人類は神を探求する必要がある

¹ この20世紀に，戦争や圧制や経済難のため，人々の集団移動が生じました。そして旅行および通信手段が一層高速化されて，世界はますます縮小しているように見えます。その結果，様々な宗教グループの人々が一層身近に接するようになりました。それゆえ宗教は，あらゆる場所に住む人々の生活に影響するニュースとなることがよくあります。

² わたしたちの宣べ伝える業も影響を受けてきました。わたしたちにはなじみの薄い宗教の背景を持つ人々に接するのは，もはや珍しいことではないのです。

³ わたしたちが他の宗教とその歴史的な背景を一層明快に理解できるよう，「神を探求する人類の歩み」と題する本が備えられました。この本は世界の主な宗教の基本的信条に関する幾百もの質問に答えています。6月中，わたしたちは宣教でこの本を用います。神についてさらに学ぶよう誠実な人々を励ますため，わたしたちはこの貴重な助けに収められているどの論題を強調できるでしょうか。

⁴ この本全体を通して扱われている一つの重要な質問は，人間には肉体の死後も生き続けて来世へ移る不滅の魂があるか，という質問です。ほとんどすべての宗教が何らかの形でその概念を教えています。ほかにも次のような質問が取り上げられています。魂が責めさいなまれる地獄のような場所はありますか。死者のための真の希望とは何ですか。神はおひとりだけですか。それとも多くの神々がいるのでしょうか。この本の17ページから18ページにある質問に注意を向けることができます。無神論者や不可知論者に話すときでさえ，4番目や5番目の質問は相手の注意を引き，有益な会話へと結びつくかもしれません。

⁵ 全人類は今，神を探求し神の恵みを求める必要があります。世界の出来事は，ハルマゲドンが足早に近づいていることを物語っています。熱心に行動すべき時なのです。見いだせるうちに，今エホバを尋ね求めるよう人々に促すのは何とすばらしい特権でしょう。（イザヤ 55:6，7）「神を探求する人類の歩み」の本は，神を探求する人々にどのように助けとなるでしょうか。この本は様々な背景を持つ人々のために示唆に富んだ情報を提供しています。190ページ7節は，神道の“八百万の神”がどのようにして始まったかを簡潔に説明しています。156ページ49節では，仏教の根本的な概念が，山積する人間の諸問題の解決策となり得るかどうかについて考えさせる仕方で取り上げられています。

⁶ わたしたちには，この本を熱意をこめて紹介する数々の理由があります。その内容に十分通じているなら，多種多様な宗教的背景を持つ誠実な人々に関心を起こさせる機会を見いだせるでしょう。わたしたちは是非とも，この奉仕において熱心さを示してゆきたいものです。

⁷ エホバは寛大で憐れみ深い神です。ご自分について学ぶよう何と親切な招待を差し伸べてくださっているのでしょう。エホバの賛美者となる人々はまだ大勢いるに違いありません。6月中，「神を探求する人類の歩み」の本という助けを借りて，キリスト教世界や非キリスト教，さらには無神論的な背景を持つ大勢の人々が，「霊と真理をもって」エホバを崇拝する者となるよう助けることができます。（ヨハネ 4:23，24）真理を探し求める人を見いだすために粘り強く努力し，そのような人々と真理の神との関係を強めてゆけますように。神を見いだすことは確かに可能なのです。