなことに,それとは別の,ボドメル 14,15(P75)として知られる,ルカとヨハネの大半を含む写本があります。それは西暦175年から225年までのものです。専門家たちによれば,その写本本文はバチカン 1209と近似しています。つまり,聖書の四福音書は実質的には変わっていない,ということです。バチカン 1209はその点の証拠となっているのです。

字句の面でも他の面でも,ヨハネ福音書また他の福音書の本文が4世紀に改ざんされたというような証拠は一つもありません。ケンブリッジ大学のピーター・M・ヘッド博士も,エジプトのオクシリンコスで発見された一連の写本断片を調査して,こう書いています。「一般論として,これらの写本は,現代の校訂本のベースとなっているアンシャル体大写本[4世紀以降の大文字写本]の本文の確かさを証明している。この点で,新約[聖書]の本文がごく早い時代から伝達されてきたことについて,大幅な理解の調整を迫るようなものは何もない」。

4世紀の写本であるバチカン 1209

4世紀の写本であるバチカン 1209(上)は,福音書の写本本文がほとんど変わっていないことを示している

どんな結論を下せるか

正典である四福音書 ― マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネの各書 ― は,少なくとも2世紀半ばまでは,クリスチャンたちの間で例外なく受け入れられていました。西暦160年から175年までの間にまとめられ,広く用いられた,タティアノスの「ディアテッサロン」(「四つを通して」という意味のギリシャ語)は,正典である四福音書だけを典拠とし,グノーシス主義の“福音書”のどれをも典拠としてはいません。(「四福音書を擁護する初期の試み」という囲み記事をご覧ください。)また,西暦2世紀の終わりごろにイレナエウスが述べた言葉も,注目に値します。イレナエウスは,地球に東西南北という四つの方角があり,それぞれの方角から吹く四つの風があるのと同じように,四つの福音書がなければならない,と力説したのです。その比較が正しいかどうかは疑問だとしても,イレナエウスの言葉は,当時,正典としての福音書が四つしかなかったことを裏づけています。

そうした事実すべてから,どんなことが分かるでしょうか。わたしたちが今日持っているような,四福音書を含むクリスチャン・ギリシャ語聖書は,2世紀以来,基本的に変わっていない,ということです。4世紀に陰謀が企てられて,神の霊感による聖書の一部が変えられた,もしくは排除された,と信じるべき有力な理由は何一つありません。それどころか,聖書学者のブルース・メツガーは,こう書いています。「2世紀末にはすでに,……地中海一円だけでなくブリタニアからメソポタミアに至る広範な地域に散在していた,多様な信徒から成る会衆の間で,新約聖書の大方の部分に関して,高いレベルの合意が見られていた」。

使徒のパウロもペテロも,神の言葉の真理を擁護し,仲間のクリスチャンに,自分たちの教えたのとは異なる教えを受け入れたり信じたりしないよう,強く警告しました。例えば,パウロはテモテにあてて,こう書いています。「テモテよ,あなたに託されているものを守り,聖なる事柄を汚すむだ話や,誤って『知識』ととなえられているものによる反対論から離れなさい。ある人たちは,そうした知識を見せびらかそうとしたために信仰からそれて行きました」。ペテロも,こう証言しています。「そうです,わたしたちが,わたしたちの主イエス・キリストの力と臨在についてあなた方に知らせたのは,巧みに考え出された作り話によったのではなく,その荘厳さの目撃証人となったことによるのです」。―テモテ第一 6:20,21。ペテロ第二 1:16。

その昔,預言者イザヤは,霊感のもとにこう述べました。「青草は干からび,花は枯れた。しかしわたしたちの神の言葉は,定めのない時に至るまで保つのである」。(イザヤ 40:8)わたしたちもイザヤと同じように,聖書を霊感のもとに書かせた方は,聖書が代々にわたって存続するようにもし,「あらゆる人が救われて,真理の正確な知識に至る」ことができるようにされた,という確信を持てます。―テモテ第一 2:4。

a 「グノーシス」また「アポクリファ」の元のギリシャ語はそれぞれ,「秘められた知識」また「注意深く隠されたもの」を意味することがあります。これらの語は,クリスチャン・ギリシャ語聖書正典としての四福音書,「使徒たちの活動」,手紙,啓示の書などを模倣した,偽造の書もしくは正典外の書を指して用いられています。

b 外典の書に関するもう一つの難点は,わずかな数の写本しか残っていないことです。この記事で触れられている「マリア・マグダレネの福音書」は,小さな二つの断片と,原文の半分がなくなっていると思われる,もう少し長い写しがあるだけです。しかも,これら入手できる写本相互の間には幾つかの大きな差異があります。

四福音書を擁護する初期の試み

シリアの著述家タティアノス

タティアノス

キリスト教の歴史の初期のころ,批判者たちは,四福音書には相互に食い違いがあるので,その記述を信頼することはできない,と論じました。シリアの著述家タティアノス(西暦110-180年ごろ)は,福音書を擁護するために立ち上がりました。福音書を上手に調和させて,四つではなく一つの記述にまとめ上げるなら,矛盾と思える点はなくなる,と考えたのです。

タティアノスは,そのような調和を図ることに取りかかりました。底本がギリシャ語であったかシリア語であったかは分かっていません。いずれにせよ,西暦170年ごろ,作業を完成させました。その書は,「四つを通して」という意味のギリシャ語の「ディアテッサロン」(調和福音書)という呼び名で知られています。霊感のもとにまとめられたわけではないその書に関心を抱くべきなのはなぜでしょうか。

タティアノスがまとめた「ディアテッサロン」

アラビア語の「ディアテッサロン」

19世紀になって,批評家たちは,ある見方を広めるようになりました。四つの福音書で西暦2世紀の半ばよりも前に書かれたものはない,ゆえに福音書に歴史的な価値はほとんどない,という見方です。しかし,それ以後に「ディアテッサロン」の古代写本が幾つも発見されて,四福音書が ― その四つだけが ― 西暦2世紀の半ばにすでによく知られ,一まとまりとして受け入れられていたことの明確な証拠となりました。

アラビア語,アルメニア語,ギリシャ語,およびラテン語の,「ディアテッサロン」とその注釈書が発見されたことを受けて,聖書学者のフレデリック・ケニヨン卿は,こう書きました。「これらの発見により,『ディアテッサロン』とはどういうものかについて一切の疑念がぬぐい去られ,正典である四福音書が西暦170年ごろまでに,救い主の生涯に関する他のすべての物語を超越する不動の地位を占めていた,ということが証明された」。

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