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ヨハネ 注釈 14章新世界訳聖書 (スタディー版)
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別の援助者: この表現は,弟子たちにはすでにイエスという「援助者」がいたことを示している。実際,ヨ一 2:1はイエスの役割に関して同じギリシャ語(パラクレートス)を使って,「助けてくださる方」と述べている。しかし,ここでイエスは,自分が地上を去った後,神の聖なる力がさらに助けを与えると約束している。
援助者: または,「慰める者」,「励ます者」,「擁護者」。「援助者」と訳されるギリシャ語(パラクレートス)は聖書の中で,聖なる力(ヨハ 14:16,26; 15:26; 16:7)とイエス(ヨ一 2:1)の両方について使われている。字義通りには,助けるために「誰かのそばに呼ばれた者」と訳せる。イエスは,人格を持たない聖なる力について,その援助者が「教え」,「証言し」,「証拠を……与え」,「導いて」,「話す」,「聞いた」(ヨハ 14:26; 15:26; 16:7-13)と述べたとき,擬人法を使っていた。つまり,人格を持たない無生のものが生きているかのように述べていた。聖書では,実際には人格を持たないものを擬人化するのは珍しくない。知恵,死,罪,惜しみない親切などがその例。(マタ 11:19。ルカ 7:35。ロマ 5:14,17,21; 6:12; 7:8-11)これらがどれも人格を持たないことは明らか。神の聖なる力は人格を持たない他の力やものと一緒に述べられていることがよくあり,そのことは聖なる力が人格的なものでないことをさらに裏付けている。(マタ 3:11。使徒 6:3,5; 13:52。コ二 6:4-8。エフ 5:18)この「援助者」についてギリシャ語の男性代名詞が使われているので聖なる力には人格がある,と主張する人がいる。(ヨハ 14:26)しかし,「援助者」に当たる語が男性名詞なので,ギリシャ語の文法上,「援助者」の働きを表現するとき代名詞は男性形になる。(ヨハ 16:7,8,13,14)一方,「聖なる力」に当たるギリシャ語の中性名詞(プネウマ)が使われるときには,中性代名詞が使われる。ヨハ 14:17の注釈を参照。
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