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巨大なカナダガン ― 渡り鳥の王者目ざめよ! 1977 | 2月8日
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の時期は急速に近付いていました。何とにぎやかなおしゃべりなのでしょう。わたしたちがあまり騒がしいので,みなさんは鳥類保護区でわたしたちを見つけると,世界問題でも討論しているのだろうと思われるかもしれません。しかし,そうではありません。わたしたちガンにも,シュー,ブーブー,ワーカム,カムカムカム,グウェッグウェッ,キャンキャン,キーキー,オウーといった大きい声などで成る“言葉”があるのです。危険を知らせるときにはシューシューとかクワーンと鳴き,満足しているときにはブーブーとかグウェッグウェッ,配偶者を呼ぶときはやさしくワーカムと何度も鳴き,ひなを呼ぶときはカムカムカムとやさしく鳴き,別の鳥に攻撃されたりかみ付かれたりしたときにはキャンキャンと叫びます。そしてもちろん,クワーンという響き渡る鳴き声はよくご存じでしょう。
わたしたち各自に生まれつき備わっている,渡りの時期を知らせる時計は,時を刻み続けました。ついに出発の時となり,わたしたちは力強く羽ばたいて,空中に飛び上がりました。それからすぐに,大抵二家族単位でV字型編隊を作り,冬のえさ場に向かって500㌔から600㌔余の最初の旅に出掛けます。カナダのマニトバ州,米国ミネソタ州を通り,ミシシッピ川沿いに飛んで,最後にはテキサス州のメキシコ湾沿岸にやって来ます。
移動中,最年長で最も賢い雄が群れの先頭になるのでしょうか。そうではありません。わたしたちが列を成して飛んで行くのをこの次ご覧になったら,注意深く観察してください,先頭の鳥が時折り,他の鳥と交代しているのが見られるでしょう。また,雌が先頭を飛ぶことも度々あります。後に続く仲間のために空気を“かき分ける”という骨の折れる仕事を交代で行なって,わたしたちは互いに休み合うようにしているのです。ほかの鳥は前の鳥の斜め後を飛ぶので,遠方まで見える約36個の目で,適当な休息地やえさ場,また太ったおいしそうなガンをねらっている人間を捜すことができます。わたしたちは射定距離からずっと離れているときでも,物陰に潜んでいる猟師のわずかな動きを突き止めることがよくあります。優れた視力と鋭敏な聴力が備えられているのです。
つがいになる
数か月すると,新しい本能,すなわち配偶者を見付けたいという衝動が起きました。好きな相手に向かって走って行き,頭を下げ,首を伸ばして,シューと鳴きながら意志表示をした時には,非常に興奮したものです。彼女が同じように答えてくれたとき,わたしたちは大変幸福でした。やさしく首をこすり合わせ,生後二年目で“恋人”となることに互いに同意し,その翌年につがいになるのを待ちました。その後の“結婚式”では,最初に雄が,それから雌が頭を水につけ,自分の背中に水を掛け,こうして,結婚のきずなが結ばれたことをすべての見物する仲間に知らせます。そして,わたしたちは一生涯,つまり人間のことわざにあるように「死によって分かたれるまで」,配偶者から離れません。
こうして考えてみると,わたしたちガンには,種々の興味深い特性があると思われませんか。また,ガンは容易に飼い慣らすことができます。そして神を恐れる人間から愛ある支配を受けることは,わたしたちにとっていつも喜びです。
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『小石をもって歯を砕く』目ざめよ! 1977 | 2月8日
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『小石をもって歯を砕く』
● エホバ神の許しによってエルサレムがバビロニア人の手に陥った結果,この不忠実な町に臨んだ災いのひとつは,エレミヤ哀歌 3章16節(口)にこう描写されています,「彼は小石をもって,わたしの歯を砕き…」。ユダヤ人の聖書解説者の説によると,この事はイスラエル人が流刑の民となって引かれて行く途中で起きました。彼らは地面に掘った穴の中でパンを焼くことを余儀なくされ,そのためパンには砂が混ざるようになりました。このようなパンを食べる人は歯の一部を砕くことになったかもしれません。
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