ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 塔83 9/1 3–7ページ
  • 不法が増す ― 世の終わりのしるしですか

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 不法が増す ― 世の終わりのしるしですか
  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1983
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 過去の時代 ― どれほど悪かったか
  • 産業革命
  • 都市の急激な成長
  • 大戦
  • 現在見られる不法の大波
  • 不法
    聖書に対する洞察,第2巻
  • 不法の増加 ― なぜか
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1974
  • 予告された世界の滅びはいつ来るか
    真の平和と安全 ― どのように見いだせるか
  • 終わりの日
    聖書から論じる
もっと見る
エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1983
塔83 9/1 3–7ページ

不法が増す ― 世の終わりのしるしですか

「あなたの臨在と事物の体制の終結のしるしには何がありますか」。

この質問に答えてイエス・キリストは,歴史上,国際的な戦争・食糧不足・地震を著しい特色とする期間があることを明らかにされ,さらにこう言われました。「また不法が増すために,大半の者の愛が冷えるでしょう。しかし,終わりまで耐え忍んだ人が救われる者です」― マタイ 24:3,7-13。

不法の増大,このような事の展開はまさに脅威となります。なぜなら,原語のギリシャ語の言葉は,既知の神の律法が侮られることを示唆しているからです。この言葉の主旨は,神ではなくて自分自身を生活の中心に置くということです。イエスは,不法が『始まる』と言われたのではなく,「増す」,つまり不法が増え広がると言われました。特徴となるこうした状況があまりにも著しく進展するので,クリスチャンであると公言する人々の大多数つまり「大半の者」が影響を受けます。神と神の律法および隣人に対するそれらの人々の愛が冷えるのです。それはあたかも,氷のように冷たい一陣の風で温かい飲み物が冷めてしまうのに似ています!

有力な証拠からすれば,イエスが上記の言葉を述べられて以来どの時代にも増して大規模に不法が増大したのは20世紀になってから,特に第一次世界大戦以降のことです。であれば,わたしたちは「終わりの日」つまり「事物の体制の終結」の最終部分に住んでいることになります。(テモテ第二 3:1。マタイ 24:3)この地球を暴力,不道徳,不正で満たしてきた現在の不法な体制の終わりを,読者は切望しておられるのではありませんか。義の宿る「新しい地」つまり愛に満ちた人間社会がそれに取って代わるのを見たいと切望しておられるのではありませんか。―ペテロ第二 3:13。

『ちょっと待ってください。20世紀は,歴史全体を通じて最も文明が発達している時代ではないか。これまでの幾世紀ものむきだしの暴力や不道徳のほうがずっとひどかったのではないだろうか』。歴史学者の中にはこのように言う人もいます。

過去の時代 ― どれほど悪かったか

1785年に,ロンドンの法務次官は次のような嘆きをもらしました。「日が暮れてから通りを歩いても自分の身は安全で持ち物に危険はないと思える人などいないし,寝床の中なら安全だと言える人もいないだろう」。当時,犯罪に非常な恐れを抱いていると言った人はほかにもいました。

では,昔には実際にどれほど多くの犯罪が起きていたのでしょうか。確かなことはだれにも分かりません。それは主として,裁判の記録が不備なためです。また信頼できる,もしくは明確な人口統計がないので,人口に対する犯罪発生率を今日の発生率と比較する確かな方法がありません。しかし,昔は比較的平穏だったことを示す事柄が幾つかあります。米国のマサチューセッツ州法務長官は1859年に,「生命,自由,財産が今日ほど安全だったことはマサチューセッツ州の歴史上いまだかつてない」と報告しました。

ところが,1914年に先んじる150年間に,歴史上かつてなかったような一連の出来事により,20世紀に不法が先例のないほどはびこるおぜん立てができました。

産業革命

「人類の歴史全体を通して最も徹底的な影響を及ぼした革命」。歴史学の教授M・クラインとH・A・カンターはその共著「進歩のとりこたち」の中で,1850年から1920年にかけて産業革命が米国に及ぼした影響をこう論じました。蒸気機関のような新たに開発された機械や大量生産の技術を産業で大々的に利用することは英国で始まりました。それは津波のようにヨーロッパと米国全土を席けんし,それまでの生活様式を打ち壊してしまいました。

