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  • あなたの証言の目的
  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1954
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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1954
塔54 10/15 393–399ページ

あなたの証言の目的

1,2 ヱホバの証者について,時折りどんな適当な質問がされますか? 正直な心を持つて物事を尋ねたい人は,誰から正しい答えを得ますか?

あなたはヱホバの証者の一人ですか もしそうならば,なぜあなたは家から家へと行き,聖書の文書を人々に提供するのですか? なぜあなたは雑誌を持つて街頭に立ちますか? 人々の家庭であなたは,なぜ多くの聖書研究をするのですか? 家から家へ行くとき,利己的な理由のために行きますか? 例えば,お金を多く得るためとか,地方の会衆で人目に立つ地位を得るためですか? 街頭に立つとき,あなたは自分を見せものにしたいためにそうしますか? または,通りがかりの人が言ういやなことに対していわゆる『迫害をうけたい気持』があるからですか? あなたは実際何を達成しようとしているのですか? ヱホバの証者は,全体主義の国々の中でも,外であつても,この二つの世界戦争を通して長年のあいだ,あらゆる種類の迫害や妨害をうけたにもかかわらず,燃えるような熱心,辛抱,そして永続する決心を持ち続けていますが,それはいつたいどんな動機,目的,企図,また希望と野心によつてですか? それに,別の質問は,誰が後ろにいてこの仕事を支えていますか?

2 これらの適当な質問について,全世界の人々は尋ねており,また互いに論じ合つているものです。でも尋ねる人が正直な心を持つており,正しい答えを知りたいと願うならヱホバの証者に尋ねるべきです。なぜならヱホバの証者は,なぜこの証言の仕事に従事しているかを知つているからです。ヱホバの証者は,辛いことが多いときでも,なぜ家から家へと行くのか,どんな天候であつてもなぜ街頭に立つのか,非常な費用と不便を忍んでもなぜ家庭聖書研究を司会するかを知つています。それに,どこからその力と強さと資力を得るかを彼らは知つています。そして更に大切なことに,この仕事を支えるものが何であるかを彼らは知つているばかりでなく,それを支えるものは誰であるかを知つているのです。

3 この証言の業の後ろにいて責任を持たれている方は誰ですか?

3 ヱホバ神こそ,今日地上にいる証者たちを支えている方です。それでは,ヱホバとは誰ですか? ヱホバという方は,ただ唯一つの方であつて,自存の方であり,宇宙の非常に高い創造者です。ヱホバは,契約を忠実に守られる神であつて,アベルとアブラハム,ノアとロト,ヨブとモーセ,そして昔しにいたその他のすべての族長たちの神でした。ヱホバは,イエス・キリストが『私の父』と呼ばれた方であり,またキリストの弟子たちが『私たちの父よ』と呼ぶよう教えられた生命の与え主であります。今日においても,真にして忠実なクリスチャンであるヱホバの証者は,この同じ立派な永遠の神を同様に崇拝し,奉仕いたします。こんどは,ヱホバはその証者たちと彼らの重要な仕事に対して責任を全くとり,昔しに証明したように,御自身が目的を持つ神,すなわち素晴らしいもので変ることのない目的を持つ神であると証明しています。

4 この世の事柄を導く人々は,どんな大きな真理を見逃していますか? 彼らは自慢した主張をして,どのように証明しようとしていますか?

4 ヱホバの目的は,決して変ることがありません。そして,この20世紀に住む弱小な人間には,ヱホバの御意と決定を全然変えることも,なくすことも,または改めることもできません。『草は涸れ,花は萎む』しかし『ヱホバの語る言葉は,永遠に続く。』『私は働く』とヱホバは言われており,『誰がその仕事を妨げ得ようか?』とヱホバは尋ねています。(イザヤ 40:8。ペテロ前 1:24,25,新世。イザヤ 43:13)でも,この世の事柄を導く人々は,この事を良く認めておりません。これらの人々,哲学者と精神科の医者,作家と分析学者,帝国設立者と政治的な建築者,経済界の頭目,裁判官,教育家,宗教指導者,軍事謀略家,著名な科学者,そしてこの世の高い力ある者たちはヱホバ神を全く,故意に無視し,彼らの計画や目論見からヱホバの目的を全然とり除いています。彼らは神を冒瀆して高慢となり,私たちが生存している現在は超科学の時代,超近代の時代,そして非常に進歩して多くのことをなしとげ,高度に教育をうけた文明の期間であると自慢しております。彼らはこんな風に考えているようです。つまり進化の過程によつて,第1世紀のクリスチャンたちの時の文化よりはずつと進んだ文化の程度に達したのであるから約2000年前頃の謙遜なナザレ人やその弟子たちの教え,いましめ,また行いは,現在の時代になつては,もはや実際的なものでもなければ,必要なものではなく,いまでは採りあげるべきものではないというのです。

