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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1958
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なぜ神の御意国際大会は決議したか

『彼らは大声を挙げてヱホバに誓を立てた。』― 歴代志略下 15:14,新世。

1 なぜ一つの国民全体が,神を恐れて忠実な決議をすることは良いことですか。

一つの国民全体が,神を恐れて忠実な決議をすることは良いことです。正しい努力をしている国民全部を一致させるために,これに勝るものは他にありません。それは全国民に永続の益をもたらし,神に誉と称賛を帰するものです。人間と人間の地的な住居を創造した神は,そのような国家的な行いを無視いたしません。神はその国民を祝福して保護を与え,また敬虔な決議を保とうとするその国民に必要な援助を与えることにより,御自分の是認を示します。

2 そのような国家的な行いは,ずつと以前の何時おこなわれましたか。そして,どんな奇跡的な勝利の後におこなわれましたか。

2 そのような国家的な行いは,ずつと昔になされて,今日の私たちに対する良い模範となつています。それはエルサレムの王アサの統治第15年目,すなわちキリスト前10世紀のむかしに行われました。100万人の戦士をひきいたエチオピヤ人ゼラは,エジプトを通つて進撃し,ユダの王国を滅ぼそうとしました。その危険な時にアサ王は,アブラハム,イサク,ヤコブの神ヱホバに叫び求めました。アサの言葉は聞き入れられ,エルサレムにあつたヱホバの国に敵対した者共は,滅ぼされてしまつたのです。

3 アサ王が勝利を得て戻つて来たとき,どんな保証が彼に与えられましたか,その後,国民はヱホバの宮でどんな決議をいたしましたか。

3 この奇跡的な勝利からアサ王が戻つて来ると,予言者アザリヤはアサ王に会い,次のような再保証の言葉を語りました,『なんじらがヱホバと偕におる間はヱホバも汝らとともにいますべし,なんじらもし彼を求めなば,彼に会わん。されど彼を棄てなば,彼も汝らを棄て給わん。……されば汝ら強かれよ。汝らの手を弱くする勿れ,汝らの行為には賞賜あるべければなり。』この力づよい励ましを受けたアサ王は,ヱホバの油注がれた王アサに忠実に仕えたすべてのイスラエル人をエルサレムのヱホバの宮に集めました。集まつた国民は彼らの神であるヱホバに犠牲を捧げ,それから,一致した決議をつくりました。このことについては,聖書にこう書かれています,『みな契約を結びて曰く,心をつくし,精神をつくして,先祖の神ヱホバを求めん。すべてイスラエルの神ヱホバを求めざる者は大小男女の区別なくこれを殺さんと。しかして大声を挙げ,よばわりをなしラッパを吹き角を鳴らしてヱホバに誓を立て,ユダみなその誓を喜べり。すなわち彼ら一心をもて誓を立て,一念にヱホバを求めたれば,ヱホバこれに遇い,四方においてこれに安息をたまえり。』― 歴代志略下 15:2-15。

4 今日のヱホバの証者は,どんな種類の犠牲を捧げていますか。1958年のニューヨーク市における国際大会の第6日目には,どんな特別顕著な事柄が提出されましたか。

4 この誓の決議に加わつたイスラエル人の数は,幾十万というものであつたにちがいありません。1日の中に彼らは700匹の牛と7000匹の羊を捧げたということから分ります。今日,霊的イスラエルの新しい国民の残れる者は,同じ神に賛美の犠牲とクリスチャンの業という犠牲を捧げています。神を崇拝するこの霊的な残れる者には,幾十万人という羊のごとき善意者が地の各地から参加しています。過ぐる7月27日から8月3日までのあいだヱホバの証者の代表者たちは,ニューヨーク市のヤンキー野球場と近くのポロ野球場の内部およびその周辺に集まりました。第6日目にあたる8月1日,金曜日のプログラムの午後の部には,ものみの塔聖書冊子協会の副会長による『なぜこの大会は決議すべきか』と題する講演があり,それに直ぐつづいて同協会の会長は『この大会は決議する』を提出しました。その日の特別顕著なこの部は,午後1時30分にポロ野球場内および周辺にいた聴衆に提出され,午後3時30分にはヤンキー野球場内および周辺にいた更に大きな聴衆に向つてなされました。副会長は紹介の言葉として次のように語りました。

なぜこの大会は決議すべきか

5 その大会に集まつたクリスチャン証者の数については,何と言うことができますか。

5 ニューョーク市内のヤンキー野球場とポロ野球場にて行われたヱホバの証者のこの神の御意国際大会のごとく,かくも多数のヱホバのクリスチャン証者たちが一時に参集したことは今までに一度もないことでした。

