良いたよりを伝える ― 質問を用いて関心を起こさせる
1 偉大な教え手イエスは関心を起こさせたり,人々を考えさせるのに質問を用いました。(マタイ 17:25; 18:12。マルコ 11:29,30)質問がそのように効果的に用いられているのを読むと,イエスが質問を用いた方法をわたしたちは野外奉仕でまねたいと思うようになります。
2 個々の雑誌を配布する時に,一つの質問を提起することはとても実際的だということを多くの人々は見いだしました。ある人の関心を捕えたなら,一つの記事に注意を引き,雑誌を提供できます。しかし質問によりあなたが持ち出した主題がどんなものであったとしても,またその事柄につきさらに注解するにしても,あるいは示されている記事の中から特定な点を示すにしても,話が結論に達するよう準備しておいてください。
3 またある兄弟たちは次のような質問を用いたり,それを変化させて用いたりして成功しています。そしてこれはあなたにとって役立つものと考えるかもしれません。自分自身を簡単に紹介した後に「もしあなたが世の諸問題のうちの一つを克服する力を持つ立場におられるとしたら,どんな問題をまず最初に解決するよう努力なさいますか」と尋ねてみます。そして,答えを得た後,その問題につき述べている聖句を参照します。例えば,もし答えが「戦争のない平和な世界を」というようなものであるとしましょう。わたしたちも同じことを望んでいると述べ,歴史が示している通り人間は過去幾千年もこの希望の実現を見ていないこと,しかし人間の創造者はどんな約束をしているか知るように勧め,ルカ 2章14節,ローマ 16章20節,啓示 21章4節などの聖句のうち一つを読み,次のように結ぶことができるでしょう。「事実,聖書は人間が持つ諸問題を創造者である神エホバがどのように取り除いてくださるか明確に述べており,人々に真の希望を与えているのです。あなたにもこうした希望を学んでいただきたいので,とても読み易い聖書と,聖書がどれほど確かな書物であるかを知らせているこの書籍を一組450円の寄付で提供しております」。
4 ある人は公害や汚染のない世界の実現を求めるでしょう。自分も同様に望んでいることを話した後,啓示 11章18節やルカ 23章43節などにその人の注意を向けることができます。政治の腐敗などを指摘する人にはペテロ第二 3章13節,使徒 17章31節などの聖句に注意を向けることができるでしょう。
5 ある奉仕者は質問に対する家の人の答えを得てからすぐ「ことば」の本の11章「聖書は今の時代にも実際的な本ですか」を開き,家の人が希望している事柄が聖書に確かに約束されていることを告げ,該当する副見出しの下に参照されている聖句を1,2読んでみます。そして聖書に対する関心を起こしてから,提供に移ります。
6 質問を用いることに関し一つ注意したいことがあります。質問を用いて家の人を当惑させるようなことがないようにしましょう。あなたの質問に対して考えられる答えを提案してみることができるでしょう。また,家の人が答えるのをためらうなら,あなたは話し続けることができるでしょう。
7 初めのうち,質問を用いることは難しく思われるかもしれません。しかし用い続けてみてください。最初は成功しないとしても,時たつうちに,あなたは経験を積み,効果的に質問を用いることができるようになるでしょう。質問を用いるなら会話を続けたり家の人を会話に引き込んだりすることができ,家の人の見解をより良く知り,家の人が関心を持つ事柄を築き上げてゆけるでしょう。
8 あなたは関心を起こさせる質問の用い方について会衆内の他の方々と話し合うことがたいへん助けになることに気付かれるかもしれません。もし特に役立つ事柄を何か気付いたなら,他の人にもそのことを話してごらんになってください。そうすれば他の人々も益を受けるでしょう。質問を効果的に用いることは,あなたの野外奉仕の質を改善し,興味深い話し合いを鼓舞することになるでしょう。