5 真理を求める人たちは,どんな高い見地を取るよう強くすすめられていますか? そしてなぜ?

5 しかし,正直な心を持つて真理を求めるあなたはそんな偽りで子供だましの話しで騙されてはなりません。それは,低い人間の詭弁であり,塵から作られている人間の空想に充ちた意見と想像以外のなにものでもありません。むしろ,人間が最初に取り出された塵を作つた創造者は,これらのことをどのように見ているかを考えなさい。全能者の深くして高い見地から見るとき,人類に直面している大問題,すなわち生命と死,健康と幸福,平和と繁栄,というような問題は,過去幾千年のあいだ殆ど変化していません。サタンの暴君的で反逆の支配の下にある同じ古い世は,地に続いて居ります。サタンの影響の下にいる地の勢力家たち,すなわち王,女王,独裁者,総理大臣,またいろいろな国の大統領たちは,キリスト,イエスを拒絶して,イエスはヱホバの油注がれた王であり,天の職務にいま就かれている地の正当な支配者であるということを認めません。そればかりではなく,ますますもつて反対し,イエスと彼の御国に敵対する狡賢い謀り事を互いにいたします。彼らはそうするであろうということは,昔しに予言されていました。『いかなれば,もろもろの国人はさわぎ立ち,民らはむなしきことを謀るや,地のもろもろの王はたちかまえ,群伯はともに議り,ヱホバとその受膏者とにさからう。』― 詩 2:1,2; 83:2,3。

6 現在の人間の事柄が,ヱホバ神の目的を乱すと考えるのはなぜ全然不合理なのですか?

6 この世の指導者たちは,全力を挙げ,熱狂して軍備競走に狂奔し,ハルマゲドンでの最終の戦いの時に,全能の神でさえ敗かすことができるかのようにしていますが,そのことは,なにも驚くにはあたらないものです。現在の早く動く,超音波ジエット,エンジン時代の速力狂信者たちは,ヱホバを追い越し,打ち勝ち,飛び勝ち,そして神の目的の達成に予定されている時間の計画をくつがえすことができると考えているようです。ああ! 彼らの智恵はなんと愚かなのでしよう! 彼らの良識は何と浅いのでしよう! 物質的な供給や,致命的な武器を彼らは貯蔵したとしても,それらは何と無益なものでしよう! 人間の最も強力な爆発であつても,普通の地震でひき起される力のごく僅かな少しのものに等しいものです。いままで発明された『原子爆弾』や『水素爆弾』でも,天候に影響を与えることすらできないということは,周知の事実です。核分裂のそのような冒険をするとしても,地球を地軸からゆり動かすなどということは,まずまずもつてあり得ないことです! それに,これら大きな花火の騒音も,ほんのごく数里のところで聞えるだけです。それでそれらの音がこの直接の天界の外では全然聞えないときに,それらの爆発が測り知れない高い天空を騒がすなどと考えるのは,なんと馬鹿らしいものでしよう! 社会的な争い,人種的な暴動,労働ストライキ,そして政治革命の泡立ち騒ぎは,いつも人類を苦しめていますが,それらのものは宇宙の至上支配者の目から見るとき,全く重大なものではありません。真実なことに,人間の新しい実験にしても,人間の移り変る空想にしても,またこの世紀の社会的な動揺の一つとして,大ヱホバ神の静けさと永遠さを乱してはいません。空中の蚊は,飛びまわつてうるさいでしようが,神によつて定められている正しい地球の回転には全く影響を及ぼすものではありません。千里も離れた遠いところで,二・三匹の蝗がぶんぶん音を立てたところで,あなたの平和を乱すこともありませんし,日常の生活の中で気にも留めないでしよう。まして,今日の高ぶり,自慢をする宣伝者たちがいろいろに騒ぎ立てようと,この世の領域外に住まわれる全能者の目的をどれ程にかき乱しているとあなたは思いますか? 全能者から見るとき,諸国民と地に住むすべての人は,『蝗のよう』であるということを記憶して下さい。―イザヤ 40:22。

7 ヱホバのどんな変らない目的は,現代の環境にあつても変ることなく存続しますか?

