Blue Planet Archive/Mark Conlin
だれかが設計?
グルニオンの産卵
カリフォルニアグルニオンと呼ばれる小さな魚は,米国カリフォルニアやメキシコのバハ・カリフォルニアの太平洋に面した砂浜で産卵します。この魚は,子孫を残すために,どの日のどの時間に産卵したらよいかを正確に知っています。
考えてみてください グルニオンは,潮位が最も高くなる満月や新月から3日間,もしくは4日間の夜にだけ産卵します。満月や新月よりも前の夜に産卵してしまうと,満ち潮によって砂浜の砂は海に運ばれ,卵は流されてしまいます。でも,潮位が一番高くなった少し後,波が引いて砂がたまる時期に産卵するので,卵は堆積した砂の中で安全に守られます。
Wally Skalij/Los Angeles Times via Getty Images
さらに,産卵期の春と夏は満潮時の潮位が昼よりも夜の方が高いので,グルニオンは昼よりも遠くの砂浜に行き,産卵することができます。そこは,次の満潮の時も波が届かないので卵は守られます。
産卵する時,グルニオンは大きな波が来るのを待ちます。大きな波が来たら,それに乗って砂浜に打ち上げられるまで泳ぎ続けます。波が引くと,雌のグルニオンは濡れた砂に尻尾で穴を掘りながら体を埋めていきます。5センチから8センチの深さの所に卵を産むと,1匹かそれ以上の雄が受精させます。その後,雌も雄も体をくねらせながら海に向かい,次の波に乗って海に戻ります。
受精卵は湿った砂の中で成長していきますが,ふ化するには波による振動が必要です。それで約2週間後の大潮の時に卵はふ化します。場合によっては,4週間後の大潮の時にふ化することもあります。
どう思われますか グルニオンが産卵するタイミングと方法を知っているのは進化によるものでしょうか。それとも,だれかが設計したのでしょうか。