産業革命前の時代について考え,クラインとカンターは続けてこう述べています。「我々の時代と比べて,生活はもっと規律正しく安定していたようだ。人々は依然として宗教を重んじ,自分たちの信条を価値基準や生活様式の中心に据えていた」。

当時の人々は,ほとんど自家営業で,自分の仕事に誇りを持っていました。お金を得ることを仕事の唯一の目的としてはいませんでした。泥棒や人殺しがおり,一般の信仰心には魔術や迷信が混じっていましたが,いわゆるキリスト教の国々の普通の人は大抵神の律法を重んじました。

1880年から1913年の間に,世界の工業生産は,世界人口より3倍も速く増加しました。これほどの増加率が見られた時代は後にも先にもありません。その結果,新たに生産されたそのような物品を購入するお金をこれまで以上に持つ労働者が多くなりました。ところが,多くの人は,「無一文から大金持ちになった」という話に夢中になり,成功を女神のように崇拝しました。

「富もうと思い定めている人たちは,誘惑とわな……に陥り,……ある人たちはこの愛を追い求めて信仰から迷い出……たのです」と聖書は警告しています。(テモテ第一 6:9,10)大勢の人にこのことが起きました。男性は仕事を生活のすべてにしました。生活が週約60時間労働というスケジュールを中心としたものとなったため,家族生活が損なわれました。労働力人口に女性も多く加わると,子供たちは往々にして導きを与えられず,非行に走りました。生計を立てることに打ち込むあまり,宗教を二の次にする人も少なくありませんでした。

大きな影響を与えたドイツの哲学者ニーチェは,「自分なりに生きよ!」と勧めました。利己心と貪欲さから激しい労働争議が起こり,1916年の上半期だけでも米国で2,093件のストライキと工場閉鎖が行なわれたのです。血も涙もない商習慣が一般的になりました。多くの人は,1905年のある小説の中で次のように描かれている商人に見倣いました。「あいつは一番大きな犬だ。我々の商売は犬が犬を食べるような,同族相はむ激しい競争の世界だ」。実際,隣人への愛は至る所で冷え始めました。

都市の急激な成長

教育,名声,冒険,娯楽,より多くの個人的自由,そして何にも増してお金を得ようとして,大勢の人が都市に群がり集まりました。1815年当時,人口10万を超える都市に住んでいた人はヨーロッパ人全体の2%足らずでしたが,1910年までにその数字は7倍以上に増えて15%になっていました。一方,人口は2倍になっていたにすぎません。米国では,人口8,000人以上の町に住む人の数は1790年当時13万1,000人だったのが,1890年には1,800万人を超えるまでに伸びていました。その割合は全人口の3%から29%に増えていたのです!

工業国のいたる所で都市があっという間に成長しました。「事実,過去1世紀半に都市化の波は世界史のそれ以前のどの時代におけるよりもはるかに速いテンポで進み,はるかに大きな規模に達した」と,都市発達に関する研究の権威者キングスリー・デービスは書いています。―下線は本誌。

農場から都市に出て来た人の大半は若い独身者でした。都市では自分のことが周囲に知られておらず,因習にほとんど縛られない精神があり,それらの若者は村の社会的関係にもはや束縛されませんでした。洞察力の鋭い一観察者はある都市の労働階級について,「17歳を過ぎた若い男女で純潔な者を見つけるのは困難であろう」と書きました。この観察者は20世紀初頭の人ですが,さらにこう付け加えています。「性関係は,多くの場合これらダンスホールの産み出す実であり,今日の若者の間で非常に盛んに行なわれるようになっている。そして,自然で普通のこととごく単純に考えられている」。

このように,多くの人は道徳に関する神の律法を侮っていることを示しました。聖書はこう命じています。「淫行を避けることです。……無視する者は,人間ではなく,……神を無視しているのです」。(テサロニケ第一 4:3,8)ところが,ヨーロッパの若者の中には,男らしさを示そうとして,売春婦と寝ることを自慢し,売春婦から性病をうつされようものなら得意にさえなる者がいたのです! 1914年に発行された,ヨーロッパのある国に関する研究によれば,その国の男子はおよそ5人に一人の割合で梅毒にかかっていたということです。