7 そうです。この合成の文明の条理知らずの批評家たちが,何を言い,何を行おうと,ヱホバの目的は,本当に変ることがありません。『我おのれの契約をやぶらず,己のくちびるより出でしことをかえじ。われ先にわが聖さを指して誓えり。われダビデに偽りを言わじ。その裔はとこしえに続き,その座位は日のごとくつねにわが前にあらん。また月のごとく永遠にたてられん。空にある証人はまことなり。』(詩 89:34-37)ヱホバがここで言われているのは,大いなるダビデについてですが,天使ガブリエルは後になつて彼について『あなた方は彼の名前をイエスを呼びなさい。』と示しています。『この者は,偉大な者で最高者の子と呼ばれるであろう。ヱホバ神は,父ダビデの座位を彼に与え,彼はヤコブの家の永遠の王となるであろう。彼の御国には終りがない。』(ルカ 1:31-33,新世)ヱホバはこの契約をなしとげるときに,別の目的をもなしとげます,というのは,ヱホバのかたい御意は,エジプトのような組織制度の代りに,正義で充ちる新しい世をもたらし,サタンに『その力』を見せることだからです。そして,このことが全く実現される前に,ヱホバは彼の言葉,御名,誉れを全地にひろめ,小なる者にも大なる者に対しても最終の警告といたします。そして,この目的もまた,現代の状況や,世界の事件の現在の風潮にあつても,決して変ることがありません。『御国のこの良いたよりは,すべての国民に対して証しをするために,全世界に伝道されるであろう。それから全き最後が来るのである。』― マタイ 24:14,新世。

8 ヱホバは,どのようにしてこの世の智恵を愚かなものとし,馬鹿らしいものにしていますか?

8 この世の智に富み,自惚れている人たちが,ヱホバの証者の伝道の仕事は全く実際的ではなく,愚かなものであると考えるとしても,それは何でしよう? 全智のヱホバは,その目的をなしとげ,この世の人々には最も馬鹿らしいと見える手段により,この世の賢人たちを恥かしめると言われています。『苦しみの杭についての話しは,亡んで行く者たちには愚かなことであるが,救われる私たちにとつて,それは神の力である。次のように聖書に書かれている通りである。「私は賢人の智恵を亡し,知識人の知識を覆す。」賢人は何処にいるのか? 学者は何処にいるのか? この世の組織制度の論者は何処にいるのか? 神は世の智恵を愚かにされたではないか? 実に神の智恵にあつて,この世はその知恵により,神を認めるに至らなかつた。神は伝道の愚かさによつて,信ずる者たちを救うのを良しとされた。』(コリント前 1:18-21,新世。イザヤ 29:14。エレミヤ 8:9)それで,そのようなすばらしい伝道の仕事に従事することは,非常に名誉なことです。その特権を持つ人々は,指導者であり指揮者であるキリスト,イエスと同じ考え方を持つています。彼はこう言いました。『天と地の主である父よ,私は公やけにあなたを讃美します。あなたは,これらのことを賢人や知者からは隠し,幼児たちに表し示されておられる。』― マタイ 11:25,新世。詩 8:2。

質問に対する答えは秘密ではない

9 ヱホバの証者の為に,誰が主たる証者ですか?

9 『伝道の愚かさに』熱心に従事しているこれらの今日の証者たちは,ヱホバによつて認められており,その聖なる御名を負うという権威を与えられています。それについては,疑いをさし挟む余地は全くありません。ヱホバ自身も次のように言われ,証言をされています。『あなた方は私の証者であり,私が選んだ僕であるとヱホバは言われる。……私の前につくられた神はおらず,私の後にもないであろう。ただ私のみ,私はヱホバである。私以外に救い主はいない。私は宣言し,救い,そして示してきた。……それで,あなた方は私の証者であり,私は神であるとヱホバは言われる。』『あなた方は,恐れて心配するな。私は昔しから宣言し,そして示して来なかつたか? あなた方は私の証者である。私以外に神はいるであろうか? 岩は一つとしてない。私は一つとしてあるのを知らない。』(イザヤ 43:10-12; 44:8,ア標)全世界の人々は,ヱホバの言葉から取られているその美しい名によつて,これらの人々を知つています。それで,その証言の目的について,全世界の人々に知らせなさい。

10 私たちの業について尋ねられたとき,私たちはなぜ真のことを答えるべきですか?

10 人々が,ヱホバの証者であるあなたに質問して,あなたが何をしているのか,あなたの証言の目的は何かと尋ねるとき,真のことを語りなさい。『ヱホバの憎まれるものに六つのものがある。そうです,彼の嫌悪するものには七つある。……(その一つは)嘘を言う偽りの証言である。』『偽りの証言をする者は,罰をうけるであろう。嘘を述べる者は,逃れることはない。……嘘を述べる者は亡びるであろう。』それですから,あなたの証言の目的を尋ねられた時,真のことをためらわず,また臆することなく語りなさい。シンゲン 6:16-19,ア標; 19:5,9,ア訳。

11,12 私たちは,商業的または競争をする理由のために,この業に従事しますか?

11 ヱホバの証者は,家から家へと行つて,お金を儲けているのではないかと,人々が尋ねるとき,そのことについての簡明な真理を語りなさい。イエスが弟子たちに『あなた方は無料で受けたのであるから,無料で与えなさい』と言つた言葉を語りなさい。(マタイ 10:8,新世)使徒ペテロが,兄弟たちにすすめて言つた次の言葉『神の群を牧いなさい……心から進んでするのであつて,恥ずべき利得のためにしてはならない。』を語りなさい。(ペテロ前 5:2,新世)パウロも同じく,神の忠実な僕は『責むべきところなく,金を愛する者でなく,……恥ずべき利得を貪る者でない』と述べていますが,その事を人々に語りなさい。(テモテ前 3:2,3,8,新世。テトス 1:7)ヱホバ神御自身の次のように言われている言葉を語りなさい。『ああ! 渇いている者は誰でも水のところに来なさい。金のない者は,来て買い,食しなさい! 来て,金なくして穀物を買い,価なくして葡萄酒と乳を買いなさい!』 水不足と栄養不足で悩むこの世の人々に対して,ヱホバの証者は,生命を与え,力づける霊的な食物をたしかに持つており,もし人々が受け入れるならば,その食物を与えております。神の貯えからくるそのようなすばらしい御準備は,量ることができない程多く,そして『価なしで』提供されるのです。『なぜに,食物でないもののために,金を費し,満足が得られないものに収入を費すのか?』 ヱホバはこの聖句で,はつきりと次のように尋ねているのです。キリスト教国の情無い指導者たちは,不健全なものを料理して,非常に高い値段で押しつけていますが,あなた方は,ヱホバの食卓で,豊かな生命を与える美味なものを思う存分召し上ることのできるときに,苦労して得た金をなぜそんなものに費すのですか?『あなた方は「ヱホバの食卓」と(同じ時に)悪鬼の食卓に与ることはできない。』― イザヤ 55:1,2,ア訳。コリント前 10:21,新世。

12 他の利己的な気持から出世をするという意図が,ヱホバの証者の活動の後ろにあつて,その活動を押し進める推進力になつているのではなかろうかと尋ねられるならば,また真理を語らねばなりません。競争は,悪魔の組織制度の中で大きな部分を占めていますが,神の制度の中では全くないものです。互いに競争し合うこと,自分の名前をひろめること,会衆の中で名声,評判,または目立つた地位を得ようとすることは,証言活動の後にある動機では全然ありません。不忠実なキリスト教国は,外見と人目に立つ業は大きなものであると強調し,こう言います。『主よ,主よ,私たちはあなたの名前にあつて多くの力ある仕事をなしとげませんでしたか?』 それに対して,主であるキリスト・イエスはこう答えられます。『私はあなた方を全然知らない。あなた方不法の行いをする者,私から離れなさい。』(マタイ 7:22,23,新世)そうです,業だけでは,要求にかないません。信仰が最初に来て,業は信仰の結果の表われとして続いて来ます。なぜならば,『信仰は,業がないならば,死んでいるものである。』(ヤコブ 2:17,新世)使徒パウロが次のように書いたとき,彼は正しいところに強調を置いていました。つまり,人間個人や彼個人の努力または業績に強調を置かず,神に強調を置いていました。『神は私たちを救い,聖なる召しをもつて呼ばれているのであるが,それは私たちの業によるのではなく,神ご自身の目的と恵みある御親切によるのである。』― テモテ後 1:9,新世。

13 私たちは,にぎやかな通りや市場でなぜ御国の音信を示しますか?

13 ヱホバの証者が街頭やにぎやかな交叉点などに立つて,御国の音信を公やけに示しているとき,その目的と動機は何ですか? キリスト教国の偽善者たちは,『会堂や大道の角で立つて祈り,人々に見られたいと欲して』いますが,ヱホバの証者は,彼らのすることをしていないのは確かなことです。ヱホバの証者は,その名前の示すように『証者』です。それで,証者でありますので,法廷での証人と同じように,証言を聞く者たちの前に是非とも表われねばなりません。つまり,ヱホバの証者は,『全世界に天使にも,人間にも見せものになる。』また『そしりや,苦しみに対して見せものにさらされている。』(コリント前 4:9。ヘブル 10:33,新世)ヱホバの証者の公共の活動は,一般公共の認知と注意を要求するという大きな自我を持つているからではなく,また殉教者になつて暴徒に襲われるか,または広場の杭にかけられ火で燃やされたいなどの熱狂的な願いを持つているからではありません。昔しのネヘミヤとその仲間の者たちは,エルサレムの崩れ落ちた石垣を再建しましたが,しかし彼らは敵たちが「彼らを笑い,嘲り侮る」のを聞きたいという願いを持つていませんでした。ネヘミヤの場合に,嘲笑者サンバラテやその同僚の者たちにも拘わらず,ネヘミヤは仕事を押し進めて行きましたが,それはヱホバに対する彼の至上の愛と,清い崇拝が国の中で再び守られるのを見たいという強い燃えるような願によつたのです。(ネヘミヤ 2:17-20)今日でも,ヱホバの証者はヱホバと彼の正義の崇拝にネヘミヤと同じく献身していますので,行いをいたします。『キリスト・イエスにあつて,敬虔な気持ちで生活しようと願うすべての者は,迫害される』との事実にもかかわらず,ヱホバの証者は活動いたします。―テモテ後 3:12,新世。

14,15 全国家の政府の役人は,なぜヱホバの証者やその神により任命された活動に対して恐れる理由はありませんか?

14 植民地の政府や,責任ある地位についている他の役人たちが,ヱホバの証者の仕事は暴動か破壊のものであるかどうかを知りたいと欲するならば,偽りのない真理を語りなさい。キリスト・イエスは,弟子たちに教えて,『あなたの御国が来る』ようにヱホバ神に祈れと言いましたが,イエスは全然暴動を起したものではなかつたのであると語りなさい。同じく,イエスの足跡に従う者たちが,御国はいま目前にあると全世界に告げているにしても,暴動のものではないと語りなさい。(マタイ 6:10,新世)神の清い言葉である聖書に述べられている真理を語り,そしてこの時代の者たちにさし迫つているハルマゲドンの亡びの警告を与えるとしても,それは全然暴動ではありません。それは,愛と恵みの気持から言われる生命を救う音信です。『真の証言は生命を救うが,嘘を言う者は生命を亡す。』(シンゲン 14:25,ア訳)ノアは同じように熱心に働き,その時代の者たちに同じような警告の音信を伝道しました。それで,『彼の家族は救われる結果になつたのです。(ヘブル 11:7,新世)その時のノアの宣明は,暴動のものではありませんでした。その時の悪い組織制度を覆して洗いさり,すつかりなくしてしまつたのは,ノアの音信ではありません。反対者たちにそのような亡びをもたらしたのは,警告の終結した後に示されたヱホバの至上の力の恐ろしい表れでした。それで,現在ヱホバの証者の述べる音信は,神を愛するすべての人によつて深く感謝されていますが,悪い者たちの耳には熱いものでしよう。しかし,その熱さは,後に来る火,すなわち,ハルマゲドンの時にこの世を焼きつくす「ヱホバのねたみと怒りの火」とは到底くらべることのできないものです。―ゼパニヤ 3:8。ペテロ後 3:7。

