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マルコ 注釈 6章新世界訳聖書 (スタディー版)
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大工: イエスは「大工」としても「大工の息子」としても知られていた。このことから,12歳の時に神殿に行ってから宣教を始めるまでのイエスの生活について幾らか洞察できる。(マタ 13:55の注釈を参照。)マタイとマルコの記述は補い合っている。
マリアの息子: イエスについてこう言われているのはこの時だけ。ヨセフのことは言及されていないので,すでに亡くなっていたのかもしれない。イエスがヨハネに,自分が死んだ後の母マリアの世話を頼んだことも,その可能性を示唆している。(ヨハ 19:26,27)
ヤコブ: マタ 13:55の注釈を参照。
ユダ: マタ 13:55の注釈を参照。
兄: または,「兄弟」。ここのギリシャ語アデルフォスは聖書で信者同士の関係を指す場合もあるが,ここでは,ヨセフとマリアの息子たちであるイエスの異父弟とイエスとの関係を指して使われている。マリアがイエスの誕生後も処女だったと信じている人の中には,ここのアデルフォスはいとこのことだと主張する人がいる。しかし,ギリシャ語聖書は「いとこ」については別の語(コロ 4:10でギリシャ語アネプシオス)を使い,「おい」についてはまた別の言い方をしている。(使徒 23:16)さらにルカ 21:16で,ギリシャ語アデルフォスとシュンゲネースの複数形(「兄弟,親族」と訳されている)が並列されている。こうした例から分かるように,ギリシャ語聖書で家族関係を指す語は見境なく適当に使われているのではない。
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