「不道徳の温床は都会であるに違いない」と,歴史家のアドナ・ウェーバーは1899年に書いています。また,ヨーロッパの多くの地域では都市の私生児の出生率が平均して,農村部の2倍であることを示しました。当時英国では,都市における犯罪が農村地帯の2倍あるいは4倍も多くなっていました。

しかし,20世紀の不法の増大のきっかけを作ったのは,産業革命と都市の発達だけではありませんでした。別の出来事 ― これもまた現代特有のもの ― が劇的効果を持つことになっていたのです。

大戦

1914年にぼっ発したこの戦争は,それまでの「人類史上で最も血なまぐさく,最も高くついた戦い」と呼ばれました。恐ろしいその不法行為に加わった主要な国は“キリスト教”の国々でした! 1914年のある新聞に寄せられた手紙は,その戦争の残虐行為に関し,皮肉混じりにこう抗議していました。「諸国家はクリスチャンらしく,あるいは少なくとも紳士らしく戦うべきだ」。

その戦争によって,暴力行為は許されるものとみなされるようになりました。僧職者のチャールズ・パーソンズは1917年に次のように書きました。「文明社会の決まりがしばらく停止され,人を殺すことが一種の仕事となり,武勇や英雄的行為のしるしとなる時に,通常の意味で犯罪について語ることはほとんど無意味に思える」。D・アーチャーとR・ガートナーという二人の研究者は第一次世界大戦の参戦国を分析して,そのほとんどの国で,殺人の発生率が「戦後実質的に増加」を見たことを明らかにしましたが,それも驚くには当たりません。戦前に比べて,イタリアでは52%,ドイツでは98%も増加しました! しかし,戦争は別の種類の不法の原因にもなりました。

エホバ神は『離婚を憎む』方で,聖書的な理由もなく配偶者を捨てて再婚することを重大な罪とみなしておられます。(マラキ 2:16)第一次世界大戦の後,離婚が空前の増加を見ました。例えば,1911年より前の50年間に英国のイングランドとウェールズでは毎年平均516件の離婚が起きていました。終戦直後の1919年の離婚件数は5,184件でしたが,これはそれまでの50年間の平均を10倍も上回るものでした!

戦争で6,500万人の男子が動員され,多くの人を長年にわたって家族から引き離しました。歴史家のG・ラウンツリーとN・H・キャリアによると,「1914年から18年にかけての大戦による異常な緊張と強制的別居」は離婚率を高めただけでなく,知らぬ間に,「離婚を非とする一般の考えを幾分変え」ました。この二人は,また,「戦後にでき上がった比較的自由主義的な態度はその後もずっと保たれているようである」と語っています。この寛容な態度はその当時に生じて,今日まで続いているのです。

このように,“クリスチャンである”国民が工業都市に殺到したことと,第一次世界大戦を通して人々が身にしみて教訓を受けたこととが相まって,不法が未曽有の規模で増えるおぜん立てができました。1914年以来どんな結果が見られているでしょうか。クリスチャンと公言する人々の大半の者の愛は本当に冷えましたか。

現在見られる不法の大波

1945年当時,米国の人々の中で,警察に通報された犯罪の合計が156万6,000件に上ったことに驚いた人は少なくありませんでした。ところが,35年後にはそれが1,329万5,000件に達し,まだ増え続けているのです。これは750%の増加に当たります。一方,人口の増加は約60%にすぎませんでした。婦女暴行の増加は何と600%を上回りました。暴力犯罪一般は,実に900%近くも増加しました。考えてもみてください,1981年には,3世帯のうち1世帯が何らかの形で犯罪の影響を受けたのです。しかもこの傾向は米国だけにとどまりません。第一線の犯罪学者,レオン・ラズィノウィッツ卿は自著「犯罪の増加」の中で次のように書いています。「世界的な観点に立って犯罪を見つめて目に付くのは,いたる所で広範囲かつとどまるところを知らない増加が見られることだ。例外もあるが,それらは非常に際立った存在となっており,それとても上げ潮のような傾向にのみ込まれるのは時間の問題であろう」。