6 なぜそれは単なる国際大会ではありませんでしたか。彼らが互いに一致の中に集まつたことは,どんなかたい基礎にもとづいていましたか。

6 これは単なる国際大会ではありません。それは又人種種族大会でもあります。というのは私たちの住む123の国々や島々で代表されているごとく,私たちは多数の国々から来ただけでなく,またエノクの子メトセラの子ラメクの子であるノアという共通な先祖から派生している人間家族の3つの大きな支族から来ているのです。(歴代志略上 1:3,4)全くのところこれはクリスチャン人間家族大会です。私たちの顔かたちはちがい,私たちの語る言語はちがいますが,しかし私たちはみな一つの肉であつて,ひとりの神によつて創造され,一つのあがないの犠牲,神の子イエス・キリストによつてあがなわれる者です。さらに,私たちがこのように一緒に集まつているのは,私たちが生まれながらに一つの肉であるという理由によるのでなく,むしろ私たちが一つのクリスチャン人格を持つているからです。使徒パウロは次のように述べています,『そこには,もはやギリシャ人とユダヤ人,割礼と無割礼未開の人,スクテヤ人,奴隷,自由人の差別はない。キリストがすべてであり,すべてのものの中にいますのである。』(コロサイ 3:10,11,新口)それですから,私たちの大会は,イザヤの語つたヱホバの預言を大規模に表明しているのです。

7 その大会は,どんな預言の成就を大規模に表明したものですか。

7 『すえの日にヱホバの家の山はもろもろの山のいただきにかたく立ち,もろもろの嶺よりもたかくあがり,すべての国は流れのごとくこれにつかん。多くの民行きて相語り言わん。いざわれらヱホバの山に登り,ヤコブの神の家に行かん。神われらにその道を教え給わん。われらその路を歩むべしと。……かくて彼らはその剣を打ち変えて鋤となし,その槍を打ちかえて鎌となし,国は国にむかいて剣をあげず,戦いのことを再びまなばざるべし。』― イザヤ 2:2-4。

8 非常に多くの場所から,かくも多くの数で集まつたということについて,なぜ大会出席者は誇りを感ずべきではありませんか。

8 1958年のこの真夏における世界状態というものから照らし合わせて見るとき,私たちがいろいろの旅行方法により,巨額な費用を払つて地の四隅からこの神の御意大会に出席し得たことは極めて大きな事柄です。私たちはそのことを自慢すべきではありません。全能の神がそれを達成せしめられたのです。全能の神は最も食欲をそそる霊的な御馳走を設けられ,私たちはそれを楽しんでいるのです。そして神は,地上にある御自分の制度を通して愛に満ちる招待を私たちに差しのべられました。神は私たちのすべてがここに来る方法を与えられました。私たちがここに来る途中,神は私たちを守つて保護しました。そして神は現在でもこの大会にいる私たちを保護しています。神は他に類のないこのすばらしい大会に私たちをみちびきました。私たちはこのことにつき神に心からの感謝を捧げます。すべての誉は神に捧げられます!『万軍の主は仰せられる。これは権勢によらず,能力によらず,私の霊によるのである。』(ゼカリヤ 4:6,新口)このことに私たちは心から同意します!

9 各地からかくも多くの数で互に集まつたことにより,彼らにはどんな機会が与えられましたか。

9 神の御意と神の摂理にしたがつて私たちが一緒にいることにより,私たちには非常な機会が与えられています。私たちが全世界の多くの場所から,かくも多数で参集したことによつて,一つの群として次の事実を強く言明することは極めて適当なものとなります。すなわち,私たちは神のひとつの御霊を持ち,『ヱホバの教えを受けて』一致した知識と理解を持ち,かつ神の聖なる御名ヱホバによつて呼ばれ,一致した神権制度として神の一つの御意を行う私たちの決意が強められ強固にされたと言明することです。

10 彼らはどんな勇気と熱心さを以つて互いに集まりましたか。その日,何をするのが最も適当な時であると彼らは見出しましたか。

10 神にしたがい,イエス・キリストに倣つて洗礼を受けた私たちは,みな神の御意を行うために神に献身しています。この大会の主題は神の御意というものである為,ここに来た私たちは神の御意に直面することを恐れて居らず,また神の御意が更に啓示されることに面しても恐れていません。私たちは神の御意を一層学びたいと強く欲します。私たちはここで神の御意を行う私たちの決意を更新しようと努めます,かくして私たちの誓を全うし,神の御意を忠実に行つて神の御心をよろこばす為です。神の御意が何であるかについては,キリスト教国の中でも,また全世界中においても大きな混乱が存在しています。また,地上のあらゆる場所には羊のような人々が多数いるということも私たちは知つています。それらの人々は,神の御意が何であるかを学び,御意を行つて自分の生涯の目的を果そうと欲しているのです。それですから,この大会は神の御意が何であるかということについて或る言明文を出すのにいちばん適当な場合であるだけでなく,私たち自身がその御意を行いつづけると共に,善意者をも助けて御意を行わせる私たちの決意を言い表わすいちばん適当な場合でもあります。