15 ヱホバは,改革できないものを改革するとは,申していませんが,同じくヱホバの証者もやはり申していません。ヱホバはこの不正で悪い時代を正しく直そうとは努めていませんが,ヱホバの証者もやはりそうしていません。この古い制度は,神により処罰せられており,全き亡びに運命づけられているものです。初代クリスチャンが『世を乱した』という非難は,もちろん全然偽りです。(使行 17:6)同じように,今日でも同じ非難がヱホバの証者とその福音の活動に対して向けられています。ヱホバの証者が主である神から受けている割り当ての仕事は,ただすべての人,支配者たちにも,また支配をうける人たちにも,ハルマゲドンのさし迫つている大変動を警告することです。それは,願う者たちが皆安全についてのヱホバの御準備をいま利用することのできるためです。―エレミヤ 1:17-19。エゼキエル 3:10,11; 33:7-9。

何がなしとげられますか?

16 (イ)ヱホバの証者は,全世界の善意者にどんな祝福と益をもたらしていますか?(ロ)しかし,結果としてどんな分離が起つていますか?

16 ヱホバの証者の仕事は,暴動的で,国家内の平和を乱すことではなく,または国民のあいだに叛乱を煽ぐというものではなく,それとは全然反対の効果をあげているものです。ヱホバの証者が今為している神の神権政府についての重大な発表は,真の満足と心の平和を伴う安心を与えるものです。この幸福な音信は,現在の憎むべき状態のために歎き悲しむ人々を静め,落ち着けさせます。その音信は,勇気を失つて,元気なく弱つている者たちをシッカリと落ち着かせ,力を与えます。その音信は,心の目の見えない人に,視力と知覚力をもたらします。それは,霊的につんぼな人々の耳を開きます。それは,希望の無い人々に希望を与えます。それは,霊的な点からみて生命のない人々に,生命を与えます。もちろん,すべての人は,このようにすばらしい音信の宣明をうけいれません。悪魔の霊とこの古い世の霊を持つ人々は,丁度昔しに大洪水,ソドムとゴモラ,そして紅海の災害で亡びた人々と同じく,その音信を憎み嫌います。それで,御国の音信を現在出版して配布するために,主の前の立場によつて人々は分けられています。つまり正しいものを愛する者と不法の行いをする者とを分けることであり,羊と山羊を分けることです。すべてのことは,『御意のままの方法に従い,すべてのことをなされる方の目的に』よるのです。―エペソ 1:11,新世。マタイ 25:31-33。

17 ヱホバの証者の最大の関心,目標,目的は何ですか? それで,すべての人は何をするよう呼びかけられていますか?

17 前に述べた結果は,人類にとつて最も重大なもののように見えるかも知れませんが,ヱホバの証者はさらに,宇宙的なもので,より大きな重要性をもつ結果をなしとげています。ヱホバの証者は,至上主権の宇宙的論争の解決に一番の関心を持つています。それはヱホバを立証し,そして悪魔とその手下共によつて長いあいだ汚され,非難されてきたヱホバの聖い言葉と聖なる御名を明らかに立証することです。ヱホバは唯一つの真の生きている神です。ヱホバのみが生命と祝福の源であり,あらゆる面で匹敵し得るもののない神であります。ヱホバは人間が十分に了解し理解し得る以上に賢明な方であられます。ヱホバは,論議することも否定することも全くできないほど公正な方であられます。ヱホバは,反抗することも抑えることも全くできない程に力を持つておられます。ヱホバは十二分に量り,認識することができないほどの愛です。そうです,ヱホバは最高の宇宙主権者です! これらの事実は,地の果てまで宣べ伝えられねばなりません。『私たちの神全能者ヱホバは,王として支配し始められた。私たちはよろこび楽しもう,そして神にさかえを捧げよう。』(黙示 19:6,7,新世)ヱホバは,その油注ぎし王を天の栄光の御座につけ,すべての言語と種族の国民は,跪いて彼に服従するよう命じています。幾千年ものあいだにわたるサタンの圧迫的な,また殺人的な支配の後にあつて,これらの事実はたしかに良いたよりです。それですから,正義を愛し,不正を憎むすべての人を証者の合唱に加らせ,ヱホバへの讃美を叫ばせましよう!

