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  • 問題はすべて頭の中にあるのですか
  • 目ざめよ! 1981
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目ざめよ! 1981
目81 12/8 4–7ページ

問題はすべて頭の中にあるのですか

医師は,抑うつ状態に陥った女性が自分の症状について行なう説明を一心に聞いていました。絶え間ない頭痛,怒りっぽくなること,便秘,食欲不振,不眠症,慢性的な疲労感などがその症状です。どっと泣き出すことがあり,時には死にたいと思います。医師はそれに対して,「問題はすべて頭の中にあります。まずはご自分の状態がはっきり分かるようになってくださらなければ,わたしには手の施しようがありません。是非,精神科のお医者さんに診てもらってください」と言いました。

悪気はないのですが,この医師の意見は一般の見方を表わしていました。しかし,重症うつ病に悩まされていたこの女性のように,その苦悶は全面的にあなたの考え方に起因していると言われると,打ちひしがれてしまう人は少なくありません。確かに,人の考えは善くも悪しくもその人の体に影響を及ぼします。それでも,体の病気が人の思考過程に影響を及ぼし得ることを示す証拠も多くなってきています。

しかし,その証拠を検討する前に,“抑うつ状態(うつ病)”a という語がかなり広範な感情の状態を包含することを理解しなければなりません(わくの中をご覧ください)。

どのようにして分かるか

ニューヨーク州精神衛生局ロックランド研究所の所長,ネーサン・S・クライン博士は,最近,「目ざめよ!」誌の編集部員のインタビューに応じ,次のように語りました。「例えば,家族の死などによって引き起こされる類のうつ病なら,それを幾らか軽減する方法はあります。おいしい食事と美しい月か何かがあれば,幾らか軽減されます。重症うつ病の場合,それを軽減する方法はありません。大金をせしめても,大統領に選ばれても,特別な喜びを何らもたらしません。将来は絶望的なものに思えます」。

躁うつ病の症状はどのようなものですか。コロンビア大学医学部の臨床精神病学の教授,ロナルド・フィーブ博士は「目ざめよ!」誌に次のように語りました。「憂うつな状態から意気盛んになるという病歴が必ずあります。その人は異常なほど楽観的な状態に陥り,過度に活動し,多弁になり,睡眠時間が短くなり,かつてなかったほど活力にあふれるようになります。この突然の変化は2週間から普通の場合で一,二か月続きます。それから極度の抑うつ状態へと移るのです」。

ある種の極度のうつ病には脳の中の特定な化学変化が付き物であり,それがうつ病を引き起こしているのではないか,と考える科学者は今や少なくありません。(上の図はそれを説明しています。)その過程は複雑で,この点で科学者たちの意見はまちまちです。しかし,何がそのような化学的な乱れを引き起こすのでしょうか。様々な要素があります。

病気とうつ病の関係

医学の分野の著述家,ローレンス・ゴールトンはこう記しています。「うつ病は紛れもない器質性の疾患から,もっと正確に言えば,明確に器質性の疾患と定義できるものから生じることもある。肝炎・単核症・インフルエンザなどの感染,甲状腺・副甲状腺・副腎などのホルモン(腺の)異常,悪性腫瘍,栄養分の欠乏状態,貧血および他の血液の障害などがそれに含まれる」―「精神科医は必要でない」(1979年発行)。

例えば,一人の婦人は15年間にわたって,極度の,それも時には自殺を図るほどのうつ病の治療を受けていました。抗抑うつ剤を与えられ,電気ショック療法さえ受けましたが,病気を永続的に除去するものは何一つありませんでした。結局,副甲状腺の病気が問題の原因であることが明らかにされました。その病気の治療が成功して,この婦人は快方に向かいました。根本的な問題は身体的なものだったのです。

ストレス

ストレスの引き起こす神経の消耗も,同様にうつ病の原因になることがあります。そのようなストレスを生む状況として,専門家は次のようなものを挙げています。それは『不幸な結婚,救いの手が差し伸べられないスラム生活,思いやりのない上司,長期に及ぶ戦い』,および「自分の精神的,情緒的,身体的な能力を超えることがはっきりしている」日課を果たそうとすることなどです。愛の欠けた環境にいて,孤独を感じ,落胆し,希望を失っている場合も,やはりうつ病になることがあります。自分がそのような状況に置かれていると感じる人は少なくありません。

死や離婚などストレスを生む特定の出来事は重症うつ病を引き起こしかねません。ところが,最近の一研究によると,臨床的にうつ病と診断された人185人中,うつ病に先立って,ストレスが高じたとはっきり分かる出来事を経験した人は4分の1にすぎませんでした。精神科医のフィーブ博士は,ストレスが高じるような生活上の出来事は「氷山の一角にすぎない」と考えています。

クライン博士は,急な坂道を登る途中で故障を起こす車にうつ病患者をなぞらえ,自分の意見を次のように語っています。「その場合,ある意味では坂を登ったという事実がいけなかったのですが,また一方ではエンジンの調子がよかったら故障も起きなかったとも言えるでしょう。ですから,環境から生じるストレスが急に病気を引き起こすかもしれませんが,元々生物学的な欠陥,つまりエンジンに悪い所があるはずです」。

しかし,これまで体のどこも悪くなかったのに,思いそのものがこの化学的な不均衡を生み出すということがあり得るのでしょうか。

思いの果たす役割

熟達したカウンセラーによって考え方を調整されたおかげで,重症うつ病からさえ解放された人が大勢いることを示す確かな証拠があります。このことは,ある種の重症うつ病に関しては,どこか体の悪い部分ではなく,当人の考え,あるいは当人が思いの中に入れる事柄が重大な役割を担っていることを示しています。

最近の研究によると,わたしたちの物の考え方は脳の化学的な働きに影響を及ぼすことがあります。例えば,1979年に行なわれた調査では,親知らずを抜いたばかりの人に気休め薬の食塩水の注射をして,それで痛みが和らぐと告げました。この注射には痛み止めの効力はないはずなのに,3人に一人は「間もなく痛みが驚くほど和らぐのを感じた」と報告されています。自然に発生する脳の“痛み止め”の化学物質(エンドルフィン)がその人の考えによって働きだしたものと判断されました。脳の自然の“痛み止め”の効果を妨げる別の薬が投与されて,このことが確証されました。痛みが戻ったのです。

思いが愛に反応する力は数多くの事例において観察されてきました。逆に,怒り・憎しみ・ねたみなどの消極的な感情も体に生化学的な変化を引き起こすことが分かっています。

聖書は人間の内なる感情や態度の果たす重要な役割を認め,こう述べています。「人の霊[内なる感情や考え]は病苦[病気]に耐えることができるが,打ちひしがれた霊となると,だれがこれを忍ぶことができようか」。(箴 18:14,新)もし「人の霊」が誤った考え(8-10ページで論じられている)で「打ちひしがれ」るなら,もしもねたみや恨みや良心の苛責のために圧迫されているなら,その悪い状況は耐えられないものになります。その後に,重症うつ病になることもあります。

また,テレビや映画やポルノ文学などにより,人が抑うつ状態を引き起こすような考えで自分の思いを養うなら,そのために気分がゆがめられ,うつ病を育むことになります。特に,テレビの前で定期的に多くの時間を費やすなら,それは当人の見方に悪影響を及ぼしかねません。しかし,ほかの人にとっては,問題の根になっている事柄が別にあるかもしれません。

そのほかに考えられる原因

「脳は,[血]漿中のある種の栄養素の濃度に対して他の器官よりもはるかに敏感である」と,マサチューセッツ工科大学の二人の研究者は述べています。これらの医師たち,二人のワートマンが「栄養と脳」(1979年第3巻)の中で公にした資料は,食べ物が人の気分に及ぼす影響,およびある栄養素の欠乏が脳の化学的なバランスを変えて,うつ病を引き起こす経緯を示しています。

バランスの取れた食事をきちんと取り,“栄養価の少ないスナック食品”を最小限に抑えていても,うつ病につながるような,栄養素の欠乏に見舞われることがあります。ある種の薬物療法,経口避妊薬,妊娠や汚染や極度のストレスが体にもたらす緊張などは,いずれも栄養素の欠乏を引き起こす原因になり得ます。

ある種の食べ物や化学物質のガスなどに対するアレルギー,そして女性の場合のホルモンの変化もうつ病をもたらしてきました。また,血糖減少症(低血糖症)の治療を受けた1,100人の患者を対象にした調査から,それらの患者の77%がうつ病の症状を訴えていたことが明らかになりました。

ですから,単に間違った態度を抱いているということ以外にも,うつ病の原因は数多くあるのです。ひどいうつ病にかかっている人は,様々な要素が組み合わさってそうなっているのかもしれません。個々の人の遺伝的特質や幼少時の経験も一因となります。これら様々な影響力すべてが,ストレスを高じさせる出来事や環境に対する反応の仕方に影響を及ぼすことがあるのです。

うつ病の原因と思われるものを理解しようとすることも助けになりますが,うつ病に悩まされている人にとってもっと切実な問題は,それを克服するために何が行なえるかということです。

[脚注]

a 下のわくの中で用いられている名称の一部は,「精神病の診察および統計便覧」(第3版,1980年)に基づいています。

[4ページの囲み記事/図版]

うつ病の種々の様相

意気阻喪および悲痛感情

死や離婚,失業,健康上の問題およびその他のストレスを高じさせる状況など,動揺を引き起こす何らかの出来事のゆえに生ずる沈んだ気分。

軽度慢性うつ病(抑うつ神経症)

“憂うつな状態”が続く。全般的に消極的な気持ちと不満がある。疲労を感じ,家族や友人に対する関心を失う。大抵の場合,自分には価値がないという気持ちや不安感,怒りなどがある。

重症うつ病

「地中の穴の中にいるような気がする」と一人の患者は語っている。軽くする道はない。睡眠の習慣が変わり,食欲が減退する。罪悪感で胸が一杯になり,死んでいたほうがよいと思う。恐れの気持ちや不安感に圧倒され,集中力が欠ける。この症状が一定期間の正常な行動と交互に表われることもある。

躁うつ病

病的な高揚状態 ― 金に糸目をつけずに使ってしまう,四六時中働く,じっとしていないで動き回る ― の期間に続いて,極度のうつ病が起きる。

[5ページの囲み記事/図]

わたしたちの思考は,電気化学的なインパルス(衝撃)の形を取って一つの神経細胞から別の神経細胞へと流れて行く。正常な気分でいられるかどうかは,それがゆがめられずに流れるかどうかにかかっている。神経の末端はつながっていない。神経インパルスが,その間隙の橋渡しをするニューロトランスミッターという化学物質の生産を促す。その結果,思考はゆがめられることなく伝わる。シナプス(接合部)と呼ばれるこの領域の化学的なバランスは肝要である。

[図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

神経インパルス

神経細胞

神経細胞

シナプス(接合部)

神経インパルス

ニューロトランスミッター(刺激を伝達する化学物質)

接受器官

神経インパルスはゆがめられることなく伝わる

[5ページの囲み記事/図]

異常の生じる原因とされるもの

ある種のニューロトランスミッターが多すぎると神経インパルスをゆがめ,刺激を大きくしすぎることになり,躁状態を引き起こすのではないかと考えられる。

[図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

神経インパルス

ニューロトランスミッター(刺激を伝達する化学物質)

神経インパルスはゆがめられている

ある種のニューロトランスミッターの水準が低すぎると神経インパルスをゆがめ,うつ状態を引き起こすのではないかと考えられている。

[図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

神経インパルス

ニューロトランスミッター(刺激を伝達する化学物質)

神経インパルスはゆがめられている

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