11 地上に存在する状態を述べることは,なぜ必要でありませんでしたか。ずつと昔にパウロは,そのことをテモテにどう述べましたか。

11 世界の新聞,雑誌,ラジオの放送は,現在に起りつつある事柄や,キリスト教国と地上の他の場所に存在している歎かわしい状態を述べています。もはや良く知られている事柄について詳細に述べる必要はありません。いまから19世紀むかし,私たちのクリスチャン兄弟なる使徒パウロは,地上のあらゆる場所から集まつた私たちの目撃している状態について,前もつて見こし次のように書きました,『終りの時には,苦難の時代が来る。その時,人々は自分を愛する者,金を愛する者,大言壮語する者,高慢な者,神をそしる者,親に逆らう者,恩を知らぬ者,神聖を汚す者,無情な者,融和しない者,そしる者,無節制な者,粗暴な者,善を好まない者,裏切り者,乱暴者,高言をする者,神よりも快楽を愛する者,信心深い様子をしながらその実を捨てる者となるであろう。……いつたいキリスト・イエスにあつて信心深く生きようとする者は,みな,迫害を受ける。悪人と詐欺師とは人を惑わし人に惑わされて,悪から悪へと落ちていく。』― テモテ後 3:1-5,12,13,新口。

12 世界状態の根本原因は何であると述べられましたか。なぜ特定の級は,世界の状態に対して最も重い責任を持つと指摘されましたか。

12 この事態には根本の原因があります。すこしのためらいもなしに,この犯罪,堕落,憎しみ,争い,偏見,共産主義,狂気のごとき混乱のすべての根本原因は悪い宗教,偽わりの宗教と私たちは言明します。この偽りの宗教の背後には,人間の見えざる敵サタン悪魔がいるのです。この世界の状態に対していちばんの責任を持つ人々は,宗教的な教職者や指導者です。そして,それらの中でももつとも重い責を負う者たちは,キリスト教国の宗教牧師たちです。彼らは神の御霊の霊感を受けた聖なる本,聖書を持つています。その宗教制度に入つている会員は,刻苦して得た金を払つて,宗教牧師たちが聖書を研究し,そしてその中に述べられている神の御意と目的を伝道するものと信じています。キリスト教国の牧師は自分の会衆の者たちからうやうやしい尊敬を受けています。会衆の者たちは牧師が聖書の真理を教え,聖書の教え通りに生活してイエス・キリストに倣うと信頼しているのです。牧師たちの従うべき模範として使徒パウロはこう述べました,『私がキリストにならう者であるように,あなた方も私にならう者になりなさい。』(コリント前 11:1,新口)幾十万人というキリスト教国の牧師がパウロの教えるごとく行つたならば,彼らはなんという力を発揮したことでしよう! かくして世界を支配するキリスト教国が今日のような重大な状態に入ることは食い止められたことでしよう。また,2つの世界大戦や,原子,水素爆弾の発展を強いた大危機を阻止するのにどれ程効果的なことだつたでしよう!

13 キリスト教国の牧師について,そのような批評をしてもなぜ不当なものではありませんか。なぜ彼らは,キリスト教国の牧師について語らねばならないのですか。

13 そのような批判をすることは不当なものですか。ヱホバの予言者エレミヤが当時に存在していた類似の状態について感じたのと同じように私たちも感じ,そしてその感じた通りのことを表現するのは悪いことですか。そうとは信じません。エルサレムとその宮なる神の家が滅ぼされるすこし前にエレミヤは次のように言いました,『予言者たちのために我心は我がうちにやぶれ,わが骨はみな震う。かつヱホバとその聖き言葉のために我は酔える人のごとく,酒に勝たるる人のごとし。この地は姦淫をなすものみち,地は呪によりて憂え,荒野の草は枯る。彼らの道は悪しく,その力は正しからず』それからエレミヤの傷心の言葉について神は次の註をつけ加えています,『預言者と祭司は共に邪悪なり。われ我が家においてする彼らの悪を見たりとヱホバ言い給う。』(エレミヤ 23:9-11)第一次世界大戦以来のこの年月のあいだ,キリスト教国の神に対する関係は,丁度エレミヤの時代のイスラエルの場合と同様です。たしかに,キリスト教国はエレミヤの目撃したエルサレムとその宮の滅びよりもはるかに恐ろしい徹底的な滅びに面しています。エレミヤが神の御名によつて呼ばれたと言つているごとく,(エレミヤ 15:16)私たちクリスチャンは神の御名によつて呼ばれている故に,またエレミヤのごとく私たちもヱホバの証者である故に,私たちはイスラエルの預言者や祭司によつて予表されているキリスト教国の指導者たちについて語らねばなりません。

14,15 エレミヤはどんな言葉を述べることにより,国家の堕落した状態に責任を持つ者を指摘しましたか。

14 神の霊感を受けていたエレミヤは,宗教指導者達こそ,国家に腐敗をたてしめ,そして恐ろしい破滅に面せしめた責任者であると指摘しました。

15 『この故に万軍のヱホバ預言者につきてかく言い給う。視よわれ茵蔯をこれに食わせ,毒水をこれに飲せん。そは邪悪エルサレムの預言者よりいでてこの全地に及べばなり。予言者はわが遣さざるに走り,我が告げざるに預言せり。彼らもし我が議会に立ちしならば我が民にわが言葉を聞かしめて之をその悪しき途とその悪しき行に離れしめならん。』― エレミヤ 23:15,21,22。

16,17 同様に,なぜキリスト教国の牧師は,今日の人々の悪に対して責任を持つているのですか。

16 カトリックでも新教でも,キリスト教国の牧師は聖書を持つており,また聖書を研究する時間や,聖書を伝道する説教壇を持つています。ヱホバがエレミヤに告げたごとく,もし今日の宗教預言者たちがヱホバの議会に立ち忠実にして慧き僕としてヱホバと密接な関係を持つたなら,キリスト教国の人々をして神御自身の言葉を聞かしめたでしよう。そして,今日のこの悲惨な状態にみちびいた悪い道から人々を離させたことでしよう。

17 ところが,キリスト教国の牧師は神の御言葉を捨てました,そして人々に神の言葉を捨てさせ,この世の哲学や証明のされていない科学的な理論に頼らせました。その結果,人々は悪の行いをなしつづけ,ますます悪化しているのです。

18,19 ひとりの牧師は,最近『ザ・ルーターラン』の中で,聖書と教会に対する人々の態度を,どのように述べましたか。牧師は,どんな『非常な可能性』をつかもうとしないのですか。

18 最近,『ザ・ルーターラン』(英文)という宗教出版物の中で,ひとりの牧師は,アメリカにおける教会出席者の増加について次のように言いました。『信仰の来るべき潮』は『福音を包含』せず,また『教会を捨て』なかつたというのです。別の言葉で言えば,これらの教会出席者たちは聖書を受け入れていないが,また聖書を捨てたキリスト教国の宗教制度をも捨てていないということです。これは『非常な可能性の時』であると,同じ牧師は述べていました。―1958年6月14日,ニューヨーク・ワールド・テレグラム・アンド・サン(英文)

19 しかし,牧師は人々に神の言葉を聞かしめてその背教から離れさせ,神の新しい世における永遠の生命に人々の準備をなさしめません。それで,彼らはこれらの可能性をつかもうとしないのです。

20 なぜ世界の指導者は困惑していますか。この困惑の中にあつて,人間社会を導く為に何がある筈ですか。

20 まつたくのところ,いまこそイエス・キリストの予言したなやみの日です。世界の指導者たちは,山なす問題に直面し,強力な諸国家が協力を拒否することに直面し,また全人類が幾時代にも亙つて害をうける核戦争,弾導弾戦争,細菌戦争の危険に面している故に困惑してまよつています。彼らは国際的な泥土から抜け出る道を知らないのです(ルカ 21:25)全世界のこのような昏迷の中にも,人間社会をみちびく絶対の真理の音信は必ずある筈です。

21 今日すべての人々の中で,誰がその啓発を与える音信を持つべきですか。そして,なぜそうですか。

21 地上にいるすべての人々の中でも,クリスチャンと称する者たちはその音信を持つべきです。その音信は,キリスト教国を始め全国民をおおう暗黒にとざされているすべての人に光を与えることができます。『私は世の光である。私に従つて来る者は,やみの中を歩くことがなく,生命の光を持つであろう。』とイエスは言われています。また,イエスに忠実に従うクリスチャンに向つて,彼はこう言われました,『あなた方は世の光である。……あなた方の光を人々の前に輝かしなさい。』(ヨハネ 8:12。マタイ 5:14,16,新口)イエスの真実の弟子たちは,この悩みの時代にたいして啓発と救いを与えるただ一つの音信を持つであろうと彼は明確に語られました。それよりもずつと以前に,ヱホバ神は極めて重要な音信を御自分の崇拝者に与えると約束しました。

22 指導ということについては,牧師はどのように行いますか。ニューヨークの大僧正副法院長の場合は,その事実をどのように示していますか。

22 しかし今でもなおキリスト教国の牧師たちは,今日の人類に対する音信を持つていません。彼らはおじ惑い眩惑してよろめき歩く政治家の指導に頼り,彼らはその後にしたがつているのです。そして教会内で道徳的な支持や宗教的な支持を政治家たちに与えます。政治家たちが国際連盟を提唱すると,牧師たちはそれに賛成します。政治家たちが国際連合制度を提唱すると,牧師たちはそれこそただ一つの希望であると支持し,全人類はそれを支持しなければならぬ,さもなければすべては失われると言います。国際連合の10周年記念の際,ここニューヨーク市では,『国際連合のすべての討議の上に神のみちびき』を願う祈りが聖パトリック大伽藍で捧げられました。説教をしたトーマス・エイ・ドネラン猊下は次のように語りました(1955年10月31日のニューヨーク・タイムス紙から引用)『「不完全,拒否権,妨害反対者の戦術」にもかかわらず,国際連合は「人間的に言つて,国際平和に対する最後にして最善の希望である」ドネラン猊下は,ニューヨーク,ローマカトリック大僧正副法院長である。』

23 ニューヨークの長老派に属する一人の牧師は,それと同じ事実を1952年にどのようにあらわしましたか。

23 それよりも以前に,この同じ都市で,しかも同じ調子の中に長老派教会の牧師ジェー・エス・ボンネル博士は,イエスの山上の垂訓中の言葉『平和をつくり出す人たちは,さいわいである』を使つて,聴衆にいた多数の国連代表者に向いこう語りました,『他の国民の諸問題を理解するために,生命を献げているあなた方国際連合の人々は祝福されている。』1952年4月21日のニューヨーク・タイムス紙の報告は,次のような節でもつて報告を閉じていました。『世界の諸国民の国際連合が世界平和に対する最善最高の希望なることを認めねばならぬ,とその牧師は論じていた。そして若し世界の大強国によつて再三再四そらされるなら,国際連合制度は存在し得ないと主張した。』

24 10年前,法王ピオ12世は国連に対するキリスト教国の態度をどのように典型的に示しましたか。

24 いまから10年前に,法王ピオ12世は国連に対するキリスト教国の態度を典型的に示しました。そして『来る総会には永久の平和と安全の諸問題を解決する為にあらん限りの努力を傾倒するよう』成員の諸国家に訴えました。さらにこう語りました,『歴史上の危険な分岐点に集まつた人間の集まりが祈りの助けをいちばん必要とする時があるとすれば,それはこの国際連合の総会である。』― 1948年9月2日,ニューヨーク・タイムス紙。

25 牧師の態度と照らし合わせて見るとき,アレキサンダー・キャドガン卿のどんな言葉は,誰に向つて挑戦となりますか。

25 牧師たちのこの態度は,真実の聖書クリスチャンたちに挑戦をするものです。そのことはアレキサンダー・キャドガン卿の言葉の中に示されています。『或る人によつてより良い計画がつくられない限り,国際連合は救いの唯一つの道である。』いまにいたるまでキリスト教国の牧師は,より良い計画をつくり出していません。

26,27 牧師が『すぐれた計画』を持つことに失敗したことは,神がすぐれたものを持つていないという意味ですか。エレミヤはどんな言葉を語ることにより,牧師たちが人々を導く音信を持つていない理由を示していますか。

26 この世界の人々にとつては,牧師はキリスト教の神を代表するものです。牧師たちは『より良い計画』という明白な音信を持つ事に失敗しています。すると神は国際連合よりも勝れたものを持つていないということになりますか。そのように考えることは,ヱホバ神に対する侮辱であります。それでは,特別な宗教的な衣服を着かざつて信心深い振りをなし,神を代表すると称する有給の牧師たちが,人々を一致,平和,そして生命にみちびく音信を持つていないのはなぜですか。預言者エレミヤはその理由を示して,こう語つています。

27 『万軍のヱホバかく言いたまう。なんじらに預言する預言者の言葉を聴くなかれ。彼らはなんじらを欺き,ヱホバの口より出でざる己が心の黙示を語るなり。つねに彼らは我をかろんずる者にむかいなんじら平安を得んとヱホバ言い給えりと言い……彼らはその先祖がバアルによりて我名を忘れしごとく,互に夢をかたりて我が民にわが名を忘れしめんと思うや。夢を見し預言者は夢を語るべし。我が言葉を受けし者は誠実をもて我が言葉を語るべし。』『故に視よ,われ我言葉を互にぬすめる預言者の敵となると,ヱホバ言いたもう。』『ヱホバいい給いけるは視よ,我いつわりの夢を預言する者の敵となる。彼らはこれを語り,又そのいつわりとその誇りをもて我が民を惑わす。われ彼らをつかわさず,彼らに命ぜざるなり。故に彼らはこの民に益なしとヱホバ言い給う。』― エレミヤ 23:16,17,27,28,30,32。

28,29 (イ)神がそれらの牧師を遣わしたのであるなら,彼らは何を持つており,何をしているでしようか。(ロ)彼らは,主の祈りの最初の部分を,どのように破つていますが。それで,彼らに対するヱホバの立場は何ですか。

28 ヱホバ神がキリストをしてこれらの牧師たちをつかわしたというのであるなら,彼らはキリストの音信を持ちキリストのいましめに従つてその音信を伝道していたはずです。彼らは,この世の政治家たちの計画と一致している自分たちの心の夢を伝道していないはずです。彼らはヱホバの言葉をお互いからも,また教区民からも盗むようなことをしないでしよう。むしろ,彼らは神の言葉を真実に語り,私たちの時代についての聖書の言葉を人々に教育することにより,神の御言葉を持つていると証明するでしよう。

29 彼らは又お互いどうしで語り合う自分たちの夢により,神の民をして神の聖なる御名を忘れさせるようなことをしないでしよう。彼らは神の聖なる御名ヱホバで呼ばれることを拒絶します。彼らはヱホバの証者と称することを拒絶します。最初の殉教者アベルの時以来ヱホバは御自分の証者たちを有しておられました。同じく,現在のもつとも危険な時にあつてもヱホバは証者たちを地上に有して居られるのです。しかし,牧師たちはその事実について支持をすこしも与えず,現代の聖書翻訳からヱホバという神の御名を取りのぞこうと意識的につとめています。その例と行いからも示されるように,真のクリスチャンはイエス・キリスト御自身がヱホバ神の証者であつたと同じく,証者でなければならないということを彼らは否定しています。彼らは主の祈りをいたしますが,しかし『天にいます我らの父よ,御名をきよめさせ給え』という祈りの最初の部分に反対の行いをしているのです。(マタイ 6:9,欽定訳)神の御名が軽んぜられて悪く代表されているというこの重大な理由のために,神はこれらの預言者 ― 伝道者に敵対していると語られているのです。そのわけで,それらの預言者に耳を傾けてはならないと神は告げられているのです。彼らは人類の益にもならず,キリスト教国の益にも決してならないのです。

証言と集めることの業

30 イエスは弟子たちから別れる時どんな任務を彼らに与えましたか。この任務を成し遂げるために,牧師は幾名の自称クリスチャンの支持を受けていますか。

30 弟子たちに対する別れの言葉の中で,イエスはこう言われました,『聖霊があなたがたにくだるとき,あなた方は力を受けて,……地の果てまで私の証人となるであろう。』(使行 1:8,新口)『その(イエスの)名によつて罪のゆるしを得させる悔改めが,エルサレムからはじまつて,もろもろの国民に宣べ伝えられる。あなた方は,これらの事の証人である。』(ルカ 24:47,48,新口)世界の宗教人口についての一番最新な統計と見積りによると,8億2000万人の自称クリスチャンたちはキリスト教国の牧師を支持しています。さて,今日の地上に住むすべての人に証言することは,最新の数字によると27億人に証言することです。たいへんな仕事だ!と或る人は叫びますか。そうではありません。数の面から見ると小さな仕事です。その仕事をする自称クリスチャンの数は8億2000万人もいるのです。クリスチャンは地のはてにいたるまで証者でなければならないとイエスは言われました。

31 キリスト教国の人々が世界的な証言をするためには,その各人に何が要求せられますか。それで,牧師たちの持つどんな可能性について,私たちはどのような質問をいたしますか。

31 27億人から8億2000万人を引いてごらんなさい。答えは18億8000万人です。さて,非クリスチャンである18億8000万人を,責任を課せられているクリスチャン証者8億2000万人で割つてごらんなさい。その答えは約2.4です。キリスト教国内にいるこのすべての証者が伝道すれば,世界的な証言をする為に一人は2.4人の非クリスチャンに伝道することが必要です。別の言葉で言えば,世界人口の3分の1を占めるキリスト教国の人々は,世界人口の3分の2を占める非クリスチャンに証言すれば良いのです。キリスト教国の牧師は,すばらしい可能性を持つていますか。良い羊飼であるイエス・キリストのように,8億2000万人の宗教的な群,羊のごとき人々を持つ牧師たちが全世界にわたる証言の運動を率先して行つたならばどうでしよう。今日,その結果はどうでしようか。

32 (イ)この世界的な証言ということについて,牧師はどのように率先して行くべきでしたか。(ロ)どの位の年月のあいだ彼らは可能性を持つていましたか。しかし,何が彼らの伝道と奉仕の型を示していますか。

32 この世界的な証言の業において,牧師はどのように指導すべきでしたか,私たちがその仕方を告げるべきではないでしよう。彼らはイエスの弟子すなわちイエスに倣う者たちと称しています。イエス自身の例は,その仕方を教師たちに告げています。彼は公けにも,また人々の家庭で伝道しました。彼はラジオを用いるとか,郵送される印刷物を用いるなどして,人の目に見えないような仕方で伝道はしなかつたのです。イエスは教会の建物を持つていませんでした。それですから,給料を払う人々にむかつて教会の建物で伝道するということもなかつたのです。使徒パウロは,『私がキリストにならう者であるように,あなたがたも私にならう者になりなさい。』(コリント前 11:1,新口)と語りました。パウロは,自分がどのようにイエスに倣い,証言の業を行つたかをキリスト教国の牧師に告げています。彼はこのように述べているのです,『(私は)あなた方の益になることは,公衆の前でも,また家々でも,すべてあますところなく話して聞かせ,また教え』(使行 20:20,新口)牧師はイエス・キリストと彼に従つたパウロに倣つていますか。給料を払う会衆に対して教会の建物の中で公けの伝道はすこしだけしています。しかし,家から家については如何ですか。彼らは羊飼のように,外に出かけて行き,イエスの為したごとく見失われた迷える羊を探し求めていますか。牧師たちのつくつた記録は,牧師たちの答になつています。彼らの伝道や証言の型の結果は,世界人口の3分の1を占めるこのキリスト教国内の答となつています。しかし,いまでも人類の3分の2を占める非クリスチャンの人々がいるのであつて,キリスト教国の牧師はそれらの人々に証言しなければならないのです。すくなくとも第4世紀のコンスタンチン皇帝の時以来,キリスト教国の牧師はいままで1600年という可能性,そして機会を持つていました。

33 (イ)責任について,なぜヱホバの証者は自分自身を見るべきですか。(ロ)御自分の証者がいたにもかかわらず,なぜヱホバは怒りを発してエルサレムを滅ぼしましたか。今日,同様な滅びの来る前に,ヱホバの証者は何をしなければなりませんか。

33 誰かがこの責任を果すのに失敗したことはたしかです。私たち証者たちは,はたして私たちがこの失敗に加わつているかどうかを調べるべきです。エレミヤの時代にヱホバは祭司と夢を語つた預言者の失敗を見ました。それらの者がいたにしても,ヱホバは危険に瀕した民のあいだに証者を存在せしめました。ヱホバは御自分の真の預言者を起して,彼らの口,特にエレミヤとエゼキエルの口に御自分の言葉を置きました。ヱホバは大多数の人々に対して怒りを発した為,エルサレムは滅びました『ヱホバの暴風あり怒りとつむじ風出でて悪人の首をうたん。ヱホバの怒りはかれがその心の思いを行いてこれを遂げ給うまではやまじ。未の日に汝ら明らかにこれをさとらん。』(エレミヤ 23:19,20)同様に今日でもヱホバは,ハルマゲドンでキリスト教国を滅ぼしつくしてしまうでしよう。しかし,エレミヤとかエゼキエルおよびヱホバの他の真の崇拝者たちのごときヱホバの証者は,ハルマゲドンに生き残ることを期待しています。しかし,最初に私たちはヱホバの証者としての任務を必ず為し遂げねばなりません。

34 キリスト教国が滅ぼされる前に,何が為されねばならぬと,ヱホバはエレミヤを通して語りましたか。

34 サタンの世のすべてともろ共にキリスト教国が滅びる前のいま,集める大きな業が為されねばなりません。このことについては,ヱホバはエレミヤを通して次のように予言しました,『我わが群ののこりたる者をその追い放ちたるすべての地より集め,再びこれをその牢に帰さん。彼らは子を産みて多くなるべし。我これを養う牧者をその上に立てん。彼らは再びおののかず,おそれず,また失せじとヱホバ言い給う。ヱホバいい給いけるは,視よわがダビデに一つの義しき枝を起す日来らん。彼王となりて世を治め栄え,公道と公義を世に行うべし。その日ユダは救いを得イスラエルは安きに居らん。その名はヱホバ我らの義と称えらるべし。』― エレミヤ 23:3-6。

35 ダビデの『義しき枝』として,ヱホバは誰を起しましたか。この者は,ヱホバは我らの義という名誉ある名前をどのように成就しましたか。

35 ヱホバは大いなる羊飼です。(詩 23:1)彼はこの地上にいる御自分の羊を世話されます。彼は羊飼 ― 王なるダビデを起し,また一つの『義しき枝』を起されました。その『義しき枝』は,イエス・キリストです。1914年,神は新しい世の王としての力を彼に与えました。そのことを証明する証跡は,増し加わつています。王なるイエス・キリストは支配しており,聡明な行いをいたしました。そして私たちの地,すなわちこの地上の霊的に復旧した状態に公道と公義を行いました。彼は私たちを現代のバビロンから救うことにより,霊的なユダを救いました。私たちを憎むこの世の中に私たちはいますが,彼は霊的なイスラエルをして安らかに住まわしめます。彼は,いま呼ばれている名誉の名前,すなわちヱホバは我らの義,またはヱホバは我らの立証者,を成就しています。(アメリカ訳)彼は神の義を私たちにもたらしました。彼は私たちをバビロンから救つた王であります。彼は世に向つて,特にキリスト教国に向つて次のことを示しました。すなわちヱホバ神は私たちと共にいまして,私たちを支えておられ,そして私たちは神とのあいだに義しい立場を持つており,神からの処罰を受けていないということです。私たちはヱホバに専心の献身を捧げ,妥協を排してこの世から離れている為,立証された立場を持つています。なぜなら私たちはますます神の言葉に一致即応し,この世に即応することを拒絶したからです。私たちの王と共にヱホバの宇宙至上権の立証に参加することは,私たちの最高の欲求であります。

36 なぜキリスト教国の支配者と牧師は,ヱホバが集めている羊を牧する為に起したものではありませんか。

36 しかし,ヱホバが地上で集めて居られるすべての羊に対する羊飼として,ヱホバは誰を起しましたか。政治支配者ではありません。また,キリスト教国の政治家たちと協調している宗教牧師でもありません。これらの者たちは人々を混乱せしめて彷徊させており,人々は何処に行くべきかを知らないのです。彼らは羊のような人々をヱホバの王,すなわちダビデの『義しき枝』にみちびいて居らず,また援助していません。地上の事柄についての彼らの取り扱いの結果,人々は恐れの状態に居り,諸国民は苦しみ悩んでいます。