18 いま実際には,多くの人が考えているよりも時はなぜ遅いのですか?

18 いまは一時として時を無駄に過すべきではありません。これは最も緊急な音信です。サタンとその組織制度は,『異邦人の時』が1914年に終り,キリスト・イエスがその時地の正しい支配者として即位したことを認めようとはしません。しかし,彼らに対して時は急速に終りつつあります。私たちは,『この時代』の中にいて,すでに40年も経つています。その時代とは,あの重大な年1914年を目撃し,ハルマゲドンを経験するよう運命づけられている時代です。(マタイ 23:36; 24:34)最後の戦争は,神の暦の上では定められた日時であつて,ヱホバの他の目的がみな起きたように必らず起るに違いないものです。『天が下の万の事には期あり。万の業には時あり。』『万の業には時あり,裁きあり。』(伝道之書 3:1,17; 8:6)実際に,いまは多くの人の考えているよりも,時はずつと遅いのです!

19 エデンで起つた反逆は,パラダイスの地を完全な人間で充たすというヱホバの目的を駄目にせず,変えず,または後らせなかつたということを証明しなさい。

19 ハルマゲドンの破滅の嵐が過ぎさると,忠実と従順な人間で地を充たすというヱホバの最初の目的は成就し始めます。その目的の完成は,後れることなく,創造者の定められた時の期限内に達成されます。ヱホバは第六の創造の日までに,アダムとエバに神命を与え,彼らのような完全な人間が殖えて,地に充たすようにと言われました。ヱホバはそれから,『第七日に,創造されたすべての仕事から休まれた。』(創世 2:2,3,新世; 1:28)それで,ヱホバの7000年に亙る安息の終りには,キリスト・イエスの1000年統治によつてヱホバの目的は達成されるでしよう。a パラダイスの地は,その時までに全く美しく完全となり,極限にまで拡大する新しい世の社会の成員たちですつかり充たされるでしよう。このようにして,キリストはその統治をするあいだに,エデンの反逆のケルブがなし得なかつたことを達成するでしよう。そうです,エデンで始まつた6000年の反逆はヱホバの最初の目的をほんの少しでも駄目にしたとか,変えたとか,または後らしたということはありません!

20 それで,これらの事実を直視するとき,私たちは是非とも何をしなければなりませんか?

20 私たちが生活しているこの最大な時期を考えてみるとき,いまはヱホバの忠実な証者であるあなた方が手を弛める時ではありません。あなた方には,神の任務があり,区域の割り当てがあり,そしてあなた方は自分の目的を知つており,また最高の神の後押しがあります。「ヱホバは,目的を保ち守り,栄えよ,栄えよと言われる。」(イザヤ 26:3,ロザハム訳)それですから,行きなさい! 神の設立した御国を宣べ伝え,御国こそ永遠の平和に対する人間の唯一つの希望であるとひろめなさい! 行きなさい,そして『組織制度の全き終りまであなた方と常にいる』御方に全き信頼を置いてすべての国民を弟子といたしなさい。(マタイ 28:20,新世)行きなさい,『心柔しい人たちに良いおとずれを伝道しなさい。』行きなさい,『心悩める人たちをいたわりなさい。』行きなさい,『捕われ人に自由を宣べなさい。』行きなさい『歎くすべての人たちを慰めなさい。』そして,あなた方がそうする時,『私たちの神の復讐の日』を宣べ伝えるのに,決して避け隠れたり恐れを示してはなりません。止めることなしに行き続けなさい。悪魔の制度が荒廃し,その制度内に住む者が一人として居なくなるまで,家から家に,街頭でまた人々の家庭で,このよろこびに充ちた幸福なたよりを伝道し続けなさい。『あなたの宣教を全うしなさい。』そしてヱホバの御霊,恵み,祝福,そして繁栄はあなた方とあなた方の業の上に注ぎ続けるということを決して忘れてはなりません! ―イザヤ 61:1,2。テモテ後 4:5,新世。イザヤ 6:11,12。ルカ 4:18。

[脚注]

a 各創造の日の長さは,7000年の長さでした。『新しい天と新しい地』(英文)40-43ページを見なさい。

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