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淫行聖書に対する洞察,第1巻
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両人とも死刑に当たるものとされました。―出 20:14; 申 5:18; 22:22。
もしある男が,別の男のために定められていた下女と淫行を犯した場合,その女性が請け戻されて,自由にされていなかったのであれば,処罰はなされるものの,両人が死に処せられることはありませんでした。(レビ 19:20-22)これは,その女性がまだ自由の身ではなく,婚約している自由の身の娘とは違い,自分の行動を完全に制御することができなかったためと考えられます。請け戻しの価がまだ支払われていなかったか,あるいは払われていても全額ではなく,彼女は依然として自分の主人の奴隷であったためです。
報酬目当ての預言者バラムは,占いによってイスラエルにのろいをもたらすことができなかった時,性交に対する間違った欲望に訴えて彼らに神の不興を被らせる方法を思いつきました。彼はモアブの女たちによってイスラエル人をたぶらかし,ペオルのバアルの汚れた男根崇拝を行なわせました。そのために,イスラエルの子ら2万4,000人が死にました。―民 25:1-9; コリ一 10:8(恐らく,民の頭たる者1,000人は殺されて杭に掛けられ[民 25:4],他の者たちは剣か災厄によって滅ぼされたものと思われます)。
クリスチャンも禁じられている イエス・キリストは神が最初に定めた一夫一婦の規準を回復し(マタ 5:32; 19:9),淫行を,殺人,盗み,邪悪な推論,偽証,冒とくと同類のものとして,それが邪悪な行為であることを示されました。イエスは,これらが人の内部から,すなわち心から出,それが人を汚す,と指摘されました。(マタ 15:19,20; マル 7:21-23)その後,使徒とエルサレムの年長者たちから成る,クリスチャン会衆の統治体は,西暦49年ごろ,クリスチャンたちに手紙を書き,淫行を非とする警告を与え,淫行を偶像礼拝ならびに血を食べることと同列に置きました。―使徒 15:20,29; 21:25。
使徒パウロは淫行が肉の業の一つで,神の霊の実とは反対のものであることを指摘し,肉の業を習わしにする人は王国を受け継げないと警告しています。(ガラ 5:19-21)また,クリスチャンは『淫行に関して』自分の体を死んだものとすべきであると忠告しています。(コロ 3:5)事実,聖なる者であるべきクリスチャンの間では淫行が会話の話題に上ることさえあってはならない,と警告しています。同様の点として,イスラエル人は異教の神々の名を述べてはなりませんでしたが,それは彼らがこれらの神々について子供たちに警告することもないという意味ではなく,それらの名をいささかも敬意をもっては口にしないという意味でした。―エフェ 5:3; 出 23:13。
淫行は,それを犯した人をクリスチャン会衆からの追放(排斥)の対象とし得るとがめです。(コリ一 5:9-13; ヘブ 12:15,16)使徒は,淫行を犯すクリスチャンは自分の体に対して罪をおかすのであり,生殖器官を常軌をはずれた目的に用いることであると説明しています。その人は霊的に非常に有害な影響を受け,神の会衆内に汚れを持ち込み,自分の身を命にかかわる性病の危険にさらすことになります。(コリ一 6:18,19)彼は次の点でクリスチャン兄弟の権利を侵害します。(テサ一 4:3-7)つまり,(1)非難を招く汚れと恥ずべき愚行を会衆内に持ち込む(ヘブ 12:15,16),(2)淫行を犯した相手から清い道徳的立場を奪い,その人が独身であるなら結婚する時の清い状態を奪う,(3)淫行を犯した当人の家族から道徳上の清い記録を奪うと共に,(4)淫行の相手の親,夫または婚約者に不正を行なうことになる。その人は,人間ではなく神を無視するのです。人間の法律が淫行を容認しても容認しなくても,神はその罪に処罰を科されます。―テサ一 4:8。
象徴的な用法 エホバ神はご自分と契約関係にあったイスラエル国民を「妻」と述べられました。(イザ 54:5,6)その国民が神に不忠実になり,神を無視し,エジプトやアッシリアなど他の国々に援助を求めてこれに頼り,これと同盟関係に入った時,イスラエルは不忠実な妻,姦婦,売春婦,乱交にふける者のようになりました。(エゼ 16:15,25-29)同様に,神に対して献身した関係にある,あるいはそのような関係にあると主張するクリスチャンが偽りの崇拝に携わり,あるいはこの世の友となって不忠実になるなら,その人は姦婦と呼ばれます。―ヤコ 4:4。
幾つかの聖句におけるポルネイアの象徴的な意味に関して,F・ゾレル(新約聖書ギリシャ語辞典,パリ,1961年,第1106欄)は次のように述べています。「真の信仰からの背教。全面的または部分的に,唯一まことの神ヤーウェに対する背信行為を働いて異国の神々に転じること[王四 9:22; エレ 3:2,9; ホセ 6:10など。神とその民との結び付きは一種の霊的婚姻関係のようにみなされていたのである]:啓 14:8; 17:2,4; 18:3; 19:2」。―角括弧は同編者。ギリシャ語セプトゥアギンタ訳の列王第四はマソラ本文の列王第二に対応する。
聖書の「啓示」の書の中で娼婦として描かれる大いなるバビロンは,何か宗教的なものを象徴的に表わしています。「キリスト教」のものであれ異教のものであれ,彼女の色々な宗派は自分たちが真の崇拝を行なう組織であると主張してきました。しかし,彼女はこの世の支配者たちとなじみを重ねることによって権力と物質上の利得を求め,「地の王たちは彼女と淫行を犯し」ました。その不潔で汚らわしい淫行の行為は神の目に忌むべきものであり,地に甚だしい流血と苦難をもたらしました。(啓 17:1-6; 18:3)彼女はその行為のゆえに,神が淫行を習わしにする者たちに下す裁き,すなわち滅びを被ります。―啓 17:16; 18:8,9。
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印章,証印聖書に対する洞察,第1巻
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印章,証印
(いんしょう,しょういん)(Seal)
所有権,信ぴょう性,または合意を標示する印影を付ける(普通,
古代の円筒印章と粘土に押したその印影。木の両側に崇拝者が立ち,その下に水鳥が描かれています
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