37 ヱホバは集めておられるすべての羊の羊飼として,誰を起しましたか。彼らはどのように指導を行つてきましたか。

37 神の聖なる御名で呼ばれている制度,そして人々に神の聖なる御名を覚えさせようと一生けんめいに働いている制度を見るとき,ヱホバは約束された霊的な羊飼たちを起していると,私たちは悟ることができます。ヱホバは忠実にして良心的な監督と奉仕の援助者たちを起しました。ヱホバはこれらの者たちを用いて霊的な滋養物で御自分の羊を養い,彼らを正しいクリスチャン活動と,真の神の正しい崇拝にみちびきました。これらの者たちは,ヱホバの証者の会衆の者たちを野外にみちびき,キリスト教国の牧師がさまようままにまかせたすべての羊を見出さしめ,集めております。そのようにして彼らはヱホバの証者の群全部をして古今未曾有の最大の出来事,すなわち神の立証と人類の祝福をもたらす宇宙の首府制度なる神の御国の設立について全世界にわたる証言をなさしめているのです。

38 なぜエレミヤのように,私たちには畏怖すべき責任が課せられているのですか。

38 私たちには畏怖すべき責任が課せられています。私たちは神の御名で呼ばれることを受け入れました。そして神はキリスト教国の牧師に与えなかつたものを私たちに与えるという恵みを示されたのです,すなわちどんな人種,現在の宗教,国籍,皮膚の色,言語,あるいは社会的な階級にかかわりなく,すべての人々に対する救命の音信であります。私たちはエレミヤのようにこう言うことができます,『わが汝の為にはずかしめを受くるを知り給え。我なんじの言葉を得てこれを食えり。なんじの言葉はわが心のよろこび,たのしみなり。』― エレミヤ 15:15,16。

39 特に1919年以来,私たちは何をしようと努めましたか。昨年の業績から見るとき,どれ程直ぐ地上37億の人々に証言をすることができますか。

39 特に1919年以来,私たちは神の設立した御国の良いたよりを全世界に宣べ伝えようと努力して来ました。それは世界人口の3分の2を占める非クリスチャンにだけ伝道するのではなく,8億2000万人のキリスト教国の人々に対しても伝道いたします。牧師はそれらの人々に御国のことを知らしめず,むしろこの世の国際連合に人々をみちびいているのです。1957年の野外活動期間中だけでも,私たちはヱホバの証者のいる164の国や島々で家から家の伝道とか公けの伝道に1億13万5016時間を費しました。その時間の中,2000万以上の時間は興味を持つ人々のところに再訪問するため費されました。それで合計1億時間というものからして,毎時間1人以上の人が証言を受けたのです。次のことを意味します。すなわち昨年だけでも幾億という人々は120以上の言語により御国の証言を受けたことになります。これは,ひどい反対を受けても,また烈しい迫害のあるところでも為されたのです。もし全国民が戸を開放して,伝道が全く自由であるなら,ヱホバの御霊の助けを受けつつ,ヱホバの証者は設立した御国の良いたよりを地上27億の人々にすぐ知らせることができるでしよう! しかし,現状に即して,私たちは新しい場所で証言しようと努めています。

40 新しい証言の場所に入ろうと,なぜ私たちは努めつづけなければなりませんか。それで,現在の私たちにとつて,業については何があつてはなりませんか。

40 私たちはこのことをしなければなりません。このバビロン的な古い世の壁には,滅びをつげる前兆が表われました。それはサタンの世界制度全部の滅亡を告げるものです。この世と運命を共にすると決定したキリスト教国は,この世と共に滅亡を受けるでしよう。その受ける滅亡から比較すると,エレミヤ時代のエルサレム滅亡の恐ろしさなどは微々たるものに見えます。大きな滅亡の日がますます近づくにつれて,地上のあらゆる場所にいる無数の羊のごとき人々の生命は危険に瀕しています。私たちの責務は山羊のごとく注意を払わぬこの世に滅亡が来る時まで,この証言の業を一生懸命に為し行うことです。私たちは神の御意を為すことに献身しています。それですから,これはいま神の御意にしたがう私たちの業です。これこそ現在の私たちに課せられた業です。この業から私たちが転向することはなく,止めることはなく,手をゆるめることなく,ふたしかになることはなく,また内部における干渉もありません。

41,42 国際大会は,何をするのに最適の場合でしたか。それで,協会の会長は何をしましたか。

41 今日,ヱホバの恵みにより私たちはこの一つの調和した大会に集まりました。地の四隅から来て,かくも多くの国籍と言語で成り立つ私たち証者にとつては,世界情勢に対する私たちの立場について,また神の御意の啓発された理解が何であるかについて,さらにまた神より与えられた使命を為し行う際に将来に対する私たちの一致した目的が何であるかについて,これは一致した言明文をつくる最適の場合であります。これは,私たちが別れ去る前に言明をつくるため『なぜこの大会は決議すべきか』という理由であります。それは全世界に出版されるでしよう。それで私はペンシルバニヤのものみの塔聖書冊子協会会長に演壇をゆずります。会長の述べる言葉に私たちはみな一致して心から賛成いたします。

42 大拍手のうちに協会の会長は演壇に立ち,次の決議を提出しました。

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エヌ・エッチ・ノア

[448ページの図版]

エフ・ダヴリュ・フランズ

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