昔よりも徹底して犯罪を警察へ通報するようになったので増加しているだけのことなのでしょうか。その答えを得るため,ハーバート・ジェイコブ博士を主任とする,ノースウエスタン大学都市問題政策研究センターの一チームは,米国の396都市における1948年から1978年にかけての犯罪に関する統計,警察の経費と手法,逮捕率その他の多くの情報を分析しました。本誌の代表者との会見でジェイコブ博士は次のように述べました。「報告されている犯罪の発生率は米国のどこにおいても急激に増加しました。確かに,警察が優秀になり,市民が犯罪を通報することが一層徹底したこともその理由の一部になっています。しかし,それだけを増加の理由にすることはできません」。

ジェイコブ博士はさらにこう続けました。「驚くべきことは,どんな種類の都市でも犯罪がほぼ同じ率で増加したことです。つまり,北部の都市であろうと南部の都市であろうと,衰退しつつある都市であろうと発展している都市であろうと,少数民族が大勢いる都市であろうと少ない都市であろうとほとんど変わらないのです。それは,全国的な傾向でした」。警察はそのような不気味な傾向を抑えることができるでしょうか。「警察にはどうすることもできない幾つかの社会的な力が働いているため,警察力は一般に役に立ってきませんでした」とジェイコブ博士は答えました。

言うまでもなく,不法が増していることを示すのは犯罪だけではありません。神の律法が一般に無視されている様にちょっと目をやるだけで十分でしょう。米国の私生児の出生率は,1940年当時1,000人の独身女性に対して7.1という割合でしたが,1979年には27.8と比較にならないほど高くなりました。離婚件数も1910年には8万3,000件だったのが,1980年には118万2,000件と急激に増えました。これは実に1,300%の増加です。1910年当時,離婚は1年間に11組の夫婦につき一組という割合であったのに対し,現在米国では二組のうち一組が離婚に終わっているのです。同様の傾向は世界中で報告されています。

20世紀に行なわれたぞっとするような残虐行為のことも考えてください。第二次世界大戦中綿密な計画のもとにナチの強制収容所で600万人のユダヤ人が処刑されましたが,人間の全歴史を通じてそれに匹敵するほどひどい行為の行なわれたことがあったでしょうか。あるいは,同大戦で合計5,500万の死者が出たのに匹敵する出来事があったでしょうか。もっと最近のことに目を向け,200万を超えるとも思われるカンボジア人の大量殺りくについて伝える1979年の報告を考えてみてください。広島に投下された原子爆弾のように,一発で結局は14万人もの人を殺したと考えられる兵器を開発し,かつ使用した世代がほかにあったでしょうか。

神の律法が侮られていることをさらに詳しく挙げようとすれば,誌面が足りません。しかし,これまでにすでに述べた事柄から,1914年以来,歴史のどの期間にも見られなかったような規模で不法が増していることがはっきりと分かります! 確かに,イエスの追随者であると公言する人々の大半の者の間で,神と隣人への愛は冷えています。正にイエスが予告された通りです。

しかし,このような増大する不法によって自分たちの心が影響を受けないようにしましょう。神と神の律法に対する愛が冷めないようにしてください。そうするなら,救われて,約束された「新しい地」に入るという喜びを自分のものとすることができるでしょう。その「新しい地」においては,不法に悩まされることは二度と再びありません。―ペテロ第二 3:13。マタイ 24:12,13。

[6ページのグラフ]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

米国の通報された重大な犯罪の合計は1935年から1980年までの間に1,000%あまりも増加した。その間の人口の増加はわずか78%ほどにすぎなかった!

1935 1,138,000

1950 2,220,000

1965 2,780,000

1980 13,295,000

[クレジット]

資料: 殺人,婦女暴行,強盗,加重暴行,住居侵入,窃盗および自動車泥棒の合計に関するFBI犯罪統一報告書。1935年と1950年の報告は不完全であるため,数字は総人口と照らし合わせて調整されている

[5ページの図版]

産業革命

第一次世界大戦

都市の急激な成長

現代に特有のこれらの出来事は,全歴史を通じて最もひどい不法の増大の一因となった

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする