-
「新しい天と新しい地」を待ち望む世の苦難からの人間の救いは近い!
-
-
ないように必ず強制的に消散させられます。従属的な王国や人間の支配権もすべて同様に地から取り除かれてしまいます。
70,71 エホバはどんな代理機関を用いてそのような世界的な滅びをもたらされますか。
70 それは神の言葉であって,人間の言葉ではありません。これは霊的なイスラエルの油そそがれた残りの者の業でもなければ,エホバの崇拝者である仲間の「大群衆」の業でもありません。全能の神エホバがそのような世界的な滅びをもたらす際にお用いになる代理機関は,ネブカデネザルの夢の中では人手によらずに山から切り出された「石」として表わされています。従って,その「石」は創造者である主権者なる主エホバによって造り出される何ものかを表わしているに違いありません。神はダニエルに霊感を与え,その「石」が象徴するものを説明させてこう言わせました。
71 「そして,それらの王たちの日に天の神は,決して滅びに至らされることのない王国を建てられます。そして,その王国はほかの[後継者としての]どんな民にも渡されることはありません。それはこれらの王国をすべて打ち砕いて終わらせ,それ自体は定めなき時まで立つでしょう。あなたは,山から一つの石が手によらずに切り出され,それが鉄と銅と,かたどられた粘土と,銀と金とを打ち砕いたのをご覧になったからです」― ダニエル 2:44,45,新。
72,73 (イ)その「石」が手を加えられずにそこから切り出された「山」とは何ですか。(ロ)「石」そのものは何を表わしていますか。それと関連して今どんなことが起きていますか。
72 その「石」は天の神が建てる一つの王国を表わしていますから,その「山」は王国の権能や権威の源,すなわち永遠の王であられるエホバ神の宇宙主権を表わしているに違いありません。こうして,その石のような王国は神の宇宙主権に従属する代理機関となります。それは主イエス・キリストとなったその独り子の手中にある,メシアによる王国です。(ダニエル 7:13,14)この王国こそ,それに関してイエス・キリストが「事物の体制の終結」にかかわる預言の中で次のように予告されたものなのです。「王国のこの良いたよりは,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです」。(マタイ 24:14)その同じ預言の中でイエス・キリストはその王国にいるご自分のことを心に描いてこう言われました。
73 「人の子がその栄光のうちに到来し,またすべてのみ使いが彼とともに到来すると,そのとき彼は自分の栄光の座にすわります。そして,すべての国の民が彼の前に集められ(ます)」― マタイ 25:31,32。
74 そのメシアの王国はエホバによりどんな任務をゆだねられていますか。
74 皆さん,主権者なる主エホバのみ子のメシアの王国を歓呼して迎えてください! それこそ,「今ある天と地」を送り出し,神の栄光と人類の中の従順な人びとすべての限りない祝福のために,約束された「新しい天と新しい地」を招来する務めをゆだねられた天の政府なのです。
-
-
「新しい天と新しい地」を創造する世の苦難からの人間の救いは近い!
-
-
17章
「新しい天と新しい地」を創造する
1 (イ)わたしたちは今日,古代バビロンの皇帝ネブカデネザルの見た夢になぜ関心を抱いていますか。(ロ)その夢の詳細を同皇帝に思い起こさせた際,ダニエルは一つの特異な「石」とそれが何を成し遂げるかについて何と述べましたか。
わたしたちは今日,二千五百年余の昔にバビロニア世界強国の堂々たる支配者が預言的な夢の中で見た事柄の成就を見ているのです! 神から送られたその夢は,深刻さを増してゆく世の苦難をかかえた現代に起きている事柄を理解する助けとなります。皇帝ネブカデネザルが思い出せないほどにすっかり忘れてしまったその夢は,全能の神の助けを得てそれを同皇帝に思い起こさせ,大いに悩まされた皇帝にその解き明かしをするよう預言者ダニエルに啓示されましたが,このことをわたしたちは何と感謝できるのでしょう。バビロニア帝国から今日の英米二重世界強国に至るまでの世界史の政治上の一連の超強国を表わしたその夢の「像」に関する記述の最高潮に際し,ダニエルは続けてこう述べています。
『汝見ていたまひしに遂に一つの石人手によらずしてきられて出でその像の鉄と泥土との脚を撃ちてこれを砕けり かゝりしかばその鉄と泥土と銅と銀と金とは皆ともに砕けて夏のうち場のぬかのごとくになり風に吹きはらはれて止まるところなかりき しかしてその像を撃ちたる石は大いなる山となりて全地にみてり』― ダニエル 2:34,35。
2 その「石」は何を象徴していましたか。
2 この問題はほかに説明のしようがありません。その「石」は宇宙の主権者なる主であられるエホバ神の油そそがれたみ子の手中にあるメシアによる王国を象徴しました。
3 このメシアによる王国とダビデ王との関係,またその王国がどのように霊的な様相を呈したかについて説明しなさい。
3 メシアによるこの王国は,エホバがイスラエル国民の王として油をそそがれるようにさせたダビデの地的な王国にその根源を有していました。ダビデの政府の所在地は最後にはエルサレムもしくはシオンとなりました。エホバ神はダビデの家系を通して存続し,永遠の王国となるメシアによる王国のための契約をダビデと結ばれました。やがてこの王国は,ダビデの永久相続者が地上に到来するに及んで霊的な王国の様相を呈しました。それは神の天のみ子がイエスとしてダビデの王統に奇跡的に生まれたからです。こうした生来の関係を帯びることによって,彼はダビデの王座につく資格のある生来の後継者となりました。(マタイ 1:1から2:6)このことと調和して,イエスが三十歳で水のバプテスマを受けた直後,エホバ神は聖霊で彼に油をそそぎ,イスラエルつまり「ヤコブの家」の未来の王にしました。神はまた,彼をご自分の霊的な子として生み出し,そのような者として認めました。―マタイ 3:13-17。ルカ 1:32,33; 3:21-23。使徒 10:38。
4 ダビデの永久相続者はどのようにして霊の領域で王となりましたか。
4 イエス・キリストは神の王国,「天の王国」を宣べ伝えたために殉教の死を遂げました。彼は肉において完全な人間の犠牲として
-