脚注
a 「この世代」という表現における指示代名詞フートスは,英語の“this”(日本語の「この」)にうまく対応しています。その語は,その場にあるもの,もしくは話し手の前にあるものを指す場合があります。しかし,他の意味を帯びる場合もあります。「新約聖書釈義辞典」(1991年)にはこう述べられています。「その語[フートス]は当面の事実を指す。したがって,[アイオーン・フートス]とは,『現存している世界』のことであり,……[ゲネア・ハウテー]とは,『今生きている世代』のことである(例えば,マタイ 12:41,42,45; 24:34)」。ジョージ・B・ワイナー博士はこう書いています。「この代名詞[フートス]は,物理的に最も近い所にある名詞ではなく,もっと離れてはいても,例えば中心主題のように,意識の上で最も近い所にある,つまり筆者の脳裏に最も鮮明に浮かんでいる名詞を指すことがある」―「新約聖書の慣用句の文法」,第7版,1897年。